岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第18回】岡村陽久&小渕宏二&佐藤光紀の「出張!リアル勝手にしやがれ」in TERACOYA

株式会社おくりバントが鋭意制作しております「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」。またもや、「岡村さんまた勝手に外でイベントしてこないで下さいね?約束ですよ?」という再三の注意にもかかわらず、我々の知らぬ間にリアルイベント「勝手にしやがれ特別版」が開催されてしまったようです。今回の舞台は、起業を志す者が集まる日本最大級のイベント「TERACOYA」。これも読者の皆様の日頃のご愛顧のおかげと感謝の気持ちを抱きつつ、急遽、勝手に入手したイベント当日の録音テープを勝手にまとめたダイジェスト記事をお送り致します。

 

f:id:okuri_bunt:20161130135121j:plain

 

「勝手にしやがれinTERACOYA」(2016年10月29日開催)

 

スピーカー

クルーズ株式会社 代表取締役社長 小渕宏二

株式会社セプテーニ 代表取締役社長 佐藤 光紀様

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長CEO 岡村 陽久

 

 

小渕「良い意味の天才・佐藤さんと、悪い意味の天才・岡村さんです」

 

小渕:皆さん、佐藤さんって知ってますか? 岡村さんって知ってます? 僕の知り合いの中で一番の天才肌経営者と、それから良い意味で馬鹿正直というか。

 

(会場笑)

 

小渕:今日はそんな、良い意味での天才と悪い意味での天才をアサインしました。岡村さん、今日の服はどこで?

 

岡村:はいっ、御徒町で!

 

小渕:靴のかかとを踏んづけてるんですけど、岡村さんのトレードマークです。こんな感じで福岡、札幌と続いて、今回3回目となりました。『勝手にしやがれ』という、アドウェイズがやっているコンテンツなんですが、今回は「TERACOYA」に特別編という事でお邪魔しています。

(モニターを見ながら)こんな感じで登壇する経営者のプロフィールは、ほとんどが真面目なんですけど、岡村さんだけは「上野中学卒業、アドウェイズ創業」って2行だけだったことがあったんですよ(笑)。セプテーニ・ホールディングスの佐藤さんはですね、IT業界では会社を創業した人がそのまま社長をやってるパターンが多い中、珍しく違うという。佐藤さんが社長になられたのっていつでしたっけ。

 

佐藤:社長を引き継いだのは10年前くらいですかね。僕が社内で今のインターネットの事業を創業したのが24の時なので16年前位です。

 

小渕:セプテーニさんにはインターネットじゃない事業をやられていた時代がありまして、えーと、FAXでしたっけ?

 

佐藤:FAXはオプトさんですね(笑)うちは、ダイレクトメール。

 

小渕:佐藤さんが社長になられて、セプテーニがインターネットの事業をはじめて、会社が大きく成長していくという、IT系では珍しいパターンですね。それでは早速、皆さんからの質問をこの3人で答えていきます。でもつまらない話はどんどんカットしちゃいます。岡村さんの話も長かったら勝手にカットしていくという感じで、良いですね? 岡村さん。

 

岡村:勝手にしやがれ(棒読み)

 

f:id:okuri_bunt:20161130135250j:plain

左からトークの天才・CROOZ小渕社長、悪い意味での天才・アドウェイズ岡村、良い意味での天才・セプテーニ佐藤社長

 

「300万円あったら何で起業する?」

 

小渕:相談その1。「もし、今の仲間もいない状況で、今の会社もいない状況で300万円持っていたら、どんな事業をはじめますか? かつ同じ状況でIPOを狙うとしたらどんな事業が良いと思いますか?」。僕も創業した時って資金300万円でしたね。じゃあ、岡村さん。

 

岡村:そうっすね、僕は新たに何かやるとしても、今と同じ事業をやりたいですね。アドウェイズはインターネットの広告事業をさせていただいているんですが、今の事業がすごく好きなので、今と同じ事業をやりたいと思いますね。

 

小渕:岡村さん、真面目な回答は佐藤さん枠ですので!

 

岡村:あっ、すいません!

 

小渕:佐藤さんは今の人脈も会社も無い状況で300万円あったらどうしますか?

 

佐藤:IPO狙うんですよね?

 

小渕:はい、狙います。

 

佐藤:これ、真面目に答えるの?(笑)何ですかね。やっぱり、インターネットの事業はやるでしょうね。「インターネット×○○」っていうジャンルで、もうちょっと業種深掘りみたいなことをするでしょうね。


例えば、最近考えたんですけど。港区に高級がマンションいっぱいあるわけですよ。1億円、2億円の高級マンションって、新築の時は、プロのカメラマンが素晴らしい写真を撮って、綺麗にチラシを作って売りに出すんです。でも、同じマンションでも、中古で売るときになると、途端に、普通の不動産のサイトに何百件って物件があるなかで、3000万円の物も、3億円の物も、同じ様なレイアウトで、同じ様な写真で載るんですそれはちょっと、うーん?みたいな感じで。なので、3億円のマンションだったら、新築の時と同じくらい、「○○マンション302号室」みたいな物件サイトを、その一部屋のためだけに作るんです。一人で作るから全然お金かからないですよ。

小渕:なるほど。

佐藤:いろんなソーシャルメディアとかでトラフィック集めて、ちゃんと口コミでシェアされる状態にして売ってあげる。実際、売買は仲介の方に任せて。最終的には自分達で免許取ってもいいんですけど、300万円だったら最初は仲の良い不動産屋さんに「もう、決めてきたからさ」って言って。

小渕:面白いですねそれ。岡村さんその事業やってみましょうよ。

岡村:(笑)

小渕:という感じでね、真面目な枠は佐藤さんなんで、岡村さんからはもっと野性味あふれる回答をお願いします。

岡村:こういう事業やりたい、ああいう事やりたいって思う時って真面目な事が多いんですけど、辞めて新しい事やるとしたら「雀荘」やりたいですね。雀荘って24時間で、お客さんが足りないときは店員も入ったりするんですけど、そうしたら僕も麻雀打てるんで。

 

小渕:ちょっと! 岡村さん辞めたらCROOZ来るって言ってたじゃないですか!

 

f:id:okuri_bunt:20161130135555j:plain

アドウェイズ辞めたら小渕社長の部下になる!という男と男の約束をすっとぼける岡村。雀荘の店員さんにいそうな風貌である

 

岡村「30歳の頃ほんの一瞬だけモテました」

 

小渕:相談2。「経営者の幸せってなんですか? また、スタートアップから現在までのモチベーションや気持ちの推移についても教えてください」。経営者の幸せってなんですかね?

 

佐藤:最初はやっぱりモテたいとか、お金欲しいとかじゃないとか、そういうのが多いんじゃないですかね。僕もそうでしたし。

 

小渕:佐藤さん真面目枠なのに、なんでそんな事言うんですか! でも最初は皆そんなもんですよね。

 

佐藤:最初からすごい理想に燃えてたみたいなのは、嘘でしょ?って思いますよ。まれに本当の人いるんですけど、ほとんど違うかもしれませんよね。100人中、99人は。手に入れたい物のために頑張るという動物的な動機が満たされてくると、もっと楽しくしたいなと考えるようになって、会社が大きくなってくると、「経営って楽しいな」という風に思うようになりました。

 

最初は立ち上げて生き残るのに必至で、明日なくなるんじゃないかっていう恐怖と戦うじゃないですか。経営の奥深さを知って、真剣にやってみようという風に思うようになって、会社の人がやりがいを持って働けるような環境作りとか、経営の仕組み作りに注力し始めたのが、5年、10年経ってからです。

 

小渕:僕は最初からやりがいは感じていたんだすけど、それがだんだん生き甲斐に変わってきたって感じですかね。社員とか仲間達が喜びを感じてくれるのが生き甲斐というか。

 

岡村:僕も同じ感じになっちゃうんですけど、最初はうまいもん食いたいとかモテたいとか、キャバクラ行きたいとか……。

 

小渕:でも結局モテました? 岡村さん。

 

岡村:1回モテました。30歳前後の時。

 

小渕:アレですね、2007年のアドウェイズショックで、岡村さんが四畳半のアパートに住んでいた時。まあ、母性本能ですかね(笑)。

 

岡村:一瞬ですけどね。

 

小渕:モテた気がしてただけじゃないですか?

 

(会場爆笑)

 

岡村:でも一ヶ月に100万も200万も使えないじゃないですかお金なんて。どちらかって言うと、何年か前に採用した新卒がいま一緒に会議に出たりするとすごく成長していて、何も出来なかったヤツがちゃんとしてるのを見ると、アドウェイズやっていて良かったなって思うし、もっと今後もそれを見たい。あとは、お客さんから、「アドウェイズさんのサービス使ってすごい売り上げ上がったんです」って言われると、やってて良かったなって。そこが今ではモチベーションです。

 

f:id:okuri_bunt:20161130135834j:plain

30代のモテ期をスタンディングして説明する岡村と、その気迫にたじろぐ小渕社長。この日一番、岡村が張り切った瞬間だ 

 

佐藤「変態な若者は応援したいですね」

 

小渕:それでは次いきますね。「どんな若者を応援したいですか? 若手起業家に必要な事とは?」。佐藤さんいかがでしょうか?

 

佐藤:一言でいうと、変態。変態な人

 

小渕:佐藤さんみたいな人?

 

佐藤:そうですね(笑)ありがとうございます! 例えばインターネットのサービスを立ち上げた時に、競合のサービスが四六時中気になって仕方なくて、全サービスにユーザー登録をして、カスタマーサポートのメールの一文まで読まないと気が済まないとか。気になって眠れなくなっちゃうような人とかは、僕は好きですね。ちょっと道を踏み外すと、どこ行っちゃうか分からない、危ない感じの人(笑)。大きな成果をあげる人ってやっぱりちょっと変わった人が多いので、そういう人が成功するのを応援したいですね。

 

岡村:僕、それで言うとたまたまなんですけど、これの仕込みがどうか知らないですけど、若手起業家の方から「会いたいです」と言われたんですよ。

 

小渕:それは仕込みです(笑)。

 

岡村:早稲田大学の2年生だったんですけど、「中卒とか高卒の方を応援したいと思っていて、岡村さんが中卒なので」って。「まずは中卒とか高卒の人は短期間で教材を勉強してもらって、次に企業にインターンで入ってもらって、最終的には就職につなげていきたい」という採用系の事業の話だったんですけど、それで……。

 

小渕:そろそろ次いきますよ〜。岡村さん一言で言うと?

 

岡村:その子はですね、まだ社名も決まってないんですよ、でも志はあって、そういう人を応援したいなって。たまたま昨日思いました。

 

小渕:僕は岡村さんみたいな人が来たら採用しちゃうかな。まず髪型(笑)。でも営業でいうと、ドンドン突っ込んでくれそうだし、一定の所で力を発揮してくれそうで、僕は大好きですね。

 

f:id:okuri_bunt:20161130140140j:plain

佐藤社長が応援したい若手起業家は「変態」で「危ない感じの人」!

 

岡村「意外と綺麗好き(埃とか灰は気にしません)なんですよ!」

 

小渕:続いていきます「VC等を選ぶ際に、何を基準にすれば良いですか? デッドとか……」デッドってなんですか? やっと起業家らしい質問が来ましたが、横文字が多いですね。これは成功しないな(笑)。岡村さんはこんな事分からなくてもここまで来てますから。とは言え佐藤さん、VCとか選ぶ時に大事にすべきこと、どういう基準でVCを選んだらいいか、佐藤さん教えてもらっていいですか?

佐藤:人で選んだ方がいいかなって思いますね。小渕さんとはじめて会ったとき、新宿のビルの一階の蕎麦屋さんで、友人の社長から紹介されて投資の依頼をうけて。

小渕:覚えてますよ、佐藤さんが初対面なのにソバをヒューっと食べて、なんてソバの食い方がデカい人なんだと驚きました。


佐藤:初めて会った人で、投資をその場で決めたのは後にも先にも小渕さんだけなんですよ。どう説明したら投資家が納得するかというポイントを、全部押さえた話し方だったんですよね。30分くらい話しただけで、会社の状態がほぼ分かった。頭の中で想像できたんですよね。


何が言いたかって言うと「この人いい人じゃん」と思ったら、多分VCとか周りの投資家、支援者も任せると思うんですよね。ああだこうだ言われているとしたら、多分その会社とか社長に原因があるんですよ。だから、どういう人をどういう基準で選ぶべきって、細かく言ったら色々あるんでしょうけど、何も言われないような人に自分がなればいいわけです。結局、魅力的な人になれば投資家は集まってくるし。

 

 

f:id:okuri_bunt:20161130142819j:plain

盛り上がるとすぐに席を立ってしまう岡村

 

小渕:いやあ、すごく良い話だったんですが、真似出来ますか? 皆さん。

 

佐藤:あとは会社を綺麗にしておくのも大切ですよね。ちょっと申し訳ないんですけど、今日の会場の控え室が散らかっていたんですよ。そうすると「イベントも散らかる感じになるんじゃないか」って心配になっちゃうし、それが投資先の会社だとしたら、どんなにイケてる会社でも僕は投資しないです。

そういう細かい所作とかにその人の価値観とか行動様式って反映されると思っていて。だから良いVCから投資されようと思ったら、まずオフィスをピカピカにして、社長がとにかくゴミ拾うと。いい人が集まるような会社にするんだったら、まず自分達がピカピカになる方が早くない?みたいな。

 

小渕:それはありますね〜。だって、岡村さんの家に行ったら誰も投資しようと思わないもん。

 

岡村:いや、僕は意外と綺麗好きなんですよ! 埃とかは気にしないですけど。皆で飲みに行って、使った皿を綺麗にまとめないと気が済まないですもん。それで、お皿をまとめて、テーブルをふいて、来た時よりも綺麗にしないとだめ。

 

小渕:でも前に岡村さんの車に乗ったとき、灰だらけだったじゃないですか!

