岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第41回】「子どもたちの夢を壊すな!」アドウェイズ社長岡村陽久がZOZOTOWN前澤氏について語る!

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第41回。12月のある日、いつものようにおくりバント高山を呼び出したアドウェイズ岡村。恒例のセリフである“あの世間を騒がしている件について伝えたい思いがある”と語る岡村の真意とは? また最近増えてきた時事ネタではあるが、最後までお見逃しなく。

 

 

2018年12月14日(金)アドウェイズ社長室にて

 

 

おくりバント高山:どうしたんですか、岡村さん。「子供たちの夢が壊れる」と連絡があったのですぐ駆けつけましたが……

 

アドウェイズ岡村:高山さんすみません、急に呼び出してしまって。あの……僕は“ある件”についてとても憤っておりまして。


高山:ある件…?

 

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岡村ZOZOTOWNの社長、前澤さんについてのことです。

 

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高山:(ついに矛先が…!)

 

 

アドウェイズ岡村が語る「ZOZOTOWN前澤氏」

 

 

岡村:一応前置きをして喋りたいと思うのですが…。僕と前澤さんは、今現在は特に何の接点もありません。

 

高山:はい。

 

岡村:そんな前澤さんに対して、僕は深い深い尊敬の念を抱いています。前澤さんは、何も悪くありません。

 

高山:え…?

 

岡村:僕が憤ってる先はですね、もちろん前澤さんに対してではありません。前澤さんの行動を騒ぎ立てる世間や、偏って報道するメディアに怒っているんです。

 

高山:あ、そっちだったんですね…。

 

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「まさかこのタイミングで、今年一番話題になったIT会社社長に喧嘩を売るなんて…」と、おくりバント高山はアドウェイズ岡村の発言に戦々恐々していたが、真意が解りホッとしている。

 

高山:なんか最近だと、“幻の別荘”を買ったと話題になっていましたが。

 

岡村:ええ。“智水庵”のことですね。15の別荘からなる「南禅寺界隈別荘群」の中の一つで、京都でも別格扱いされている、とスポーツ新聞で読みました。

 

高山:すごいですね、自分の欲しいものが何でも買えちゃうんですね。

 

岡村:はぁ…。高山さんもそうやって、メディアに踊らされているうちの一人ですか。

 

高山:いや、そんなつもりは…。

 

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岡村:あのですね、別荘に何か悪さをしたくて買ったなんてことは、絶対ありませんから。というか前澤さんのことだから、きっと日本の文化を守ってくれたんです。

 

高山:守った…?

 

 

岡村:そうです。守りました。よく考えてみてください。前澤さんがこの“幻の別荘”を買っていなかったら、違法な民泊業者が買っていたかもしれないんですよ。

 

高山:た、確かに…。

 

岡村:本来は、こういう文化財を国が購入してでも守るべきであると思うのですが、残念ながら、現状では、日本政府はそのような行動は何もしてないですね。

 

だから前澤さんは、僕ら日本人のために日本固有の財産(資産)を守ってくれたんだと、そう考えられませんか。

 

高山:ええ…、思ってきました。

 

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アドウェイズ岡村の話に上手く乗せられるおくりバント高山。彼のように「自分は人にだまされない、絶対に大丈夫」と思っている人ほど、詐欺師に騙されやすいのだという。

 

高山:確かに去年購入したと話題になっていた“バスキアの絵”も、ただ飾っているだけですもんね。

 

岡村:ええ。何か書き足したかとか、そんなこと聞いたこともありません。月に行くのだって、人類のロマンじゃないですか。前澤さん自身の夢でもあって、それってすごく素敵なことだと思います。

 

高山:まあ、なんにでも“ツッコミたがる”世の中なんですよね。

 

岡村:本当、そうですよ。もちろん買ったからには手入れはしっかりやられるでしょうし、万が一手をつけられないということであれば僕が代わりに手入れをしに行ってもいいですし、僕がRHNになってもいいと思っています。

 

高山RHN…。

 

岡村:連帯保証人、略してRHNです。

 

高山:…初めて聞きました。

 

アドウェイズ岡村が語る「子供の夢」

 

 

高山:どうして岡村さんは知り合いでもない前澤さんのことを、そんなに擁護するんですか?

 

岡村:あのですね、僕はずっとサイバーエージェントの藤田社長に憧れていて。それでIT企業を作ったんですね。今僕が上場企業の社長として働いているのは、藤田社長がいたからだと思うんです。

 

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アドウェイズ岡村が20歳の時、サイバーエージェントが上場した。その際、アドウェイズ岡村は藤田社長が話した「インターネットはすごいぞ。これから広告も金融も、インターネットはいろんなことを変えていく」という話に「これはすごいな」と感銘を受けたそうだ。当時アドウェイズ岡村は換気扇のフィルターを飛び込みで売っていたが、「これは換気扇のフィルターなんか売ってる場合じゃないな」と思ったとのこと。

 

高山:ええ、存じています。

 

岡村:こんな風にですね、誰だって憧れの人がいて「こういう人になりたい」「こんな大人になりたい」って思うじゃないですか。特に子どもは。

 

高山:そうですね。

 

岡村:昔でいったら王さんとか長島さんとか、イチローさん松井さんとかに憧れて野球選手になった人がたくさんいるでしょう。そう考えたらですね、今はIT企業の社長に憧れる子どもたちもたくさんいるってことですよ。

 

高山:あ…なるほど。

 

岡村:日本を代表する社長の一人なんで、彼に憧れている子どもたちはたくさんいるでしょう。そんな子どもたちの夢を捻じ曲げてはいけないと思うんです。大人の僻みとか、PVをあげたいとかっていう邪な考えでぶち壊すなと。

 

高山:確かにどうせでっちあげるなら、子供が喜ぶことを書いてあげて欲しいです。

 

岡村:本当そうなんですよ。親が子を叱るとき、「こんなことしてたら前澤社長みたいなえらい人になれないよ!」と言ったら、「え、前澤社長って悪い大人なんでしょ」と言われたらどうするんですか。今までなにも悪いことをしてないんだから、根も葉もない噂を書くなと僕は声を大にして言いたいんです。

 

高山:別に絵を買っただけ、別荘を買っただけですしね。


岡村:実は僕、一回だけ前澤さんにお会いしたことがあって、2007年くらいに。僕のことは覚えてないかもしれませんが、僕はお会いしたことをしっかり覚えています。前澤さんは偉そうに喋るわけではなく、本当にやんわりとした雰囲気で人当たりがいい方でした。

 

そして、僕の直感で解ったんです。前澤さんは「人に夢を与える方だ」と。そんな方を僕は守らなくてはならないんです。今度変な噂をメディアが流したら、知り合いの弁護士に相談をして前澤さんの代わりに訴えたい。僕はそれくらい本気なんです。

 

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「訴えてやる!」と強い語気で語るアドウェイズ岡村。前澤社長のことが大好きなようだが、アドウェイズ岡村はZOZOTOWNでは一度も買い物はしたことがないらしい。

 

高山:あの、岡村さんは月に行きたいんですか…?

 

岡村:いや、そんなおこがましいことはできません。僕は仮に月に行ったとしても何も出来ませんから。

 

  

ということで無事、アドウェイズ岡村が自分の思いを伝えることができ、今回の「勝手にしやがれ」は閉幕した。ここまで読んでいただいた皆さんは、アドウェイズ岡村の考え方に理解を深めることができただろうか。

 

次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく。乞うご期待あれ。

 

 

 

 

 

 

 

【第40回】アドウェイズ岡村と旧知の仲。クルーズ小渕社長にどうしたら人は進化するのか聞いてみた〜社長対談〜

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第40回。外から聞こえる虫の鳴き声がセミからコオロギへ変わり、平成最後の夏が終わりを迎えた。そんな9月の後半、なかなか進化しない子会社おくりバント代表の高山に「どうしても会わせたい人がいる」と発言するアドウェイズ岡村。それは旧友であるクルーズ株式会社の小渕宏二氏であった。この日は、古い付き合いの友人同士だからこそ話せる“業界の裏話”や、クルーズが掲げる“永久進化構想”についての議論が交わされた。現在IT企業に勤める人はもちろん、これから勤めたい人も興味がない人も必見の内容である。ぜひ最後までご覧いただきたい。

 

とある9月の昼下がり、六本木ヒルズ森タワーにて

 

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アドウェイズ岡村:それで、まあ色々あるんです。とにかく僕が言いたいことは、うちの子会社「おくりバント」の社長・高山が本当に酷くって。

 

 

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クルーズ小渕ええ。

 

クルーズ株式会社・小渕宏二社長

日本最大級のファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」ほか数々のネットサービスを手がけるクルーズグループの代表を務める。アドウェイズ岡村とは旧知の仲。

 

岡村:おくりバントの社長として5年間もトップに立っているにも関わらず、未だにエクセルすら使えないんですよ。資金繰りとかのレベルにすら達していません。要するに、全く進化が見えないんです。

 

小渕:なるほどですね…

 

岡村:「今年こそは本社にしっかり利益を出し、グループに貢献するように努めます!」なんて、テンプレみたいなセリフを毎年正月に僕に言うんですけど、一向に進化する様子がなくて。

 

小渕:はあ。

 

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おくりバント高山:なんか、僕のことですみません……。

 

岡村:この前なんて、業務中に急にいなくなったと思って高山さんに連絡をしたら、「すみません、カラオケに行ってました!」とか言うんですよ。さすがにそれは僕も怒りましたけど。

 

小渕:あの…。岡村さん。

 

岡村:はい。

 

小渕今日は愚痴を言うためにうちのオフィスに遊びに来られたんですかね? 愚痴の元凶の高山さんまで連れてきて…。


岡村:いや。もちろん愚痴は言いたかったんですけど、僕がここに来た本当の理由は…

 

小渕さんなら、高山さんを進化させてくれるんじゃないか、って思ったからなんです。

 

小渕:え?

 

高山:え? 

