岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第13回】アドウェイズ岡村が本気でハマったアプリとは?

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。

ここまで読者の質問に答えることなく第13回目を迎え、今日こそはと質問をぶつけようとすると、またもや岡村からどうしても話したいことがあるという。それは、岡村がハマっているアプリの件だった。

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 岡村の業務に支障が出るほどハマっているアプリとは?

高山:最近、お気に入りのアプリがあると聞きました。せっかくのスマホを、ほとんど通話にしか使わない岡村さんにしては珍しいなと。本当にアプリにハマってるんですか?

 

岡村:はい。平日は2時間、休日は4時間使ってます。

 

高山:。で、そのアプリは何なんですか?

 

岡村:サイバーエージェントのAbema(アベマ) TVですよ!これ、20以上の番組が観られるインターネットテレビ局なんですけど、僕が大好きな麻雀と釣り番組が24時間、無料で見放題なんですよ!! 

 

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このくらいハマってる!と身振り手振りで表現する岡村だが、寝不足感がその中毒具合を一番よく表現している

 

高山:すげーテンション高いですね()。小耳に挟んだんですけど、会議中にも使ってるらしいですね

 

岡村:え、バレてたんですか。わからないように机に置きながら観ていたんですけど

 

高山:姑息!! 僕、岡村さんとの会議中にfacebookしてるの見つかって、ボコボコにされた経験あるんですけど。「俺との会議中に携帯を見ることは許さねえ!出戻り5回までに並ぶ、アドウェイズ鉄の掟だ!」って。あれ、一体なんだったんですか。

 

岡村:本当に申し訳ありません。15年続いた鉄の掟を自ら破ってしまいましたし、業務に少し支障が出始めているのも否めません。全部、このアプリ、いや、仕掛け人の藤田社長のせいなんですよ。

 

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「会議中に携帯を見るべからず!」という、アドウェイズ鉄の掟を自ら破った岡村だが、その態度にはまったく反省の色が見られない。これがAbema TVの魔力か...

 

高山:藤田社長って言いたいだけじゃないですか()

 

岡村:そんなことないですよ。このAbema TVの画面、よーく見てください。番組選択メニューで、「釣り」と「麻雀」が並んでるんですよ! これっておかしくないですか? 

 

高山:まあ、普通は「釣り」の次は海つながりで、マリンスポーツとかサーフィンだったりしますね。

 

岡村:でしょ!なのに、この2つが並んでるのって、藤田社長が僕のためにこのアプリを作ったんじゃないかって、勘ぐりたくなりますよ!

 

高山:ないないない()。まあ、とにかくハマりまくってるってことですね。

 

岡村:はい。万が一、Abema TVのサーバーがダウンしたら、うちのエンジニア総動員してもいいくらいです。

 

f:id:okuri_bunt:20160610002714j:plain藤田社長の考えは手に取るようにわかる!と豪語する岡村。繰り返すが、サイバーエージェントの採用には3度落ちている

Abema TVのすごいところ

 

岡村:やっぱり地上波TVって、お茶の間で広く楽しめることを優先しないといけないから。結果、最大公約数的なつくりなので、尖った企画やニッチを扱う番組が少ないですよね。ましてや、このご時世ですから、クレーム対策で視聴者に気を遣ったものばかりで、高山さんみたいに、どんどん丸みがある企画ばかりになって、高山さんみたいに、コンテンツがつまらなくなってますよね。

 

高山:。お言葉ですが、僕は体型に丸みが増すほど、面白みが増していると周囲から言われます。

 

岡村:(無視して)要するに、番組にファンがつかなくなってるんじゃないかと。僕自身も地上波のTV番組に熱狂するということが、なくなっちゃったんですよ。その点、Abema TVは「麻雀」や「釣り」など、かなり番組のターゲットを絞ってるので、ファンがつきやすいし、コミュニティが生まれやすいと思うんですよ。

 

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岡村のiPhoneのDOCK。4つ入るにも関わらず、長らく通話アイコン単体だったが、Abema TVが増えた。「なにこれすげーこんなのはじめて」なDOCである

 

高山:(Abema TVの「麻雀」番組表を見ながら)「マンスリーリーグ」とか「プレミアリーグ」とか、まるでサッカーみたいになってますね。これ、地上波TVで流しても、ほとんどの人が楽しめませんね()

 

岡村:麻雀は開催されてる大会の数がすごい多いんですよ。でも、地上波で放送されることはないので、今まではDVDで借りるしかなかったんです。ちなみに、プレミアリーグには藤田社長が参戦してるので、姿を見る機会が多くなって本当に嬉しいですね。

 

高山:結局はそこですか()

 

岡村:ひとつひとつの番組はニッチかもしれませんけど、インターネットTVは番組数に制限がないので、100でも1000でも無限に作れますよね。Abema TVは、それぞれのユーザーにマッチした番組を配信してくれる、夢のようなTV局になるんじゃないかと思ってますよ!

 

高山:サイバーエージェントが一社提供した「フリースタイルダンジョン」のヒットがあるので、ニッチな番組作りも期待ができそうですね。

 

岡村:本当にさすがですよ。でもラップって、ちょっと話すのが早くないですか?もう少しだけ、ゆっくりやってくれたらいいのになあと。

 

高山:身も蓋もないこと言わないでください。

 

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珍しくUIに意見をする岡村。コメントを覧を表示すると、画面のドラを表示する牌が見えなくなるとご立腹だったが、2016年6月10日現在、岡村の想いが通じたのか改善されたようだ

 

Abema TVにはTVの常識が通用しない!

 

岡村:AbemaTVCMの長さが絶妙なんですよ。

 

高山:地上波のCM1分ですけど、何分なんですか?

 

岡村:15秒なんですよ。だから、地上波の感覚のままで、その間にアレコレしてると、「ああ! 進んじゃってる!! 見逃したっ!」って痛い目にあうんで。Abema TVを観るには今まで以上の集中力と忍耐力が必要ですね。 トイレにすらいけません。

 

高山:ちなみに、進んじゃった分は巻き戻せないんですか?

 

岡村:。僕はプレミアム会員なので戻せますね。集中力の話は発言を撤回します。

 

高山:スマホだから、トイレまで持っていけますよね?

 

岡村:。持っていけますね。トイレの話も発言を撤回します。

 

高山:いつでもどこでも気軽に楽しめるってことでいいでしょうか。

 

岡村:はい。ただ、15秒なんでCMだけど観てようって気持ちになれますね。広告効果は高いと思います。

 

 

Abema TVを絶対に成功させたい!

 

岡村:海外ではNetflixHuluなどがヒットして、動画配信サービスも盛り上がってますが、日本ではまだまだ。で、そこに賭けてくる藤田社長はさすがだと思うんですよ。麻雀のときでも到底考えられない打ち方をしますから、最強位の勝負勘は、やっぱり常人では計り知れないなと。

 

高山:僕は岡村さんから、常人では計り知れない藤田社長への想いを感じますが…()

 

岡村:当たり前ですよ! 日本のインターネット広告市場を創ったといえる藤田社長が、今度は新たにAbema TVというプロダクトを通じて、インターネット動画広告市場を創出するんですよ! Abema TVはまだ赤字だと思うんですが、要望があろうがなかろうが、全広告代理店が連合を組んで広告を販売、早期黒字化を目指すべきです。Abema TVにはいろんな人の夢が詰まってるんです。絶対に成功させたい!

 

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業界の夢を語る岡村だったが、いつの間にか夢の世界へ...。睡眠時間を削ってAbema TVを観ているに違いない...

 

高山:まずは、この「岡村陽久の勝手にしやがれ!」をAbema TVに出稿したらどうですか?

 

岡村:したい! まだ広告の販売は本格的にやってないと思うんですけど、営業マンが来たら絶対に買います。約束します。

 

岡村からの提案とは!?

 

岡村:実はAbema TVに提案があるんですよ。

 

高山:提案ですか?

 

岡村:麻雀番組に一般人代表のコメンテーターとして呼んで欲しいんです! 今の解説はちょっと玄人過ぎるんですよね。なので、素人が「あれ?どうして?」って気になるところをドンドン僕が拾って、解説のプロ雀士さんに説明を求めることで、プロと素人の差を埋める役割を果たしたいんですよ。

 

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Abema TVの広告宣伝に限り、自由にこの写真を使ってよいそうです

 

高山:でも、岡村さん忙しいんですよね?

 

岡村:どんな約束があってもズラします。

 

高山:たとえ株主総会でもですか?

 

岡村:はい。株主も本望でしょう。

 

高山:Abema TV様、岡村へのオファーをお待ちしております。ギャラは初回は無料です()

 

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ハマりすぎて寝不足バージョン。Abema TVの広告宣伝に限り、自由にこの写真を使ってよいそうです

 

編集・構成:小沼朋治

写真:上野朝之 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【第12回】アドウェイズ岡村が、日清のCMにひと言!「とんでもない会社ですよ!」

2016年4月14日(木)夜、ならびに4月16日(土)深夜に発生した熊本地震により、被災された方々や、被災地にご家族や友人のおられる方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地の方々への救援が一刻も早く行われ、一日も早い被災地の復興を心よりお祈り申しあげます。

 

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。

 

ここまで読者の質問に答えることなく第12回目を迎え、今日こそはと質問をぶつけようとすると、またもや岡村からどうしても話したいことがあるという。それは、日清カップヌードルの件だった。

 

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WEBデザイン業界で耳にする「1ピクセルへのこだわり」はまったく興味がないが、お湯は注ぎ線から「1ミリ下へのこだわり」に対しては、ものすごい執着がある

 

高山:日清のカップヌードルの件で話があると聞きました。

 

岡村:インスタントラーメンといえば、日清「カップヌードル」一択。めちゃくちゃ大好きで、中学生の頃から食べ続けてます。

 

高山:そうなんですね。

 

岡村:しょうゆ味9割の、シーフード味1割ですね。

 

高山:えーと、今日はCM放送中止の件で、話があると聞いたんですが。

 

岡村:観ました、あの映像? めちゃめちゃ面白いですよね。日清はやっぱり、すげー!と。どうりで美味いラーメン作るわけですよ!

 

高山:でも、世の中の人はそうは思ってないようですね。クレーム殺到したらしいですから。

 

岡村:は? あのCM観て、高山さんは驚かなかったんですか? なにこれ、すげー!こんなのはじめて!って具合に。インスタントラーメンは、カップヌードルしか食べないくらい、本当に大好きなんですけど、今回の件でますます日清が好きになりましたよ。

 

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岡村曰く「3分待つと、食べてる途中で麺が伸びる。2分半から食べ始めると、最後まで美味しく食べられる」。カップヌードル専用のマイストップウォッチは、しょうゆ味に合せて赤を選んだ

 

高山:率直に言えば、これ炎上しそうだなーって思いました。ゴーストライター騒動の新垣さんのほか、不倫で話題になった矢口さんまでもがキャスティングされていたので。

 

岡村:これだけ美味いラーメン作る実力があるわけですから、当然、「OBAKA's UNIVERSITY」シリーズのCMのリスクが高いのは十分わかってたと思うんですよ。

 

高山:でも、事前に予測していた割には、あっさり放送を取り止めてますね。

 

岡村:おそらく思ってた以上のクレームが来たんでしょうね。カスタマーセンターだけではなく、卸先のスーパーやコンビニにまで波及して、中止せざるを得なかったんではと。

 

高山:それは誰かに聞いたんですか?