 

岡村:そうですね、灰とかは気にしないんです。

 

(会場爆笑)

 

小渕:超良い車なんですよ。でもバンパーがガムテープで止めてあって、灰皿は灰と吸い殻だらけで。あとそういう高級車の場合、普通は運転手さんがいるんですけど、岡村さんは自分で運転するから、ゴルフに行った時にキャディさんが岡村さんを運転手さんと間違えて話しかけてたもんね(笑)。

 

f:id:okuri_bunt:20161130140828j:plain

前回の「岡村さんは風呂入らない!」に続き「岡村さんの車は汚い!」と、引き続きぶっこんでくる小渕社長

 

岡村「営業利益100万円なら、従業員の結婚式のご祝儀は100万円にしましょう」

 

小渕:次にいきます。「私は3期目まで終え、年間売り上げ利益100万円、従業員10名の会社を経営しています。27歳の従業員の結婚式に呼ばれていて、主賓の挨拶を頼まれているのですが、諸先輩方がいる中でどの様な挨拶をすれば、若いのに良い社長だと思われるでしょうか?」。細かいな、自分で考えろよ!と言いたいところですが、佐藤さん結婚多いんじゃないですか? 今従業員数でいうと?

 

佐藤:だいたい、1,200人。250組くらい出てますね。祝辞も全部変えていますよ。

小渕:すごい! 岡村さんは社員数で言うと?

岡村:僕も国内海外合わせると1,100人くらいの従業員数で、これまで70回くらいは出てますよ。

 

小渕:本当に!? 俺、3、4回なんだけど、人気ないのかな……。

 

佐藤:大丈夫ですよ、人望ありますって。

 

岡村:まず、年間営業利益100万円出てるんだったらご祝儀に100万円もっていった方が良いですよ。そこで男気を見せる。

 

(会場爆笑)

 

佐藤:全部持ち込みましたか。「僕はこの場に営業利益を全部ぶっ込んだぞ」と。

 

小渕:でも男気見せまくってたら会社が潰れちゃうじゃないですかこれ。

 

岡村:いや、それでも何とかするとって事です。それで挨拶もいらないですね。

 

小渕:確かに若いのに良い会社だなあと思われるでしょうね。でも若いのにバカな社長だなあとも思われるでしょうね!(笑) 

 

f:id:okuri_bunt:20161130141331j:plain

真剣な表情で質問に聞き入る小渕社長と、静かにまぶたを閉じる岡村

 

佐藤「“良い人材”は待つのでは無く、発掘せよ」

 

小渕:では次の質問。「とにかく良い人材が集まりません、優秀な右腕、左腕を集められるでしょうか?」どうでしょう、佐藤さん。

 

佐藤:この状態だともう取れないですね。だって、集まる方法分かってないでしょ、全然。集まらない様な人なんですよきっと。だから方法なんかなくて。でも、きっともういるんですよ、この会社に優秀な人が。それなのに質問した方は、その人のことを信じていない。


だからまず、今居る人の中でちゃんと仕事を任せる経験っていうのを摘んで、きっと最初は上手くいかないですけど、その状況を一緒に解決ながら信頼関係とかを作っていく。そうすると今の評価よりも思った以上に「なんだこいつ、結構活躍するな」と気付くはずです。

 

小渕:発掘力という事ですね。

 

佐藤:そういうことだと思いますけどね。そういう風にして人を活かす経営ができてる状態になれば、スペックの高い、いい人も後からくるんですよね。経歴の格好良さみたいなものから採用していこうとすると、薄っぺらいものになってくるんですけど。

 

小渕:僕も創業して、右腕・左腕という言い方が良いのか分からないですけど、今中心になって活躍してくれているメンバーが最初から優秀だったわけじゃないですよ。それこそ中卒高卒のスタッフだって多いし、19歳から働いてる古瀬も、僕が掲示板で「一度面接受けに来ないか?」と誘ったのが最初でしたから。

 

岡村さん、よく名前が出て来るアドウェイズ経営陣の鹿野君とか山田君とか優秀な人は、どうだったんですか?

 

岡村:いや、もちろん僕よりは優秀でしたけど(笑)、最初はそこまでではなかったと思いますよ。創業当時は、求人サイトに出稿してもお金かかるし、人が集まらないだろうと思って。でかい本屋に行ってプログラミングの本とか立ち読みしている人とか買った人のあとをつけていって、声かけて入ってもらったんですよ。

 

小渕:最初から優秀な人なんていなくて、仲間が失敗して、自分が失敗して、失敗の数が成功のもとになっていくのかもしれませんね。それではここからは会場の皆さんから質問を受け付けたいと思います。でもつまらない質問はカットしますので、そこらへんはよろしくお願いします。

 

f:id:okuri_bunt:20161130141812j:plain

会社の右腕、左腕の話をする小渕社長の腕の筋肉がすごい 

 

佐藤「“自分の職業×◯◯”のかけ算が個性になる」

 

来場者:今、税理士とクライアントを結びつけるサービスを作ろうと企業したばかりです。今はコンピューターの発展によって、会計士が将来いらなくなるのではないか? と言われていますが、今後、税理士はどう生きていけば良いと思いますか?

 

小渕:ありがとうございます。岡村さん、税理士と会計士の違いはついていますよね……? 税理士がこれからどうするか、どう生きていくか。ズバリお願いします。

 

岡村:税理士と会計士の違いはギリギリですけど……。税理士の方って一番最初に色々な会社の売り上げとか営業データにふれると思うんですよね。大きい会社ならその会社の経理かと思いますが。企業と税理士の関係って、伝票やデータのやり取りの中で進んでいくと思うのですが、僕は今も仕事をしている税理士の方と10年以上の付き合いなのですが、データに基づいてものすごいアドバイスをくれるんですよ。

 

小渕:岡村さん、皆さんも結構そういったアドバイスもらっていると思いますよ。

 

岡村:そうなんですか!? 僕だけだと思ってました。すごいなこの税理士って思ってたんですけど!

 

(会場大爆笑)

 

岡村:で、そういった大事なデータにふれていると思うし、そこから見える事もたくさんあると思うので、そういう付加価値を与えてあげるのが、重要……かな……と。

 

小渕:岡村さんに真面目な話はちょっとムリだったということで、佐藤さんはいかがですか?

 

佐藤:当社では、漫画家さんの発掘とか能力開発みたいなことを、事業としてやっているんですけど、その時にも、「この人って何が得意なんだっけ?この人の専門性はどこだろう?」とか、能力開発を軸にして個性を発掘するみたいなことをしています。技術として漫画を描ける人は世の中に沢山いるんですけど、実際に売れるか売れないかとか、プロとしてやっていけるかどうかっていうのは、技術とは違う軸なので。それで最終的には、作品っていうアウトプットに仕上げていくんですよね。


税理士の業界も、税務以外の何が得意ですか?と。その人の個性って何ですか?って言った時に、そのタグ付けが「税務も出来ます、法務もできます」という足し算ではなくて、例えば、税理士だけど歌って踊れますとか、簡単にリプレイス可能なスキルじゃない部分で、かけ算ができて付加価値があると、岡村さんみたいな個性的なオーナー社長が「歌って踊れる人いいよね」と言ってくれる。


そういう「税務×○○×○○」っていうラベルの掛け合わせの数が多ければ多いほど、その人に頼むしかないっていうくらい、ユニークな存在になると思うんで、そういう意味での個性の開発が出来ると、面白いんじゃないかと思います。

 

f:id:okuri_bunt:20161130142235j:plain

小渕さんのツッコミに対して、徹底的にボケ倒した岡村のせいで、カメラマンが終始笑ってしまい、納品された写真がブレまくる事態に...。会場は大盛り上がりでした

 

岡村、大いに驚く「佐藤さんって先輩だったんスね!」

 

小渕:他に質問ないですか?

 

来場者:私は今創業して3ヶ月くらいの経営者です。アフリエイトの代理店をやらせていただいています、最初はアフリエイトをやろうと思っておらず、自社で色々なプロダクトを作りたいと思っていたのですが、目標を失ってまずは売り上げを立てようとやっております。佐藤さんと岡村さんに創業時の目標の作り方を聞きたいなと思います。

 

小渕:岡村さん、創業時売り上げ目標ってありました?

 

岡村:全くないっすね!

 

小渕:ですよね。

 

岡村:はい。

 

小渕:なくてもここまでこれるから良いんじゃないですか? 佐藤さんはどうでしょう。

 

佐藤:元々の目標とは違う受託の仕事もやっているという事でしたが、その受託でしている事業の延長線上にも何かあるんじゃないかって思うんですよね。とにかくめちゃくちゃ業績伸ばしてみたらいいんじゃないですかね。


今、当社のインターネット広告事業の収益が全体の8割くらいなんですけど、最初は事業で何かしたいなと思って始めていて、メディアを運営していたんです。今で言う「価格.com」のような。そのメディアを運営する中で、会員向けにメールマガジンを出してたんですけど、それが結構メディアの収入源になっていたんです。僕が広告もメルマガも全部書いてやっていたんですけど、毎日書いていたら反応のいいものと、そうでないのがあることが分かってきたんですよね。


そのメディアは結局上手くいかなくなって、閉じることになるんですけど、メルマガを上手く書いて反応を得るっていうのは、何かに使えるんじゃないかと思って、アドネットワークの原型みたいなのをEメールのメールマガジン専門で始めたんです。そしたらそれが結構伸びてきて、今の事業に繋がっているんです。というのが25歳の時ですかね。その当時、まさかインターネット広告の企業になるなんてことを、想像して始めたわけじゃなかったんですよ。

 

岡村:まさか「ピュアクリック」ですか? 僕、それを参考にアドウェイズ・エージェンシーはじめたんですよ!

 

小渕:ふたり、先輩後輩じゃん!

 

佐藤:そうだったんですね、知り合って15、6年なんですけど今知りました(笑)。99年にメデイアをやって、上手くいかなくて。それで方向転換で、メール広告のネットワークっていうのをして。それが結果的にお客様が増えてきて、「これは、世の中に受け入れられているらしい」とその時に知って、そういう業界も面白いかもね、みたいな。

小渕:結局は金が金を呼んで、人の成長も呼んで、みたいな感じもするし、まず金稼げってことかもしれませんね。

 

f:id:okuri_bunt:20161130142614j:plain

意外な接点があった岡村と佐藤社長。ちなみに奇遇にもオフィスが同じビル 

 

小渕「岡村さんは下戸だから、会食ではコーラで吐くまで付き合ってくれる」

 

小渕:ではラストいきましょう!

 

来場者:僕は今、大学生なのですが、CROOZさんの「BIZ CAMP」で起業する機会をいただいて、今度起業させていただきます。これまでは学生ばかりと関わってきて、起業すると色々な方と会食をご一緒させていただく機会が増えるかと思うのですが、心がけておいた方が良い事はありますか?

 

小渕:それが一番得意なのは俺だけど、う〜ん。この話を言うとなあ。岡村さんってこう見えてお酒一滴も飲まないんですよ。飲みにいくとコーラを頼んで、俺たちが盛り上がって一気飲みする時とかに、付き合ってコーラで一気してくれて、俺たちが気分悪くなると一緒になってトイレで吐いてくれる(笑)。

 

(会場大爆笑)

 

小渕:会食とかでも一切飲まないですけど、岡村さんは楽しく付き合って大きい仕事もとってきますからね。

 

岡村:一番大切なのはまずは礼儀正しい事。若い起業家の方って礼儀正しくない方が多いのかなって。ため口だったり、自慢したり、虚勢をはったりとか。IT業界って、比較的、礼儀正しくない方が多いと思うので、その中できちんとしていると目立つのかなと。あと会食という事は、奢ってもらう事になると思うんですが、ご馳走してもらった時には、お酒もお水もご飯も思い切り美味しくいただくこと! その方が奢る方も気もち良いじゃないですか。そういう当り前の事を当り前にする事が大切ですね。

 

小渕:え〜、時間も無くなってきたのでまとめますと、岡村さんが言う一番大切な事は「ギャップ」です! だってこんな見た目の岡村さんがこれだけ礼儀正しいんですから。ぜひ皆さんも参考にしていただければ嬉しいです。

 

f:id:okuri_bunt:20161130143121j:plain

大盛況に終わった「出張!リアル勝手にしやがれ」。皆さんありがとうございました!

 

さて2016年も残すところあと僅かとなりました。今年も「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」を応援して頂き誠にありがとうございました。本ブログも3年目を迎えたことですし、来年こそは、岡村陽久がユーザーの悩みや疑問をバッサバッサと解決するブログを目指して参ります。今後ともご声援よろしくお願い致します。

 

それでは皆様、よいお年を!

 

 

 

編集・構成:小沼朋治

【第17回】「凄く期待しています」小3以来カゼをひいたことがないアドウェイズ岡村が、DeNAへの熱き想いを語る!

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。3年目にしてようやく質問に答え始めた……かに見えた岡村だったが、キュレーションサイトを巡る一連の騒動を見てまた何やら語りたくなってしまったとのこと。アドウェイズ岡村がDeNAの社員達に伝えたい熱い想いとは——

 

〜登場人物〜

f:id:okuri_bunt:20161214222652j:plain

岡村 陽久
株式会社アドウェイズ社長。インフルエンザにはかかるらしい。
 

f:id:okuri_bunt:20161214222741j:plain

高山 洋平
株式会社おくりバント社長。風邪で寝込んでいたところを呼び出された。
 

f:id:okuri_bunt:20161214222803j:plain

風邪ウイルス
約5〜10匹いる。感情がある。

 

f:id:okuri_bunt:20161214223729j:plain

社長室にやってきた高山を嬉しそうに迎える岡村

 

高山:(風邪声で)今回のDeNAの問題について話したいことがあると聞きました。

 

岡村:あれ?高山さん、のど大丈夫?

