アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第37回。7月から引き続き、猛烈な暑さが続く日本。幾つかの台風も上陸をするなど、国民にとって暮らしにくい日々が続いている。だがアドウェイズ社長の岡村はこの暑さにも台風にも負けない“熱くて激しい話”を日本中に届けたいと考えていた。前編から引き続き、自らセッティングをした飲み会の場で、岡村は自分の思いの丈を打ち明けていく。
2018年7月末、アドウェイズ岡村は西新宿の某居酒屋に7人の男女を招いた。岡村曰くこの日の議題は「あきらめ」についてとのことである。集められた7人とは、アドウェイズが業績不振に陥った2007年に入社をした新卒たち、通称・キャリコン事業部の元メンバーたちだった。キャリコンのメンバーはさまざまな困難や壁に直面するも、テレアポや飛び込みなどの“営業”をし続け、がむしゃらに目標を達成していく。そうする内にキャリコンの「あきらめない」という精神が社内・社内の人間を巻き込んでいくようになったのだった。ただそんな中、アドウェイズ岡村はキャリコンの解散を決意。なぜ岡村はそのような決断に至ったのだろうか。後編で真相が明かされる。
アドウェイズ岡村:それで…。前編の続きですが……。
おくりバント高山:はい。前編を読んでくれていた人は、この前の続きをだいぶ待ちくたびれていると思いますよ。
岡村:……えっとですね、まあ色々あったんですけど。
高山:えっとですから……、それってどういうことですか?
アドウェイズ岡村の話を早く聞きたいおくりバント高山。カラオケ練習にハマって毎日を過ごしているが、誘い過ぎて誰も行ってくれなくなり、最近は一人で行ってるらしい。尚、上達はしていない。
岡村:では本題に入りましょう。
高山さん、彼らはそもそも“テレアポ営業”をしにアドウェイズに入社してきたわけではないんですよ。そしてさっき言った通り、僕は彼らを2月に解散させることにしたんです。2月と言ったら、残り2ヶ月で4月になりますよね?
高山:え。あ…! ってことは要するに、次の新卒がアドウェイズに入社してくるということですね!
岡村:はい、正解です。その頃のアドウェイズは、新卒を雇えるくらいまで業績が立ち直ってきたんですが、新卒を入れてもキャリコンと同じような仕事をさせるわけにはいきません。要するにキャリコンも営業をひたすら続けるのではなく“普通の社員”として働かなければならなかったのです。
高山:なるほど。そういうことだったんですね。解散させたのって、ちゃんと意図があったんですか。
岡村:そりゃもちろんですよ。
アドウェイズ岡村が手にしているのは、元・キャリコンメンバーとの思い出の写真。アドウェイズ岡村は辛いことや悲しいことがあると、この写真を見て元気を貰っているのだが、最近は見る頻度が多いようである。何があったのかはここでは詳しく記さない。
岡村:でも彼らはやっぱり諦めなくて。このチームでこれからもどうしても続けたいと言うんです。
高山:すごい信念っすね。
岡村:もう仕方ないと思い、僕は彼らに無理難題の数字の目標を出していったんですよ。この数字が達成できなかったら、即解散、と。
高山:おお。
岡村:でも、彼らはそれをやってのけるんですよね。
高山:怖。
岡村:怖いんですよ。どうしてそんなにやる気があるのか、本当に怖いんです。そこで2月になって、事情を細かく説明しました。「新しく新卒たちが入ってくるから、君たちをこのまま続けさせるわけにはいかない」と。
高山:はい。
岡村:やっと納得してもらいまして。しかも最後の2月は月の半ばに今までの達成金額の目標を出したんです。そこで達成しても解散。達成しなくても解散ということにして。「でも、やるならば全力でやれ」と指示はしましたが。