 

岡村:いいえ、カップヌードルが大好きな自分の勝手な解釈です。

 

高山:はい(笑)

 

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カップヌードルへの真っ直ぐな想いがつぶらな瞳に現れている。「麺が伸びる」ということで、取材を中断して見守ることに

 

岡村:たとえ法律で禁じられていなくても、不倫は道徳的に良くない。TVという公共の電波に出演させるなって言うのは、もっともな言い分ですよ。一方で、過ちをきちんと反省した人に、もう一度チャンスを、立ち直るきっかけを与えるって当たり前のことですよね。矢口さんの場合は、もう3年も前の話ですよ(笑)。

 

どちらも正論なのに、なぜ後者だけはいつまでたっても認められないのか。僕はそれが不思議でしょうがないんですよ。広く迷惑をかけたのは事実かもしれませんけど、不倫で言えば仕事関係者や当事者間の話だから、それに対して第三者が、未だ執拗に怒り続けるのって変ですよね。

 

高山:そういう意味では、日清は正論を主張しただけですよね。

 

岡村:正論を振りかざすなら、正論に理解を示すべきだと思うんですけど、決してそうじゃないのが今の日本。引きずり降ろしてボコボコにして、失敗した人を2度と立ち上がれなくする。結局は、みんな気分で怒ってるんじゃないかと。批判や見解を述べることは非常に健全な行為ですけど、目的が単にストレス発散になっちゃったら、皿割ってスッキリするゲームと変わらないじゃないですか。結果、失敗を恐れて誰もチャレンジしない世の中になりつつあると思うんですよ。それってヤバくないですか?

 

高山:今の日本は、かなり失敗に敏感な感じになってますね。

 

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具の順番へのこだわりがある岡村。えび→コロコロ焼豚→たまごの順番を「クリーンナップ」と名付けている

 

岡村:批判したもん勝ちの世の中じゃ、萎縮しちゃって何もできなくなるじゃないですか。結果、日本から面白いものが生まれない、日本が世界で勝ち残れない。ラーメン売る売れない関係なしに、日清は覚悟を持って、あれだけのCMを作って、今の日本を少しでも変えようとしたんですよ。

 

高山:そのメッセージをガッツリ受け取ったんですね。ちなみに、それは誰かから聞いたんですか?

 

岡村:いえ、勝手な解釈です。

 

高山:はい。

 

岡村:ちなみに、車でホームタウンの歌舞伎町に向かう際は、青梅街道から明治通りを左折、そこから細い路地へと入っていくのですが、その時、右手に見える日清本社を、今まで以上に誇らしく感じています。

 

高山:はい。

 

岡村:アドウェイズの経営陣は全員、自分を含めて過去に大失敗を経験してます。失敗から学ぶことを恐れずに、これからも頑張っていきますよ。

 

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尊敬する、サイバーエージェント藤田社長と一緒に、「カップヌードル」を食べるのが夢だという岡村。ひとまず高山が名乗り出たが、ただ食べたかっただけであろう、、、取材陣全員で食べました

  

岡村:最後にですが、藤田社長、Abema TV開局おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。僕は釣りが大好きなのですが、地上波のTVで観ようと思うと、ピンポイントの時間帯でしか放送されていないため、うっかり見逃すことが多く、悔しい思いをしてきました。しかし、Abema TVが開局されたおかげで24時間、釣り番組を観られるようになり、インターネットが、より楽しくなったのを実感しています。広告があればクリックしますし、コマースが始まればすぐに買います。それほど、いまAbema TVにハマっています。かなりチャレンジングな事業で、様々な批判もあると思いますが、リスクを背負って勝負する藤田社長とCAの姿勢に、いつも勇気をもらっています。

 

編集・構成:小沼朋治

写真:上野朝之

【第11回】岡村陽久&小渕宏二の「出張!リアル勝手にしやがれ」in福岡

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株式会社おくりバントが鋭意制作しております「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」ですが、我々の知らぬ間に、ネット業界の招待制カンファレンスB Dash Campにて、勝手にリアルイベント「勝手にしやがれ特別版」として企画され、勝手に開催されておりました。そこで急遽、勝手に予定を変更いたしまして、勝手に入手したイベント当日の録音テープをもとに、勝手にダイジェスト記事にさせていただきました。

 

B Dash Camp 2016 Spring in福岡201633日開催)

 

スピーカー 

クルーズ株式会社 代表取締役社長 小渕宏二

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長CEO 岡村陽久

 

司会

B Dash Ventures株式会社 西田隆一氏

 

小渕「もっとまじめな企画で呼んで…」

  

西田隆一氏(以下、西田):これはWEBの不定期連載で岡村さんが適当に悩みに答えるというすごい面白いWEBサイトがあるので、それをリアルにここで再現しようということで今回この企画をやっています。岡村さんがそのまま答えると、なかなか成立しないんじゃないかということで、猛獣使いのようにクルーズの小渕さんに、今回一緒にご登壇いただくということで進めさせていただきます。

  

小渕宏二氏(以下、小渕):じゃあ、よろしくお願いします。異色の組み合わせでのセッションの始まりなんですけど、西田さん、僕もっとまじめなスピーカーとモデレーターできるんで、次はそういう仕事をぜひお願いします(会場笑い)。

 

西田:これは真面目なセッションでは…。

 

小渕:真面目です、真面目です。真面目にはやります(笑)。ただ、さっきから会場を歩いてるとですね、期待してるとか面白そうだねとか、たくさんの方から声かけてもらってるんですけど、おそらくなんの役にも立たないし、立つつもりもございません(会場爆笑)。

 

岡村さんが悩みに全力で答えていく、それだけのコーナーであります。この後のディナーのいいネタになればいいな、ということで始めますので(笑)。では、たいへんおまんたせいたしました! 始めましょう! ただし、「勝手にしやがれ」なので、あくまでも勝手にやらせていただきます。よろしいでしょうか、岡村さん?

 

岡村陽久(以下、岡村):えー、勝手にしやがれ(棒読み)

 

小渕:岡村さんの話が長ければ、途中で勝手にカットさせていただきます。それでよろしいでしょうか?

 

岡村:勝手にしやがれ(棒読み)

 

小渕:途中でタバコを吸いたくなったら勝手に吸わせていただきます。それでよろしいでしょうか、岡村さん?

 

岡村:勝手にしやがれ(笑)。

 

小渕:相談内容が面白くなかったら勝手に変更させていただきます。いいですか?

 

岡村:はい、勝手にしやがれ(棒読み)

 

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「もっと真面目なセッションで登壇したかった」と悔しがるクルーズ小渕社長。事前の岡村との打ち合わせのせいか、すでに少々「岡疲れ」(岡村の勝手さに疲れる症状)の様子だ

 

小渕:ということで、事前にみなさんから6件ほど相談内容をいただいております。当然なんですけど、勝手に変更させていただきました(会場笑い)。それでは本題に入りましょう! 

 

これ、事前に会場の方からいただいたみたいなんですけど、勝手に変更させていただいてます。若手のベンチャー企業の方、10名くらいからランダムに質問いただいて、その中から岡村さんが、かろうじて答えられそうだなという質問だけピックアップしています。そうは言っても、後ほど質問コーナーというのも用意してますので、サクサク進めたいなと思います。

 

できるエンジニアは「顔採用」!?

 

小渕:相談その1、岡村さんから悩みに切り込んでもらえればなと思うんですけど、若手起業家Aさんからいただいたお便りですね。

 

<相談その1>

「立ち上げて間もないのですが、創業メンバーをどうするか悩んでいます。どうやったら優秀な創業メンバーを集められるでしょうか? また、そのとき選ぶ基準として大事なことはなんですか?」

 

小渕:岡村さんのところも2000年からアドウェイズを創業されて。

 

岡村:はい、そうっすね。2000年から。

 

小渕:僕の勝手な印象なんですけど、ネット業界広しといえども、これだけ優秀な方が揃ってる会社は他にないだろうなと思うくらい、優秀な方が多いですよね? まあ、そうじゃないとアドウェイズは成り立たないと思うので。

 

岡村:わはははは!

 

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セッション冒頭、「勝手にしやがれ」を4回唱えたことで緊張がほぐれた様子の岡村。兄貴と慕うクルーズ小渕社長との絡みが楽しすぎるのか、コブシに力が入る

 

小渕:では、岡村さん悩みにビシッと答えてください。

 

岡村:創業当時、僕がやっていたことなんですけど。インターネットの広告事業なのでシステムの開発が必要かと思ったんですけど、僕自身はシステムが作れないので、どうしよっかなと考えたときに

 

小渕:作れるわけもない(笑)。

 

岡村:そうですね(笑)。たまたま当時、新大阪で立ち上げたんですけど、そこに日本コンピュータ学院ていう学校がありまして、そこでずっと張り込んでましたね。(会場笑い)

 

小渕:張り込んでた(笑)。

 

岡村:ずっと、張り込んでました(笑)。

 

小渕:今いる(アドウェイズ取締役の)西岡さんとか(同、執行役員の)松嶋さん、それから今日来てる(同、執行役員の)山田くんとか(同、取締役の)鹿野くんとかは新卒なんですよね?

 

岡村:はい、彼らが入社する全然以前の話で。起業のときは採用とかも全然できないので、学校の前に張り込んで。なんかわかるじゃないですか、システム作れそうな顔って。

 

小渕:はいはい(笑)。(岡村を指して)作れなさそうな人と、作れそうな人たちっていますよね。

 

岡村:それで、できそうだなって人に声かけて喫茶店に連れてって。

 

小渕:ルノアールね。

 

岡村:俺こんなことやろうと思ってるから、こういうシステム作ってくんないか?みたいな感じでまず(採用を)やったのと、次のエンジニアはYahoo!で検索しました。「システム 大阪」って(検索して)上から出てきたのを片っ端から電話して、一緒にやらないか?みたいな。

 

小渕:たいへん参考にならない話ですね(笑)。みなさん、なんの役にも立ちませんから! ただ、役に立つこととしたら、その位なりふり構わずやれることを全部やった、ということですよね。

 

岡村:はい。あと、本屋に行ってプログラミングの本を読んでた人や買った人を追いかけて、うちはこういうことやってるから一緒にやりませんか?って。そういうことをやってましたね。

 

小渕:でも、本質的かもしれませんね。岡村さん今日は流暢にしゃべりますね(笑)。さっきまでこの質問を写メとって、えーあー言いながら向こうで見てた岡村さんとは思えないですね。

 

岡村:これだけは、まぁ(笑)。

 

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本番直前まで「えーあー・・・」と、アルファベットAの発音を練習する小学生のような状態の岡村を、流暢にしゃべらせる小渕社長のキレキレのトーク力。そして岡村の適当な話を本質的な回答へと昇華させる翻訳力は、来年のセッションにも欠かせない。「B Dash Camp 勝手にしやがれリターンズ 3D」(仮)でお願いします

 

小渕:そのときの方って今でも残ってるんですか?

 

岡村:えーっと、残ってないです(会場爆笑)。

 

小渕:ちなみに、この質問にある「どうやったら優秀な創業メンバーを集められるか」ということだと、なりふり構わず自分にできることを精一杯やって、顔で選んでたわけですけど。選ぶ基準って? でも、その頃は選ぶ基準もへったくれもない?

 

岡村:そうですね。来ていただけるという人は、正直全員入れてましたね。

 

小渕:そうですよね。

 

岡村:はい。「家がなくて今ヨドバシカメラでインターネットやってる(連絡してる)けど、採用してくれないか?」というメールが来て、今すぐ会おうって。それで入社してもらったりとか。

 

小渕:今じゃ考えられないですね。意外にそういう人の方が優秀だったり。

 

岡村:そうなんですよ。

 

小渕:でも、今はその人は?