 

高山:ちょっと風邪ひいちゃって。あ、でも家系ラーメン食べて治療してるんで大丈夫ですよ。

 

岡村:それって、自分が風邪をひいたことを認めたってことですよね?

 

高山:……え?

 

〜人が風邪に至るまでの3段階とは〜

 

f:id:okuri_bunt:20161214224019j:plain

小学校3年生以来風邪をひいたことがないと言い切る岡村と、謎の健康法を聞かされるはめになった高山

 

岡村:高山さん、今「風邪ひいた」って言ったじゃないですか。

 

高山:はぁ……

 

岡村:いいですか?風邪ひくってことはその前に「風邪のひき始め」ってのが絶対あるはずなんですよ。で、「風邪のひきはじめ」の「ひき始め」ってのがあるんですよ。

 

高山:はぁ……… え? どういうことですか?? 風邪の……?

 

岡村:だーかーらー、「風邪をひく」「風邪のひき始め」「風邪のひき始めのひき始め」、3段階あるんですよ基本的には。この「ひき始めのひき始め」っていうのは「いつもよりなんか体温が高いな」「低いな」とか「寒気がするぞ」っていうちょっとした体の変化なんですけど、この段階で対策を打てば絶対に風邪なんてひかないんですよ

よく風邪ひいたら風呂入るなって言うじゃないですか。僕は逆だと思うんですよ。風邪ひきそうだなって思った時ほど熱い風呂に入ったりサウナに入ったり運動したりする。(※ 岡村陽久は特殊な訓練を受けています。決して真似をしないでください

 

高山:なんかヤバいこと言い出しちゃってる……

 

〜アドウェイズ岡村の「風邪をひく仕組み」講座〜

 

f:id:okuri_bunt:20161214224123j:plain

おもむろに図で説明し始める岡村社長。この円はベン図というわけではない

 

岡村:いわゆる「ひき始めのひき始め」ってのはウイルスが1、2匹しかいない状態ですね。これが5〜10匹になると「ひき始め」になっちゃうし、20、30のウイルスになるとこれはもう安静にしてないといけません。でも1、2匹の段階なら全然殺せます。熱い風呂入ればもう殺せます。(※ あくまで岡村の肌感覚です。科学的な根拠はありません

 

高山:オカルト情報ですね。

 

岡村:あとは「認めない」ってことも大事。鼻水たれてても咳き出てても「いや俺絶対ひいてねーから」って認めない。

 

f:id:okuri_bunt:20161214224325j:plain

ベン図じゃなくて 人でした。岡村曰く「ひき始め」でも充分な睡眠を取れば風邪にはならないとのこと

 

f:id:okuri_bunt:20161214224349j:plain

説明し終えてのこの表情。どうやら満足いく図が描けたようだ

 

岡村:認めた時に、はじめてウイルスもノってくるんですよ多分。ウイルスにだって絶対に感情ありますから。主が認めたなーと思ったらウイルスは元気になるし、逆に認めなかったら活発に活動できない。「ひき始めのひき始め」も見逃して「ひき始め」も見逃して、仮にひいたとしても認めない。つまり、絶対に風邪なんてひかない。こういうことですね。(※ 風邪をひいたと思ったら病院に行ってください

 

高山:間違っても健康情報のキュレーションとかやらせちゃいけない人だわこの人。

 

〜アドウェイズ岡村とキュレーションサイト〜

 

高山:「ひき始めのひき始め」についてはまだ風邪の話なんで笑えますけど、今回のDeNAのキュレーションサイトは命に関わる部分や著作権の部分で大きな問題になりましたね。

 

岡村:医療関連ではないんですけど、僕も昔キュレーションで痛い目にあったことがあるんですよ。

 

高山:ほほう。

 

f:id:okuri_bunt:20161214224411j:plain

「寝る前にキュレーションサイトで一日のニュースを振り返るのが日課」という岡村

 

岡村:以前 函館に行った時に「函館 すし」で検索して、一番上に出て来たキュレーションサイトで1位のお店(当時)に行ったんです。函館のイカって食べたことあります?透明なんですよ、新鮮だから。そのお店で出されたイカね、真っ白でしたよ。もうめちゃくちゃマズかったですよ!内陸部の寿司屋で出てくるよりも白いイカが出てきて、あれには驚きましたね。

 

高山:ラーメン屋探してる時とかもハズレ引いちゃうことありますよね。

 

岡村:でもそういう事実とかけ離れた情報ってのは1、2割で、キュレーション自体は見て勉強になったり役に立つ、あったほうがいいものだと思ってます。だからこそ、やるからには間違った情報を無くしていって欲しいなと、いちユーザーとして思っているんです。(※ もちろん1、2割というのも岡村の肌感覚である。というかそもそもこのブログ自体が全て岡村の肌感覚によるものでした

 

f:id:okuri_bunt:20161214224426j:plain

カメラは二人の思考が停止している一瞬をとらえた。お昼時だったので函館のイカとラーメンに想いをはせていたのかもしれない

 

〜DeNAの対応についての岡村レビュー〜

 

岡村:今回の件は記者会見をネット中継で観させて頂きました。DeNAさんの今後を担う柱であったキュレーション事業のサイトを全部閉じるって、これ大決断ですよね。

企業の対応としてもまず社長が出てきていの一番に謝る、これが第一義的にも正しいと思うんで、ぼくは今回の対応は良かったと思いますよ。合格ラインじゃないですかね。

 

高山:さ、さすが炎上にお詳しい……(笑)。じゃあもしうちが大問題おこしても、真っ先に岡村さんが出てくれるんですね。

 

岡村:それは当然、僕が謝罪しますよ。

 

高山:良かった〜。もう3年も経ってるのにアドウェイズの子会社一覧におくりバントの名前がなかったりしたから、いざとなったら見捨てられちゃうんじゃないかと心配してたんですよ。

 

岡村あ、おくりバントの話? おくりバントが問題おこしたら別会社ってことにしますよ。子会社に載せてないのもリスクヘッジですね(笑)

 

高山:いや登記とかされてるから、それ何のリスクヘッジにもなってませんからね!(笑)

 

〜DeNAという企業が生み出してきたもの〜

 

岡村:こういうことって、どの会社でも起きるじゃないですか。どんな企業でもどんなに偉い人でも間違いは起きる。だからこそ、起きたあとが重要だと思うんです。きちんと謝罪して、対策して、これからどうするかっていうのが一番大事なんです。

僕がこの業界に入ったのは2000年頃でしたけど、モバイルからネット接続できるようになったばかりの頃はまだ大したサービスも無かったんです。そこに2004年、DeNAさんがモバオクっていうサービスを出してきたんですよ

 

高山:当時はインターネットと言ってもPCがメインでしたから衝撃でしたね。

 

岡村:当時うちでもモバイルの広告事業をやっていました。広告事業をやってるとどの時代にも主力となるクライアント、火付け役のクライアントが必ずいるんですけども、モバイルは限られた業種がメインの広告主だったのでさほど盛り上がらなかったんです。それがDeNAさんがモバイルを一気に集客するために広告を出稿した時、モバイルの広告業界が爆発的に盛り上がったんです

あれが多分、モバイル広告の始まりだったと思うんです。そして2006年に登場したモバゲータウンが、再びモバイル業界の流れを大きく変えたんです。

 

f:id:okuri_bunt:20161214224734j:plain

「“モンスター勝手サイト”モバゲータウンを追うように様々なモバイルサイトが生まれたんだ」と語る岡村

 

f:id:okuri_bunt:20161214224818j:plain

 その横でスマホゲームに熱中するおくりバント高山

 

岡村:モバイル広告業界の初期、クライアントとしての火付け役がモバオクメディアとしての火付け役がモバゲータウンだったんです。

そこからモバイル業界が凄い勢いで伸びてきて、色んな会社が恩恵を受けた。新しい会社が生まれ、事業が生まれ、雇用が生まれた。僕は業界のど真ん中にいたんでわかることなんですけど、その流れを作ったのってほんとにDeNAだったと思うんですよ。

その後もモバゲータウンのプラットフォームがオープン化され、ゲームデベロッパーが作ったゲームをユーザーに提供できるようになったことで今度はソーシャルゲーム時代がやってきました。新しい会社が沢山できて、色んなゲームが作られて、そのゲームを世界でも売ってこうぜっていう夢や希望まで生まれた。DeNAって、インターネット業界どころか日本の産業に常に火付け役として新しい何かを提供して、事業や産業が生まれるきっかけを作ってきた会社だと思うんです。

 

「全ての功績が否定されるわけじゃない」
〜DeNA社員に伝えたい想い〜

 

岡村:今回起きたことでDeNAさんは社会に多少なりとも迷惑をかけ、色々叩かれています。ただやっぱりDeNA社員の方々に言いたいのは、今回の件が起きたからといってDeNAさんの全てが否定されるわけじゃないっていうことなんです。

DeNAさんのこれまでの功績っていうのは、すっごい大きいものだと僕は思うんですよ。

DeNAってのはそういう会社だし、これからのインターネット産業をDeNAさんの社員は作ってかなきゃいけない。今回の件で、世の中に迷惑かけたその100倍200倍、世の中にもっともっと貢献できるようなサービスやプロダクト、産業を生み出して欲しい。DeNAさんのこれからに、僕は凄く期待しています。

 

高山:同じ業界でずっとやってきたからこそ、DeNAさんに対する特別熱い想いがあるんですね。やっぱりDeNA守安社長とも、共に戦い抜いてきた盟友的な間柄なんですか?

 

岡村:あ、守安さんとは何回かお会いしたことはありますね。ただその、僕ごときが気安く話しかけていいお方ではないんで、いつも遠目に「お疲れさまです…」みたいな、そういう感じですね。

 

高山:あ、岡村さんは末席にいる感じなんですね。

 

岡村:うん。

 

高山:そのわりにけっこう上から色々言いましたね……

 

岡村:恐縮です。

 

f:id:okuri_bunt:20161214224919j:plain

【第16回】岡村陽久&小渕宏二の「出張!リアル勝手にしやがれ」in札幌

株式会社おくりバントが鋭意制作しております「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」。今年の3月、ネット業界の招待制カンファレンスB Dash Camp」in 福岡にて、勝手にリアルイベント「勝手にしやがれ特別版」が開催されたわけですが、それが勝手に評判になってしまい、先日のB Dash Camp」in札幌でもまさかのリアルイベント第2回目が行われてしまいました。

 

そこで今回も、勝手に入手したイベント当日の録音テープをもとに、勝手にダイジェスト記事にさせていただきます。

 

f:id:okuri_bunt:20161121180445j:plain

対談前に握手する小渕社長と岡村だが、正直、地元の先輩後輩にしか見えない

 

B Dash Camp 2016 Fall in札幌2016年10月17日開催)

 

スピーカー 

クルーズ株式会社 代表取締役社長 小渕宏二

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長CEO 岡村陽久

 

司会

B Dash Ventures株式会社 西田隆一氏

 

小渕「これを聞いても、皆さんの中には何も残りません

西田:皆さんこんにちは。「アドウェイズ」って会社があるんですけど、そこの岡村さんが『岡村陽久の勝手にしやがれ』という面白いブログをやってるんですよ。今回は、それをリアルイベントとして企画にしたものなんですけど、見た事無い人はこの企画の後にぜひ見てください。

〜小渕社長&岡村の登場〜

小渕:岡村さん、よろしくお願いします。さっきから廊下を歩いていると、第一回の印象が強かったのか、「勝手にしやがれ楽しみにしてます!」と声かけられるんですけど、皆さんの中には何も残らないと思いますので(笑)。期待をされても困ってます、はい。中身を期待しないでください。でも、反響がすごくてですね、あれで投資が一個決まったんですよ。

岡村:本当ですか!

小渕:「小渕さんは、岡村さんの話を引き出すのがウマイので、うちの会社もお願いします」なんていってね(笑)。岡村さんが良いモデルになっています、ありがとうございます。今回も岡村さんの話が長ければ勝手にカットさせていただきます。よろしいですか? 岡村さん。

岡村:勝手にしやがれ(棒読み)。

小渕:今回も6つほど皆様からお悩みをいただいているんですけど、当然の様に勝手に変えさせていただきました。それでは「岡村陽久、小渕宏二の勝手にしがやれin札幌」皆様拍手お願いしま〜す!

会場:パチパチパチ! 

f:id:okuri_bunt:20161121182831j:plain岡村の長い話をうまく要約し、さらにオチまでつけてくれる小渕社長がいてこそ成り立つ45分 

小渕:では最初のお悩みです。悩める起業家Aさんより。「今、会社の経営理念、ビジョン、行動指針色々と見直しています。変えちゃいけないもの、変えた方が良いもの、そのへんはどの様にして決めるのでしょうか」とのこと。

あ、皆さん知らない方にむけて言っておきますと、岡村さん事業の事は全く分かりません(笑)。経営理念は岡村さんも、よくやってらっしゃる部分ですね。

岡村:はい、はい。行動指針はアドウェイズに10個あって、3年に1回見直してるんですよね。事業戦略、ビジョンも業界の変化が激しいので数年に1回変えています。一番変えちゃいけないのは、経営者の熱意。気持ちとかガッツとか。このへんだけは変わっちゃいけないかな、と。

小渕:岡村さん、経営理念なんでしたっけ?

岡村:「人儲け」。金儲けより人儲けっていう。

小渕:ここの会場にいる皆さんはたぶん、人儲けより金儲けって思ってると思うので(笑)、簡単に「人儲け」について教えていただけますか?