 

岡村:え?(笑)

 

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おくりバント高山は今も昔も資金繰りに苦戦しているが、自分の会社を立ち上げたばかりの頃、今よりも更に資金繰りに苦戦してしまい、小渕社長に助けてもらったことがある。そのため全く頭が上がらないそうだ。ちなみにおくりバント高山が小渕社長の元に持参したものは、「資金繰表」だけだったという。

 

岡村:小渕さんは先日、自分の会社であるクルーズの事業を全て子会社化して、永久進化構想を立ち上げたんです。今日はその話を高山さんに聞かせようと、ここにやってきたんですよ。

 

小渕:あ、なるほど、そういうことだったんですね。

 

高山:え? あの…すみません。恩人の小渕社長を目の前にして突っ込むのはかなり僭越なのですが、その僕を進化させてくれるっていう“永久進化構想”って、なんなんでしょう……。

 

小渕:あの、これって真面目に説明したほうが良いんでしょうか。

 

岡村:そうですね、“進化前”の高山さんに、ちゃんとわかるように説明していただけますと嬉しいです。

 

小渕:了解です。わかりました。

 

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アドウェイズのスローガンといえば「なにこれ すげー こんなのはじめて」であるが、このスローガン、実はアドウェイズ岡村と山田と鹿野が考え、そこにクルーズの小渕社長が一手間加えてできたものなのだ。小渕社長曰く、「岡村さんがいつも言ってそうな事」をイメージしたとのこと。それほど二人は仲が良い。

 

 

クルーズが掲げる“永久進化構想”とは?

 

 

高山:すみません、僕のような猿人でも理解ができるように説明してもらえますでしょうか。言うなれば、3行くらいで……

 

小渕:……。簡単に言うとですね。

 

うちの会社は時価総額1兆円を達成したいんです。

 

高山:1兆円……。(1兆円?)

 

小渕:もっと言うと、時価総額1兆円以上を達成し、インターネットの時代を動かす凄い100人を創り、インターネットの発展を社会還元していきたいんですよ。その為にクルーズは今年の5月、全ての事業を子会社化し、純粋持株会社となりグループ経営への移行を決定したんです。その数は現時点で26社くらいになるんですけど。

 

岡村:全ての事業を子会社化って、すごい試みですよね。

 

小渕:このグループ経営への移行と共に打ち出したのが「CROOZ永久進化構想」でして。 どういうものかというと、次世代の事業と経営者の誕生と成長、永遠のベンチャースピード、時価総額1兆円を目指すための仕組みです。

 

高山:……

 

岡村:すみません、猿人でも理解できるように……

 

小渕:簡単に言うと、100億円稼ぐ事業が100個あったら、1兆円になるじゃないですか。  

 

高山:はい。

 

小渕:なので優秀な経営者を100人集めればいいなと思って。そしてさらに新しい事業がどんどん増えてくれば、もっと時価総額が増えていくってことです。

 

高山:要するに、それが“永久進化”ってことですね。あ、でも優秀な経営者って、正直、どんな人達なんですか?

 

小渕:競争が激化するネット市場で優秀な経営者を集めるには、敢えて「変人」が必要だと考えていて。

 

高山:え。変人…?

 

小渕:例えば高山さんって、見かけの通り中身も面白いじゃないですか。ですよね、岡村さん。

 

岡村:そうですね。こんな身なりで中身がちっとも全く面白くなかったら、多分、事業を継続させていないと思います。

 

高山:え、ありがとうございます。

 

小渕:僕は、高山さんみたいなキャラが強くて面白い人も、トップに上がらせたいんですよ。個性が際立つ人がトップにいるって凄いと思っていて。今のクルーズのミッションは「インターネットの時代を動かす凄い100人を創る」というものなのですが、そこには絶対にそういう人材が必要なんですよね。

 

真面目な話をすると、2000年〜2005年位までに立ち上がったITベンチャーって、今はほどんどいないじゃないですか。でもアドウェイズも残ってるし、クルーズも残ってるし…。20年近くも第一線にいれることって凄いことだと思うんですよ。で、よく考えると他の会社と違ったのは、岡村さんもそうだけど、周りにいる仲間の個性が際立ったやつが多くて。

 

これまでは、「クルーズの国はこうゆう国だから、こんな人材を集めなきゃ」などの思いがあったんですけど、今はそこへのこだわりが無くなって。大きな会社の中に強いやつも個性のあるやつも沢山いて、その人たちがそれぞれにビジョンや目標をもって事業をやっていて、最終的に結果として同じところに繫がる。そうゆう強固で揺るがない関係を目指したいんです。そんな仲間たちを集めて10年先も20年先も生き残っていきたいなと。

 

高山:あ、あの、平たく言うと、僕みたいな人間がクルーズに欲しいってことですか? 僕みたいな人間が、一兆円を生み出すってことですよね…?

 

小渕:はい、高山さん“みたいな”人間ですね。

 

高山(うわあ。これはまじか…)

 

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おくりバント高山は、現在、前述した通り、相変わらず資金繰りに苦戦しているのだが、最近は本格的にヤバいので“ただでお金をくれる人”を夜な夜なFacebookで探しているらしい。高山にお金を寄付したい!「おくりバントに仕事をしてもらいたい!」という方は、気軽にメッセージを送ってみよう。

 

小渕:採用をする際、昔は“ネット事業をやったことがないとダメ”などの基準がありましたけど、最近はそうでもない若い人も沢山いるんです。そういう意味では、クルーズっぽくない人たちが10年後にクルーズを動かす立場になった時に、どう作用していくかを見たいっていう理由もあります。というか、その人たちがインターネット時代を動かす凄い100人になってほしいなと思っていて。

 

岡村:小渕さん、昔は「酒が飲めてネットに強い人じゃないと入れない」って言ってましたもんね。

 

小渕:確かにそんなことも言ってましたね(笑)。ただ、全てが全て高山さんみたいな人たちばかりだと、入社した後に「クルーズってちょっと自分と合わないな」と思われそうなので、全てが混ざり合った上での「無色」を目指しているんです。だからよくいう、連続起業家とか、髭とメガネがおしゃれな連中とか、いろんな人たちが来れるような場所にしたいというか。

 

岡村:昔って、IT業界全体的に、そうゆう方たちが立ち入れる隙間ってなかったですよね。この何年かで急激に業界も変わってきたような気がします。

 

高山:なるほど! 要するに、仲間を増やすって意味では、漫画の「ワンピース」みたいなもんってことですね?

 

小渕:いえ。「キングダム」みたいなもんです。

 

高山:(ちょっと間違えたか…)

 

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クルーズの社内は宇宙や惑星をイメージして作っており、犬を愛する小渕社長の影響か、このような不思議な動物たちが会議室やオフィスに溢れている。これも永久進化構想のひとつなのだろうか。

 

 

ぶっちゃけ、クルーズってどう変わったの?

 

 

 

高山:でも、話を聞いてて、クルーズにすっごく興味が湧いてきました! さっきも話の途中で聞こうと思っていたんですけど、そういう優秀な人たちってどうやって集まってくるんですか?

 

小渕:…。一般的な採用面接で来る場合もありますけど、最近は「“永久進化構想”ってどんな仕組みなんですか?」って興味本位で聞きに来ることもありますね。高山さんほどキャラの強い人はなかなか来ないですけど(笑)。  

 

高山:え。「金ないから本当おねがいしまーーーす!」みたいなのはいないんですか?

 

小渕たまに来ますよ(笑)。でもそれよりも、「起業したい!」って人だったり、もともと親交のあった人が来て、「じゃあどんな事業にしましょうか」って一緒に考えるところから始まることとかが多いですね。  

 

高山:そうなんですか。(なるほど…)そういうのって、岡村さんのところには来ることはあるんですか?

 

岡村:あ……去年一回だけきました。本当にゴリラみたいな人が。

 

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「アドウェイズはゴリラ系が多いと思われてるかもしれませんけど、ゴリラ系って社内で僕だけなんですよ」と語るアドウェイズ岡村。とはいえ、ゴリラ系の採用も最近は積極的に行っているという。

 

岡村:というか高山さん、さっきから急にクルーズに興味津々な感じになってきましたね。どうしたんですか?

 

高山:ハハッ。気にしないでくださいよ(笑)。

 

じゃあ小渕社長、せっかくなので「今後はどんな会社になりそう」みたいな予想ってしていただけますか?

 

小渕:そうですね…。クルーズ自体は事業を持たない純粋持株会社になったので、僕は「お金を投資します。ノウハウはこちらで教えるしサポートします。あとはどうぞ自由に頑張ってやってください」って立場になるんです。

 

高山:(やっぱりただでお金をくれるのか!)

 

小渕:その代わりにクルーズの資産をシェアリングして、クルーズというプラットホームがどんどん大きくなって、余ったお金と人と時間を全部共有してみんなで太っていこう。っていうことが出来たらいいなと。で、最終的に時価総額1兆円以上を達成し、インターネットの時代を動かす凄い100人を創り、インターネットの発展を社会還元していくことに繫がれば嬉しいです。  

 

岡村:小さな事業部でもクルーズの看板を使わせてもらうわけなので、企業間での信用にも繋がったりとか、お金やリソースを使うことができますもんね。

 

小渕:はい。なかなか売り上げが上がっていないベンチャー企業でやっていた人とかも入社していたりしていて。話を聞くと「やりたいことが出来る幅が広がった」って言ってましたね。


岡村:今までって、子会社化を毛嫌いする人って結構多かったじゃないですか? 5年前とかってまるで“悪”みたいな感じでしたよね。

 

小渕:あー、確かにそういう風潮ありましたよね。

 

岡村:グループに入るってことは、その方針に従わなきゃいけないって風潮が会ったと思うんですよね。「俺たちがやりたいようにできねーじゃねーか」っていう。でも今って、「俺たちのビジョンを達成するためにはこのグループに入ったほうがいい」っていう柔軟な選び方に変わってきている気がしていて。

 

小渕:確かに。今までは「自分たちの企業を作るんだ!」って感じだったのが、「作ったプロジェクトを通じて世の中を良くしたい!」って感じに変わって来たのかな。そうなると「ここのグループに入れば自分たちのビジョンを達成できそう」、「そこのグループ資産を使った方が合理的じゃん!」っていう判断の仕方に変わったんですかね。

 