 

岡村:いないっす!(会場爆笑)

 

小渕:なんの参考にもならないですね(笑)。この辺は会場の皆さんも、ひとしきり経験されていることかと思うんですけど、次の相談の内容に移りたいなと。

 

新宿のキャバクラでは僕らのこと誰も知らない

 

<相談その2>

「今立ち上げようと思っているサービスはまだ前例のないもので、ないが故に批判や、大手・競合からの圧力がかかると思うんです。どうしたらそのようなことを回避できるのでしょうか? また、そんなとき経営者としてどんな姿勢であるべきでしょうか?」

 

小渕:悩める若手起業家Bさん。いかがでしょうか岡村さん?

 

岡村:まず、この人、えーっと(笑)。そんなことないと思いますね。(圧力は)かからないっす(会場笑い)。

 

小渕:圧力はかからない(笑)。圧力に気づかなかっただけじゃ

 

岡村:それはかからないです。

 

小渕:世の中そんな悪いやつばかりじゃない、と。

 

岡村:そうですそうです。(圧力が)かかった、って聞いたことないですね。

 

小渕:岡村さんの耳に入ってないだけじゃないですか? 聞いたことないっておっしゃるけど。ちなみに以前、僕とお酒飲んだときに、当時フィルタリングが騒がれた時期で20072009年くらいですかね。ホワイトリストがどうしたブラックリストがどうしたって騒がれた頃あったじゃないですか。

 

「岡村さん、世の中フィルタリングで大変ですね」って言ったら、岡村さん「フィルタリングってなんすか?」って。で、社内の人に電話して「お前なんで俺に(フィルタリングについて)報告しないんだ?」って。当時Yahoo!ニュースに結構出てて、岡村さんの耳に入ってなかっただけじゃないかと思う。目にしてても忘れてるだけな気がするんですけど、(圧力は)かからないですか?

 

岡村:かからないです。あと、批判とか、たぶんこの人はネットの見過ぎだと思いますよ。

 

小渕:岡村さんネット見ないですもんね。

 

岡村:はい。ネットは見なければ問題ないかと。ただ、テレビで批判されたら、それはよっぽどのことなので気にした方がいいですけど。ネットの批判なんか気にしちゃダメです。見ない方がいい。

 

小渕:てか、見れない!

 

岡村:うははは!

 

小渕:(聴衆に向かって)このあと岡村さんにFacebookで友達申請することがあったら、メッセージ付きで申請していただかないと、岡村さん承認しないタイプなので。そもそもFacebookの使い方知らないって話聞いたことありますけど

 

岡村:大丈夫です。Facebookはすごい見てます。

 

小渕:ネットの批判なんか見ちゃいけない。見過ぎ、だと。

 

岡村:そうですね。見過ぎですね。たぶんインターネットの経営者ってネットやりすぎの人が多いと思うんですよね。

 

小渕:確かに。ある意味で職業病というか、スマホ触ってないと(落ち着かない)、パソコン見てないと(落ち着かない)、とか。パソコンやデータ見てたら仕事してる気になったりするけど、そんなことじゃねーと。

 

岡村:はい。歌舞伎町のキャバクラ行ったら、(お水業界の人はIT業界の経営者を)みんな知らないじゃないですか? それで言われるようになったらよっぽどのことだと思いますね。

 

小渕:言われてません?

 

岡村:全然言われてないっす。(質問者は)気にしすぎだと思います。

 

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歌舞伎町のキャバクラが語られたのは「B Dash Camp」史上初かと思われる

 

小渕:なるほど。さすがですね。そういう意味だと、「鈍感力」っていう言葉があって、すげー大事な言葉だと思って、いつも自分の中に留めてるんですけど、岡村さんはミスター鈍感、ですよね。

 

岡村:うははは!

 

小渕:いや、そのくらいじゃないと、2000年から創業してもう17年目でしょ?

 

岡村:そうっすね。

 

小渕:なかなか持ちこたえられる企業も少ないし、ましては2007年に、かの有名なアドウェイズショックを株式市場に巻き起こして、なおまだ上場を維持して、時価総額も数百億のレベルを保つ。さすが、そのくらいの鈍感力が必要ということですよね。わかりました。若手起業家Bさんは、ネットを見ないで鈍感に生きると。そういうことで。圧力もない。わかりました! まったくなんの解決にもなっていない(笑)

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岡村を「ミスター鈍感」と呼ぶ小渕社長。物事の本質や空気をビンビンに感じる洞察力は「ミスター敏感」と呼ぶに相応しい

 

難しいことに捉われて

今というタイミングを逃してはダメだ!

 

<相談その3>

「レバレッジをかけるために最低限コストは必要だと思っているのですが、どうしてもROIが気になって投資に踏み込めません。岡村さんだったらどういうタイミングで踏み切りますか?」

 

小渕:ということを悩める若手起業家Cさんの質問ですが、まずその前に、おそらくCさんは岡村さんのこと全くわかってなくて、レバレッジて言葉すら(岡村さんは)知らないじゃないですか?

 

岡村:はい。

 

小渕:「レバレッジをかけるために」って難しいことを言われてますけど、岡村さん宛ての質問なのでぜひ答えてあげて欲しいんですけど、どうすれば?

 

岡村:そうっすね。レバレッジとかROIとか色々な言葉があるんですけど、結局は「いつ踏み切りますか?」って話じゃないですか。それは今だと思うんですよね(会場爆笑)。

 

小渕:素晴らしい!その通りです!

 

岡村:この人、本当は(踏み切るなら)今のタイミングなんだけど、レバレッジだとかROIだとか考えすぎて踏み切れないだけだと思いますね。

 

小渕:なるほどね。今日ノッてますね! 素晴らしいです。若手起業家に勇気を与える。これが醍醐味だし、岡村さんの使命だと思います。では、Cさんには「今だろ!」と。

 

岡村:今です。

 

小渕:なるほど。岡村さん本質的ですよね。これ、ぜひ持ち帰って欲しいのは、本質的であることって、すごく大事だと思うんですよ。すごく勉強になりました。ありがとうございます。ちなみに岡村さん、ROIって知ってますか?

 

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CPM、CPIといろいろありますが、岡村の中で最近HOTなのは、CPG(Cost Per Gokai)=豪快力指数とのこと。詳しくは、おくりバント高山まで

 

岡村:はい。えーっと、あの。なんか、そういう雰囲気の話は聞いたことあるんだけど、説明はできないです(笑)。CPIみたいな、なんか高けりゃ高いほどいいような数字なのかな、っていう。

 

小渕:そういうことですよね。ROIを知らなくても創業から16年(会社を)伸ばし続けることができる!という本当に勇気をもらえる岡村さんの言葉です。ありがとうございます! ちなみに、さっき岡村さんにCPMってなんですか?って聞いたときに、「MはモバイルのMじゃねーか」って(笑)。

 

運転資金がない人にオススメするのは、バイト

 

小渕:はい、相談その4。最後の相談になります。この質問の後、会場の皆さんからも聞いてみたいと思います。

 

<相談その4>

「起業して3年近くになりますが、キャッシュが底をつきそうです。メンバーも自分を信じて、ついて来てくれてますが、いつまでも不安な思いをさせるわけにもいきません。でも、事業を途中で諦めたくありません。どうしたらいいですか?」

 

岡村:うーん、これ聞いてると、キャッシュが底をつきそうとか不安とか、この人辞めたいんじゃないですかね?

 

小渕:なるほど! この事業を辞めたいと。ズバリ言うわよ!って感じで斬り込みますね、今日は(笑)。

 

岡村:正直、本当にやりたいんだったら、キャッシュとかいらないと思うんですね。

 

小渕:いりますよ。お言葉ですけど(笑)。

 

岡村:わははがは。なんとかなると思うんですよ。銀行行ってお金貸してもらうこともできれば、ベンチャーキャピタルさんに出資していただくこともできる。変な話、うちも創業当時、お金なくて僕バイトしてたんですね、訪問販売の。

 

小渕:得意分野の。

 

岡村:得意分野の訪問販売。土日に訪問販売のバイトして、そのお金を運転資金に充ててまして、本当にやりたかったらキャッシュのあるないは関係なく、たぶん色んな方法あると思うんで。

 

小渕:なるほど。「メンバーも自分を信じてついて来てくれてるけど、いつまでも不安な思いをさせるわけにもいかない。」と。社長の切なくも悲しい想いですよね。岡村さんの言うように、やりてーならさぁ(とことんやれるはず)、っていうのもあるけど。とはいえ、ついて来てくれてる、巻き込んでしまっている仲間がいるわけで、そういう人たちに不安な思いをさせたくないっていうところはどう思います?

 

岡村:やっぱ安心させたいっすよね。

 

小渕:そうですよね。それとも、不安な思いをさせてると勘違いしてるだけで、実は誰も不安じゃないって感じですか?

 

岡村:それも正直あると思います。

 

小渕:うん。

 

岡村:それ、だと思います(会場爆笑)。結論、やりたかったらやれる方法っていくらでもあると思うんですよね。今ってネット業界に優しい世の中じゃないですか。であれば、メンバーが給料もらえないっていうなら、どっかの会社でバイトしてもらって、そこからお金もらうとか。色んな方法あると思いますね。

 

小渕:この人に言えることは、やり方なんて、なりふり構わなければ色んな方法あるんだと。目的達成のために手段を選ばずやれと。できる方法を考えなさい。こういうことですよね?

 

岡村:そうです。

 

小渕:わかりました。終始一貫して本質的でありシンプルな回答だったと思うんですけど、この(質問した)若手起業家の人たちは今度直接呼ぶんで、生でディスカッションさせていただいて。ね?

 

岡村:はい。

 

小渕:ということで、まだ20分少々時間あるので会場にもし質問ある方がいれば、ぜひ生ライブでお答えしたいと思いますが、どなたかいらっしゃいますか?

 

(会場の聴衆から質問を募る)

 

質問者1:住友不動産のKです。いつもお世話になっております。

 

岡村:いつもお世話になってます。ありがとうございます。

 

質問者1:アドウェイズさんには上野からオークタワー、グランドタワーと長きにわたって当社のビルをお使いいただき大変感謝しております。この会場の中にも、うちのオフィスに入ってくれている企業さんがたくさんいらっしゃいますが、まだまだ都内にビルを作っていて、ベンチャーのみなさんに当社のビルをご利用いただきたいと思ってます。もっとこうすればビルを使ってもらえるんじゃないか?というアドバイスをいただければと思いまして。よろしくお願いします。

 

岡村:じゃあ、簡単に。(立ってお辞儀をして)本当にいつもお世話になっております。関係ない話になっちゃうかもしれないんですけど、住友不動産さんには本当に感謝してまして、うちは住友不動産以外の物件に行くつもりは一切なくて。というのも、住友不動産の担当の方っていつも良い方で。

 

僕、住友不動産のオークタワーの横のマンションに住んでたときがありまして。2011年の震災のとき、親からも兄弟からも誰からも、僕を心配する連絡は来なかったんですけど、インターホンが「プルルッ」と鳴って、住友不動産の警備室の方から「岡村さん大丈夫でしたか? なにかあったら言ってくださいね」って。

 

そのとき、住友不動産さんも地震で大変だったと思うんですけど、そんなときに他人の心配なんて、よくできるなと思いまして。僕は住友不動産さんが心の底から大好きです。

 

小渕:これで住友不動産さん入居バンバン決まりますよ(笑)。ただこれアフィリエイトなので、成果報酬で岡村さんにお願いします。結構デカいですよCPI。はい、ほかはどうでしょう? もっと刺激的な、実はこれで悩んでますみたいな。

 

質問者2:アクティブソナーのAと申します。小渕さんにはいつも(クルーズが運営する)SHOPLISTでお世話になってまして、事業提携をしてますけど、まだいまいち伸びてないなと思ってまして、どうやったら小渕さんがもっと本気でやってくれるのか聞きたいと思います(会場笑い)。

 

小渕:俺に? 岡村さんに?