岡村:売り上げをあげて行ったり、利益あげていったりするのも会社として大切な事だけれども、それよりも大事な事ですね。アドウェイズの社員が朝起きて、布団蹴っ飛ばして会社に走っていく様な、ワクワクする様な会社にすること、後は取引先に儲けていただく、それすなわち「人儲け」と呼んでいます。

経営理念の他にビジョンとスローガンがありまして、スローガンは「なにこれ すげー こんなのはじめて」。

小渕:出ました! これ考えたのは、おととしのバレンタインデーですよね。岡村さんと鹿野くんと山田くんと僕で、1泊2日の合宿して。

岡村:はい。社員数とか拠点も増えてきて、アドウェイズとして何を大切していけば良いのかと伝えづらくなってきたので、今日入ってきたバイトでも目をつむってでも言える、この言葉にしました。

小渕:浸透するって大事ですよね、朝から社訓の読み合わせしたとしても、あんま心に落ちない言葉だと意味が無いし、あのスローガンを作る時に一番大事なのは「岡村さんがいつも言ってそうな事」だと思って、それでアドバイスしたんですよ。そうじゃないと社員に見せた時に腹に落ちてこないというか。

岡村さんはこの服装であってこその岡村陽久なのであって、いきなりジャケットとか着てきたらイヤじゃないですか(笑)。それと一緒で、岡村さんの言葉であるからこそ。なので、参考にしたいという方がいらっしゃったら、「社長がいつも言ってそうな言葉」にするのが良いんじゃないですかね。

f:id:okuri_bunt:20161130120142p:plain岡村がいつも言ってそうなことまで把握している、アドウェイズ愛に溢れる小渕社長

 

起業3年目の質問者に喝!「手を抜くな、全部やれ」

小渕:それでは次の質問は起業家Bさんより「起業してまだ3年目ですが、やらないといけない事がたくさんあって若干テンパっています。事業を成長させる上で一番注力する物を一つ選ぶとしたら何だと思いますか?」

岡村:この文を読むと、3年目にしてちょっと楽でもしようと思ってるのかな? って感じるんですけど。

小渕:アハハ。 

岡村:「選択と集中」じゃないですけどなんか効率良くしようとしてるのかな?

小渕:ごめんなさい、岡村さん。うち「選択と集中」ってプレスリリース出したばっかりなんですよ。

crooz.co.jp

岡村:アハハ。

小渕:まさかこんな所で仲の良い岡村さんにdisられるとは(笑)。まあ、僕16年目なんで、3年目にして、って事ですよね。 

岡村:例えば3年目で、事業に集中するべきなのか、事業を生む人に集中すべきなのか、今いる人を成長させる文化や環境作りに集中すべきなのか、と色んな事迷ってる、とそんな話だと思うんですけど、3年目は楽しようっていうタイミングじゃまだ無いのかな、と。全部大事だし、全部注力すべきなのかな、と。

小渕:今ちょうど、岡村さんが4畳半のアパートで暮らしている時の写真が出ていますけど、企業して6、7年目で上場して、それから七転八倒あって。そんな感じなのに、3年目で力抜くな!という事ですね。では、起業家Bさんには「甘えてんじゃねえ!」という事で。

岡村:手、抜くなって事です。

f:id:okuri_bunt:20161121180959j:plain

手を抜くなと力説する岡村。その手は何かを揉んでいるように見える

 

岡村、一番の修羅場を語る「寝ても覚めても地獄」

小渕:続いて悩める起業家Tさんより「これまで経験した修羅場について教えてください。今後訪れるだろう困難の為に聞いておきたいです」

岡村:アドウェイズの一番の修羅場って2007年ですね。上場して半年たって、売り上げが急激に落ちて、戦力の社員がどんどん辞めていって、で、4月に新卒が150人入ってきて。もともと250人いたのが200人になって、そこに150人入ってきたと。売り上げを立てる戦略はいなくなったけど、新卒だけがドカンと入ってきて。あの時、僕、上場してすぐに株を担保にお金借りちゃったんですよね。

会場:爆笑

岡村:でも株価はどんどん下がって、いわゆる担保割れをしちゃって、株はとられるかもしれないし、社員は辞めちゃうし、赤字続きだしって……。

小渕:あの時、毎晩の様に「どうする!? 岡村さんの株」って話し合ってましたもんね。どうやって助けようか、って。

岡村:そんな、にっちもさっちも行かない状況で、寝たらなんとかなるかなって思って寝てみたら、本当に悪夢しか見なかったり。

小渕:岡村さんでもそんな事あるんですね?! 

岡村:寝ても崖から30分間落ち続けるみたいな夢を見て、ぱっと目覚めて朝会社行っても、どんどん「すみません、社長辞めたいんですけど」って話があって、寝ても覚めても地獄みたいな。そんな、マイナス面がたくさんあったんですけど、いわゆる経営幹部は「何とかしましょう」っていってくれて、仲間はいたんですよね。

あとは小渕さんみたいに「大丈夫だよ、頑張ろう」って言ってくださる経営者の方がいたり、おそらくすっごい困った時に、社員って助けてくれないと思うんですよね。だから、そういう時に助けてくれる仲間作りを元気があるうちにしておくというのは大事かなと。 

小渕:良い時から仲間作りをちゃんとやっておけば、修羅場も切り抜けられると。

岡村:修羅場になってから何やってもダメだと思うんですよね。なのでその前にちゃんと仲間を作っておく。

小渕:岡村さんって、この見た目だから助けたくなっちゃうんですよね。だって、鹿野君だってスローガン決める時に一人で僕の所にきて「岡村さんが今困っていて、事業と人がたくさん増えて、人儲けだけだと社員とのつながりが少ないと。小渕さんの“オモシロカッコイイ”みたいな一言で言える言葉を作ってください!」と。岡村さんが言っている仲間作りっていうのは普段からやっておかないとですね。

f:id:okuri_bunt:20161121181244j:plain

窮地の岡村を救うべく、自身のマンション売却を検討したことがある小渕社長。そして、その一番の理由は、なんとコワモテな岡村の見た目だった!

 

朝ちゃんと来る、社内の女子をつまみ食いしない。社長こそ真面目であれ!

小渕:では次の質問。「社員数が30名を超えたあたりから、退職者が増えてきました。社員が辞めない文化作り、環境作りについて教えてください」。岡村さん今社員数どのくらいですか?

岡村:国内・海外含めて、1,200名くらいですね。

小渕:今日会場にはスタートアップ系の起業家さんもたくさんいらっしゃると思うんですが、10人くらいで皆の顔が見えている時と、何百人、1,000人となってくると社長の求心力が弱ってくることってあるじゃないですか。そんな時にどうですか? 思い返してみて。2003年くらいですかね。

岡村:僕も30人超えたあたりから退職者が増えてきて、なかなか50人行かないって事があったんですね。色んな制度作ったり文化作ろうぜって話し合ったんですけど、なかなか上手くいかなくて。一番効果があったのは、僕が朝ちゃんと起きて会社に行くっていう。

小渕:「あんな岡村さんでさえ、朝来てるんだし!」って。

岡村:うちの会社は10時出社なんですけど、前の夜遅かったり、朝まで打ち合わせしていたりして10時半にきたり、会議に遅刻しちゃったりして、30人未満なら「社長、昨日遅かったからしょうがないね」って許してもらえるんですけど、100人とかになってくると、20人とか新入社員がいるわけじゃないですか。そうすると「俺ばっか真面目に来てて社長がだめじゃん」って不信感が生まれると思うんですね。だから、文化作りや制度よりもそういう所が大事かな、と。

小渕:岡村さんって風呂入らないじゃないですか? あっ、ごめんなさいね、こんな所で。

岡村:全然大丈夫ですよ、自信持ってるんで。

f:id:okuri_bunt:20161121181720j:plain

すっごい真面目な顔で「岡村さんは風呂入ってない」「パンツの替えすらない」と、いきなり暴露する小渕社長

小渕:中国に3泊4日で出張いっても、パンツ一枚も持ってこないし。こういうヒゲはえてる、見た目で得してると思うんですよね。「すげー頑張ってるんだろうな」っていう。でも大事ですよね。社長が頑張ってる姿見せるのってすげー大事ですよね。 

岡村:役員が社員の女の子に手を出しちゃうとかって、変な話よくあるじゃないですか。

小渕:これはITあるあるかもしれない。

岡村:2人に手出しちゃうとかね。そういう時って、近くにいる人は「あいつすげー頑張ってるから、2人とか3人じゃ物足りないんだろうな」って思えるけど、ちょっと離れたら「この会社なんだ?」ってなっちゃうと思うんですよね。だから、会社にちゃんと行くとか、女の子に手を出さないとか、キャバクラで領収書切らないとか、当り前の事を当たり前にやらないと、新しく入って来た方は不信感を抱くと思いますね。

小渕:うちでは、本気じゃない、いい加減な社内恋愛は禁止。仲間を傷つけるような、浅い関係が幅を利かすような会社はダメでしょ。想像してください。そんな会社で自分の家族を働かせてみたいって思わないよね? ここは一回、喝入れてもらったほうが良いかもしれない。このやりとりを見た、全国のIT企業の皆さんにね。

岡村:はい。「ちゃんと幸せにしてやるんだ」というつもりで社内恋愛をするのは良いんですよ、大賛成です。でも、俺は仕事出来るんだぞみたいに威張ってつまみ食いしちゃうのは、本当にけしからんなと。社内ってきっとやりやすいんだと思うんですよ。

小渕:外でモテないから中に行くんですよね。

岡村:本当に実力つけたいんだったら、やっぱナンパするとかキャバクラ行くとか、合コン行ってなんとかするっていう、そっちの力を身につけて欲しいですね。

小渕:岡村さんは外でモテるんですか?

岡村:全くモテないですね。

小渕:アハハハ。説得力無いですね。でも、今回のお話、一番心に響いたと思います。社長が真面目に会社に来て背中を見せろと。

f:id:okuri_bunt:20161121184143j:plain

「社員・元社員・社員の友達・彼女の友達に手を出さない」それが岡村の美学

岡村「小渕さんの一番尊敬している所は話が面白い所!」小渕「そこだけ?」

小渕:ではこのへんで、会場の皆さんから質問を受け付けたいと思います。つまらなかったら、勝手にカットしますので。

来場者:お互いの人間的に素晴らしいと思う部分、経営とかは全く関係無く、人間的に良い所を教えてください。

小渕:では僕から岡村さんの人間的に素晴らしい所。一言で言うならば、嘘の無くて誠実な所です。今日の質問にも嘘無く真っすぐ答えてもらっていると思いますが、そういう所が大好きです。

岡村:小渕社長は尊敬する所はたくさんあるんですけど、本当に一番尊敬するのは、話がめちゃくちゃ面白いんですよね。

小渕:それだけですか?(笑)

 岡村:皆で飲んでいても、小渕さんが会話に入って来ると話がめちゃくちゃ盛り上がる。社内で業績悪い時ってどんよりしちゃうと思うんですけど、小渕さんが入って来ると「よっしゃ、やってやろうぜ!」ってなるんじゃないかなって。あそこはいつも見ていて、すごい所だなって尊敬しています。

 

小渕&岡村「自分より優秀じゃないと採用しない」

来場者:「smartHR」というサービスを運営している、株式会社KUFUの宮田と申します。お2人に質問なんですが、会社にめちゃくちゃ仕事の出来る先輩を役員として招き入れるという事をやってみたいんですが、今までの会社の雰囲気が壊れるかな? と不安に思う部分もあります。どうしたら良いと思いますか?

小渕:その優秀な人っていうのは、自分よりも優秀?

来場者:はい、自分よりも優秀です。

小渕:岡村さん、役員、岡村さんより皆優秀だもんね(笑)。

岡村:そうですね、あと、僕より優秀じゃない人ってあんまりいないんですよね。僕はいつも社長だからってそんなに偉いわけじゃないっていうのをいつも心がけていて、例えば半期会議とか全社員の会議の時って、経営陣は皆優秀なんで話がめちゃくちゃ面白くて、僕は1、2分しか話さない代わりに資料作りはちゃんとするとか。

小渕:アハハハ!

岡村:そういう事をする事で……。

小渕:資料作り出来るんですか?

岡村:いや、資料作りが得意な人にお願いしてるので。

会場:爆笑

f:id:okuri_bunt:20161121182301j:plain

めっちゃウケてます

岡村:自分で作るわけじゃなく、僕は資料作り取りまとめ係みたいな感じで。社長だからといって踏ん反りかえるわけじゃなくて、優秀な役員達の手助けをするってことですね。

小渕:僕も自分より優秀な人しか採用しないっすね。僕の採用基準って「自分に無い必殺技・得意技を持っている人」って事なんで。マンガの『ONE PIECE』でもそれぞれに得意な事と必殺技ってあって。でもその、必殺技を気持ちよく打てない環境ってあるじゃないですか。そうならないように、社長はその人が活躍出来る環境作りをするべきで、気持ちよく必殺技を打ってもらえる場所があるんだったら、入れるべきだと思うし、優秀でも居場所がないんだったら入れない方が良いと思います。

 

岡村のお買い物スポット「全部アメ横」

来場者:ターミナルの廣田と申します。今、ファッションとITの世界を融合させようと考えていまして、小渕さんっていつもオシャレだなと思っていまして。……あっ岡村さんもオシャレ……ですよね。どちらでお買い物してらっしゃるんでしょうか?

小渕:今無理矢理感ありましたね(笑)。そのスカジャンって何ですか? 鯉ですよね? 

f:id:okuri_bunt:20161130115644p:plainITの上場企業社長で、鯉のスカジャンを着てるのは、おそらく岡村くらいであろう

来場者:靴下は……?