岡村:昔って「企業は人だ!」「人が企業を作るんだ!」っていう考えに重きが置かれていましたけど、「企業は人なり」っていうものが元々出来上がった会社に入ってしまえば、物、事があれば成り立ちますもんね。その物を作るための最短ルートで考えるやり方に変わっていったのかな。

 

小渕:僕たちって元々、「山はてめえの足で登るんでぃ!!」っていう考えでしたもんね。「お前らついて来いや!」的な。

 

岡村:そうっすね(笑)。

 

小渕:でも今って、「なんで山を登るためにそのやり方なんですか?もっと合理的な登り方あると思うんですけど」っていう考え方も出てきていますから。昔のような「根性論」的な俺たちとは違いますよね。

 

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「いつのまにか、紙巻きたばこを吸っている人も電子タバコを吸うようになった。時代はどんどん移り変わるんですね…」と、モノ悲しそうに会話をするアドウェイズ岡村。

 

岡村:世の中的に起業家って、会社っていう組織とプロダクトを作らなきゃいけなかったんですよね。でも最近は、プロダクトに集中するような流れに変わってきたのかな。だから「会社は俺たちの物だけじゃなくていい」っていう柔軟な考えになってきていて。企業側もそれを受け入れられる柔軟な考えに変わってきてるし。

 

小渕:そうだね。そう考えると今までのクルーズって、「俺たちのクルーズ!」っていう考えが強かったんですけど、今の会社は人と物と金が集まるプラットホームみたいな場所に変わっているんですよ。みんなで共有して、早くて合理的だねっていう風に変わってきていて。「おれ」が「みんな」に変わったというか。もちろん「根性です!」っていう人も大切だけどね。是でも非でもなく。

 

高山:長時間たくさん飲めたら偉い、っていう時代でもなくなったんですね。

 

岡村:高山さんの価値が薄くなりますね。

 

小渕:いや、最初に言ったとおり、もちろん高山さんみたいな人も大事なんですって(笑)。

 

高山:(ここは、最後のチャンス……!)

 

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高山:じゃあ、あの。僕も、“永久進化構想”、入りたいんですけど……。グループ入りすること、名誉じゃないですか。最近お金がなくって、えへへ…(笑)

 

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小渕おくりバントは……ちょっと勘弁してください…。というか高山さんの会社はアドウェイズの子会社じゃないですか。岡村さんに言ってくださいよ。

 

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岡村いや…あの、小渕さん、すみません、引き取ってもらえませんか……。

 

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高山:……。

 

岡村:全く進化してねーな。

 

 

 

ということで、クルーズ株式会社・小渕氏を迎えた「勝手にしやがれ」第40回は終幕した。皆さんは“永久進化構想”について理解を深めることが出来ただろうか。

 

「自分もクルーズに入り、永久進化構想を成し遂げる経営者の一員になりたい」と思う方は、小渕社長のもとに訪れてみてはいかがだろうか。(当日「勝手にしやがれを見た」と小渕社長に伝えると、何らかのメリットがあるかもしれない)

詳細はこちらから 

 

次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく。乞うご期待あれ。

 

 

取材協力:クルーズ株式会社

 

編集・構成:長橋諒

【緊急号外】アドウェイズ岡村が考える。「渋谷・ハロウィン」の対策方法とは?

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、今回は初めての「緊急号外」。普段は温厚なアドウェイズ社長・岡村だが、この日は社員が二度見をしてしまうほどご立腹であった。なぜ、彼は憤っているのだろうか。“あの世間を騒がしているイベントについて伝えたい思いがある”と語る岡村の真意とは?久しぶりの時事ネタを、最後までお見逃しなく。

 

 

2018年11月1日(木)アドウェイズ社長室にて

 

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アドウェイズ岡村:あ、高山さんすいません、急に呼び出してしまって。あの……実はどうしても伝えたいことがあるんですよ。

 

おくりバント高山:え、どうしても伝えたいこと……? 一体、何がどうしたんですか?

 

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いつものようにアドウェイズ岡村に急に呼び出されたおくりバント高山。急に呼び出されたので髪型が整っていない、というわけではなく、常日頃からおくりバント高山の髪型は整っていない。

 

岡村:あの“世間を騒がしているイベント”についてどうしても伝えたい思いがあるんです。

 

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高山:あ……、ハロウィンのことですね。

 

 

軽トラを倒そうとする若者への対処法

 

 

岡村:ここ最近、ハロウィンがかなり話題になっているじゃないですか。メディアで報道されたニュースを見て僕はとてもビックリしましたよ。例えば券売機に水を注ぐなんて、器物破損です。 痴漢、スリなどの問題は本当にダメなことだと思ってます。ゴミのポイ捨てもあり得ないですね。

 

高山:この日だけ日本の治安が悪くなった感じがします。

 

岡村:特に暴徒化した若者たちがトラックを横転させた“軽トラ問題”なんて、本当にダサいと思うんですよ。

  

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岡村:あのですね、軽トラなんてね、あんなの一人でも引っ繰り返せますから。

 

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高山え……? 

 

岡村:あんなに“か弱い軽トラ”を大人がよってたかってひっくり返すなんて、大人が小学生をいじめてるようなものです。あの若者たちはですね、弱いものいじめをやっているんですよ。

 

高山:……。

 

岡村:例えば戦車のような重い車を皆でひっくり返したんだとしたら、まだ理解ができます。しかもそこに「戦争反対!」みたいなメッセージ性があるものだったら、何か意味のあることなのでしょう。とはいえ今回の車は軽トラックじゃないですか。

 

高山:はい。

 

岡村:そもそも誰の所有物か分からないものをひっくり返すこと自体が良くないし、なおかつ弱い者いじめをして、それをあたかもスゴい感じで振舞ってるのが、ダサすぎますよね。周りの大人も止めるべきですよ。

 

高山:確かにまあ…。でもこういう問題って、来年のハロウィンとかでも起きてしまいそうですよね。

 

岡村:まあ、「去年盛り上がってたらしいから今年もやっちゃおう」的なノリで、軽トラを倒す人が現れるかもしれません。

 

高山:来年もしその場に出くわしたら、どうやって止めたらいいんでしょう。僕、出来れば喧嘩には巻き込まれたくないですし…。

 

岡村:周りで見てる大人はちゃんと注意すべきですよ。

 

高山:そうっすよね……。もちろんそれは分かるんですけど、実際にその場にいたら怖くて注意するの難しいと思うんです…。揉めることなく、阻止する方法ってあるんでしょうか…?

 

岡村:揉めることなく注意できる方法がありますよ。

 

高山:え?

 

岡村:例えば、報道カメラマンの仮装をするんです。

 

高山:...それでどうするんですか?

 

岡村:次に、その軽トラに群がる若者に向かって「すみませーん! みなさんのお写真を撮らせていただけますか?」って言うだけです。

 

高山:ん、え……??

 

岡村:若者の注意を引いたら、軽トラに群がってる状態で一枚。 次に「すみません。ちょっと降りて並んだ状態でも撮影したいんですが」と言ってもう一枚。

 

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岡村これで、みんな軽トラから降りましたね。

 

高山:確かに…。

 

岡村:それで次に、「すみません! トラック抜きで写真を撮りたいので、もう少し移動してもらってもいいですか?」と叫んでトラックと若者の距離を離すんです。

 

高山:なるほど。

 

岡村:その場から移動をしたし、写真を撮られることに集中をした若者は、また軽トラに戻って騒ぐなんてことをしないと思うんですよね。酔いが覚めるんです、これで。

 

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おくりバント高山に向かって真面目に説明をするアドウェイズ岡村。“最近の若者に怒るおじさん”を味わっているのか、いつにも増して真剣な面持ちだ。

 

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図1.「軽トラックで騒ぐ若者の誘導方法」

 

ゴミを捨てて帰ろうとする若者への注意の仕方

 

 

高山:では、トラックに引き続き今年も話題になっていたのが“ゴミ問題”だと思うんですけど、ゴミを捨てようとしてる人への注意の仕方ってあるんでしょうか? さっきと同じく喧嘩はしたくないので平和な方法があれば…。

 

岡村:ま、それも簡単ですよ。ゴミ箱の仮装をしたらいいんです。

 

高山:ゴミ箱…?

 

岡村:はい。ゴミ箱の仮装をして、目の前でゴミを捨てた人のゴミを持ってその人の近くに行くんです。で、「すみません。このゴミ頂戴してもいいですか?」って言ってゴミを頂くんです。そうすれば「いいよいいよ! いや、あ、すみません、これ僕のです!」ってなりますよね。

 

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高山:確かにそれだったら揉めごとは起こらないですね。

 

岡村:しかもこちらからアクションを起こさずとも、みんながゴミを持ってきてくれるんです。イベントを楽しみながら、街をきれいにできるんですよ。

 

高山:聞いている限りだと、素晴らしい取り組みですね。

 

岡村:そうなんです。これは5人くらいで回るのがベストですかね。いかなるトラブルにも対応できるし、5人いれば5倍ゴミが集まるので。

 

高山:なるほど…。

 

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「自分で出したゴミは自分で処分するべき。ゴミを持ち帰らない奴はゴミのような人間なんです」とゴミについて強く語るアドウェイズ岡村だが、先ほどからずっと肩にゴミがついていることに気づいていない。

 

高山:あの、そろそろ岡村さんの怒りが静まってきたと思うのでお知らせしたいんですが、実はぼくハロウィンが大好きで、毎年コスプレをしていまして……。

 

岡村:はい。

 

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ハロウィンの仮装を家族で行うことを毎年楽しみにしているおくりバント高山。これは去年の写真であるが、町内会のハロウィン大会でグランプリを獲ったらしい。

高山:最初にお知らせしておらず、すみませんでした…。

 

岡村:いや、良いんですよ。全然気にしないでください。というかですね、僕はあくまでも“最近の若者に怒っているおじさんの気持ちを味わいたい”からこうやって言っているだけで。だから普段から別に怒っているわけではないし…。

 

なんなら僕はハロウィンも仮装もしたことがないです。

 

高山:あ、それなら良かったです…。安心しました。

 

岡村:っていうか高山さんは、通常状態でコスプレみたいなもんじゃないですか…。

 

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高山:確かに…。

 

 


ということで無事、アドウェイズ岡村が“若者に怒るおじさんの気持ち”を理解することができ、今回の「勝手にしやがれ・緊急号外」は閉幕した。ここまで読んでいただいた皆さんは、今後も起こり得るかもしれない「渋谷・ハロウィン」の対策方法について理解を深めることができただろうか。

 

次回はいつものように、アドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく。乞うご期待あれ。

 

 

 

 

 

編集・構成:長橋諒

【第39回】アドウェイズ岡村×ORETSURI編集長 平田氏 “釣りとビジネスの親和性”について語る!?