 

質問者2:岡村さんにぜひ。どうやったら(クルーズとの)事業提携うまくいきますかね?

 

岡村:これ小渕さん答えて(会場爆笑)。

 

小渕:いやいや、これ岡村さんのネタなんで。岡村陽久の「勝手にしやがれ」なんで、勝手にどうぞ。

 

岡村:真面目に答えると、弊社もクルーズさんとお取引させていただいてますけど、クルーズさんて上の会社の戦略が末端の社員まで徹底されてるんですね。広告の効果ひとつとっても、クリエイティブでも、ものすごく徹底されていて、うちもクルーズさんの広告やらせてもらうときは徹底するように営業には指導してますけど・・・。

 

小渕:(質問者の)Aさんに覚悟がないっていう?

 

岡村:そうですね。たぶんないですね(会場爆笑)。

 

小渕:以上で大丈夫ですか? わははは! ありがとうございます。刺激的な質問でしたね。ほかはいかがでしょうか? 若手の方でも全然構わないですし。

 

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セッションの中で、小渕社長からネット業界で唯一無二のキャラと太鼓判を押された岡村。どちらかと言えば、おくりバント社長の高山の地元(足立区)にいそうな雰囲気

  

小渕:この企画、今後もシリーズ化して継続させていただきたいと考えていますが、賛成の皆様、拍手を!(会場拍手)とはいえ、拍手が少なくても勝手にやらせていただきます。それでよろしいでしょうか西田さん?

 

西田:聞いてませんでしたが、勝手にしやがれ!

 

小渕:はい、ありがとうございました!

 

岡村:うわっはっはっはっは。

 

会場アナウンス:ありがとうございました。岡村さん、今日すごく素敵なお靴ですね。

 

小渕:見えないかもしれないけど、(かかとで)サンダル踏んづけてます、この人。

 

f:id:okuri_bunt:20160405025701j:plainいつでもどこでも踏んでいます

 

 

編集・構成:小沼朋治

 

【第10回】アドウェイズ岡村が「出戻りの掟」を語る!

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ第10回。

 

年始に日本中を揺るがした、国民的アイドルの独立騒動。最終的には独立はせず、出戻りのような形で決着、騒動は収束した。

 

ところで、アドウェイズには「出戻り」に関して、ある掟が存在するという。今回は急遽予定を変更して「出戻り」をテーマに語ります。

 

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出戻りに関してはIT業界で一番厳しい会社

 

高山:最近話題の出戻りに関してなんですけど。

 

岡村:アドウェイズ、ぶっちゃけ厳しいですよ。出戻りにはどこよりも。

 

高山:はい。出戻りに明確なルールがあるのってアドウェイズくらいじゃないですか。

 

岡村:当然ですよ。軽い気持ちで何度も出たり入ったりされたら、他の企業に迷惑でしょ。

 

高山:不肖高山も不退転の覚悟で9年間勤めさせてもらってます。

 

岡村:ほとんどの企業が無制限だと思うんですが、アドウェイズでは出戻りは5回までしか許しません。

 

高山:厳しいっすね。ホント。そのルールが適用されると、僕はあと4回しか辞められませんよ・・・。

 

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岡村怒りの馬場チョップ・・・ではなく、いつになく神妙な面持ちで「アドウェイズ鉄の掟〜出戻り5回まで〜」を語り始めた岡村。

 

岡村:真剣に検討した結果で、鉄の掟として10年運用してきました。

 

高山:ちなみに、管理部のデータによると、最多で3回、最短で2ヶ月の出戻り社員がいますね。要は前者が2回辞めての3回入社で、後者が退職から2ヶ月でのスピード復帰ってことですけど。

 

岡村:実はその2つの記録、同一の人物が保持していたの知ってます?

 

高山:え、初耳です。誰ですか、それ。

 

岡山:ちょっと呼んできましょうか。

 

*ここで小川登場

 

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最多出戻り記録と最短出戻り記録を同時保持した小川。ボクシング統一チャンピオン並みの貫禄だ。

 

高山:小川さん、あなた3回も入社して、早い時はたったの2ヶ月で戻って来たって本当ですか?

 

小川:はい。1回目の入社は2006年で、そこから約4年在籍。2回目の入社は2014年で、そこから約1年在籍。3回目の入社が去年の年末で、前職から約2ヶ月でアドウェイズに出戻りしました。

*出戻りの経緯に関しては個人の事情ですので割愛しますが、人様に迷惑をかけて戻って来たという話ではございません。

 

高山:すげー気になってることあるんですけど、聞いていいですか。

 

小川:どうぞ。

 

高山:2回辞めたってことは、送別会も2回やったんですよね?

 

小川:はい。1回目も2回目も、50人くらい集まっちゃいましたね・・・。

 

高山:・・・すげー迷惑じゃないですか、それ()

 

小川:送別会ってマジックかかっちゃうじゃないですか。だから、涙ぐんでる人もいたし、普段言えないドラマみたいなセリフで熱い激励をくれるんですよ。「次は頂点で会おうぜ!」みたいな。ホントすいません・・・。

 

高山:山の頂どころか、隣に戻ってるよって(笑)。とんだ言い損ですね。

 

岡村:見方を変えれば、盛大に送られるってことは、人望があるってことの裏返しですよね。去って欲しくない人ほど、戻って来て欲しい人なんですよ。

 

高山:そりゃそうですけど。ぶっちゃけ2回も辞められて、少しは呆れてないんですか。

 

岡村:呆れますね、ホントに。

 

高山:ですよね~。

 

岡村:呆れてるのは、高山さん、あんたにだよ。

 

高山:ぶひっ!?

 

岡村: 小川さんには、2度ならず3度もアドウェイズを選んでもらえたんですから、呆れるどころか、めっちゃ嬉しいですよ‼︎ 小川さんは、うちのリピーターですから。

 

高山:は、はい!小川様は神様です!!

 

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どこからどう見ても盛大な送別会。この約2ヶ月後に小川が3度目の入社を果たすなど、出席者全員、知る由もない。

 

記録は破られるためにある!?驚きの最短記録!

 

高山:でも、この記録、しばらくは破られないでしょうね。最多はタイ記録出そうですけど、特に最短は難しいでしょうね。たった2ヶ月で戻るって。

 

岡村:それがね、実は最近破られたんですよ()。経営会議で発表されたとき、どよめきが起こりました。小川さんの最短記録は今世紀中に破ることはできないとされていたので。

 

高山:マジですか。で、最短記録というのは?

 

岡村:10日です。他社に入らなかったので、職務経歴書の前職がアドウェイズって人も初めてですね。

 

*ここで矢野も登場

 

 

 

高山:もう一回聞きますけど、ぶっちゃけ10日で戻るとか、仕方ねえなぁーとか思わないんですか?

 

岡村:何度でも言いますよ。めっちゃ嬉しいですよ!レストランで考えてみてください。数あるレストランから、またうちを選んでくれて、しかもすぐに食べに来てくれたんですから。もっと言えば、 矢野さんは高山さんと違って、優秀なマネージャーであり、広告運用、メディア運営、ゲーム制作に精通してます。だから、高山さんと違って、本人さえ望めばどんな企業にだって入れるんですよ。それなのに、高山さんと違って、魅力的なオファーがたくさんある中で、再びアドウェイズを選んでくれるなんて嬉しいじゃないっすか。

 

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奥から高山を蔑んだ目で見ているのが矢野。理解力の乏しい高山に「レストラン」という例え話を実感させるために、わざわざ蕎麦屋に場所を移した岡村だったが、高山が蕎麦を食べるのに夢中になり逆効果に。

 

高山:・・・。えーと、僕だったら雑用からやり直せって毎日バット磨かせますけどね。ところで矢野さんは、どうしてアドウェイズに戻ったんですか?

 

矢野:他社の選考も進んでいたんですが・・・、どうしても、どうしても・・・。

 

高山:どうしても?

 

矢野:忘れられなくて・・・。

 

高山:何がですか?

 

矢野:アドウェイズのことが・・・です!転職活動をするうちに、自分の本当の気持ちに気がついたんです。

 

高山:恋愛かよ()。もう理由はどうでもいいや!で、元サヤにはすんなり戻れたんですか?

 

矢野:上司だった取締役の西岡さんに「戻りたいです」ってメールしたんです。

 

高山:で、返事は?

 

矢野:「いーよ~^^」ってひと言。

 

高山:軽っ()

 

岡村:経営陣はみんな同じマインドですね。

 

高山:ちなみに聞きますけど、矢野さんも送別会したんだよね?

 

矢野:はい、50人ほど集まりましたね・・・。しかも色紙まで頂いちゃって。

 

高山:会費も、色紙も、惜別の気持ちも、まとめて全部返すように。

 

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ぎっしりとメッセージが書かれた感謝の色紙。記入者全員、矢野が10日で帰ってくるなど知る由もない。

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送別品の贈呈シーン。今にも泣きそうな女性社員もいるが、矢野が10日で帰ってくるなど知る由もない。

 

去る者は追わず、来る者は拒まず?

 

高山:来る者は拒まずってスタンスは、よくわかったんですけど去る者も追わないんですか?

 

岡村:いや、ほとんど引き止めますよ。誰ひとりとして社員に辞めてほしくないですから。

 

高山:それは意外ですね。

 

岡村:恋人は別れたら、また作ればいいじゃないですか。でも、社員は2度と同じ人は来ないんで。

 

小川&矢野:ええ、確かにそうですよね。

 

高山:・・・いや、恋人も2度と同じ人来ないですよね。言ってる意味が正直、よくわかんないです()

 

岡村:僕が一番、悲しいことって社員が辞めることなんですよ。業績は下がっても回復できるし、トラブルは起こっても解決できる。でも、人はその人しかいないんです。僕にとって、小川さんや矢野さんの代わりは他にいないんですよ。だから、出戻り大歓迎だし、面接の時は、長く勤めてくれそうな人を選んでいます。 

 

小川&矢野:ホントそうですよね。

 

高山:お前ら全然説得力ねーよ()

 

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経営者らしからぬ、あまりの出戻り歓迎ぶりに「本当に岡村なのか?実はUMAか寄生獣じゃないのか?」と疑ったカメラマンが捉えた決定的瞬間。ご判断は読者のみなさまにお任せします。

 

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前日の夜釣りの影響か、取材終盤で単に眠いだけのようにも見えるが・・・。国民的アイドルグループの独立騒動に関しては「騒動前からちょっとバラバラ感があった気がするんですが、表沙汰になったことで、逆に全員が話し合って団結する良い機会になったんじゃないでしょうか。雨降って地固まる、僕はいちファンとしてよかったと思っています」とのこと。

 

岡村:応援するケースは、独立・企業とか、ステップアップの転職とか、その人にとってどう考えてもプラスになる辞め方。でも、逃げるように辞める人は絶対に引き止めます。それって、課題を次の会社に引き継ぐだけでしょ。環境は変わるかもしれないけど、本質的なところは何も変わんないじゃないですか。

 

高山:はい。

 

岡村:特に新卒の場合は強烈に引き止めますよ。嫌なことから逃げる癖がつくと、ただの転職ゴロになっちゃうじゃないですか。辛いことはいつか経験するんで、早めにうちで自力を付けてもらって、チーム・部署、そして会社の中で、スタメンから主力、エースに成長して、引く手数多の状態で転職なり独立して欲しいんですよ。戦力外のまま辞めても人材として魅力なんてないし、第一、僕が許しませんよ。

 

小野&矢野:僕らも許しません!

