岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第26回】営業マン必見!営業のプロ・岡村陽久が、自らの営業理論を惜しみもなく披露!

 

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第26回。今回はいよいよ読者からの質問を……という流れをズバッと遮ったアドウェイズ岡村。なにやら世の中の営業マンたちに伝えたいことがあるという。元・換気扇フィルターのプロ営業マンである岡村が直伝する「営業理論」とは。最後までお見逃しなく。

 
 
7月某日 おくりバント本陣にて

 

岡村:お疲れ様です。

 

高山:あ! 岡村さん、お疲れ様です。今日は本陣まで来ていただいてありがとうございます!

 

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本陣とは、株式会社おくりバントが創業する際、資本金の30%を使って建てた本社のことである。

 

高山:どうされたんですか今日は? いつもは社長室でお話をされるのに……こちらにわざわざ来ていただけるなんて。

 

岡村:はい、今日はどうしても「営業」について語りたいと思いまして。営業の場合、先方に伺いに行くのが礼儀ってもんです。だからこうして、足を運んだんですよ。

 

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ちなみにおくりバント本陣は株式会社アドウェイズ社内にあるため、社長室からは徒歩1分で到着する。

 

高山:で、なんでまた「営業」なんですか? ネットニュースで「若者の営業離れ」みたいなニュースでも見たんですか?

 

岡村:さすが高山さん! その通りですよ。なんか最近の若者は「モノの売り方」がわからないらしいんです。「営業職=ブラック」みたいなイメージもあるとかないとか…。僕は「営業」を20年やってきたプロとして、若者に少しでもなにか、伝えられることがあるかもしれないと思ったんですよ。

 

高山:なるほど……。

 

岡村: 今回僕が教えた幾つかのことを覚えれば、明日から誰もがプロの営業マンとして活躍できます。これは間違いありません。とにかく、みんな、がんばりましょう!

 

高山:はい。(今日の岡村さん、なんか変だな……)

 

 
ぶっちゃけた話、精神論である

 

 

岡村:まず言いたいのは、「営業」はテクニックではなく、売りたいっていう気持ちが必要なんです。売るっていうところに対して、人生を賭けているのかってことですよ。

 

高山:人生……? ですか?

 

岡村:そうです、人生です。「できれば美味しいご飯食いたいなあ」っていう生半可な気持ちじゃあ、絶対に美味しいご飯は食べれないんですよ。本気にならないといけないんです。

 

高山:まずは気持ち……。技術は二の次ってことですか。

 

岡村:もちろん技術は大切ですが、まあこれはぶっちゃけた話、「精神論」です。気持ちがないとモノは売れないんですよ。

 

高山:なるほど……。とはいえ誰しも最初は「トップ営業マンになる」と意気込んで会社に入ってきたと思うんですよ。ただ思ったより仕事は大変で、その気持ちがどんどんと小さくなっていくのかなと……。

 

岡村:高山さん。そこです、いいところに気付きましたね。

 

高山:え……?

 

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アドウェイズ岡村のセミナー風講義に、戸惑いを感じるおくりバント高山。彼もまた、トップ営業マンを目指してアドウェイズに入社した男の一人である。

 

岡村:高山さん、人間の中には、「売れる自分」「売れない自分」の2種類がいるってご存知ですか?

 

高山:いえ、初耳です。

 

岡村:「売れる自分」はモノを売ると大きくなっていきます。反対に「売れない自分」は、モノが売れないと大きくなってしまうんです。 営業マンとしてスタートしたばかりの頃は、モノが売れないことが続くのが多いでしょう。その場合、「売れない自分」が台頭していって、どんどん幅を効かせていってしまいます。これは大変なことなんですよ。

 

高山:はい…。

 

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「売れない岡村」が「売れる岡村」に勝ってしまうと、岡村はカラータイマーが切れたウルトラマンのように、何も動けなくなるのだった。

 

岡村:まずいんですよこれは。「売れない自分」の時に営業先に行っても、担当者は絶対にいい顔をしないですからね。

 

高山:となると、「売れる自分」を大きくするには、どうしたらいいんでしょうか?

 

岡村:簡単なことです。「俺は売れる、俺は売れる、俺は売れる」と1万回言うんです。売れる自分を刺激してこいつに錯覚を起こさせるんですよ。

 

高山:錯覚……?

 

岡村:はい。簡単に言うならば、マインドコントロールですね。

 

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「俺は売れる、俺は売れる、俺は売れる…」。アドウェイズ岡村は長年の営業経験の蓄積により、1時間で1万回もこのワードを心の中でつぶやくことができるのだ。

 

高山:マインドコントロールってあんまり言っちゃいけない言葉のような気がしますが……

 

岡村:いや、僕が言ってるのは、自らのマインドをコントロールする技法なので問題ありません。セルフマインドコントロール、略して「S・M・C」です。

 

高山:「S・M・C」……?