岡村:結婚式以外は履いてないです。これは全部アメ横ですね。地元が上野なんでそこで買ってます。

小渕:では、皆さんの中で岡村さんのファッションを真似したいな〜という方は、年末までにアメ横へGOでお願いいたします。

楽しい時間はあっという間という事で、このへんで「勝手にしやがれin札幌」おひらきの時間になりました。3回目もですね、呼ばれなくても勝手にやろうと思っていますので、ここで皆さんと一本締めで終わらせていただきます。

会場:よぉ〜〜ッ! パンッ!

岡村&小渕:どうも皆さんありがとうございました!

 

編集・構成:小沼朋治

 

 

【第15回】激闘! キッズライン経沢VSアドウェイズ岡村

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。 第15回目を迎え、ついに初の女性相談者が現れました。TVのコメンテーターとしても活躍中の有名女性起業家、株式会社キッズラインCEO・経沢香保子さん。

 

対談前、笑顔で記念撮影におさまったふたりだが、相談を持ちかけた経沢さんに、アドウェイズ岡村がいきなり噛み付く、賢明な読者なら予想内の展開に!

 

f:id:okuri_bunt:20161021151616j:plain

  

漢・岡村は騙されない! 経沢さんの本心を暴く!

 

経沢香保子(以下、経沢):岡村さんの「勝手にしやがれ」大好きなんですよ!

 

岡村陽久(以下、岡村):まじっすか!ありがとうございます。

 

経沢:ずっと出たいと思ってたんです! 本当に嬉しいです。

 

岡村:いやぁ、照れちゃいますねえ。ところで今日はどんな相談ですか?

 

経沢:ええ、私たちのサービス「キッズライン」について紹介と相談を...。

 

岡村:(話をさえぎって)ちょっと待った〜! ファンだとか言って近づいてきて、本心はアドウェイズへの売り込みと、ブログを通じて「キッズライン」をPRしたいだけなんじゃないですか? 自分は営業マンだったので、そんなことすぐにわかりますよ。

 

f:id:okuri_bunt:20161021144722j:plainまったくその気のない経沢さんを前に「あ〜、わかった。これは罠ですよ! 映画でよくある展開」と疑う岡村が、勝手に劇場をスタート。完全にサスペンスの見過ぎである 

 

経沢:いや、違いますけど(笑)。

 

岡村:そうは岡村問屋は卸さない。モンスター召喚! 

 

高山洋平(以下、高山):グガア...。

 

経沢:...!?

 

岡村:「絶対にベビーシッターを使わない」と言い切る、おくりバント高山を連れてきました。高山は、野獣「タイガージェットTAKAYAMA」として、エアギター全国大会にも出場した猛者です。このモンスターを撃破して、我々に「なにこれすげー!こんなのはじめて!」って言わせてください。

 

経沢:岡村さん、完全にフリースタイルダンジョンに影響されてますよね...。

 

岡村:はい、Abema関連の番組は大好きです(笑)。

 

f:id:okuri_bunt:20161021145135j:plain

モンスターとして召喚された、おくりバント社長・高山洋平 a.k.a タイガージェット高山。 見たまんま、正真正銘のナチュラルボーンモンスターである

 

モンスターの怒涛の質問攻めに大ピンチ!?

 

岡村:(HPを見ながら)経沢さんのやってる「キッズライン」は親御さんとベビーシッターさんの出会いの場を提供するサービスということですね。

 

高山:ウゴォオ...。

 

経沢:はい、高山さん、なんでしょう?

 

岡村:経沢さん、高山はね、ベビーシッターさんといえども、面識もない人が家に来るのが不安だと。すっごい警戒しちゃってます。

 

経沢:どんな人がベビーシッターとして来るのかを、とても心配されてるんですね。

 

岡村:僕もぶっちゃけ心配です。アドウェイズ社員の子供は自分の孫みたいなもんです。そこに、たとえば、高山みたいなキモいベビーシッターが派遣されるなんて絶対にダメです。想像したら寒気がしましたよ。

 

f:id:okuri_bunt:20161021150845j:plain

「アドウェイズ社員の子供は俺の孫」と、いつになく真剣な表情で話す岡村。社員を家族と公言し「男性社員は弟で、女性社員は妹」と話す"愛社員"社長だが、その関係から言えば、社員の子供は孫ではなく甥か姪である...

 

経沢:はい、それは私も全面的に同意します! 

 

高山:ウゴォオ...(涙)。

 

経沢:実は、私もそう思うんです。どんな人が来るのかわからないのに利用なんてできないですよね。 だから、キッズラインではベビーシッターの顔写真とプロフィールがすべて閲覧できるんですよ。事前によ~くわかるんです。

 

岡村:(HPを見ながら)あ、キモくない。TOPページには、おすすめのベビーシッターさんが表示されていますけど、むしろ、家に来て欲しくなる人ばっかりですね。

 

高山:ウゴォオ!

 

岡村: なるほど。経沢さん、高山が言うには、PRのためにビジュアルの良い人を選りすぐってるんじゃないかと。これは絶対に怪しいと。

 

f:id:okuri_bunt:20161021145502j:plain

どこからどう見ても健全な「キッズライン」のサービス紹介カードを手に「ビジュアルが良すぎるなぁ」と、主張する岡村と高山コンビ。ここまで疑り深いと、過去に何か騙されたことがあるのかと逆に疑いたくなる

 

経沢:いえいえ。検索を使えば、登録されている500名全員の顔写真とプロフィールが閲覧できますから! 雰囲気がわかるのはもちろん、時給、スケジュール、お客さんのレビューもあるし、ログインすると友達が頼んだベビーシッターさんも出てきますよ。

 

岡村:なにこれすげー! 500人の中から指名できるんですか!? (検索しながら)確かに、高山みたいなキモい人は全然いないっすね。

 

経沢:はい、高山さんみたいなキモい人は見当たりません。採用にあたっては、面接、筆記、モニタリングを行っています。高山さんは清潔感がないので、真っ先に落としますよ(きっぱり)。

 

高山:グゥウ....(涙)。

 

経沢:見た目は、もちろん親御さんにとっては大事なポイントです。生理的に合わない方は選ばなければいいんです。自分で選べるというのは他社さんと比較して、利点だと思いますね。高山さん、利用したくなりましたか?

 

ベビーシッター=高いは本当か?

 

高山:グァア!(暴れる)

 

岡村:経沢さん、高山はベビーシッターはお金持ちじゃないと利用できないんじゃないかって怒ってます。入会金、時給、さらに年会費とか、お高いんじゃないですか? それじゃ、高山のようなセレブからは程遠い、赤字垂れ流しの貧乏社長じゃ、利用できませんよ。 

 

高山:グゥウ...(涙)。

 

経沢キッズラインは入会金0円です(笑)。年会費もないです。

 

岡村:なんですと!! 入会金も年会費も無料!

 

高山:ピギィ!

 

f:id:okuri_bunt:20161021153140j:plain

「勝手にしやがれ」を好きと言ったばかりに、企画趣旨もボンヤリとしか知らされず、ドヤ顔の岡村劇場に付き合うはめになった経沢さん。ごめんなさい

 

岡村:実は、孫(*編集部注 アドウェイズ社員の子供)のために保育サービスをアドウェイズに導入したことがあるんですけど、法人で入会金50万円、個人でも5〜10万円。利用も1時間あたり1万円くらいだったんで、高いって印象しかなかったんですよ...。

 

経沢:「キッズライン」のベビーシッターさんの時給は1,000円からで、使った分だけで大丈夫です。

 

岡村:そりゃ、革命ですよ。たとえば歌舞伎町だと、民間託児所で最低1時間2000円はかかります。月極の契約でも、時給換算して1,000円ちょっとにはなります。わざわざ連れて行かずに家まで来てくれて、マンツーマンで面倒見てくれて同じ1,000円って、ホント大助かりじゃないですか!

 

経沢:岡村さん、歌舞伎町のことなら何でも知ってるんですね(笑)。

 

岡村:はい、庭みたいなものなので。

 

高山:グァア!

 

経沢:ひぃ...。今度は何ですか?

 

f:id:okuri_bunt:20161021150540j:plain

「勝手にしやがれ」を好きと言ったばかりに、企画趣旨もボンヤリとしか知らされず、高山の奇声で驚くはめになった経沢さん。すいません

 

岡村:経沢さん、すいません。高山は時給を安くして、ベビーシッターさんを買い叩いてるんじゃないかと怒ってます。不満が充満してるんじゃないかと。確かに、ストレスがたまった状態で、大事な孫(*編集部注 アドウェイズ社員の子供)を預けたくないですよね。で、「キッズライン」はどんだけ儲けてるんだと言ってます。

 

経沢:不満は全然聞かないですよ! なぜなら、キッズライン」ではベビーシッターさんが自分で時給を決めて登録してるからです。保育園のようにフルタイムではなく、好きな時間に好きな金額で働けるスタイルに、メリットを感じている方が多いですね。

 

岡村:すげー! まさに勝手にしやがれ!

 

経沢:保育業界って、現場で頑張ってる方が全然もらえてないのが、すごいかわいそうだと思ってたので、時給を自分で決められるシステムにしました。1,000円から2,000円の時給が多くて、一番高い方でも2,500円とかです。半数が1,500円未満ですよ。

 

岡村:ちなみにユーザーはどういう感じで利用してるんですか? 

 

経沢:一般的な利用で言えば、週に3時間を2回とかで、保育園に迎えに行ってもらって、夕飯を食べてから、勉強みてもらったり、お風呂入れて寝かしつけてもらったりして。18時半から21時半の3時間見てもらって、お母さんが帰宅したら、もう子供が寝ているとか。仕事で疲れているときには、楽でいいですよね。

 

岡村お風呂も入れてくれるんですか! すげー!

  

経沢そうです。ベビーシッターさんによっては、朝まで面倒見てくれる人もいるので、夜19時に来てもらって、朝8時に保育園に連れてってもらって12時間で1万円〜とかできますよ。

 

岡村:かなりリーズナブルですね。逆に、キッズラインは利益出るんですか?

  

経沢:今は赤字です(笑)。お客様とベビーシッターさんから、10%ずつ頂いていて、それで保険をかけたり、クレジットカードの手数料を支払ったりしています。あと、お客様の負担を少しでも軽減したいので、消費税も頂いてません。インターネットだから怪しいと思われがちなんですけど霞ヶ関に訪庁したり、自治体の方とも協力してるので、1時間1,000円の補助金が出る区もあるんです。そうすると「キッズライン」をすごい安く、たとえば300円とかで使えるんです。

 

f:id:okuri_bunt:20161021163114j:plain

「岡村さんは、サイバーに落ちた話とか、恥ずかしいことをさらけ出せるところがカッコイイ」と経沢さん。しかし、高山から「岡村は経沢さんのfacebookに毎回いいね!するほどの隠れ大ファン」ということをバラされると、「恥ずかしい! やめてください!」と、まったくさらけ出せずに照れまくった岡村。以上余談でした

 

高山:ウゴオ。

 

岡村:高山は、赤字ならおくりバントと一緒だし、自己犠牲の精神に共感したって言ってます。

 

経沢:ありがとうございます。「キッズライン」使いたくなりましたか?

 

高山:ウゴォオ!!!!

 

経沢:ひぃ...。

 

岡村:すいません、実は高山から相談があるみたいです。

 

経沢:え、なんですか?

 

おくりバント高山の離婚危機を「キッズライン」が救う!?

 

岡村:高山の相談を読みます。「妻との離婚に怯えています。留守番を頼まれても、おむつの取り替え方もわからないし、仕事と飲み会の疲れから、子守もせずにソファで寝てばかりです。子供たちは、早くママ帰って来て〜!と大泣きしますが、ひとりではあやすこともできず、結局は妻を外出先から呼び戻す始末...。7年間ふたりでデートもしていません。このままでは妻に捨てられるのではないかと怯えています。自分は、炊事も洗濯も家事も育児も何もかもできないので、生活がままならなくなります」。以上です。

 

経沢:高山さんは、すぐに「キッズライン」使って、奥様とデートに行ってください(笑)。おしめも替えたことないなんて、奥様のストレスは相当なものだと思います...。これまでの説明で、「キッズライン」を利用する心配や不安はなくなったと思うので。

 

高山:ウゥウ...(涙)。

 

岡村:まだ、ひとつ問題がありまして...。高山が言うには、育児を他人に任せて出かけることに、妻はきっと罪悪感から反対すると。

 

経沢:罪悪感を覚える方は確かにいらっしゃいますね。よく相談されるのですが、発想を転換してみたらどうでしょう?とアドバイスしています。

 

f:id:okuri_bunt:20161021152537j:plain

カメラは、高山を離婚危機から救うべく親身になって答える経沢さんの横で、岡村がAbema TVに夢中だった決定的瞬間を捉えた

 

高山:ウゴォ?

 

経沢:ベビーシッターを子守と捉えるのではなく、習い事の先生と思って頂くとか。保育士の資格を持っている方はもちろん、工作や英語や歌の先生もいるんですよ。例えば女子大生が100人以上登録してるんですけど、その中でも東大生とか、慶應生とか絞り込みもできるんです。お子さんがある程度大きい場合は、勉強をみてもらったり、かけっことか一緒に運動もできるので、小学生に人気ですね。

 

岡村:なにこれすげー! 塾やお稽古だと思えば、全然嫌じゃないっすね。孫(編集部注 アドウェイズ社員の子供)に習わせたい!