 

高山:・・・。

 

 

緊急告知

アドウェイズ、春の出戻りキャンペーン実施中!

 

対象期間中(おくりバントが潰れるまで)にアドウェイズに出戻りすると、もれなく「おくりバントTシャツ」を贈呈します。さらに「勝手にしやがれ!読んだ」で、おくりバントキャップもプレゼント中!

 

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出戻り記念品の「おくりバントTシャツ」を手に感無量といった様子の矢野と小川。

 

 

編集・構成:小沼朋治

写真:上野朝之

 

【第9回】アドウェイズ岡村が四畳半同棲生活を語る!

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第9回。

早速、読者からの質問を・・・と思いましたが、前号に続きがありました。岡村の「四畳半時代」の同棲相手、高橋修二さんの登場です

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同棲相手は新卒社員。え、なんで?

 

高山:四畳半時代に同棲していたアドウェイズOBの修二くんです。

 

修二:岡村さん、お久しぶりです・・・。

 

岡村:お、おう()

 

高山:修二くんは、四畳半のアパートで岡村さんと同棲してたんですよね。

 

修二:はい。2008年の4月から5月の半ばまでです。

 

高山:岡村さん、本当ですか?

 

岡村:はい。

 

修二:約1ヶ月半でしたが、ほぼ毎日、一緒に起きて、一緒に出社して。岡村さんがアパートの南京錠持ってるんで仕事終わるの待って一緒に帰ってました。

 

高山:岡村さん、本当ですか?

 

岡村:はい・・・。

 

修二:帰り道は、コンビニ行ってお菓子やジュースを買ったり、岡村さんの大好きな歌舞伎町のサウナに行ったりしてました。

 

高山:岡村さん、本当ですか?

 

岡村:はい。って、いつまでコレ続けるんだよ!! ここまでの話だと、俺と修二くんが完全にカップルみたいじゃないですか!

 

高山:え、違うんですか? 

 

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2007年新卒入社でOBの高橋修二さん。インターネット業界で活躍中。

 

(ここで同棲の経緯を知る、アドウェイズ人事の西久保が登場)

 

西久保:修二くんは2007年入社の新卒で、1年目のときに、出社拒否をして引きこもってしまった時期があったんですよ。それで音信不通になっちゃって。すったもんだあったんだけど、修二くんを立ち直らせるために、最終的に四畳半のアパートでふたりは同棲することになったんですよ。

 

高山:それって同棲という名の監禁じゃないですか?

 

岡村:ちょっと黙ってもらえますか・・・。

 

修二:心がボキッと折れちゃったんですよね。結構、ハートが繊細でして。今思えば根拠のない自信とちっぽけなプライドだったんですけど。僕、けっこう人生が順風満帆だったんですよ。志望の大学に入って、学生生活もエンジョイして、就活もすんなりアドウェイズに決まって。だから仕事もうまくいくだろうなって。でも、いざ働き始めると周りは優秀な人ばっかりで、ドンドン差をつけられて、取り残されていく感じがしちゃって。こりゃヤバイなって思ったんですけど、何かしたくてもスキルがないなって、自信がゼロになったんです・・・。

 

西久保:確か2007年の秋頃だよね。いきなり、握力がなくなったって言い始めたよね。ホントに突然()

 

岡村:その報告受けた時、俺びっくりしちゃって。「岡村さん、修二の・・・、修二の握力がなくなりました!」って。え、なにそれ!?って()

 

修二:本当に握力がなくなっちゃって、鞄が持てなくなっちゃったんですよ。

 

西久保:ドンっ!しーん・・・、ドンっ!しーん・・・、ドンっ!しーん・・・って、廊下で物音が鳴るから、なんだろうと思って見に行ったら、修二が鞄を落としてるんですよ。「西久保さん、鞄が持てませんっ!」って半べそで()

 

修二:病院行くように勧められて。診断結果は「自律神経失調症」だったんですよ・・・。いろんな病院まわったんですけど、結局は精神的なものなんで特に異常は見つからなくて、医者からは仕事を休んでくださいと。朝起きて、出社しようと思っても鞄が持てない。だから会社に行けない。じゃあ、手ぶらでって思ったんですけど、握力がないからタイピングもできないなって。これはもう、仕事になんない、なんにもできないなって。ヤバイなって、気持ちがドンドン焦るけど、握力はドンドンなくなっていって・・・。最終的には引きこもるようになったんです。

 

西久保:だんだん匂いもキツくなってきて・・・。今はこうやって話せる部分もあるけど、当時は深刻だったよね。

 

修二:ちょっと! なんで今、匂いの話を挟んだんですか!? 深刻ってどっちの話のことか微妙な言い回しじゃないですか! 今でも臭いって勘違いされちゃうじゃないですか!

 

西久保:ある日突然、連絡もつかなくなっちゃって。会社としては、事情が事情だったし、まだ若いから無理に引きとめることもないかなって考えもあったんですよ。将来を考えると退職という選択も仕方ないかなと。

 

修二:ちょっと! それよりも匂いの話、ちゃんと否定してくださいよ!

 

西久保:本当に深刻でしたよ・・・。実家のお母さんとも連絡を取ったんですけど、意外とあっけらかんとしていて()。「修二、家にいるとは思うんですけどねぇ〜」って、友達から電話かかってきたくらいのリアクションで。

 

岡村:そうそう。なにこれすげー!こんなのはじめて!ってくらいの、過去最大級にあっけらかんとしたお母さんだったよね。

 

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久々の再開でまだ距離感がぎこちないふたり。

 

4時間熱戦、決め手はアッチ系

 

高山:それが結局、どうして同棲することになったんですか?

 

西久保:ある日、岡村さんから「修二くんのことで話がある」って呼ばれて。ああ、ついに諦めるのかなって思ったんだけど、突然、「今から修二くんの家、行きましょう」と。僕も「よし、行きましょう」って話になって。確か夜の20時くらいでした。で、到着してインターホン鳴らしたんだけど、全然出てこなくて。あれ、お母さんの情報間違ってんのかなって()

 

岡村:でも、お母さんの情報が間違ってるはずないと。必ず家にいると。僕の野生の勘が働いて。試しにドアノブひねったら鍵が開いてたんです。

 

高山:えっと、読者の皆様が勘違いするとマズイので先に申し上げますと、岡村と西久保と修二くんは、まるで兄弟のように仲良しです。なので、普段から勝手に家に上がります()

 

西久保:でも、部屋にいなかったんですよ。どっかに隠れてんじゃないかって、風呂からクローゼットからベランダまで探したんですけど。どうやら部屋にはいないなと。

 

高山:お母さんの情報ガセじゃないですか・・・()

 

岡村:出てくるのはエロ本ばっかりで。あれ、もしや握力は戻ったのかなって思ったりもして。

 

修二:ちょっと!()

 

西久保:じゃあ、しばらく待つかって話になって。丸まったティッシュがあちこちに散乱するゴミだらけの部屋で、TVつけたら「ナースのお仕事」がやってたので観てたんですよ。

 

修二:ちょっと誤解を生むようなことばっかりやめてくださいよ()。僕、ちょうどコンビニ行ってて。握力ないから鍵も締められなくて。で、ドア開けたら奥の方に誰かいるなと・・・。うわー! 岡村さんと西久保さんだ!って。気がつかれる前に逃げようと思ったんですけど、握力ないんでコンビニの袋をバサッと落としちゃったんですよ。

 

西久保:で、こっちもクルっと振り返って。もうドラマのワンシーンだったよね。

 

高山:ドラマにしては登場人物の絵面が汚いですよ。それで嫌がる修二くんを無理やり会社に連れて帰ったんですか?

 

西久保:いやいや、そこから3時間くらい話し合いしました。でも、ずっと平行線で。「修二くん、大丈夫だよ」「いや、僕は自信ないです」って、何度も何度も繰り返して。

 

修二:岡村さんからは、すげーいい話をたくさんしてもらったんですけど、どう着地するのかなって雰囲気になってきて。焦れた岡村さんが「修二くん、パンツどこだ?」って急に言い出して。

 

高山:パンツ?()。

 

岡村:とりあえず、うちに来なよって誘ったんですけど、「いや、来週から必ず行きますんで、今日は無理です」って返事で、絶対お前来ないだろうと()。で、らちがあかないんで鞄にスーツとかワイシャツを突っ込んでみたものの、最終的な決断は本人にしてもらいたくて。それを象徴するのが、俺の中ではパンツしかなくて。パンツだけは自分の手で入れさせようと。だから、パンツだけは絶対にさわるまいと。

 

高山:いや、普通に考えたら人のパンツさわりたくないですし、そもそも、人のパンツにさわる、さわらないって話がおかしいですから!

 

西久保:「パンツどこだ?」「パンツないです、履いてないです」「じゃあ脱いでみろ」「いや、脱げません」「パンツ履いてるんだろ」「いや履いてないです、もうパンツ履きません」「お前は、勝新かよ!」って、コラコラ問答ならぬ、パンツ問答が始まって。僕も1時間くらい経過したあたりから、パンツパンツって連呼する岡村さんのこ姿を見て、本当に大丈夫なのかなって心配になりました()

 

高山:()。

 

岡村:俺も、パンツじゃ修二くんを落とせない!って、1時間くらいして、やっとわかって()。方向転換して、またいろいろな切り口で提案し始めたんですよ。その中のひとつに、4時間の問答の中で、修二くんが一瞬だけ反応した言葉があったんです。

 

高山:それはお母さんや同期の話ですか? 心配してるよって。

 

西久保:いや、全然違う。「修二くん、うちアッチ系のビデオいっぱいあるから」って岡村さんが言った瞬間ですよ。ホント蚊の泣くような声で修二くんが「えっ、まじすか・・・?」って。

 

高山:()

 

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岡村の出した、アッチ系のパスに素早いレスポンスを見せた。

 

岡村:さすがに手詰まりだったんで、一か八か言ってみたら反応がよくて。口説くにはコレだと。修二くんには「アッチ系」しか響かない、と。ホント家にはいっぱいあるから、一緒に観ようぜって。「いや、一緒はちょっと・・・」って、おい! そこかよ!って思ったんですけど、ドンドン食いついてきたんで、アッチ系とのコンボで「今日来るなら、キャバクラ連れてってやる」って、言ったんです。これが決定打になりましたね。

 

西久保:「キャバクラいくぞ」って言ったら、修二くんはスイッチが入ったように、テキパキと鞄にパンツを畳んで詰めはじめて。ああ、握力が戻ったのかなって。

 

高山:最初の30分で出そうな提案ですけど、4時間経って初とか時間かかり過ぎじゃないですか()

 

修二:スウェットのまま外に出て。僕が交差点で手をあげてタクシーとめました。

 

岡村:手が上がってるぞ! 手が上がってるぞ!ってみんなで大喜びしましたよ。

 

高山:ところで、アッチ系のビデオはどうだったんですか?

 

修二:いや、それがまったく趣味が合わなくて()。でも、我慢して観てるうちに、そのジャンルに目覚めちゃって。今は一番好きですね。

 

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再現写真1:キラキラした目でタクシーをとめる。「とにかく、きっかけが欲しかったんです。それが、アッチ系からのキャバクラ行きでした」と修二くん。 手前は人事の西久保。

 

四畳半一間、薔薇色の同棲生活

 

高山:家出るのも帰るのも一緒だったという話でしたけど、仕事以外の時間は別々に過ごしてたんですか?