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第39回。外に出ると涼しさを感じられるほど、日本全国に秋の季節が訪れた。夜も長く、月も明るく、気候もよく、勉強や読書には最適だが、アドウェイズ岡村にとって秋は、大の趣味である“釣り”に最適な季節だということ以外他ならない。ということで今回は特別ゲストを招いたうえで、“釣りとビジネスの親和性”についてを語るようだ。最後まで乞うご期待あれ。

 

10月某日、アドウェイズ社長室にて

 

 

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岡村平田さんって、“カワハギ”はやってますか?

 

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平田:あ、やってますよ。カワハギ、楽しいですよね。岡村さんはアサリですか?

 

岡村:ええ。アサリですね。

 

おくりバント高山:…。

 

平田:東京湾の船釣りだと、アサリを使ってカワハギを釣るんですよね。アサリが釣りやすいというのもあるんですが、アサリ以外で釣るとちょっとイケてないって思われちゃうんで。アオイソメとか、そういう虫みたいなのを使うとダサいって風潮があって。

 

岡村:釣り船とかボートに乗ってですよね。釣り船の場合、玄人になってくると朝3時~4時くらいに船宿に行って、あさりを剥きますから。新鮮なやつのほうが魚の食いがいいんですよね。

 

高山:…。

 

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「勝手にしやがれ」の取材ということで呼び出されたおくりバント高山。かれこれ10分以上話を聞いてるが、いまだにこの釣り好きの人が誰なのかが分からず、話の流れが理解できていない。

 

平田:船宿でも乗船料にアサリがついてきたりするんですが、冷凍されたやつとかだと納得がいかない人もいるんですよね。針持と食いが違うとかいって。それと剥いたアサリに集魚剤 ※ を付けたり。

 

※集魚剤…群泳する習性の魚に対して、その魚をまず集めるための寄せ餌として使われる。餌は形態と動きが魚の視覚に訴えるが、集魚剤は水中に溶け出した化学成分が魚の味覚と嗅覚を誘う。


平田:しかも、集魚剤をそのまま使用するのではなく、自作する人もいたり。例えばミリンをちょっと入れると身がしまって針もちがいいとか、そういった極秘ブレンドがあるんですよね。玄人さんとかは秘伝のタレを作ったりとかしてて…。アサリ一つをとっても、奥深いんですよね釣りって。


岡村:そうですよね。カワハギって、本当に上手い人はめっちゃ釣りますもんね。アジとかは手返しがいいか悪いかだけでそんなに差は開かないもんだと思うんですが、それに対してカワハギは上手い人と下手な人で10倍くらい差が出ますから。


平田“アタリ”※が難しいんですよね。これまた道具にも差があって、釣り船に乗ると貸し竿がありますけど、“アタリ”がわかりにくい竿もあったり...。


※アタリ…魚がエサに食いついたときに、竿や道糸(ミチイト)を通して得られる感触のこと。


岡村:例えばアサリが海底に落ちて、カワハギ自体はそれに寄ってきて落ちてきたアサリを「つつつつつっ」て食べてる。ただ、この時にイケてない竿だと全然“アタリ”が分からなくて。その素材とか竿の“調子”とかでも分からなくなりますし。

 

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「“調子”っていうのは竿の曲がり具合のことです。竿先が曲がるものを先調子、真ん中付近が曲がるものを胴調子といいます」。アドウェイズ岡村はiPhoneの充電ケーブルを使いながら“調子”についての説明をしていた。ちなみにカワハギの竿の先調子が基本とのこと。

 

岡村:そこに漬け込んだメーカーのダイワやシマノが、すごい釣竿を出したりしていて。高い値段だけど糸に触った瞬間にわかるとか。周辺にカワハギが寄ってきただけで、なんかわかるとか。

 

平田:あ、それ買ったんですか!

 

岡村:初めて行った時に2匹しか釣れなくて、悔しくて買いました。実際に試してみたんですけど、本当に糸垂らした瞬間にわかりましたよ。

 

平田:それはすごいっすね…。


岡村:あ、話は少し逸れますけど、カワハギって肝が美味いんですよね。

 

平田:美味いですよね…。でも流通しているカワハギは網で取るわけで、血抜きとかをしていないんで、それが厄介なんですよね。肝って鮮度が重要ですぐ生臭くなっちゃうんですよね。釣ってすぐに血抜きをしないとダメで。もう色艶が変わってきますしね。

 

岡村カワハギの肝って、白いんですよね。それを醤油と混ぜて、『肝醤油』にして食べると最高で。もちろん白身の魚なので、刺身も美味しいし。

 

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「カワハギの話、長くね?」とここ何分か思い続けているおくりバント高山。とはいえ、「岡村さんは大好きな釣りとビジネスを絡めてこれからちゃんと良い話をしてくれんだろうな」とアドウェイズ岡村のことを信じている。

 

平田:あと、カワハギって技が色々あるじゃないですか。「たるませ釣り」「ゼロテンション」「たたき」「宙吊り」とか…。岡村さんは何釣りが好きなんですか?


岡村:僕の場合はちょっと何釣りかは分からないんですけど、「トントン」で5秒くらいたるませて、で上に上げていますね。

 

平田:あー、なるほど。

 

岡村:で、その秒数とトンの回数で、いろいろ組み合わせるっていうのが多いです。例えばこの前一緒に行った友達が、「トントントン」の7秒で釣れた! ってなったんですけど、「よし!みんなそれでやろう!」ってなったりとか。

 

平田仲間内でいくと釣り方がそれぞれ違って面白いんですよね。何を信じていいかわからない、自分だけ釣れない、みたいな状況に苦しんでる人が一人は出てきたりして。

 

岡村:最近は流行りでいうと「ゼロテンション」が流行ってますよね。

 

平田:はい、略して「ゼロテン」ですね。

 

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ゼロテンとは、オモリを海底に着けて、竿先が曲がるか曲がらないかぐらいの状態でアタリを待つことである。決して「ゼロカロリーだけど添加物まみれ」の略ではない。


平田針の形状と太さもめちゃくちゃ種類があって、太いと吸い込みにくいとかあるじゃないですか。でも細くて鋭いのにすると、デカいカワハギが来ると結構折れたり。これはメーカーの陰謀なのかもしれませんが(笑)。

 

岡村:カワハギ釣りで針の要素はデカいですよね……。僕大体、釣れないときは針のせいにしてます。

 

平田:針一つでほんと変わりますよね。もちろんシーズンと場所でも変わってきますし、それに合わせることも大事だと思うんですけど。針の糸を長くすると“アタリ”がわかりにくくなるんですけど、カワハギの警戒心は抑えられる、とか。

 

岡村:そうやっていろんなことを頭の中で考えちゃうんですよね(笑)。

 

平田:そうなんですよ。

 

岡村カワハギって「エサ取り名人」って呼ばれてて、「つつつ」って突いてくるじゃないですか。だから「どこから突かせるか」が大事で。

 

平田:アサリの肝が一番好きなんですよね。だから肝だけ食べられたりすることもありますし。アサリの鮮度が悪かったり、冷凍と解凍を繰り返しているやつは肝がすぐ取れちゃったり、とか。

 

岡村:アジでいうと、「イカタン」っていうのを付けるんですよね。イカの切り身を塩漬けして、食紅とかで色をつけて、赤くするんです。それは釣り具屋にも売ってるんですけど、僕はスーパーで買って、自分で作るんです。コレが意外に楽しくて。

 

平田:エサも買う人と自分でやる人の2種類に分かれますよね。今の時期だとカサゴとかタチウオ狙いでさんまを使う際は、短冊に切って身を薄くしないと海の中で動きが悪くなるので、気をつけなきゃいけないんですけど、でもさんまって柔らかいから薄くするの難しいじゃないですか。だから冷凍してそれを薄く切るという「特殊技術」を使ったりして。

 

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「やっとカワハギの話が終わった」。おくりバント高山は、釣り好きおじさん二人の会話に飽きてしまっていた。「一体、いつになったらビジネスの話が出てくるのか」と思っているが、なかなか聞くに聞けないようだ。

 

アドウェイズ岡村の餌トレンドとは

 

平田:岡村さんの餌トレンドはあるんですか?

 

岡村:それでいうと、イカタンを自分で作ったくらいなんですけど…。あとは釣りの代表的な餌の「アオイソメ」を使うことが多いですね。

 

平田:はいはい。

 

岡村:でも、アオイソメって余っちゃうじゃないですか。最近その余ったヤツを家で飼うことにしてて。今は30~40匹くらいに増えましたよ。

 

平田:え、飼ってるんですか?

 

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アドウェイズ岡村が釣りを始めたキッカケだが、「テトラポットとの出会いです。たまたま家の近くにラーメン屋があって、そこの店主から『オレが知っているテトラポットの近くに、メバルがいっぱい釣れるところがあるんだよ』って言われたんですよ。たまたまゴムボートが家にあったので、ある日それを持って釣りをしに行ったらめちゃくちゃ釣れて…。そこからハマったんです」とのことだ。



岡村:ネットで「アオイソメ 飼育」で調べたら、一人だけアオイソメの飼育ブログを書いている人がいたんです。その人のブログを熟読して、僕なりの飼育方法を見つけたうえで飼育をしています。これでいつでも新鮮な餌をもっていけるんですよ。

 

平田:確かにアオイソメは、万能餌ですよね。魚を食べる魚以外はいけますから。さっきのカワハギもアサリにこだわらなければイソメでよく釣れますしね。 

 

岡村:こだわることはほんと色々あるじゃないですか。餌の他にも、竿、リール、糸、針、おもり…あと運もありますよね。

 

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写真は、アドウェイズ岡村が2017年5月4日午後11時32分ごろ千葉県富津市沿岸において釣り上げた「クロダイ」である。アドウェイズ岡村はこのクロダイを釣った際、嬉しさのあまりプレスリリースを配信した。なお対談相手の平田氏は、そのプレスリリースを見てアドウェイズ岡村に興味を持ったらしい。

 

平田:ビギナーズラックって言いますけど、初めての人の方が本当に意外に釣れたりとかしますからね。シンプルな状態(釣り船レンタル)で人の言うことをよく聞いてそのまんま釣った方がよく釣れることもあったり。

 

岡村:釣りって本当に奥深いですよね。

 

平田:そうですね。岡村さんってカワハギ以外でハマってる釣りってありますか?