 

経沢:アメリカって家に人を呼ぶことに抵抗がないから、ベビーシッターが文化になってると思うんですけど、日本では、ベビーシッターが来てるってご両親に話すのに、まだまだ抵抗があると思います。でも、「東大生が勉強教えに来てる」なら、言いやすいと思うんですよね。だから、「キッズライン」にバイリンガルとか家庭教師とか、幼児教育の人たちがもっと集まれば、ベビーシッターに対する世の中の考えが変わると思うんですよね。

 

高山:ピアノ...ダンス...。

 

経沢:もちろん、ピアノやダンスを教えられるベビーシッターさんもいますよ(笑)。

 

高山:オレ...「キッズライン」...ツカイタイ...。リコン...イヤダ...。

 

経沢:はい。奥様を愛しているんだから、「キッズライン」をすぐに使ってくださいね。デート行こう!ってサプライズしてみるとか。ちなみに、「離婚」する方が、圧倒的にコストかかりますよ(笑)。 

  

f:id:okuri_bunt:20161021153317j:plain

カメラは、高山を離婚危機から救うべく、親身になって答える経沢さんの横で、岡村が眠くなってしまった決定的瞬間も捉えた 

 

・・・そして相談へ

 

経沢:やっと相談できるみたいですね...。 実際に多くの企業の方々に利用してもらいたいんですけど、岡村さんが営業マンなら、「キッズライン」をどうやって導入してもらいますか?

 

岡村:営業する必要はないです。

 

経沢:えー! どういうことですか?

 

岡村:保育サービスを導入することは、ウォーターサーバー設置するくらい、もはや当たり前のことなんです! 家庭と仕事の両立は人事の命題です。保育所を作るわけじゃないし、ましてや「キッズライン」は入会金もかからないんだから、導入しない理由が見当たりません。

 

経沢:ありがとうございます(笑)。

 

岡村:ということで、「キッズライン」導入してない企業に「喝!」ですよ。理由は、人事にやる気がない! まさに、「なにこれすげー!こんなのはじめて!」ですよ。

  

経沢:はい、ありがとうございます! 実は御社にもすでに導入して頂いてますよ(笑)。

 

岡村:(同席した広報に確認しながら)え、そうなの? ひとりあたり会社負担で年間5万円まで使えるの? 早く言ってよ!(笑)。さすが、アドウェイズの人事はやる気があるなぁ〜。ハッハッハ。孫(*編集部注 アドウェイズ社員の子供)のために、どんどん使ってください。

 

経沢:はい、皆さんぜひ登録してください! 私もそうですけど、たとえばシングルマザーの方ですとか、育児と仕事の両立は本当に大変なんですよ。自分の子供も保育園に通わせられない病気を抱えていたんですけど、ベビーシッターさんに頼むのは、やっぱり不安だったし、金銭的にも大変でした。だから、実体験も踏まえて、自分一人で育児の責任を負っているたくさんのお母さんたちに、「キッズライン」を通じて「なにかあったときは、この人に頼めば大丈夫」って、信頼できるベビーシッターさんと出会って欲しいんです。

 

岡村:もう一度言います。アドウェイズ社員は会社負担で年間5万円まで使えるので、ぜひ登録して、孫(*編集部注 アドウェイズ社員の子供)のためにガンガン使ってください! 

 

高山:このブログを見て導入してくださった企業様には、おくりバントからキャップとTシャツプレゼントするので、連絡ください!

 

経沢:高山さん、普通に話せますよね。寸劇、お疲れ様でした(笑)。

 

f:id:okuri_bunt:20161021143931j:plain

経沢さんファンの社員と記念撮影。取材2日前にゲストを明かさず記念撮影への協力を打診したところ「打ち合わせが...」「有給でいません...」「漫画の締め切りが...」と辞退が相次いだが、取材前日、ゲストが経沢さんだと判明した途端に「リスケになりました!」「有給は来週でした!」「奇跡的に入稿できました!」と、最終的に全員OKに。アドウェイズすげー!

 

 

編集・構成:小沼朋治 

写真:morimi

 

 

【第13回】アドウェイズ岡村が本気でハマったアプリとは?

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。

ここまで読者の質問に答えることなく第13回目を迎え、今日こそはと質問をぶつけようとすると、またもや岡村からどうしても話したいことがあるという。それは、岡村がハマっているアプリの件だった。

f:id:okuri_bunt:20160610002236j:plain

 岡村の業務に支障が出るほどハマっているアプリとは?

高山:最近、お気に入りのアプリがあると聞きました。せっかくのスマホを、ほとんど通話にしか使わない岡村さんにしては珍しいなと。本当にアプリにハマってるんですか?

 

岡村:はい。平日は2時間、休日は4時間使ってます。

 

高山:。で、そのアプリは何なんですか?

 

岡村:サイバーエージェントのAbema(アベマ) TVですよ!これ、20以上の番組が観られるインターネットテレビ局なんですけど、僕が大好きな麻雀と釣り番組が24時間、無料で見放題なんですよ!! 

 

f:id:okuri_bunt:20160610003742j:plain

このくらいハマってる!と身振り手振りで表現する岡村だが、寝不足感がその中毒具合を一番よく表現している

 

高山:すげーテンション高いですね()。小耳に挟んだんですけど、会議中にも使ってるらしいですね

 

岡村:え、バレてたんですか。わからないように机に置きながら観ていたんですけど

 

高山:姑息!! 僕、岡村さんとの会議中にfacebookしてるの見つかって、ボコボコにされた経験あるんですけど。「俺との会議中に携帯を見ることは許さねえ!出戻り5回までに並ぶ、アドウェイズ鉄の掟だ!」って。あれ、一体なんだったんですか。

 

岡村:本当に申し訳ありません。15年続いた鉄の掟を自ら破ってしまいましたし、業務に少し支障が出始めているのも否めません。全部、このアプリ、いや、仕掛け人の藤田社長のせいなんですよ。

 

f:id:okuri_bunt:20160610001424j:plain

「会議中に携帯を見るべからず!」という、アドウェイズ鉄の掟を自ら破った岡村だが、その態度にはまったく反省の色が見られない。これがAbema TVの魔力か...

 

高山:藤田社長って言いたいだけじゃないですか()

 

岡村:そんなことないですよ。このAbema TVの画面、よーく見てください。番組選択メニューで、「釣り」と「麻雀」が並んでるんですよ! これっておかしくないですか? 

 

高山:まあ、普通は「釣り」の次は海つながりで、マリンスポーツとかサーフィンだったりしますね。

 

岡村:でしょ!なのに、この2つが並んでるのって、藤田社長が僕のためにこのアプリを作ったんじゃないかって、勘ぐりたくなりますよ!

 

高山:ないないない()。まあ、とにかくハマりまくってるってことですね。

 

岡村:はい。万が一、Abema TVのサーバーがダウンしたら、うちのエンジニア総動員してもいいくらいです。

 

f:id:okuri_bunt:20160610002714j:plain藤田社長の考えは手に取るようにわかる!と豪語する岡村。繰り返すが、サイバーエージェントの採用には3度落ちている

Abema TVのすごいところ

 

岡村:やっぱり地上波TVって、お茶の間で広く楽しめることを優先しないといけないから。結果、最大公約数的なつくりなので、尖った企画やニッチを扱う番組が少ないですよね。ましてや、このご時世ですから、クレーム対策で視聴者に気を遣ったものばかりで、高山さんみたいに、どんどん丸みがある企画ばかりになって、高山さんみたいに、コンテンツがつまらなくなってますよね。

 

高山:。お言葉ですが、僕は体型に丸みが増すほど、面白みが増していると周囲から言われます。

 

岡村:(無視して)要するに、番組にファンがつかなくなってるんじゃないかと。僕自身も地上波のTV番組に熱狂するということが、なくなっちゃったんですよ。その点、Abema TVは「麻雀」や「釣り」など、かなり番組のターゲットを絞ってるので、ファンがつきやすいし、コミュニティが生まれやすいと思うんですよ。

 

f:id:okuri_bunt:20160610000622j:plain

岡村のiPhoneのDOCK。4つ入るにも関わらず、長らく通話アイコン単体だったが、Abema TVが増えた。「なにこれすげーこんなのはじめて」なDOCである

 

高山:(Abema TVの「麻雀」番組表を見ながら)「マンスリーリーグ」とか「プレミアリーグ」とか、まるでサッカーみたいになってますね。これ、地上波TVで流しても、ほとんどの人が楽しめませんね()

 

岡村:麻雀は開催されてる大会の数がすごい多いんですよ。でも、地上波で放送されることはないので、今まではDVDで借りるしかなかったんです。ちなみに、プレミアリーグには藤田社長が参戦してるので、姿を見る機会が多くなって本当に嬉しいですね。

 

高山:結局はそこですか()

 

岡村:ひとつひとつの番組はニッチかもしれませんけど、インターネットTVは番組数に制限がないので、100でも1000でも無限に作れますよね。Abema TVは、それぞれのユーザーにマッチした番組を配信してくれる、夢のようなTV局になるんじゃないかと思ってますよ!

 

高山:サイバーエージェントが一社提供した「フリースタイルダンジョン」のヒットがあるので、ニッチな番組作りも期待ができそうですね。

 

岡村:本当にさすがですよ。でもラップって、ちょっと話すのが早くないですか?もう少しだけ、ゆっくりやってくれたらいいのになあと。

 

高山:身も蓋もないこと言わないでください。

 

f:id:okuri_bunt:20160610004653j:plain

珍しくUIに意見をする岡村。コメントを覧を表示すると、画面のドラを表示する牌が見えなくなるとご立腹だったが、2016年6月10日現在、岡村の想いが通じたのか改善されたようだ

 

Abema TVにはTVの常識が通用しない!

 

岡村:AbemaTVCMの長さが絶妙なんですよ。

 

高山:地上波のCM1分ですけど、何分なんですか?

 

岡村:15秒なんですよ。だから、地上波の感覚のままで、その間にアレコレしてると、「ああ! 進んじゃってる!! 見逃したっ!」って痛い目にあうんで。Abema TVを観るには今まで以上の集中力と忍耐力が必要ですね。 トイレにすらいけません。

 

高山:ちなみに、進んじゃった分は巻き戻せないんですか?

 

岡村:。僕はプレミアム会員なので戻せますね。集中力の話は発言を撤回します。

 

高山:スマホだから、トイレまで持っていけますよね?

 

岡村:。持っていけますね。トイレの話も発言を撤回します。

 

高山:いつでもどこでも気軽に楽しめるってことでいいでしょうか。

 

岡村:はい。ただ、15秒なんでCMだけど観てようって気持ちになれますね。広告効果は高いと思います。

 

 

Abema TVを絶対に成功させたい!

 

岡村:海外ではNetflixHuluなどがヒットして、動画配信サービスも盛り上がってますが、日本ではまだまだ。で、そこに賭けてくる藤田社長はさすがだと思うんですよ。麻雀のときでも到底考えられない打ち方をしますから、最強位の勝負勘は、やっぱり常人では計り知れないなと。

 

高山:僕は岡村さんから、常人では計り知れない藤田社長への想いを感じますが…()

 

岡村:当たり前ですよ! 日本のインターネット広告市場を創ったといえる藤田社長が、今度は新たにAbema TVというプロダクトを通じて、インターネット動画広告市場を創出するんですよ! Abema TVはまだ赤字だと思うんですが、要望があろうがなかろうが、全広告代理店が連合を組んで広告を販売、早期黒字化を目指すべきです。Abema TVにはいろんな人の夢が詰まってるんです。絶対に成功させたい!

 

f:id:okuri_bunt:20160610004223j:plain

業界の夢を語る岡村だったが、いつの間にか夢の世界へ...。睡眠時間を削ってAbema TVを観ているに違いない...

 

高山:まずは、この「岡村陽久の勝手にしやがれ!」をAbema TVに出稿したらどうですか?

 

岡村:したい! まだ広告の販売は本格的にやってないと思うんですけど、営業マンが来たら絶対に買います。約束します。

 

岡村からの提案とは!?

 

岡村:実はAbema TVに提案があるんですよ。

 

高山:提案ですか?

 

岡村:麻雀番組に一般人代表のコメンテーターとして呼んで欲しいんです! 今の解説はちょっと玄人過ぎるんですよね。なので、素人が「あれ?どうして?」って気になるところをドンドン僕が拾って、解説のプロ雀士さんに説明を求めることで、プロと素人の差を埋める役割を果たしたいんですよ。

 

f:id:okuri_bunt:20160610002236j:plain

Abema TVの広告宣伝に限り、自由にこの写真を使ってよいそうです

 

高山:でも、岡村さん忙しいんですよね?

 

岡村:どんな約束があってもズラします。

 

高山:たとえ株主総会でもですか?

 

岡村:はい。株主も本望でしょう。

 

高山:Abema TV様、岡村へのオファーをお待ちしております。ギャラは初回は無料です()

 

f:id:okuri_bunt:20160610004831j:plain

ハマりすぎて寝不足バージョン。Abema TVの広告宣伝に限り、自由にこの写真を使ってよいそうです

 

編集・構成:小沼朋治

写真:上野朝之 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【第12回】アドウェイズ岡村が、日清のCMにひと言!「とんでもない会社ですよ!」

2016年4月14日(木)夜、ならびに4月16日(土)深夜に発生した熊本地震により、被災された方々や、被災地にご家族や友人のおられる方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地の方々への救援が一刻も早く行われ、一日も早い被災地の復興を心よりお祈り申しあげます。

 

アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。

 

ここまで読者の質問に答えることなく第12回目を迎え、今日こそはと質問をぶつけようとすると、またもや岡村からどうしても話したいことがあるという。それは、日清カップヌードルの件だった。

 

f:id:okuri_bunt:20160425172813j:plain

WEBデザイン業界で耳にする「1ピクセルへのこだわり」はまったく興味がないが、お湯は注ぎ線から「1ミリ下へのこだわり」に対しては、ものすごい執着がある

 

高山:日清のカップヌードルの件で話があると聞きました。

 

岡村:インスタントラーメンといえば、日清「カップヌードル」一択。めちゃくちゃ大好きで、中学生の頃から食べ続けてます。

 

高山:そうなんですね。

 

岡村:しょうゆ味9割の、シーフード味1割ですね。

 

高山:えーと、今日はCM放送中止の件で、話があると聞いたんですが。

 

岡村:観ました、あの映像? めちゃめちゃ面白いですよね。日清はやっぱり、すげー!と。どうりで美味いラーメン作るわけですよ!