 

修二:常に一緒です()。中野坂上のTSUTAYAにしょっちゅう行きましたね。岡村さん、外見的にはアクションとか極道モノとか好きそうなんですけど、選ぶのは邦画の恋愛映画ばっかり()。それと米倉涼子が出てる作品は必ず借りてましたね。

 

高山:アッチ系と恋愛映画と米倉涼子が四畳半に混在してるんだ()

 

修二:はい。四畳半でゴロゴロしながら一緒に観るんですけど、岡村さんは残り30分のところで必ず寝落ちするんですよ。四畳半なんでそのまま見続けるわけにもいかず消すんで、今でもラストが気になってモヤモヤしてる映画がたくさんあります。

 

岡村:ごめんなさい・・・。

 

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ゲスの極み乙女。のファンだという修二くん。「ベッキーさんには1度、結婚式の会場でお会いしたことあるんですけど、誰にでも礼儀正しい素敵な方でしたね」と岡村。本編とまったく関係がない。

 

修二:あと、劇中に上野のシーンが出てくると、やたらと興奮するんですよ。俺の地元だぞ!ほら、俺の地元だぞ!って。で、そのまま上野の説明とか始まっちゃって、ストーリーが全然わかんなくなっちゃうという。

 

岡村:ちなみに、修二くんは俺の帰りが遅いときは掃除して待っててくれたりするんですよ()

 

修二:まあ、掃除といっても四畳半なんで。面白かったのが、岡村さん靴下を一足しか持ってなくて。部屋には洗濯機がないんで、その一足をクリーニングに出してやりくりしてたんですけど、どう考えても無理あるじゃないですか()。毎朝、必ず靴下が入ってる引き出しを開けては「靴下がない!クリーニング出すの忘れたし、買うのも忘れた!まあ、いっか」って。毎朝ですよ。

 

高山:もう、デジャヴかってレベルだね()

 

修二:その連鎖を断ち切るために、こっそり靴下を買って、6足分を引き出しにしまっておいたんですよ。で、次の日の朝、引き出し開けた岡村さんが、クリスマスプレゼントもらった子供みたいに超喜んでましたね。

 

西久保:それ、サプライズプレゼントのお手本()

 

岡村:いやーホント嬉しくて、思わずキュンと来ちゃいましたよ。

 

高山:付き合ってたでしょ、絶対。

 

終わりは、ある日突然に・・・

 

高山:そんな薔薇色の同棲生活は最終的にどう幕を閉じたんですか?

 

修二:同棲して1ヶ月半後のある夜、歌舞伎町のサウナからのいつもの帰り道、急に岡村さんが、「今日で卒業!おしまい!」と言ってきたんですよ。あまりにも突然すぎて「えっ・・・?」って固まっちゃいました。で、少しの沈黙のあと・・・僕にはその1分が1時間にも感じましたが、振り向きざまに「あばよ!」って言い残して路地裏へ消えて行きました・・・。うわ~、岡村さんトレンディドラマ見過ぎだよ!って思いながらも、そのままタクシー拾って帰りましたけど、気が動転して家の前を何度も何度も通り過ぎちゃってました。タクシー代、高かったなぁ・・・。

 

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再現写真2:ある日いきなり連れてかれて、ある日いきなり帰らされた。修二くんの心を置き去りにして、岡村は路地裏へと消えていったー。

 

西久保:本当のところを話すと、側で見ていて仕事も順調だったので、あとはタイミングって感じだったんですよ。でも、僕もいきなり岡村さんから「修二くんと同棲を解消した」って翌日聞いて、「あれ、急すぎるな」って、ちょっとビックリはしましたけど。

 

修二:思い当たるフシがあるんですよ! サウナには居酒屋が併設されてるんで、いつも飲んで帰るんですけど、その日は注文したモロキュウが全然こなくて。それで岡村さんがキレてたんですよ!なんでキュウリ切るくらいなのに、30分も待たされるんだよ!おかしいだろ!って。まあ、大好物なんで気持ちはわかりますけど、結局は食べられずじまいで機嫌がすげー悪くて。モロキュウが原因なんじゃないかと()

 

高山:完全に八つ当たりじゃないですか。岡村さん、本当ですか?

 

岡村:いや、ちょっと待って。各所から修二くんの働きぶりに関する報告は受けていたので、もともと言うつもりだったんですよ!

 

高山:なんか小さいっすねー。モロキュウくらいで。ガッカリですわ。

 

修二:ちょっと! 岡村さんを悪く言わないでください! 僕と大ゲンカしても寝る前には必ず「おやすみ」って言ってくれる人なんですから!

 

西久保&高山:何度も言うけど、あなたたち、完全にカップルだよ()。 

 

利益を追求するあまり、大切なモノを見失っていた

 

西久保:話がちょっと戻るんですけど、僕は修二くんのこと、退職でもやむをえないと思ってたんです。会社の判断として。でも、なぜあのとき、家にまで行って引きとめたのかなと思っていて。

 

岡村:修二くんの家に向かった日は4月7日で、実は俺の誕生日だったんですよ。誕生日の前って、新しい年を迎えるにあたって色々と考えるんですよね。当時は、07ショックでアドウェイズが赤字に転落して、2008年の3月には絶対に単月黒字にするぞって、大きな全社の目標があって。自分が四畳半に住んだのはもちろんだけど、販管費も思いっきり削って。

 

西久保:ものすごいプレッシャーがある年でしたよね。サーバー1台購入するのさえNGで。新規事業は何ひとつもできない中で、既存事業だけで業績を上げないといけない。無駄か無駄じゃないかって判断する余裕すらなく、どんどんコストをカットしていきましたよね。誕生日会とか、本当に細かいところも、ドケチって陰口叩かれるくらいまで削って。

 

岡村:辞めていく人も本当にたくさんいたじゃないですか。みんな、それぞれ悩んでいたり苦しかったりあったと思うんですけど、俺はとめなかったし、向き合わなかったんですよ。極端に言えば、人を人としてではなく、コストとして見ていたかもしれません。で、目標を達成して、もちろんホッとしたし嬉しかったんですけど、何かモヤっとするものが心の中にあったんですよね。これで本当によかったのかなって。何か大事なものを失ったんじゃないかって。そんな喪失感に強烈に襲われて。経営として黒字にするのは正しい。でも、自分が本質的に目指してきたところはそこなのかなって。赤字になろうがなんだろうが、一緒に戦う仲間、喜びをわかち合う仲間を大切にする「金儲けより人儲け」という、一番大事な志を忘れてしまっていたなと。

 

高山:それで社長室の壁にデカデカと書いてるんですね。まあ、あれなら僕でも忘れないですよ。

 

西久保&修二:ホント黙っててもらえますか・・・?

 

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初心を忘れてしまっていた自分に「人儲け」の精神を思い出させてくれた。修二くんに感謝するのは自分ですby岡村

 

岡村:あの日は、そんなことを考えていて、それで今から行くぞって気持ちになったんですよね。

 

西久保:あれからすっかり立ち直って、アドウェイズではECユニットのユニットリーダーを務めたし、転職してからも活躍しているみたいで嬉しいですね。

 

修二:当時は本当につらくて、今こうやって笑って話せるのも、一緒に乗り越えたからだと思うんですよね。とにかく、自分にはきっかけが必要で、それがあの同棲生活でした。岡村さんと西久保さんが、家に来てくれたから、今の自分があります。本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございます。

 

高山:なんかいい話になってますね(笑)。僕も岡村さんと同棲したくなってきました。

 

岡村:社員全員ウェルカムなんですけど、高山さんだけは勘弁ですね。だって、炊事も洗濯も家事も何ひとつできないじゃないですか。

 

西久保:高山っていう生物ですよ。超大型の野生動物を飼うくらいの気持ちで臨まないと無理ですね。

 

高山:・・・。 

 

(了)

 

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四畳半アパート、部屋のドアの前に立つふたり。感極まって泣いているように見える岡村だが、フラッシュの光に目をつぶっているだけ。

 

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再現写真3:南京錠で戸締りをする岡村と、靴を履いて待つ修二くん。正直、幽霊にしか見えないアドウェイズ社長・岡村。

 

制作:おくりバント 

インタビュー:高山洋平

写真:上野朝之

構成&文:小沼朋治

 

 

【第8回】岡村が懺悔!? 上場社長「四畳半暮らし」の真相とは!

 

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第8回。

早速、読者からの質問を・・・と思いましたが、クリスマス特別号と題しまして、イブが来るたびに思い出すという、岡村の「四畳半」時代を振り返ります。岡村の口から、いま明かされる真相とは果たしてー。

 

「本当は四畳半で暮らしたくなかった」

 

高山:聞くところによると2007年に四畳半のアパートへ引っ越したということですが。

 

岡村:忘れもしない、2007年1月22日。アドウェイズは下方修正を出しました。我々でいう、「07(ゼロナナ)ショック」(注)のはじまりです。ケジメとして、役員報酬を8割カットして、前年度の住民税を払えるだけもらったんです。でも、それだと家賃が払えないんで引っ越すことにしました。

 

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(※注)「07(ゼロナナ)ショック」

2007年、アドウェイズの広告収入の中心となる顧客はクレジットカード会社やキャッシングカード会社だったが、上限金利の引き下げにより各社の広告費が半減。アドウェイズは新入社員の大量採用を進めていたことも併せて赤字が大幅に拡大。新規事業の撤退や社内体制の改革だけでなく、岡村自身も役員報酬を8割カットし、四畳半風呂なしアパートに移り住んだ。

 

高山:それまで住んでたところは、どのくらいの広さで家賃はいくらだったんですか?

 

岡村:タワーマンションで、広さは70平米、家賃は30万くらいでしたね。

 

高山:そこから四畳半とは思い切りましたね。1LDKくらいでよさそうですけど。

 

岡村:今だから言います。四畳半に住むなんて、自分も夢にも思ってませんでした()。全部うちの管理部のせいなんですよ!いざ引っ越し先を探すときに管理部に手伝ってもらったんですけど、物件を探した担当社員が実はスーパー総務だったんですよ。

 

高山:はぁ。それ、どういうことですか?

 

岡村:管理部の担当社員に「社長どんな間取りですか?」と聞かれて、少しカッコつけて「イチから出直す。ボロボロの木造アパート。で、間取りは四畳半、風呂なし、トイレ共同」と、言っちゃったんですよ。まあ、そんな物件は西新宿のオフィス街にはないだろうと計算の上で、最終的には「一番狭くてワンルームしかありませんでした!」って話になって、俺は四畳半に住みたかったのに!まあ、仕方ないなあ、ああ、四畳半住みたかったのになぁ~って按配に落ち着くかなぁと()

 

高山:()。ちょっとズルくないですか・・・。

 

岡村:はい、本当にすいませんでした。でも、あなたに言われたくないですね。

 

高山:・・・。

 

岡村:で、1時間後に携帯がなって「社長ありました。3万円です」って。そこで、おいおいおい、ちょっと待てよと。西新宿のオフィスから徒歩3分って条件もあるぞと。都内ならいくらでもあるけど、そこ絶対忘れてるだろって。「じゃあ、内見行きますか?」って言われたんで、行ったらあったんですよ・・・。で、本当にあったねって。「はい、社長のために頑張って探しました。私、物件検索が趣味なんですよ」って()

 

高山:でもそれ、よくやったな!って褒める場面じゃないですか!()

 

岡村:はい、本当にすいませんでした。

 

高山:・・・。

 

岡村:俺、大丈夫かなぁって、不安で無言になってたら、老人の方がアパートから出てきて担当社員と話してるんですよ。なんなんだろって見てたら、「社長が怪しすぎるので面接するそうです」と。その方、オーナーさんだったんですよ。

 

高山:入居に際して面接とは、なかなか審査が厳しい物件じゃないですか。

 

岡村:「なんで上場企業の社長さんがこんなとこ住むんですか?何か企んでませんか?」と、めっちゃ警戒されたんですけど、怠けた心を入れ替えるために、このアパートで修行したいんです!って、思わず言ったら「よし!それなら、わかった!」って。

 

高山:なんで道場へ入門みたいになってるんですか。もう、わけわかんない(笑)。

 

早朝に3人組の男が部屋に乱入!