 

岡村:僕、最近アジング※に興味を持っていて。まだ一切手を付けていないんですけど、始めようかなって思った瞬間から楽しいんですよ。


※アジング 日本全国の海に分布し、食卓の定番魚でもあるアジ。そのアジを小さめのルアーと繊細なタックルで釣る『アジング』は、海のルアー釣りの中でも特に人気のジャンルらしい。

 

岡村:どんなタックル(釣り道具)を揃えようかな、ロッドをどうしようかな。とかを、いろんなサイトを見て研究するんです。初心者ならこれとか、こうゆうのが釣りやすいとか。で、僕「シマノ」が結構好きなんですけど。

 

平田:あ、ぼくもですよ。めっちゃ分かります。

 

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平田さんがシマノの釣竿とリールを使って釣った「ヒラメ」。リールは高校生の頃に買った『スコーピオン』というものらしい。

 

岡村:お、本当ですか。でも、結構分かれますよね、ダイワとシマノが2大党みたいな感じで。僕はまずシマノを軸に探して、なかったらダイワで買うんです。3本くらい絞って、1日考えます。

 

平田:よく使われているのは大体1本10,000〜15,000円くらいなので、両方買えば良いのにと思いつつ、どうしようか凄く悩むんですよね。

 

岡村:分かります。僕の場合、アマゾンのカゴに入れたまま3-4日くらい寝かせるんですよ。ライン(釣り糸)も選ぶ。アジングだと「0.3-0.6号がいい」って書いてるけど、実際どっちがいいんだろう…ってまた悩んで。じゃあ、細いのにしよう。ってなって、ジブヘッド(針)とかワームとか選んで……これで1週間楽しめますね。

 

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これらの釣りのプランをいつ練るのかという疑問が湧くと思うが、アドウェイズ岡村曰く「仕事がちょっとでも空いたら頭の中は釣りです。本がほら、ビジネス本に紛れて釣りの雑誌があったりとか」とのことである。

 

岡村:で、次にYouTube。動画を見ると「動かさないアジングあるんだ!」とか色んな発見があるんですよ。そこからイメージも湧いてきて、次の週までに自分が考えたプランの釣りをしに行く…という。

 

平田:でもYouTubeでもSNSでも、魚が釣れるポイントは公開されてないんですよね。

 

岡村:それだけはないんですよね。まあ、僕も絶対言いませんけど(笑)。

 

平田:「◯港の何時にどこで、釣れました」って言ったらポイントがバレちゃいますもんね。釣れたポイントは言いたくないけど、釣れた魚のことは自慢したい。だから、特定されないような写真を撮ってアップする。で、その写真の地面の模様とかからヒントを探し出して場所を特定するわけです(笑)。

 

岡村:「大潮のこの日に釣ってるな。この港の形...横浜だな◯◯漁港だな?!」とかね。

 

平田:分かります(笑)。

 

岡村:それと最近は、水族館にも行くようになったんです。実は先週も行ってきて……。水族館って、一般的な楽しみ方って「イルカショー」を見たり、綺麗な色の魚を見たり、ウミガメを見たり、じゃないですか。でも、僕はずっとイワシとアジを見てました。イワシとアジがどうゆう動きしてんのか、って生態を調べるんですよ。

 

平田:僕もよく行きます。魚って何かの秩序に則って動くんですよね。

 

岡村:そうなんです。僕は水族館で観察し続けて、イワシがいるときはアジはどこにいるのかとか、そういうことが分かるようになったんですよ。アジはイワシの下にいるんですよね。

 

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平田:さすが岡村さんですね。僕も今週末、水族館にいこうかな。こないだ息子が生まれたんですが、彼がもう少し大きくなったら水族館に連れて行きたいですよ。

  

岡村:いいじゃないですか。ちなみにお子さんのお名前は?

 

平田凪っていいます。

 

岡村:え、それってもしかして。

 

平田:はい、凪(なぎ)って、海が穏やかな時のあの凪です。

 

岡村:最高の名前ですね…

 

おくりバント高山あの…

 

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高山:あの、本当すみません。そろそろ、ビジネスの話、してもらっていいでしょうか(笑)。

 

平田:あ。あ。すみません。あ、はじめまして!

 

岡村え? ビジネスの話ってなんでしたっけ。

 

高山岡村さんが大好きな釣りを語るのは良いと思うんですけど、でも、僕は、釣りの話にビジネスを関連付けて語ってくれるのかなって勝手に期待していたんですが……。

 

岡村:あー。確かに言われてみればそうですね! 平田さん、どうします?

 

平田:いやでも、そろそろ僕、もう時間が…。

 

岡村:もう2時間近く喋ってましたからね…。すみません、ビジネスの話はまた今度喋りましょうよ。

 

平田:はい、すみませんがよろしくお願いします。

 

高山絶対次も釣りトークで終わるじゃん。

 

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ということで、明日釣りに行きたくなるWebメディア「ORETSURI」の編集長、平田剛士さんを迎えた「勝手にしやがれ」第39回は終幕した。皆さんは“釣り”について理解を深めることが出来ただろうか。

 

この記事を読んで、「自分も釣りをしたい」と思う方はぜひこの秋、挑戦をしてみていただきたい。

 

そして次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく。乞うご期待あれ。

 

 

取材協力:ORETSURI編集長 平田 剛士

IT企業での勤務を経て2016年10月に釣りメディアORETSURIを立ち上げる。2018年8月現在、ORETSURIは月間16万ユーザー以上がアクセスするサイトに進化。得意技は商談等でゴルフの話題になった際に、圧倒的な釣りトーク術で場を制圧すること。どこでも野宿。コンクリートの上で寝ること。だいたい上機嫌。

 

編集・構成:長橋諒

【第38回】初代バチェラー・ジャパン久保裕丈の“最近の悩み”とは。アドウェイズ岡村が立ち向かう。

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第38回。2018年は残り4ヶ月を切るもまだまだ残暑が続く9月のある日、一人の男性がアドウェイズ岡村に相談をしにやって来た。彼の名は、久保裕丈。1人の独身男性を巡って25人の女性が争う恋愛リアリティ番組「バチェラー・ジャパン」の“初代バチェラー”として出演した男である。一見、悩みなど皆無に見えそうな彼が、なぜ岡村のもとを訪れたのだろうか。そしてアドウェイズ岡村は彼の悩みを解決できるのであろうか。乞うご期待あれ。

 

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バチェラー久保:それで…。今日はちょっと岡村さんに折り入ってお話がありまして……

 

アドウェイズ岡村:ええ。そんなにかしこまらずに、何でもお話してくださいよ。

 

久保:ありがとうございます…。あの、ですね…実は……

 

(ドアをノックする音)

 

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おくりバント高山:ちょっと岡村さん…、ダメですよこんな男に近づいたら! こいつは初代・バチェラーの久保裕丈ですよ!? イケメン・セレブ・有名人の三拍子が揃った超ハイスペ野郎なんですから、話しているだけでハイスペ菌がうつります、早く逃げてください…!

 

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岡村:……。

 

高山:いやいやいやいや! どうして何も反応してくれないんですか!!! この前岡村さん、「『バチェラー・ジャパン』って番組を観たんだけど、バチェラーのあいつ、マジでやばい」って言ってたじゃないですか!

 

岡村:……。

 

高山:え? どうしちゃったんですか、もしかして岡村さん、ハイスペ菌が移っちゃったんですか……!? もう駄目なんですか!!??

 

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岡村:高山さん。お客さんの前で、菌がどうとかハイスペがどうとか……少し言葉を選んで喋って下さい。あのですね、たしかに僕は先日久保さんを「ヤバい」と言いましたが、それは高山さんのようなしょうもない「ヤバさ」ではなく、「久保さんが世の中に誤解されていてヤバい」ということなんです。

 

実は、僕らは友達なんですよ。

 

高山:ワッツ?!

 

 

初代・バチェラー久保の悩みとは

 

 

 

高山:なんだ! 岡村さんと久保さんはお友達だったんですね! 僕は久保さんが持っている膨大な資金を悪用して、「勝手にしやがれ」を乗っ取りに来たのかと思っちゃいましたよ。

 

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岡村:何を言っているんですか、高山さんは……。あのですね、番組に出ていたときに見せていた顔は、久保さんの本当の素顔じゃないんですよ。確かに資金はあるしイケメンだし、有名人かもしれませんが、実は全く違う一面を持っているんです。

 

久保:あの、実は岡村さん。それが今日、岡村さんに相談をしたかった悩みだったんです。どうしたら番組のイメージを覆すことが出来るのか、本当に分からないんです。例えばTwitterでエゴサーチをすると……

 

岡村:久保さん! それ以上は言わないで良いです。でもまあ、僕にしてみればそんな悩み、簡単に解決できますよ。久保さんは、イケメンキャラでチャラい印象が強いかもしれませんが、本当はめちゃくちゃマジメで仕事にも熱い男なんですから。

 

高山:いやそれは嘘だろ絶対マジで。

 

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バチェラー久保氏のことを疑ってやまないおくりバント高山。イケメン・セレブ・有名人が苦手である彼だが、熱狂的な「恋愛リアリティーショー」マニアであり、『あいのり』『テラスハウス』『バチェラー・ジャパン』などが配信される日は、いくら盛り上がっている飲み会でも途中で帰ってしまうらしい。

 

高山:さっき久保さんのプロフィールを改めてネットで見たのですが、東大を卒業後、コンサル会社に入社。その後独立して会社を設立し、その会社を大きくして売却。今は新しい会社を立ち上げて新規事業に勤しむ……。そしてなにより、イケメン。

 

こんな誰もが羨むスペックを持っていたら、好きなものを買い放題だし、女と遊び放題だし、仕事なんて社員に任せて家で寝てても良いんですよ? 真面目に生きる意味、全然わからないでしょ。頭の良さも遺伝なんでしょうね。本当、天才って嫌いですわ。

 

岡村:高山さん、何をそんなにイライラしているんですか? 確かに久保さんは天才であることは間違いありませんが、根っからの努力家なんです。それを知らないでモノを言わないで下さいね。

 

高山:は?