 

高山:でも、世の中の人はそうは思ってないようですね。クレーム殺到したらしいですから。

 

岡村:は? あのCM観て、高山さんは驚かなかったんですか? なにこれ、すげー!こんなのはじめて!って具合に。インスタントラーメンは、カップヌードルしか食べないくらい、本当に大好きなんですけど、今回の件でますます日清が好きになりましたよ。

 

f:id:okuri_bunt:20160425173434j:plain

岡村曰く「3分待つと、食べてる途中で麺が伸びる。2分半から食べ始めると、最後まで美味しく食べられる」。カップヌードル専用のマイストップウォッチは、しょうゆ味に合せて赤を選んだ

 

高山:率直に言えば、これ炎上しそうだなーって思いました。ゴーストライター騒動の新垣さんのほか、不倫で話題になった矢口さんまでもがキャスティングされていたので。

 

岡村:これだけ美味いラーメン作る実力があるわけですから、当然、「OBAKA's UNIVERSITY」シリーズのCMのリスクが高いのは十分わかってたと思うんですよ。

 

高山:でも、事前に予測していた割には、あっさり放送を取り止めてますね。

 

岡村:おそらく思ってた以上のクレームが来たんでしょうね。カスタマーセンターだけではなく、卸先のスーパーやコンビニにまで波及して、中止せざるを得なかったんではと。

 

高山:それは誰かに聞いたんですか?

 

岡村:いいえ、カップヌードルが大好きな自分の勝手な解釈です。

 

高山:はい(笑)

 

f:id:okuri_bunt:20160425175215j:plain

カップヌードルへの真っ直ぐな想いがつぶらな瞳に現れている。「麺が伸びる」ということで、取材を中断して見守ることに

 

岡村:たとえ法律で禁じられていなくても、不倫は道徳的に良くない。TVという公共の電波に出演させるなって言うのは、もっともな言い分ですよ。一方で、過ちをきちんと反省した人に、もう一度チャンスを、立ち直るきっかけを与えるって当たり前のことですよね。矢口さんの場合は、もう3年も前の話ですよ(笑)。

 

どちらも正論なのに、なぜ後者だけはいつまでたっても認められないのか。僕はそれが不思議でしょうがないんですよ。広く迷惑をかけたのは事実かもしれませんけど、不倫で言えば仕事関係者や当事者間の話だから、それに対して第三者が、未だ執拗に怒り続けるのって変ですよね。

 

高山:そういう意味では、日清は正論を主張しただけですよね。

 

岡村:正論を振りかざすなら、正論に理解を示すべきだと思うんですけど、決してそうじゃないのが今の日本。引きずり降ろしてボコボコにして、失敗した人を2度と立ち上がれなくする。結局は、みんな気分で怒ってるんじゃないかと。批判や見解を述べることは非常に健全な行為ですけど、目的が単にストレス発散になっちゃったら、皿割ってスッキリするゲームと変わらないじゃないですか。結果、失敗を恐れて誰もチャレンジしない世の中になりつつあると思うんですよ。それってヤバくないですか?

 

高山:今の日本は、かなり失敗に敏感な感じになってますね。

 

f:id:okuri_bunt:20160425174443j:plain

具の順番へのこだわりがある岡村。えび→コロコロ焼豚→たまごの順番を「クリーンナップ」と名付けている

 

岡村:批判したもん勝ちの世の中じゃ、萎縮しちゃって何もできなくなるじゃないですか。結果、日本から面白いものが生まれない、日本が世界で勝ち残れない。ラーメン売る売れない関係なしに、日清は覚悟を持って、あれだけのCMを作って、今の日本を少しでも変えようとしたんですよ。

 

高山:そのメッセージをガッツリ受け取ったんですね。ちなみに、それは誰かから聞いたんですか?

 

岡村:いえ、勝手な解釈です。

 

高山:はい。

 

岡村:ちなみに、車でホームタウンの歌舞伎町に向かう際は、青梅街道から明治通りを左折、そこから細い路地へと入っていくのですが、その時、右手に見える日清本社を、今まで以上に誇らしく感じています。

 

高山:はい。

 

岡村:アドウェイズの経営陣は全員、自分を含めて過去に大失敗を経験してます。失敗から学ぶことを恐れずに、これからも頑張っていきますよ。

 

f:id:okuri_bunt:20160425183725j:plain

尊敬する、サイバーエージェント藤田社長と一緒に、「カップヌードル」を食べるのが夢だという岡村。ひとまず高山が名乗り出たが、ただ食べたかっただけであろう、、、取材陣全員で食べました

  

岡村:最後にですが、藤田社長、Abema TV開局おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。僕は釣りが大好きなのですが、地上波のTVで観ようと思うと、ピンポイントの時間帯でしか放送されていないため、うっかり見逃すことが多く、悔しい思いをしてきました。しかし、Abema TVが開局されたおかげで24時間、釣り番組を観られるようになり、インターネットが、より楽しくなったのを実感しています。広告があればクリックしますし、コマースが始まればすぐに買います。それほど、いまAbema TVにハマっています。かなりチャレンジングな事業で、様々な批判もあると思いますが、リスクを背負って勝負する藤田社長とCAの姿勢に、いつも勇気をもらっています。

 

編集・構成:小沼朋治

写真:上野朝之

【第11回】岡村陽久&小渕宏二の「出張!リアル勝手にしやがれ」in福岡

f:id:okuri_bunt:20160405023359j:plain

 

株式会社おくりバントが鋭意制作しております「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」ですが、我々の知らぬ間に、ネット業界の招待制カンファレンスB Dash Campにて、勝手にリアルイベント「勝手にしやがれ特別版」として企画され、勝手に開催されておりました。そこで急遽、勝手に予定を変更いたしまして、勝手に入手したイベント当日の録音テープをもとに、勝手にダイジェスト記事にさせていただきました。

 

B Dash Camp 2016 Spring in福岡201633日開催)

 

スピーカー 

クルーズ株式会社 代表取締役社長 小渕宏二

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長CEO 岡村陽久

 

司会

B Dash Ventures株式会社 西田隆一氏

 

小渕「もっとまじめな企画で呼んで…」

  

西田隆一氏(以下、西田):これはWEBの不定期連載で岡村さんが適当に悩みに答えるというすごい面白いWEBサイトがあるので、それをリアルにここで再現しようということで今回この企画をやっています。岡村さんがそのまま答えると、なかなか成立しないんじゃないかということで、猛獣使いのようにクルーズの小渕さんに、今回一緒にご登壇いただくということで進めさせていただきます。

  

小渕宏二氏(以下、小渕):じゃあ、よろしくお願いします。異色の組み合わせでのセッションの始まりなんですけど、西田さん、僕もっとまじめなスピーカーとモデレーターできるんで、次はそういう仕事をぜひお願いします(会場笑い)。

 

西田:これは真面目なセッションでは…。

 

小渕:真面目です、真面目です。真面目にはやります(笑)。ただ、さっきから会場を歩いてるとですね、期待してるとか面白そうだねとか、たくさんの方から声かけてもらってるんですけど、おそらくなんの役にも立たないし、立つつもりもございません(会場爆笑)。

 

岡村さんが悩みに全力で答えていく、それだけのコーナーであります。この後のディナーのいいネタになればいいな、ということで始めますので(笑)。では、たいへんおまんたせいたしました! 始めましょう! ただし、「勝手にしやがれ」なので、あくまでも勝手にやらせていただきます。よろしいでしょうか、岡村さん?

 

岡村陽久(以下、岡村):えー、勝手にしやがれ(棒読み)

 

小渕:岡村さんの話が長ければ、途中で勝手にカットさせていただきます。それでよろしいでしょうか?

 

岡村:勝手にしやがれ(棒読み)

 

小渕:途中でタバコを吸いたくなったら勝手に吸わせていただきます。それでよろしいでしょうか、岡村さん?

 

岡村:勝手にしやがれ(笑)。

 

小渕:相談内容が面白くなかったら勝手に変更させていただきます。いいですか?

 

岡村:はい、勝手にしやがれ(棒読み)

 

f:id:okuri_bunt:20160405015257j:plain

「もっと真面目なセッションで登壇したかった」と悔しがるクルーズ小渕社長。事前の岡村との打ち合わせのせいか、すでに少々「岡疲れ」(岡村の勝手さに疲れる症状)の様子だ

 

小渕:ということで、事前にみなさんから6件ほど相談内容をいただいております。当然なんですけど、勝手に変更させていただきました(会場笑い)。それでは本題に入りましょう! 

 

これ、事前に会場の方からいただいたみたいなんですけど、勝手に変更させていただいてます。若手のベンチャー企業の方、10名くらいからランダムに質問いただいて、その中から岡村さんが、かろうじて答えられそうだなという質問だけピックアップしています。そうは言っても、後ほど質問コーナーというのも用意してますので、サクサク進めたいなと思います。

 

できるエンジニアは「顔採用」!?

 

小渕:相談その1、岡村さんから悩みに切り込んでもらえればなと思うんですけど、若手起業家Aさんからいただいたお便りですね。

 

<相談その1>

「立ち上げて間もないのですが、創業メンバーをどうするか悩んでいます。どうやったら優秀な創業メンバーを集められるでしょうか? また、そのとき選ぶ基準として大事なことはなんですか?」

 

小渕:岡村さんのところも2000年からアドウェイズを創業されて。

 

岡村:はい、そうっすね。2000年から。

 

小渕:僕の勝手な印象なんですけど、ネット業界広しといえども、これだけ優秀な方が揃ってる会社は他にないだろうなと思うくらい、優秀な方が多いですよね? まあ、そうじゃないとアドウェイズは成り立たないと思うので。

 

岡村:わはははは!

 

f:id:okuri_bunt:20160405015028j:plain

セッション冒頭、「勝手にしやがれ」を4回唱えたことで緊張がほぐれた様子の岡村。兄貴と慕うクルーズ小渕社長との絡みが楽しすぎるのか、コブシに力が入る

 

小渕:では、岡村さん悩みにビシッと答えてください。

 

岡村:創業当時、僕がやっていたことなんですけど。インターネットの広告事業なのでシステムの開発が必要かと思ったんですけど、僕自身はシステムが作れないので、どうしよっかなと考えたときに

 

小渕:作れるわけもない(笑)。

 

岡村:そうですね(笑)。たまたま当時、新大阪で立ち上げたんですけど、そこに日本コンピュータ学院ていう学校がありまして、そこでずっと張り込んでましたね。(会場笑い)

 

小渕:張り込んでた(笑)。

 

岡村:ずっと、張り込んでました(笑)。

 

小渕:今いる(アドウェイズ取締役の)西岡さんとか(同、執行役員の)松嶋さん、それから今日来てる(同、執行役員の)山田くんとか(同、取締役の)鹿野くんとかは新卒なんですよね?

 

岡村:はい、彼らが入社する全然以前の話で。起業のときは採用とかも全然できないので、学校の前に張り込んで。なんかわかるじゃないですか、システム作れそうな顔って。

 

小渕:はいはい(笑)。(岡村を指して)作れなさそうな人と、作れそうな人たちっていますよね。

 

岡村:それで、できそうだなって人に声かけて喫茶店に連れてって。

 

小渕:ルノアールね。

 

岡村:俺こんなことやろうと思ってるから、こういうシステム作ってくんないか?みたいな感じでまず(採用を)やったのと、次のエンジニアはYahoo!で検索しました。「システム 大阪」って(検索して)上から出てきたのを片っ端から電話して、一緒にやらないか?みたいな。

 

小渕:たいへん参考にならない話ですね(笑)。みなさん、なんの役にも立ちませんから! ただ、役に立つこととしたら、その位なりふり構わずやれることを全部やった、ということですよね。

 

岡村:はい。あと、本屋に行ってプログラミングの本を読んでた人や買った人を追いかけて、うちはこういうことやってるから一緒にやりませんか?って。そういうことをやってましたね。

 

小渕:でも、本質的かもしれませんね。岡村さん今日は流暢にしゃべりますね(笑)。さっきまでこの質問を写メとって、えーあー言いながら向こうで見てた岡村さんとは思えないですね。

 

岡村:これだけは、まぁ(笑)。

 

f:id:okuri_bunt:20160405020018j:plain

本番直前まで「えーあー・・・」と、アルファベットAの発音を練習する小学生のような状態の岡村を、流暢にしゃべらせる小渕社長のキレキレのトーク力。そして岡村の適当な話を本質的な回答へと昇華させる翻訳力は、来年のセッションにも欠かせない。「B Dash Camp 勝手にしやがれリターンズ 3D」(仮)でお願いします

 

小渕:そのときの方って今でも残ってるんですか?

 

岡村:えーっと、残ってないです(会場爆笑)。

 

小渕:ちなみに、この質問にある「どうやったら優秀な創業メンバーを集められるか」ということだと、なりふり構わず自分にできることを精一杯やって、顔で選んでたわけですけど。選ぶ基準って? でも、その頃は選ぶ基準もへったくれもない?

 

岡村:そうですね。来ていただけるという人は、正直全員入れてましたね。

 

小渕:そうですよね。

 

岡村:はい。「家がなくて今ヨドバシカメラでインターネットやってる(連絡してる)けど、採用してくれないか?」というメールが来て、今すぐ会おうって。それで入社してもらったりとか。

 

小渕:今じゃ考えられないですね。意外にそういう人の方が優秀だったり。

 

岡村:そうなんですよ。

 

小渕:でも、今はその人は?