 

岡村:翌日、俺、本当にあのボロボロのアパートに住むのかなぁって。オーナー、気が変わって審査落としてくれないかなぁってボーッとしてたら、管理部の担当社員が来て、「社長、無事に契約できました」って突然、南京錠渡されて。え、なにこれ?って言ったら、「アパートの鍵です」と。「あの部屋は外からしか施錠できないんです」と。

 

高山:それ、体育館の備品倉庫みたいな鍵の作りですね。

 

岡村:はい、まさに。それで僕もやっと覚悟ができて。すぐに部屋の家具から贅沢品まで、ベッド以外は全部処分して引っ越したんですよ。南京錠握りしめながら、再スタートだ!って、すげー気合い入りました。

 

高山:希望に満ち溢れてるじゃないですか!

 

岡村:いや、でも初日で後悔しましたよ()。とにかく部屋に隙間が多くて、めっちゃ寒い!1月~2月は、寒くて全然寝られないし、ガチガチ震えて身体がずっと力んじゃうから、めっちゃくちゃ筋肉痛になるんですよ。で、その筋トレの効果で脂肪がすげー勢いでドンドン落ちてっちゃうから、より寒さが増して。俺、凍死するのかなぁって、あのとき、くだらない意地を張らずにワンルーム探してって言えばよかったなぁって、そうだ・・・次は寒さに強いシロクマかアザラシに生まれ変わりたいなぁって、そんなことばっかり考えてました。

 

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岡村が実際に住んでいた木造アパート。正直、ぜんぜん違和感がない。

 

高山:なるほど。寒さに強いのは四畳半のおかげだったんですね。冬でもTシャツにアウター1枚の理由がわかりましたよ。ちなみに、それ以外にも困ったことってありますか?

 

岡村:とにかく、信じられないトラブルが連発して。朝6時、寝てるところに3人組の男がいきなり乗り込んできて。「こら!起きろ!」って。寝ぼけてたんで、ああ、ついに迎えが来たか、フランダースの犬みたいに天使は来なかったなぁと思ってたら、「寝ぼけてんじゃない!お前、不法滞在の誰々だろ!」って。えええ~!って一気に目が覚めて。いや、一応社長なんです・・・って答えたら、「社長がこんなとこいるかバカ、来い!」って。どうやら2階に住んでた外国人と間違えられたようで、危うく強制送還でした。

 

高山:ちょっとシャレにならないですね()。相当古いみたいですけど、地震とかは大丈夫なんですか?

 

岡村:それが、めちゃくちゃ揺れるんですよ!もの凄い!初めて地震きた時は、もう、こりゃ倒壊するな、危ない!って、ホント身の危険を感じて。すぐに窓あけて、裸足のまま隣家の塀飛び越えて、庭へ入ろうとしたんですけど、隣家のお婆さんが、なぜか平然としてるんですよ。「すごい地震ですよ!危ないですよ!!」って叫んだら「いまテレビに速報流れてるけど、震度2だよ・・・」って。単にボロボロすぎて、ものすごい揺れてただけだったという。

 

高山:地震よりも、五分刈りの裸足の男が塀をよじ登って来た方が怖かったでしょうね・・・()

 

四畳半で体感した意外な効能とは

 

高山:じゃあ、トラブル続きで、すぐに引っ越したんですか?

 

岡村:いや、なんだかんだで2年くらい住みましたね。

 

高山:ながっ!()

 

岡村:これも、ぶっちゃけると、1日でも早く引っ越ししたかったんですよ!で、モーレツに働いて、業績も回復して、よっしゃあ!引っ越すぞ!ってなったんですけど・・・。四畳半に住んでることが業界で噂になっちゃってて、会う人会う人に「四畳半すごいっすね~」って言われて、僕も「いや、まだまだです。精進します」とかついついカッコつけちゃって、かなり引っ越しづらい状況になったんですね。

 

高山:まさかの四畳半ブランディング!僕もね、肥満ブランディングしちゃってるんで、痩せられないんですよ。

 

岡村:・・・。いや、でもね、経験した方がいいですよ。極寒ゆえの謎のダイエット効果もあったんですが、それよりも心のデトックスにホントなりましたから。たとえばですけど、部屋の水道からはキンキンに冷えた水しか出ないんですよ。お湯を使いたかったら、毎回毎回ガスコンロでわざわざ沸かさないといけない。

 

高山:それって、どういうことですか?

 

岡村:当たり前のことに、すごく感謝できるようになるんです。蛇口をひねれば、お湯が出るありがたさ。冬は家が暖かくて、夏は涼しい。働く場所があって、仲間がいる。なんでもないようなことに、幸せを感じるんですよ。

 

高山:四畳半を経験してなかったら、今頃、高級車に乗って、高級時計つけて、ブイブイ言わせてたでしょうね。恐ろしいですね。

 

岡村:間違いないですよ。四畳半を経験したことで、心がキレイになりましたよ。

 

高山:「岡村陽久著 四畳半デトックス」をおくりバントから出版しますね。

 

岡村:それ売れなかったら、責任とって四畳半に引っ越してくださいよ。

 

高山:やめましょう・・・()

 

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いま、もっとも四畳半が必要な男、おくりバント高山。アパートに憑く妖怪にしか見えない。 

 

四畳半時代の同棲相手が登場!

 

岡村:最後にですが、カッコつけて四畳半に住んでるフリをしていましたが、実は、まったく住みたくなかったのが真相でした。みなさま、誠に申し訳ありませんでした!ただ、ひょんなことから四畳半に住んだことで、人間的に一回り大きくなれたのは確かです。今日、すべてを話したことで、本当に心がスッキリしました。

 

高山:ちょっと勝手にスッキリして終わらせないでくださいよ()。実は今日、特別ゲストをお招きしてるんで。

 

岡村:え?誰ですか?

 

高山:四畳半時代の同棲相手の方です。どうぞ!

 

岡村:えっ、マジで!?

 

まだまだ続く四畳半トーク!次回の更新をお楽しみに!

 

編集・構成:小沼朋治 

写真:上野朝之 

 

【第7回】アドウェイズ岡村がもっとも畏れる男が登場!

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第7回。

 

早速、読者からの質問を・・・と思いましたが、年末特別号と題しまして、岡村の恩人をお招きしてのインタビューを行いました。お招きしたのは、サムライ・アドウェイズ取締役の西村博行。10代の岡村が一番怒られて、一番褒められた人物です。

 

インタビュアー:高山洋平(株式会社おくりバント)

 

高山:まず、2人の関係からお伺いできますか?

 

岡村:10代の頃、新大阪にある換気扇フィルターの訪問販売会社に転職したんですが、その営業所の所長が西村だったんです。今の僕があるのは、いや、アドウェイズがあるのは西村所長のおかげと断言できる恩人です。

 

高山:所長、自己紹介をお願いできますか。

 

西村:西村と申します。現在は、アドウェイズの子会社サムライ・アドウェイズで新規事業を担当しております。また、毎年アドウェイズの新卒研修の講師をやっておりまして今年で5年になりました。現在46歳で、岡村との出会いは約20年前、訪問販売会社「株式会社近畿設備」の新大阪営業所の所長時代でした。

 

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 にこやかな西村所長。正直、全然怖そうではない。

 

高山:なるほど、それで所長と呼ばれてるんですね。アドウェイズの新卒研修の話は後ほど詳しく伺うとして、当時の所長の印象を教えてください。

 

岡村:もう神様ですよ!まだ僕は10代の若造だったけど、所長と言ったら営業所のエースで完全に雲の上の存在でした。

 

西村:でもね、岡村は入社初日にいきなり私のところに来て「所長、僕は日曜日に休むくらいなら、東京帰ります!日曜日も働かせてください!」って、すごい勢いで怒鳴り込んできて(笑)。

 

岡村:はい、東京から大阪に来て、正式に入社したのが確か土曜日。身体が疼いて疼いて、月曜日まで、どうしても我慢ができなくって。

 

高山:神様に怒鳴り込むって完全に常軌を逸してますね。僕だったら、大阪観光で食い倒れて、月曜日に出社できるかも危ういですね。

 

岡村:・・・。

 

西村:訪問販売は車に商材を積んで2人1組で回るのが基本だったんですが、岡村は免許を持ってなかったんですよ。なので、先輩社員にお願いして乗っけてもらえと言ったんです。

 

岡村:で、「今日入社した岡村です!僕はまだ免許を持ってません!お休み中のところ申し訳ないですが、乗っけてもらえないでしょうか!」って、先輩社員にすぐにお願いしたんですけど、全部断られたんですよ(笑)。

 

西村:たぶん、勢いありすぎて怖がられたんでしょうね・・・。それで、さすがに諦めるだろうなって思ったんですけど、さらにすごい勢いで私のところに来て「車がないんで歩いて行ってきます!換気扇フィルターはデカくて担げないので、それ以外の商品があれば卸してくれないでしょうかっ!」って。で、ドアストッパー30本入れたリュックサックを背負って新大阪の街に消えて行きました。

 

高山:角刈りの青年がスーツにリュック背負って、中身が全部ドアストッパーって、かなり怪しいですね。で、ドアストッパー売りまくったんですか?

 

岡村:いや、それが1本も売れなくて(笑)。怪しい上に、その時は商品の知識やセールストークも、大阪の地理も何ひとつわかっていなくて(苦笑)。

 

西村:でもね、結局1本も売れませんでしたけど「こいつはイケる!」って、初日で確信したんです。帰社してからも、「くそっ!くそっ!」って、血走った目で死ぬほど悔しがっていて。入社初日で、そんな強烈な印象を与えたのって、後にも先にも岡村だけだったんですよ。当時は、毎週水曜日に新人が4人入社してきて、翌週の火曜日までに4人辞めて、また水曜日に4人入ってくる、そんな目まぐるしい状況でした。年間で約200人入社して、残るのはたったの4~5人で、あっという間に辞めていく人ばかり。だから、ほとんどの人が印象なんてない中で、強烈なインパクトでしたね。

 

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 当時の血走っていた目を再現する岡村。正直、すごく怖い・・・。

 

■できない理由10挙げるより、できる理由を1つ考えろ!

 

岡村:高校を中退して入社したアルミ製品販売会社では、すぐに営業成績でトップに立った。だから気の緩みというか慢心が僕の心のどこかにあったんでしょう。それを叩き潰して、0から営業のイロハを叩き込んでくれたのが所長なんですよ。とにかく言い訳が大嫌いで絶対に許さない。

 

高山:たとえば、どんな言い訳をしていたんですか?

 

岡村:僕は天気の言い訳が好きだったんですよ(笑)。だって、いくら頑張っても、さすがに天候には勝てないと普通は思うでしょ。で、「今日は大雨で売れませんでした」って所長に報告したことがあったんですよ。そしたら、鬼の形相でメチャメチャ怒られて・・・。

 

西村:そりゃそうですよ。訪問販売は一般家庭のお客様が中心だったんですけど、大雨の日は、み~んな外に出ないで家にいるんだから。こんなチャンスないじゃないですか。

 

高山:じゃあ、晴れてる日は売れないんですかね?