 

岡村:なんでしたっけ、高校の頃、全然勉強ができなかったんですよね?

 

久保:ええ、そうなんですよ。高校時代、すっごく成績が悪くって……。大体テストの成績はクラスのビリで、偏差値は30台後半でしたから。

 

高山:いやいや。嘘はやめましょうよ……。

 

久保:本当なんですよ。信じて下さい!

 

高山僕と同じ成績だったような人間が、東大に現役で合格なんて出来るわけないじゃないですか。嘘を付くんだったら、もう少しバレにくい嘘をついて下さいよ。

 

岡村:高山さん。それは高山さんが努力をしなかったからじゃないですか? 久保さんは高校3年生の終わり頃、本気で努力をして東大に受かったらしいんです。要するに久保さんは、努力の天才なんですよ。

 

高山:え?

 

久保:高校3年の10月の最後の模試で……、今でも覚えているのですが、物理が0点、数学は12点と散々な成績だったんです。ただその後3ヶ月、ほぼすべての時間を勉強に費やして東大に合格することができました。

 

よく、「どんな勉強をしたのか」って聞かれるんですけど、3ヶ月の間、毎日12時間ずっと勉強をしていただけなんです。要するに、“3ヶ月の壮大な一夜漬け”ですね。3ヶ月前に勉強したことって、脳がギリギリ覚えていられるんですよ(笑)。

 

高山:そんなこと、現実にあるの……?

 

久保:でも、大学に入ったら勉強したことが全部抜けてしまって、大学二年生の頃に落第することになってしまったんです。ただしこの落第は“留年”ではなく、“降年”というもので…。

 

岡村降年?

 

久保:東京大学特有のシステムで、大学2年次の冬学期から、再び1年次をやり直すことになるんです。東大って1学年3,000人程いるらしいんですけど、毎年そのうち5人くらいしか降年の対象になるやつはいないくらいで。

 

高山:ってことは要するに、これまでの人生、全部勢いで駆け上がって来たってことなんですか……?

 

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久保:あ、そういうことになりますね。

 

高山:……ちょっとこの人、意外に面白いかもしれない。

 

あれ、でも、高校三年生の終わりまで勉強していなくて、なんで東大に入ろうと思ったんですか? やっぱり女にモテるためとかですか? やっぱり“そういう”人なんですか?

 

久保:小学生の時に、中学受験をしたんですよ。その頃も成績は良くなくて、第一希望や第二希望の中学校に当然のように落ちまして。第三希望の学校もその頃の僕の成績だったら難しかったんですけど、補欠でなんとか入ったんです。

 

無事中学校に入れたのは良かったんですけど、第一希望の学校に入る人達のことを「みんなキラキラしててかっこいいな」と羨ましくてたまらなかったんですよね。今で言うコンプレックスです。その時感じた悔しさを高校3年生の終わりふと思い出して、「あ、オレ、高校生になっても結局中途半端なんだな。一番って言われているところに行けなかったら、また変にコンプレックスが残るのかな」って思ったんです。

 

なら中途半端にダラダラ過ごすよりは、死ぬ気で一番を目指そうかな、と思いまして。それがキッカケですね。

 

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高山:あ、参りました、すみません。

 

  

初代・バチェラー久保のホントのところ

 

 

岡村:このように久保さんは本当に“努力の人”なんですけど、“あの番組”に出たことにより、“誤解”を生むきっかけを作ってしまったんです。高山さんのように。

 

高山:はい、すみません。見かけで判断してました。

 

岡村:まあでも久保さんにも悪いところはあるんです。番組で本心を出さずに過ごしてていたじゃないですか。あれはいけません。そりゃあネットメディアやSNSに悪口も書かれますよ。まあ、番組に出るって難しいんでしょうけどね…

 

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岡村:で、そうなると東大、大学院、コンサル、ITベンチャー、売却、バチェラー、社長、イケメン、スポーツ万能……。

 

この辺がやっぱりメディアに取り上げられますよね。で、こうなっちゃうと世間の人って“この要素の中”から考えちゃうので、「女いっぱいいるんだろうな」「チャラいんだろうな」とか勝手にイメージを膨らませちゃうんです。勝手な想像を。

 

高山:ってことは、若い女が家に常時5人くらいいるんですか?


久保:いいえ、皆無です。

 

岡村:番組を見て久保さんをネットで調べると、どうしてもそういう“チャラいイメージ”が浮かんでしまうんですよね。でも久保さんの本当の人間性は、そうではないんですよ。

久保:確かに、初めて会った人に質問をされる際、「好きな3ツ星レストランを教えてください」とか「車は何を乗っていますか?」などを聞かれることが多いですね。僕、3ツ星レストランは1つも知らないし、車は持ってなくてドンキで買った電動チャリで移動しているくらいです。

 

高山:え、じゃあ好きな食べ物って何なんですか?

 

久保:最近、生姜焼きを作るのにハマってて…。あとファミチキは毎日食べてます。

 

高山:上京したての大学生みたいっすね。

 

岡村:でもですね、世間は久保さんの好物を生姜焼きなんて思っていないんです。そして、「生姜焼きが好き」と答えてもその回答は望まれてないんですよ。

 

高山:あー久保さん、それはちょっとかわいそうな気がする。世間が求めるイメージに合わせて生活をしなきゃいけないんですね。

 

久保:確かにそう言われてみると、そうゆうところを「求められている」のかもしれません。Instagramに寿司の写真をアップすると“いいね!”が多く付くのに、大衆居酒屋の写真は反応が悪いんですよ。

 

 

 

高山:僕的には下の写真の方が親近感湧きますけど、ネットとか番組で久保さんを知った人からすると、違和感があるんでしょうね。「シャンパンじゃないんだ! こうゆう店で飲むんだ!」って。

 

久保:いやいや、普段はこっちなんですよ本当は。寿司なんて滅多に食べに行かないんですから。

 

岡村:でもイメージ通りの自分を演出するために、色々なところに顔を出したり、芸能人とご飯を食べたりするわけですもんね。

 

久保:はい…。

 

岡村:あのですね、久保さんには、いいねを捨てる強さが必要なのかもしれません。

 

久保:いいねを捨てる……。

 

 

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バチェラー久保氏がお気に入りの街、野毛(のげ)とは横浜市中区にあるエリアのこと。約500店もの飲食店が連なり、ディープ・カルチャー・ストリートとして一部の人間に人気がある。


岡村:そんなに気にしちゃいけないんですよ、フォロワーの人たちのことなんて。例えば“生姜焼き”が好きなんであれば、いろんな店の生姜焼きをたくさんアップしていくとか、ファミチキが好きだったら色んなファミマに行って、各店舗ごとのファミチキのレビューを投稿するとか、そういう“本当の自分”っていうのを見せていくことが大切なんです。偽りの自分を好きになってもらっても、そんなに嬉しくないじゃないですか。“久保さんの本質”をみんなに見てもらいましょうよ。

 

久保:なるほど…。確かにそうですね。僕、偽りの自分を演じていたのかもしれません。


岡村:さっき僕が黒板に書いた「東大、大学院、コンサル、ITベンチャー、売却、バチェラー、社長、イケメン、スポーツ万能……」などは、別に久保さんから発信をしなくても、勝手に広まることじゃないですか。なので久保さんは、これらと関係がないことを発信していくことが大事だと思うんです。

 

久保:はい。


岡村:でもですね、あまりにも「ドンキの電チャリ」「生姜焼き」「ファミチキ」「大衆酒場」のような投稿ばかりになってしまうと、久保さんのブランディングにも響いてしまうんですよ。

 

高山:確かに。

 

岡村:現在インスタにアップしている写真って、100対0で世間が持っている久保さんのイメージじゃないですか。なので、一気に方向転換をすると「ちょっとイヤなことでもあったのかな?」「何かから逃げたいのかな?」と世間に心配されると思うんです。徐々にバランスを保ちながら、8:2くらいの割合に持っていくようにしましょう。

 

久保:はい。ちょっと頑張ってみようと思います。自分の本質、見せていきたいです……。ありがとうございます!


高山:すごい、めっちゃサクッと解決しちゃいましたね……。あ、そうだこれ、今日から俺たちでチェックしませんか? 久保さんのインスタの割合が8:2を保てているのか。


岡村:お、パトロールですね。楽しそうです。

 

久保:うわー、すみません、本当に助かります。すぐに連絡を頂ければ、バランスの修正に取り掛かります。でもあれだけ悩んでいた悩みが、こんなにアッサリ解決するなんて思いもしませんでした…

 

岡村:いえいえ。こんな些細なことで久保さんの悩みが解決出来るのであれば、お安い御用ですよ。他にも悩みがあれば、いつでも相談して下さいね。僕は久保さんの友達ですから。

 

久保:あ、もう一つあるんです。悩みというか、相談というか、聞いてほしいというか……。 

 

岡村:はい。なんでしょうか。

 

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久保:僕が代表を務める会社「CLAS」が、8月29日に家具のシェアリングサービスをスタートさせたんです。月々500円から利用でき、床の色や部屋の雰囲気に合わせて、あなただけの家具を選ぶことができるシステムで、もちろん交換・返却も自由。もっと気軽で心地よい暮らしをしてほしいなというコンセプトです。

 

「引っ越す度に必要な家具を買い換える」とよく言われますが、外身を借りるんであれば、その中身も借りる方が素直なのじゃないかなと思うんですよね。持っている家具が大きいものだったら、それに合わせて次の家を決めるのって、家具に左右されて生きているようで勿体無いじゃないですか。

 

CLASでは、一人暮らしにぴったりなコンパクトサイズから、みんなで使えるファミリーサイズまで、 幅広いライフステージに合わせた家具を取り扱っているので、どんな方にも幅広く利用していただけると思います。

 

家具を買わない生活、はじめてみませんか?