 

岡村:いないっす!(会場爆笑)

 

小渕:なんの参考にもならないですね(笑)。この辺は会場の皆さんも、ひとしきり経験されていることかと思うんですけど、次の相談の内容に移りたいなと。

 

新宿のキャバクラでは僕らのこと誰も知らない

 

<相談その2>

「今立ち上げようと思っているサービスはまだ前例のないもので、ないが故に批判や、大手・競合からの圧力がかかると思うんです。どうしたらそのようなことを回避できるのでしょうか? また、そんなとき経営者としてどんな姿勢であるべきでしょうか?」

 

小渕:悩める若手起業家Bさん。いかがでしょうか岡村さん?

 

岡村:まず、この人、えーっと(笑)。そんなことないと思いますね。(圧力は)かからないっす(会場笑い)。

 

小渕:圧力はかからない(笑)。圧力に気づかなかっただけじゃ

 

岡村:それはかからないです。

 

小渕:世の中そんな悪いやつばかりじゃない、と。

 

岡村:そうですそうです。(圧力が)かかった、って聞いたことないですね。

 

小渕:岡村さんの耳に入ってないだけじゃないですか? 聞いたことないっておっしゃるけど。ちなみに以前、僕とお酒飲んだときに、当時フィルタリングが騒がれた時期で20072009年くらいですかね。ホワイトリストがどうしたブラックリストがどうしたって騒がれた頃あったじゃないですか。

 

「岡村さん、世の中フィルタリングで大変ですね」って言ったら、岡村さん「フィルタリングってなんすか?」って。で、社内の人に電話して「お前なんで俺に(フィルタリングについて)報告しないんだ?」って。当時Yahoo!ニュースに結構出てて、岡村さんの耳に入ってなかっただけじゃないかと思う。目にしてても忘れてるだけな気がするんですけど、(圧力は)かからないですか?

 

岡村:かからないです。あと、批判とか、たぶんこの人はネットの見過ぎだと思いますよ。

 

小渕:岡村さんネット見ないですもんね。

 

岡村:はい。ネットは見なければ問題ないかと。ただ、テレビで批判されたら、それはよっぽどのことなので気にした方がいいですけど。ネットの批判なんか気にしちゃダメです。見ない方がいい。

 

小渕:てか、見れない!

 

岡村:うははは!

 

小渕:(聴衆に向かって)このあと岡村さんにFacebookで友達申請することがあったら、メッセージ付きで申請していただかないと、岡村さん承認しないタイプなので。そもそもFacebookの使い方知らないって話聞いたことありますけど

 

岡村:大丈夫です。Facebookはすごい見てます。

 

小渕:ネットの批判なんか見ちゃいけない。見過ぎ、だと。

 

岡村:そうですね。見過ぎですね。たぶんインターネットの経営者ってネットやりすぎの人が多いと思うんですよね。

 

小渕:確かに。ある意味で職業病というか、スマホ触ってないと(落ち着かない)、パソコン見てないと(落ち着かない)、とか。パソコンやデータ見てたら仕事してる気になったりするけど、そんなことじゃねーと。

 

岡村:はい。歌舞伎町のキャバクラ行ったら、(お水業界の人はIT業界の経営者を)みんな知らないじゃないですか? それで言われるようになったらよっぽどのことだと思いますね。

 

小渕:言われてません?

 

岡村:全然言われてないっす。(質問者は)気にしすぎだと思います。

 

f:id:okuri_bunt:20160405021148j:plain

歌舞伎町のキャバクラが語られたのは「B Dash Camp」史上初かと思われる

 

小渕:なるほど。さすがですね。そういう意味だと、「鈍感力」っていう言葉があって、すげー大事な言葉だと思って、いつも自分の中に留めてるんですけど、岡村さんはミスター鈍感、ですよね。

 

岡村:うははは!

 

小渕:いや、そのくらいじゃないと、2000年から創業してもう17年目でしょ?

 

岡村:そうっすね。

 

小渕:なかなか持ちこたえられる企業も少ないし、ましては2007年に、かの有名なアドウェイズショックを株式市場に巻き起こして、なおまだ上場を維持して、時価総額も数百億のレベルを保つ。さすが、そのくらいの鈍感力が必要ということですよね。わかりました。若手起業家Bさんは、ネットを見ないで鈍感に生きると。そういうことで。圧力もない。わかりました! まったくなんの解決にもなっていない(笑)

 f:id:okuri_bunt:20160405024923j:plain

岡村を「ミスター鈍感」と呼ぶ小渕社長。物事の本質や空気をビンビンに感じる洞察力は「ミスター敏感」と呼ぶに相応しい

 

難しいことに捉われて

今というタイミングを逃してはダメだ!

 

<相談その3>

「レバレッジをかけるために最低限コストは必要だと思っているのですが、どうしてもROIが気になって投資に踏み込めません。岡村さんだったらどういうタイミングで踏み切りますか?」

 

小渕:ということを悩める若手起業家Cさんの質問ですが、まずその前に、おそらくCさんは岡村さんのこと全くわかってなくて、レバレッジて言葉すら(岡村さんは)知らないじゃないですか?

 

岡村:はい。

 

小渕:「レバレッジをかけるために」って難しいことを言われてますけど、岡村さん宛ての質問なのでぜひ答えてあげて欲しいんですけど、どうすれば?

 

岡村:そうっすね。レバレッジとかROIとか色々な言葉があるんですけど、結局は「いつ踏み切りますか?」って話じゃないですか。それは今だと思うんですよね(会場爆笑)。

 

小渕:素晴らしい!その通りです!

 

岡村:この人、本当は(踏み切るなら)今のタイミングなんだけど、レバレッジだとかROIだとか考えすぎて踏み切れないだけだと思いますね。

 

小渕:なるほどね。今日ノッてますね! 素晴らしいです。若手起業家に勇気を与える。これが醍醐味だし、岡村さんの使命だと思います。では、Cさんには「今だろ!」と。

 

岡村:今です。

 

小渕:なるほど。岡村さん本質的ですよね。これ、ぜひ持ち帰って欲しいのは、本質的であることって、すごく大事だと思うんですよ。すごく勉強になりました。ありがとうございます。ちなみに岡村さん、ROIって知ってますか?

 

f:id:okuri_bunt:20160405025325j:plain

CPM、CPIといろいろありますが、岡村の中で最近HOTなのは、CPG(Cost Per Gokai)=豪快力指数とのこと。詳しくは、おくりバント高山まで

 

岡村:はい。えーっと、あの。なんか、そういう雰囲気の話は聞いたことあるんだけど、説明はできないです(笑)。CPIみたいな、なんか高けりゃ高いほどいいような数字なのかな、っていう。

 

小渕:そういうことですよね。ROIを知らなくても創業から16年(会社を)伸ばし続けることができる!という本当に勇気をもらえる岡村さんの言葉です。ありがとうございます! ちなみに、さっき岡村さんにCPMってなんですか?って聞いたときに、「MはモバイルのMじゃねーか」って(笑)。

 

運転資金がない人にオススメするのは、バイト

 

小渕:はい、相談その4。最後の相談になります。この質問の後、会場の皆さんからも聞いてみたいと思います。

 

<相談その4>

「起業して3年近くになりますが、キャッシュが底をつきそうです。メンバーも自分を信じて、ついて来てくれてますが、いつまでも不安な思いをさせるわけにもいきません。でも、事業を途中で諦めたくありません。どうしたらいいですか?」

 

岡村:うーん、これ聞いてると、キャッシュが底をつきそうとか不安とか、この人辞めたいんじゃないですかね?

 

小渕:なるほど! この事業を辞めたいと。ズバリ言うわよ!って感じで斬り込みますね、今日は(笑)。

 

岡村:正直、本当にやりたいんだったら、キャッシュとかいらないと思うんですね。

 

小渕:いりますよ。お言葉ですけど(笑)。

 

岡村:わははがは。なんとかなると思うんですよ。銀行行ってお金貸してもらうこともできれば、ベンチャーキャピタルさんに出資していただくこともできる。変な話、うちも創業当時、お金なくて僕バイトしてたんですね、訪問販売の。

 

小渕:得意分野の。

 

岡村:得意分野の訪問販売。土日に訪問販売のバイトして、そのお金を運転資金に充ててまして、本当にやりたかったらキャッシュのあるないは関係なく、たぶん色んな方法あると思うんで。

 

小渕:なるほど。「メンバーも自分を信じてついて来てくれてるけど、いつまでも不安な思いをさせるわけにもいかない。」と。社長の切なくも悲しい想いですよね。岡村さんの言うように、やりてーならさぁ(とことんやれるはず)、っていうのもあるけど。とはいえ、ついて来てくれてる、巻き込んでしまっている仲間がいるわけで、そういう人たちに不安な思いをさせたくないっていうところはどう思います?

 

岡村:やっぱ安心させたいっすよね。

 

小渕:そうですよね。それとも、不安な思いをさせてると勘違いしてるだけで、実は誰も不安じゃないって感じですか?

 

岡村:それも正直あると思います。

 

小渕:うん。

 

岡村:それ、だと思います(会場爆笑)。結論、やりたかったらやれる方法っていくらでもあると思うんですよね。今ってネット業界に優しい世の中じゃないですか。であれば、メンバーが給料もらえないっていうなら、どっかの会社でバイトしてもらって、そこからお金もらうとか。色んな方法あると思いますね。

 

小渕:この人に言えることは、やり方なんて、なりふり構わなければ色んな方法あるんだと。目的達成のために手段を選ばずやれと。できる方法を考えなさい。こういうことですよね?

 

岡村:そうです。

 

小渕:わかりました。終始一貫して本質的でありシンプルな回答だったと思うんですけど、この(質問した)若手起業家の人たちは今度直接呼ぶんで、生でディスカッションさせていただいて。ね?

 

岡村:はい。

 

小渕:ということで、まだ20分少々時間あるので会場にもし質問ある方がいれば、ぜひ生ライブでお答えしたいと思いますが、どなたかいらっしゃいますか?

 

(会場の聴衆から質問を募る)

 

質問者1:住友不動産のKです。いつもお世話になっております。

 

岡村:いつもお世話になってます。ありがとうございます。

 

質問者1:アドウェイズさんには上野からオークタワー、グランドタワーと長きにわたって当社のビルをお使いいただき大変感謝しております。この会場の中にも、うちのオフィスに入ってくれている企業さんがたくさんいらっしゃいますが、まだまだ都内にビルを作っていて、ベンチャーのみなさんに当社のビルをご利用いただきたいと思ってます。もっとこうすればビルを使ってもらえるんじゃないか?というアドバイスをいただければと思いまして。よろしくお願いします。

 

岡村:じゃあ、簡単に。(立ってお辞儀をして)本当にいつもお世話になっております。関係ない話になっちゃうかもしれないんですけど、住友不動産さんには本当に感謝してまして、うちは住友不動産以外の物件に行くつもりは一切なくて。というのも、住友不動産の担当の方っていつも良い方で。

 

僕、住友不動産のオークタワーの横のマンションに住んでたときがありまして。2011年の震災のとき、親からも兄弟からも誰からも、僕を心配する連絡は来なかったんですけど、インターホンが「プルルッ」と鳴って、住友不動産の警備室の方から「岡村さん大丈夫でしたか? なにかあったら言ってくださいね」って。

 

そのとき、住友不動産さんも地震で大変だったと思うんですけど、そんなときに他人の心配なんて、よくできるなと思いまして。僕は住友不動産さんが心の底から大好きです。

 

小渕:これで住友不動産さん入居バンバン決まりますよ(笑)。ただこれアフィリエイトなので、成果報酬で岡村さんにお願いします。結構デカいですよCPI。はい、ほかはどうでしょう? もっと刺激的な、実はこれで悩んでますみたいな。

 

質問者2:アクティブソナーのAと申します。小渕さんにはいつも(クルーズが運営する)SHOPLISTでお世話になってまして、事業提携をしてますけど、まだいまいち伸びてないなと思ってまして、どうやったら小渕さんがもっと本気でやってくれるのか聞きたいと思います(会場笑い)。

 

小渕:俺に? 岡村さんに?

 

質問者2:岡村さんにぜひ。どうやったら(クルーズとの)事業提携うまくいきますかね?

 

岡村:これ小渕さん答えて(会場爆笑)。

 

小渕:いやいや、これ岡村さんのネタなんで。岡村陽久の「勝手にしやがれ」なんで、勝手にどうぞ。

 

岡村:真面目に答えると、弊社もクルーズさんとお取引させていただいてますけど、クルーズさんて上の会社の戦略が末端の社員まで徹底されてるんですね。広告の効果ひとつとっても、クリエイティブでも、ものすごく徹底されていて、うちもクルーズさんの広告やらせてもらうときは徹底するように営業には指導してますけど・・・。

 

小渕:(質問者の)Aさんに覚悟がないっていう?

 

岡村:そうですね。たぶんないですね(会場爆笑)。

 

小渕:以上で大丈夫ですか? わははは! ありがとうございます。刺激的な質問でしたね。ほかはいかがでしょうか? 若手の方でも全然構わないですし。

 

f:id:okuri_bunt:20160405020650j:plain

セッションの中で、小渕社長からネット業界で唯一無二のキャラと太鼓判を押された岡村。どちらかと言えば、おくりバント社長の高山の地元(足立区)にいそうな雰囲気

  

小渕:この企画、今後もシリーズ化して継続させていただきたいと考えていますが、賛成の皆様、拍手を!(会場拍手)とはいえ、拍手が少なくても勝手にやらせていただきます。それでよろしいでしょうか西田さん?

 

西田:聞いてませんでしたが、勝手にしやがれ!

 

小渕:はい、ありがとうございました!

 

岡村:うわっはっはっはっは。

 

会場アナウンス:ありがとうございました。岡村さん、今日すごく素敵なお靴ですね。

 

小渕:見えないかもしれないけど、(かかとで)サンダル踏んづけてます、この人。

 

f:id:okuri_bunt:20160405025701j:plainいつでもどこでも踏んでいます

 

 

編集・構成:小沼朋治