 

西村:バカやろー!晴れた日はお客様の気分も晴れ晴れしてて、気持ちいいに決まってるじゃないですか!? そんな日は「よし!換気扇でも取り替えるか!」って気分になるんですよ!

 

岡村:もう、毎日こんな感じなんですよ(笑)。極めつけは大雪の日。さすがに営業車も動かなくて、この日ばっかりは所長も怒らないだろうと思ったんですけどね・・・。

 

高山:所長、怒ったんですか?

 

西村:はい(笑)。「雪が降ったのは、岡村!お前の気合が足りないんじゃ~い!」と。まあ、本当に天候不順が個人のせいだなんて、そんな理不尽なこと思ってないですよ。雪が降ったら、売れない、売れなくてもしょうがないって、勝手に思い込んで、テンション落としたのはお前のせいじゃい!ってことなんです。自分の中で、「できない理由」を作って勝手に弱気になるなと。そんなときこそ、自分を自分で奮い立たせろと。

 

岡村:それからは「天気悪いな!よし、今日は売れるぞ!」って、思うようになったんですけど、面白いように売れるようになりました。自分の気持ち1つで、営業成績がこれほどまで変わるんだって実感した瞬間でした。

 

西村:サッカーでも野球でも同じじゃないですか。元気な時、いい仕事ができるのは当たり前なんです。身体が疲れた時、気持ちが辛い時、そんな時にこそ踏ん張ってパフォーマンスを落とさずに頑張る、結果を残せるのがプロだと思うんですよ。

 

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「雪が降ったのは、岡村!お前のせいじゃい!」を鬼の形相で再現する所長。 やっぱり怖かった!

  

岡村:アドウェイズには、10個の行動指針があるんですが、その中の「できる理由を考えろ」という言葉は、所長の教えなんですよ。できない理由、逃げる理由はいくらでも挙げられる。でも、そんなこと考えている暇があれば、できる理由を1つでも考えろって。

 

高山:僕も、ダイエットをできない理由ならいくつでも挙げられます。甘いものを絶ったら、糖質が足りなくて頭がまわらない。痩せてしまったらキャラが立たなくなる。できる理由なんて、考える暇さえありません。

 

岡村:・・・。

 

高山:ちなみに、所長が考えた「できる理由」で記憶に残ってるものってありますか?

 

岡村:やっぱりクリスマスですね。クリスマスの日に訪問販売するのって、本当ツライんですよ。ピンポーンって鳴らすと、だいたい子供が飛び出してくる。「わ~!パパァ~!!」って満面の笑顔とパーティーグッズで・・・(苦笑)。で、「え、誰、このおじさん・・・」と暗い顔になる。我々だけじゃなく、ほとんどの訪問営業マンにとって、厳しい日でしょうね。業界の常識的にも売れなくて仕方ないんですよ。で、そんな我々営業マンの気持ちを悟ってか、所長はこう言ったんです。「サンタは煙突からやってくる。でも現代は煙突はない。じゃあ、どこだ!岡村!」。僕はベランダですか?って。所長は「それじゃ、泥棒だろ!」って。

 

高山:はい。で、所長、答えは?

 

西村:換気扇です(笑)。現代の煙突は、どう考えても換気扇だろうと。で、汚れてると、サンタが入りにくいから、ピッカピカの新品のフィルターに変えるのが大切だって。

 

岡村:それを聞いたとき、曇ってた営業マンたちの表情が一瞬でパッと晴れて、「クリスマスこそフィルター商戦だ!」って一気に盛り上がりました。普通に考えたら換気扇なんか狭くて通れるはずないんですけどね(笑)。子供が飛び出してくると、それまでは「パパじゃなくてゴメン!」って、罪悪感でいっぱいだったんですけど、それからは「換気扇汚いと、サンタさんが困っちゃうんだよ~」って笑顔で子供と話せるようになりました。結果、全国に約35箇所の営業所があったんですが、新大阪営業所は断トツの1位で記録的な売り上げでしたね。

 

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 「換気扇のフィルターを交換すると、こ〜んな大きなプレゼントを持ったサンタさんが来るよ」と当時のトークを再現する岡村。

 

高山:所長がアドウェイズの新卒研修を担当するようになった理由は何なんですか?

 

岡村:近畿設備での経験、所長からの教えは、僕の中で心の支えになってるんですよ。当時の体験を思い出せば、どんな辛いことがあっても乗り越えられる、達成できるって。それを新卒のみんなにも体験して欲しいと思ったのが一番の理由ですね。ちなみにですが、褒めるのも抜群にうまいんですよ(笑)。

 

高山:僕は社員に大好きな映画のVHSのビデオテープをあげたりしてますが、たとえばどんな風に褒めるんですか?

 

岡村:VHSとかは置いといて、モノじゃないんですよ・・・。気持ちを動かすのは気持ちなんです。たとえば、営業所のホワイトボードには毎日、全員の営業成績が書き出されるんですが(通称:西村グラフ)、成績がいい場合は黒いマーカーででデカデカと他の人からもよく見えるように、普通の場合は青いマーカーでサラッと、悪い場合は赤いマーカーで恥ずかしいくらい小さく書かれる。そのグラフの強弱が絶妙で心を揺さぶるんですよ。特に成績がよかった、ある日のことですが、帰社してホワイトボードを見たらピンクで超特大に数字が書かれてることがあって。「なにこれすげー!こんなのはじめて!」って感動したんですが、よくよく考えるとピンクのマーカーなんてないじゃないですか。触ってみたら全然消えなくて油性のマジックだったんですよ(笑)。で、みんなが帰った終電間際にアルコールで落としてる姿見て、心から褒めてくれてるんだなって。翌日から、またあの"西村ピンク"が欲しいって身体が震えるようになって、しばらくの間、ピンク中毒になっちゃいましたね。

 

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これが10代の岡村青年を虜にした「西村グラフ」(簡易再現版)だ!同じ時間を過ごした者同士にしかわからない魅力があるのであろう。

 

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近畿設備OBによる再現大会の様相を呈してきた・・・。 

 

高山:なるほど(笑)。一時期は、林家ペーパーばりのピンク好きだったんですね。ところで所長がそもそもアドウェイズに入社した経緯は?

 

岡村:2001年にアドウェイズを創業してからも、所長とは定期的に連絡は取っていたんです。苦しいときに電話すると元気になれるんで「所長、気合いれてください!」って、いきなり電話して。

 

西村:ほとんどが「おっしゃあ!頑張れ!!」って、ひとこと言って切るんですけど(笑)。で、2011年ですかね。僕もそのときは独立していたんですけど、ちょうど次のステップを模索している時でした。それで、岡村と電話してたときに「やりたいことがあるんで、所長、東京来てください!」と。僕は2つ返事でOKして、大阪からすぐに東京に来ました。一番の理由は、岡村と仕事をした数年が私にとっても忘れられない成長体験になっていたからなんです。私が所長で、岡村が部下という関係でしたが、彼の本気が社内をひとつにして、とんでもない成績を上げる営業所になった。その熱気をもう一度感じたかったんです。

 

岡村:インターネットの世界って、一般的にはサービス・プロダクト勝負なんですけど、当時、僕はそれだけでは駄目だと感じ始めていたんです。このままでは競合と差別化ができない、営業力・人間力を強化しないとアドウェイズは生き残ることはできないって。そんなとき、西村の声を聞いて「営業力・人間力をアドウェイズに注入できるのは、この人しかいない!」って思ったんです。近畿設備はバリバリの営業会社でしたから、売り上げがすべてだったんですよ。昇進基準っていうのは明確にあって、換気扇フィルターを2ヶ月連続で250本売れたら主任、350本売れたら係長、400本売れたら課長という感じになっていて。達成すれば褒められるし昇進もできる、未達なら怒られるし降格する。0本のときなんて「立ってるだけで売り上げてる自動販売機の方がマシだ!」「座るな!椅子の方がまだ役に立ってるぞ!」なんて言われたりもして(苦笑)。

 

高山:結果も大事ですが、プロセスを評価するっていうのはなかったんですか?

 

西村:そりゃありますよ。でも、それは絶対に口に出しては言いませんでした。プロセスを評価するって言うと、達成できなくても仕方ないとか、過程を評価されるように逃げちゃう場合があるじゃないですか。0か100、そういう結果原理主義の中でこそ、身につく心技体って私は絶対にあると思うんですよ。最後まで絶対に諦めない、やればできるんだっていうね。それは、仕事の中のいろんなケースで修羅場をくぐる経験をしてこそ、身につくものじゃないですか。ただ、プロセスを評価しなくても、本気でやってる人は周りが絶対に見捨てないんです。たとえば、岡村は係長時代に、昇進まで数本足りないという部下に、最後の最後で、自分の数字をわけてあげたりしていました。

 

岡村:それは僕自身にも、主任への昇格がかかってるときに、当時の上司がやってくれたんです。数字は営業マンの命だから、そう簡単に渡せるはずがない。でも、個人の成績も大事だけど、チームの成績がもっと大事だっていう思いが、所長の営業所にはあったからでしょうね。すごく感動しましたね。

 

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岡村が係長だった時代の部下、サムライ・アドウェイズの滝谷。「岡村から数字をもらったのは私です。今日はビールをもらいました」とのことで、完全な草食系だ。

 

高山:アドウェイズの研修は、この2年間、本当に偶然、おくりバントの横で行われてるんですが、所長の怒号も時たま聞こえてきて怖いです(笑)。

 

岡村:所長には、やりたいようにやってくださいと言ってるので。まあ、僕の経験からしても怒号くらいは普通でしょう(笑)。研修してる当事者って大変なんです。毎年、いろんなところから、僕にも心配の声やクレームが来ますよ。でもね、所長は相手の長い社会人人生を考えて怒ってるってことですし、ひとつ言えることは、研修の成果が出るのはすぐにじゃなくて、半年~1年経ってからなんです。毎年、入社から半年経過した時点であらためて研修をやってるんですが、その時、「新卒研修、来年はやるべきかな?」ってたずねると、「次の新卒の人たちにも是非やってください!」って、言うんです。半年経った今、心の支えになっているし、一緒に乗り越えた同期との絆も強いものになっていると。

 

西村:それは本当に嬉しいですね。

 

岡村:アドウェイズでは上司と部下という関係ですが、僕を育ててくれたのは所長で、僕はいつまでも”西村チルドレン”です。ブログで身内を褒めるのって、読者の方からしたら少し気持ち悪いのかもしれませんが、所長にはどうしても公に感謝を伝えたかったんです。年末ということで、皆さまご勘弁ください。

 

高山:僕も新人時代に所長の研修を受けたかったですよ!

 

岡村:あ、そうだ。おくりバントは最近、調子も悪いし、ちょうど研修が必要だと本気で思ってました。ライザップも行ってないようですし、先に心のダイエットをしましょうか。

 

(了)

  

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インタビュー終了後、中華料理屋で乾杯する近畿設備OBの3人と、岡村から「おくりバント研修」を命じられて、一気に表情が曇った1匹。

 

■おまけ 近畿設備OB写真コーナー

 

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新大阪では毎晩、所長が飲みに連れて行ってくれたとのこと。

 

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 近畿設備OBの杉山さん(最年長)。インタビューの途中で寝てしまい、中華料理屋にたどり着けず・・・。

 

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同じくOBの遠藤さん。簡易再現版「西村グラフ」に課長として登場。写真は、新卒研修に助っ人で参加した時の一コマ。

 

編集・構成:小沼朋治 

写真:上野朝之