 

 

 

岡村告知じゃねーか!

 

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ということで、初代バチェラー・ジャパン久保裕丈氏を迎えた「勝手にしやがれ」第38回は無事終幕した。なお、本ブログ勝手にしやがれのコンセプトは、“アドウェイズ社長岡村がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ”であるが、第38回にして初めてユーザーの悩みを解決することとなった。

 

次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく、のか? 乞うご期待あれ。

 

 

 

 

 

編集・構成:長橋諒

【第37回】10年前、アドウェイズ岡村を救った20人の新卒社員とは〜不死鳥編〜

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第37回。7月から引き続き、猛烈な暑さが続く日本。幾つかの台風も上陸をするなど、国民にとって暮らしにくい日々が続いている。だがアドウェイズ社長の岡村はこの暑さにも台風にも負けない“熱くて激しい話”を日本中に届けたいと考えていた。前編から引き続き、自らセッティングをした飲み会の場で、岡村は自分の思いの丈を打ち明けていく。 

 

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―前回のあらすじ―

2018年7月末、アドウェイズ岡村は西新宿の某居酒屋に7人の男女を招いた。岡村曰くこの日の議題は「あきらめ」についてとのことである。集められた7人とは、アドウェイズが業績不振に陥った2007年に入社をした新卒たち、通称・キャリコン事業部の元メンバーたちだった。キャリコンのメンバーはさまざまな困難や壁に直面するも、テレアポや飛び込みなどの“営業”をし続け、がむしゃらに目標を達成していく。そうする内にキャリコンの「あきらめない」という精神が社内・社内の人間を巻き込んでいくようになったのだった。ただそんな中、アドウェイズ岡村はキャリコンの解散を決意。なぜ岡村はそのような決断に至ったのだろうか。後編で真相が明かされる。

 

 

アドウェイズ岡村:それで…。前編の続きですが……。

 

おくりバント高山:はい。前編を読んでくれていた人は、この前の続きをだいぶ待ちくたびれていると思いますよ。

 

岡村:……えっとですね、まあ色々あったんですけど。

 

高山:えっとですから……、それってどういうことですか?

 

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アドウェイズ岡村の話を早く聞きたいおくりバント高山。カラオケ練習にハマって毎日を過ごしているが、誘い過ぎて誰も行ってくれなくなり、最近は一人で行ってるらしい。尚、上達はしていない。

  

岡村:では本題に入りましょう。

 

高山さん、彼らはそもそも“テレアポ営業”をしにアドウェイズに入社してきたわけではないんですよ。そしてさっき言った通り、僕は彼らを2月に解散させることにしたんです。2月と言ったら、残り2ヶ月で4月になりますよね?

 

高山:え。あ…! ってことは要するに、次の新卒がアドウェイズに入社してくるということですね!

 

岡村:はい、正解です。その頃のアドウェイズは、新卒を雇えるくらいまで業績が立ち直ってきたんですが、新卒を入れてもキャリコンと同じような仕事をさせるわけにはいきません。要するにキャリコンも営業をひたすら続けるのではなく“普通の社員”として働かなければならなかったのです。

 

高山:なるほど。そういうことだったんですね。解散させたのって、ちゃんと意図があったんですか。

 

岡村:そりゃもちろんですよ。

 

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アドウェイズ岡村が手にしているのは、元・キャリコンメンバーとの思い出の写真。アドウェイズ岡村は辛いことや悲しいことがあると、この写真を見て元気を貰っているのだが、最近は見る頻度が多いようである。何があったのかはここでは詳しく記さない。

 

岡村:でも彼らはやっぱり諦めなくて。このチームでこれからもどうしても続けたいと言うんです。

 

高山:すごい信念っすね。

 

岡村:もう仕方ないと思い、僕は彼らに無理難題の数字の目標を出していったんですよ。この数字が達成できなかったら、即解散、と。

 

高山:おお。

 

岡村:でも、彼らはそれをやってのけるんですよね。

 

高山:怖。

 

岡村:怖いんですよ。どうしてそんなにやる気があるのか、本当に怖いんです。そこで2月になって、事情を細かく説明しました。「新しく新卒たちが入ってくるから、君たちをこのまま続けさせるわけにはいかない」と。

 

高山:はい。

 

岡村:やっと納得してもらいまして。しかも最後の2月は月の半ばに今までの達成金額の目標を出したんです。そこで達成しても解散。達成しなくても解散ということにして。「でも、やるならば全力でやれ」と指示はしましたが。

 

高山:本当に漫画みたいっすね。

 

岡村:で、月の半ばに目標を達成して解散したんです。

 

高山:すっげ。

  

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アドウェイズ岡村はこのような酒の席では基本的に「コーラ」を頼む。アルコールが入っていないので気分が悪くなったりすることは無いのだが、コーラを飲みすぎて糖分を摂取しすぎると、翌日は二日酔いになってしまうので注意が必要なのだそう。

 

岡村:でも、これには続きがあって。

 

高山:え、まだ続きがあるんですか。

 

岡村:はい。その“続きの部分”を今改めて感謝していて、今日お礼を言いたいなと思ってメンバーに来てもらったですよ。

 

高山:あ、そうだったんですか。

 

岡村:ええ。なので、ちょっとこれから……

 

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岡村:スマホをいじるの、やめてもらっても良いかな。

 

一同:あ、すみません。

 

岡村:いや、ねえ。やめてって言ってるでしょ。

 

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メンバー:すみません。メルカリで気になってた靴があって…。購入しようか迷ってました。

 

岡村:あー。そうなんだ。じゃあ仕方ないか。

 

高山:(嘘みたいに甘いな……)

 

岡村:で、僕がさっき言っていた“感謝”っていうのはですね……、当時、僕は“07ショック”のせいで、毎日借金取りに追われるような生活をしていたんですよ。

 

高山:壮絶だったと言っていましたね。

 

岡村:株を売るか、現金を用意するか。もしくは逃げるかの選択を迫られていて。極貧生活の中、会社を立て直さなきゃいけないしキャリコンを見なきゃいけない。本当に本当に逃げたかったんです。

 

高山:ええ。

 

岡村:そんな中、前編で伝えたようにキャリコンの子達は僕が出す難題をどんどんクリアしていくんですよ。その様子を見て、僕は一つ思ったことがあったんです。

 

世の中の風潮で「諦めるな」って雰囲気があるじゃないですか。でもその頃、会社の業績も良くないし、借金取りに追われてるし、プライベートも色々あって、「何を糧に諦めるなって言うんだよ」ってずっと思ってて。

 

ただキャリコンメンバーは諦めなかった。自分は諦めようとしたけど、彼らは諦めない。諦めっていうのは一番の悪ということにキャリコンメンバーに気付かされたんです。そしてそこでやっと、キャリコンメンバーにあって僕に無いものが判ったんですよ。

 

高山:おお。なんだったんですか。

 

岡村元気です。元気があれば、なんでもできる。人は元気があれば、生きられるんです。

 

高山:……確かに。

 

岡村:僕はですね、未だにマネジメントを僕に教えてくれたとのはキャリコンメンバーだと思っていて。要するに彼らが僕を社長にしてくれたんですよ。彼らがいなかったら新卒を毎年雇っていなかっただろうし、多分僕は逃げてたと思う。それくらい、本当に感謝をしているんです。

 

高山:彼らがいなかったら、僕も今ここにいなかったかもしれないですね。

 

岡村:そういうことです。会社の危機と共に色んな人の未来を救ってくれたんですよ。

 

高山:まさにアドウェイズの不死鳥ですね……、って、あれ?

 

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高山:岡村さん、君たちのことを褒めてたんだよ? ねえ、ちゃんと聞いてる?

 

一同:あ! すみません。この話、年2回多くて年5回は聞かされてるので、もう飽きちゃったんです。

 

高山:え、そうなんだ。確かに年5回は異常だと思いますけど…。

 

岡村:全然良いんですよ。単純に僕がキャリコンメンバーに感謝を伝えたいだけなので。この思い出話の時以外は、仕事には真面目に取り組むし今はアドウェイズの中核を任せているメンバーも沢山います。だから忙しい合間を縫ってこの場にいてくれるだけで良いので、スマホでゲームをしたり、メルカリで買い物をしたりしていても構わないんです。

 

なので、今後もこうやって一緒に飯を食いに行きましょう。これからも俺のことをよろしく。

 

一同:もちろんです!

 

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最後に、記念撮影をして本撮影は終了。

「勝手にしやがれ」も「アドウェイズ岡村」も、今後とも宜しくお願い致します。 

 

 次回もお楽しみに!

 

 

 

【第36回】10年前、アドウェイズ岡村を救った20人の新卒社員とは〜眠れる獅子編〜

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第36回。7月に入り、連日猛烈な暑さが続く日本。気温が40度を超えるエリアもあり、熱中症への警戒が呼びかけられる中、アドウェイズ社長の岡村もこの暑さに負けない“熱い話”を日本中に届けたいと考えていた。自らセッティングをした飲み会の場で、岡村は自分の思いの丈を打ち明けていく。

 

2018年7月某日・西新宿某居酒屋にて
 

 

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おくりバント高山:岡村さん、遅いですね……。今日ってみんな、何の集まりか知っててここに来ているんですか?

 

集まった一同:いえ、全然聞いていないんです。「ちょっと話したいことがあるから」って言われて、場所と時間だけを教えてもらってここに来ることになって…。

 

高山:あー。僕もそうなんですよ。3ヶ月ぶりの「勝手にしやがれ」だから話したいことが結構積もっていたのはわかるんですけど、こんなに大人数を集めるとは…。一体何を話したいのかな、岡村さん。

 

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「勝手にしやがれ」の連載が休んでいた3ヶ月間、おくりバント高山は今更ながら歌が下手な事に気づきカラオケ練習にハマって毎日を過ごしていた。ちなみに上達はしていない。

 

アドウェイズ岡村:遅れてすみません、お疲れ様です!