高山:本当に漫画みたいっすね。
岡村:で、月の半ばに目標を達成して解散したんです。
高山:すっげ。
アドウェイズ岡村はこのような酒の席では基本的に「コーラ」を頼む。アルコールが入っていないので気分が悪くなったりすることは無いのだが、コーラを飲みすぎて糖分を摂取しすぎると、翌日は二日酔いになってしまうので注意が必要なのだそう。
岡村:でも、これには続きがあって。
高山:え、まだ続きがあるんですか。
岡村:はい。その“続きの部分”を今改めて感謝していて、今日お礼を言いたいなと思ってメンバーに来てもらったですよ。
高山:あ、そうだったんですか。
岡村:ええ。なので、ちょっとこれから……
岡村:スマホをいじるの、やめてもらっても良いかな。
一同:あ、すみません。
岡村:いや、ねえ。やめてって言ってるでしょ。
メンバー:すみません。メルカリで気になってた靴があって…。購入しようか迷ってました。
岡村:あー。そうなんだ。じゃあ仕方ないか。
高山:(嘘みたいに甘いな……)
岡村:で、僕がさっき言っていた“感謝”っていうのはですね……、当時、僕は“07ショック”のせいで、毎日借金取りに追われるような生活をしていたんですよ。
高山:壮絶だったと言っていましたね。
岡村:株を売るか、現金を用意するか。もしくは逃げるかの選択を迫られていて。極貧生活の中、会社を立て直さなきゃいけないしキャリコンを見なきゃいけない。本当に本当に逃げたかったんです。
高山:ええ。
岡村:そんな中、前編で伝えたようにキャリコンの子達は僕が出す難題をどんどんクリアしていくんですよ。その様子を見て、僕は一つ思ったことがあったんです。
世の中の風潮で「諦めるな」って雰囲気があるじゃないですか。でもその頃、会社の業績も良くないし、借金取りに追われてるし、プライベートも色々あって、「何を糧に諦めるなって言うんだよ」ってずっと思ってて。
ただキャリコンメンバーは諦めなかった。自分は諦めようとしたけど、彼らは諦めない。諦めっていうのは一番の悪ということにキャリコンメンバーに気付かされたんです。そしてそこでやっと、キャリコンメンバーにあって僕に無いものが判ったんですよ。
高山:おお。なんだったんですか。
岡村:元気です。元気があれば、なんでもできる。人は元気があれば、生きられるんです。
高山:……確かに。
岡村:僕はですね、未だにマネジメントを僕に教えてくれたとのはキャリコンメンバーだと思っていて。要するに彼らが僕を社長にしてくれたんですよ。彼らがいなかったら新卒を毎年雇っていなかっただろうし、多分僕は逃げてたと思う。それくらい、本当に感謝をしているんです。
高山:彼らがいなかったら、僕も今ここにいなかったかもしれないですね。
岡村:そういうことです。会社の危機と共に色んな人の未来を救ってくれたんですよ。
高山:まさにアドウェイズの不死鳥ですね……、って、あれ?
高山:岡村さん、君たちのことを褒めてたんだよ? ねえ、ちゃんと聞いてる?
一同:あ! すみません。この話、年2回多くて年5回は聞かされてるので、もう飽きちゃったんです。
高山:え、そうなんだ。確かに年5回は異常だと思いますけど…。
岡村:全然良いんですよ。単純に僕がキャリコンメンバーに感謝を伝えたいだけなので。この思い出話の時以外は、仕事には真面目に取り組むし今はアドウェイズの中核を任せているメンバーも沢山います。だから忙しい合間を縫ってこの場にいてくれるだけで良いので、スマホでゲームをしたり、メルカリで買い物をしたりしていても構わないんです。
なので、今後もこうやって一緒に飯を食いに行きましょう。これからも俺のことをよろしく。
一同:もちろんです!
最後に、記念撮影をして本撮影は終了。
「勝手にしやがれ」も「アドウェイズ岡村」も、今後とも宜しくお願い致します。
次回もお楽しみに!