 

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岡村:ちょっと野暮用で遅くなりまして。僕から誘ったのに遅刻をするなんて、本当に申し訳ありません。謹んでお詫び申し上げます。

 

高山:いやいやそんな、頭を上げてください。ここにいる全員が気にしていないですよ。そんなことより、今日は一体なんのお話なんですか? こんな大世帯の「勝手にしやがれ」って珍しいですよね。

 

岡村:そう、そうなんです。3ヶ月振りのブログ更新にふさわしい内容をお話しようと思いまして、皆さんに集まってもらいました。今日は経営にとって一番の悪である「あきらめ」について話をします。

 

高山あきらめ…?

 

岡村:えっと、高山さんはアドウェイズ社史の中で「07ショック」と呼ばれる時期をご存知ですか。

 

高山:……はい。僕が入社する前の、アドウェイズ社内におけるひと騒動のことですよね?

 

岡村:ええ。上場後間もない2006年10月に、業績がガクンと落ちてしまったんです。これをアドウェイズでは「07ショック」と呼んでいまして。

 

高山:大変な騒ぎだったとベテラン社員に聞いた記憶があります。一応、ブログを読んでいる読者に向けて、どんな騒動かを詳しく説明していただいても良いですか?

 

岡村:もちろんです。えっと、2007年までアドウェイズの広告収入の中心となる顧客はクレジットカード会社やキャッシングカード会社だったのですが、上限金利の引き下げにより各社の広告費が半減したんですね。新入社員の大量採用を進めていたことも併せて赤字が大幅に拡大して…。新規事業の撤退や社内体制の改革だけでなく、僕自身も役員報酬を8割カットし、4畳半風呂なしアパートに移り住んだ“事件”です。

 

高山:改めて聞くと、確かに事件ですね。

 

岡村:はい。そして、先ほどチラッと話しましたが、次の年に新卒社員が70人入社する予定だったんですよ。当初はこの70人全員を既存の事業部に配属する予定でしたが、業績悪化が原因で各事業部が全員を引き受けられなくなったんです。そうなると既存事業部が新卒社員を引き受けられるのは、結局50人のみになってしまって。

 

高山:つまり、20人の新卒社員が余ってしまったんですね。

 

岡村:いえ。余ってしまった訳ではありません。“創出”です。

 

高山:創出…?

 

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烏龍茶を飲み続けるアドウェイズ岡村は、酒がなくても酔っ払える特殊な体の構造の持ち主である。食べた米を体の中で発酵させてアルコールにし、酔っ払うことができるのだそう。なお、自分で発酵しようと胃に思わせないと、体が発酵しないのだとか。

 

岡村:この新たに創出された20人をどうするのかが3月の役員会議で議論され、新規の事業部をつくることが決まりました。それが、2007年4月に設立された新事業部署「キャリアコンサルティングディビジョン」、通称「キャリコン」です。新入社員20名は、キャリコンに創出されました。

 

高山:ってなると、全員新卒の事業部ってことですか。そんな学生の寄せ集めのような集団が一事業部を担っていたなんて相当な事ですよ。

 

岡村:学生の寄せ集めではありません、創出メンバーです。そして、今ここにいる彼らたちが、キャリコンのメンバーなんです。

 

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高山:なるほど! そういうことだったんですね。

 

岡村:メンバーは20名の新卒と僕のみ。いちおうアシスタントとして、2年目の先輩が一名私の秘書として付いていましたが、実質新卒のみの、社長直属の事業部です。キャリコンへの配属先が決まった瞬間、不本意な配属先に絶望して泣き出す者もいましたから。

 

高山地獄絵図じゃないですか。

 

岡村 :会社として、こんなのあってはなりませんよね。キャリコンメンバーの初日の仕事は、泣いている仲間たちを熱い言葉で奮い立たせるという壮絶なものでしたから。「とにかくやるしかない」「俺たちならできる」と、根拠のない根性論で鼓舞することしかできませんでした。

 

高山:目を背けたくなるような光景ですね…。それで…キャリコンの皆さんは具体的にはどんな仕事をしていたんですか?

 

岡村:配布されていたフリーペーパーの求人雑誌を東京中から集めて、そこに掲載している店舗や会社にとにかく電話をしていく…。要するに“テレアポ”ですね。

 

高山:岡村さんが得意の“営業”ですか。

 

岡村:ええ。未経験の新卒たちを前に、「まずは見ておけ」と自ら受話器を取りました。僕としては、彼らの目の前で、サクッと1本目の電話でアポをとっちゃって、「へえ、テレアポって簡単なんだ」と思わせたかったんですよ。しかしこれがなかなか取れなくて、内心「やべえな」と焦りましたね。

 

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元・換気扇フィルターのプロ営業マンであるアドウェイズ岡村。「営業はテクニックではなく、売りたいっていう気持ちが必要。売ることに対して、人生を賭けているのかが大切だ」と豪語していたが、テレアポに関しては運も必要なのかもしれない。

 

岡村:その後、スタートから1ヶ月くらいで2人が辞めただけで、キャリコン事業部は走り続けていました。しかし、なかなか掲げた事業部の月間目標数字には届かなかったんです。

 

そうだよね、鈴木くん。

 

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鈴木:はい、その通りです。毎月毎月目標に届かず部署内の誰もが諦めようとしていたのですが、ある月の最終日に電話が鳴ったんです。それは出張先の岡村さんからでした。「今月達成できなかったら一生達成できないぞ。今月達成できるようにみんなでなんとかしろ」って。

 

高山:おお。

 

鈴木:そしてその日、他部署の社員に声をかけ協力してもらい、結局23時に達成したんです。達成した旨を出張先の岡村さんに伝えると、「よし、お前ら今から飲みに行け」と指示されたのを覚えてますね。

 

高山:めっちゃ良い話じゃないですか。

 

岡村:一方その頃、業績の落ちていた既存の事業部に回復の兆しが見え、人が足らなくなり始めていたんです。そうなるとキャリコンのメンバーを既存事業部に回して欲しいとなるわけで。元々はそのつもりで採用した新卒たちですし。

 

高山:チームとしてまとまってきたのに、解散の危機が訪れてしまったと。

 

岡村:そう。毎日のように「キャリコンを解散させ、こちらに人を回してもらえないか」という旨の依頼が僕の耳に入っていて。でも、ここまで頑張って来た彼らとしてもそこで解散するのは不本意っていうのも理解出来るんです。そこで、キャリコンのメンバーたちに「毎月の目標数字を達成できなかったら解散」という厳しい約束をしました。「未達=解散」ということならみんな納得するだろうと。

 

そうだったよね、腰高さん。

 

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腰高:そうですね…。解散をするかしないか、私たちは毎月崖っぷちの状態でした。ある月は、最終日に目標金額に30万くらい足りていなく、要するにこのままだと解散ってことになってしまう状況にあって。ただ「ここで諦めたくはない」とチームは団結して、私たちは夜の20時くらいから西新宿の電気がついてるオフィスに片っ端から飛び込んで行ったんですよ(笑)。

 

高山:最終日の20時に30万足りない…さすがに達成は無理じゃないですかね。

 

腰高:するとそのとき、営業の一人に1本の電話が鳴ったんです。それは、「麻雀で勝ったら契約しますよ」という話でした。

 

高山:すごい展開っすね。

 

腰高:急遽みんなで会社に集まり、麻雀が得意な社員を探しましたが、残念ながらキャリコン内にはいませんでした。そこで、麻雀が得意だという他部署のシステムエンジニアの2人を見つけて代わりに行ってもらう事にして。

 

高山:麻雀に勝てば事業部存続。負ければ即解散。なんだか漫画のクライマックスみたいですね。

 

岡村:キャリコンのメンバーみんなと僕で雀荘に行き、全員で卓を囲んで局のながれを見守りました。あの時の事は記憶に鮮明に残っています。「このゲーム、めっちゃ時間かかるな」って思ったのが大半ですが。

 

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当時のアドウェイズ岡村は麻雀のルールを一切理解しておらず、1ゲーム15分ほどで決着するものだと思っていた。長すぎる麻雀の勝負に飽きた岡村は、耐えきれず雀荘を飛び出しコンビニのアイスを食べながらその熱い夜を過ごしたという。

 

腰高:そして翌朝、麻雀に勝って契約書にサインをしてもらったんです。その時の麻雀相手が、当時のpixivの社長、現在DMM社長の片桐さんで。

 

高山:うわすっご!

 

岡村:この勝負により、キャリコンは10月も達成することとなりました。これがきっかけになって、以前までは会社の雰囲気的には「キャリコン要らなくない?」という反応だったのですが、こう毎月達成するものだから「今月達成できるのかできないのか」と会社のみんなが気にするようになってきたんですよ。

 

高山「あきらめない」という精神がキャリコンを社内・社内のみんなに知らしめたのですね。あ、ってことは、岡村さんもキャリコンを解散させたくなくなったんじゃないんですか?

 

岡村:ええ、キャリコンはその後も成績は右肩上がりでしたし、会社にもなくてはならない存在になっていて……

 

しかし年が明けた2月、僕はキャリコンを自らの手で潰したんです。

 

高山:えっえっ? どうして…?

 

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岡村:…………僕は、キャリコンが怖くなってしまったんです。

 

「あきらめない」を手に入れたキャリコンを潰す、そう思ったんです。

 

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高山:すみません、笑っちゃうくらい全然よくわからないのですが…。

 

だって岡村さん、この記事の最初に「経営にとって一番の悪であるのは、あきらめだ」って言ってたじゃないですか。彼らは諦めていないんですよ。

 

岡村:そうです。彼らは諦めていません。ただ、どうしても僕はここで潰しておかないといけないなと、そう思ったんですよ。僕を救ってくれた20人のキャリコンのみんなのためを思って。

 

それでは、その理由は、後編でお楽しみください。

 

高山:え、後編? 今回の勝手にしやがれ、後編があるんですか?

 

岡村:そりゃそうですよ。だって3ヶ月の間休載してましたからね。前編だけでは終われないです。

 

高山:うわー気になる……。

 

岡村:次回は「不死鳥編」です。楽しみに待っていてください。

 

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ということで後編は8月末に公開予定となります。

次回「不死鳥編」お楽しみに!