 

「S・M・C」で自分自身を錯覚させろ

 

岡村:先ほども言いましたが、まずは自分自身を「S・M・C」で錯覚させて、「売れる自分」を作っていきます。そのうえで、最初にお伝えした「売りたい」という気持ちを加えるのです。

 

高山:なるほど……。でも「売れる自分」を作れて「売りたい」という気持ちがあったとしても、最初はどうやって営業していいかわからないじゃないですか。具体的なやり方とかってないんですかね。

 

岡村:高山さん、今日は冴えてますね。

 

高山:あ、ありがとうございます。

 

岡村:正直、僕自身もわからなかったんですよ。ただですね、20年営業マンをやっていて、ひとつわかったことがあります。

 

高山:というと……

 

岡村:とにかく売れる人を真似する。これです。

 

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上司の売り方を真似することは得意なアドウェイズ岡村だが、有名人のモノマネのレパートリーはひとつもないことが玉に瑕。

 

岡村:売れない人って、イメージが沸かないんですよ。どうやったらしかめっ面した奥さんがちょうだいって言ってくれるのか。どうやったら会議室の雰囲気がガラッと変わるのか……。その反面、売った経験がある人はイメージが完璧。だから売った人の話を聞きに行くべきなんです。

 

僕も換気扇のフィルターの営業マンをしていた時に、売れる人に同行していました。とにかくすげえ話を聞いていたんですよ。なので、やり方がわからないっていう人は、今すぐぐ上司に連絡をして、同行のお願いをしたほうがいいと思いますね。絶対に見えてくるものがあると思います。

 

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換気扇のフィルターの営業マンをしていた際に、上司から貰った「手紙」。アドウェイズ岡村はこの手紙を今も大事に「社長室の金庫」に保管している。

 

高山:ちなみに岡村さん、これまで上司に言われて一番心に残っていることってなんですか? 未だに糧になってるものとかってあるんですか?

 

岡村:……まあ、正直、覚えてないですね。

 

高山:え……

 

岡村覚えてないくらい、刺激的だったんですよ。今思い返してみると、あの経験がなかったら今の自分はいないと思いますし、覚えてはいないけど上司の言葉は心の中で生きてると思ってます。

 

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テンポが悪いから精神が病む

 

高山:でも、もう本当に営業が嫌で仕事を辞めたくなっちゃう場合ってあると思うんです。この場合ってどうしたらいいんでしょうか。

 

岡村:僕だって営業をしていて、精神的にやられることはあります。これはなぜかというと「やられる時間」・「考えちゃう時間」があるからなんですよね。

 

高山:ほう。時間…ですか……?

 

岡村:テンポが悪いんですよ。そんなことを考える隙を与えてはダメなんです。例えばテレアポの時、ガムテープを巻いて営業する人っていますよね。あれ実は、精神的ダメージを与えないっていう意味があるんですよ。

 

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マンション販売の営業マン経験のあるおくりバント高山。彼はPCのブラインドタッチは出来ないが、目隠しをされても電話番号を入力できる特殊能力を持つ。

 

岡村:実際は、そいつのために巻いているんです。受話器をおいて番号を入れてたら、その時間に考える時間が生まれちゃいますよね。考える隙をあたえない、すなわち、精神的ダメージを与えない、っていう意味があるんです。

 

高山:確かに昔「ガムテ・テレアポ」をやってた時、何も考えずに黙々と電話ができた覚えがありますね……。これって、自分自身のためだったんですか……。

 

岡村売れない人なんて実はひとりもいないんですよ。みんな最初は売れる人なんです。ただ、どんどん気が滅入って、売れない人になってしまう。テンポを崩さないようにしていくことがとても大事なんですよね。

 

商品を愛しているか?

 

高山:というか、岡村さん。よく換気扇のフィルターをそんなに売ってましたよね。あれってそんなにいいものなんですか?

 

岡村:いやいやいや、ぼくはですね、あのフィルターはこの世に絶対に必要だと思ってるんですよ。今だって実際、社長室にありますからね。

 

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アドウェイズ岡村はこの換気扇フィルターを今も大事に「社長室の金庫」に保管している。(税込 5,400円)

  

岡村:僕、換気扇のフィルターを売ってましたけど、夢を売ってると思ってましたから。まじで。

 

高山:ごめんなさい、全然わかんないっす。

 

岡村:例えばですね、だいたい僕が訪問していた家って、新築なんですよ。新築の家って、奥さんからしたらものすごく大事にしてるんですよね。隅から隅まで掃除して、草も刈って、床が汚れたら磨く。ただ、キッチン周りだけは、どうしても黄ばんじゃうんです。

 

高山:はい。

 

岡村:なぜかと言うと、料理をしたら換気扇が油を吸い込んで、キッチンのクロスが黄ばんじゃうからです。油まみれだからそこからゴキブリが入ってくるかもしれないし、毎回掃除するのも面倒。家の中のガンのようなところなんですよ。ただ、フィルターがあると、クロスも壁も汚れません。要するに、「新築の綺麗な家をそのままにしておきたいという奥さんの夢」を僕は売ってるんですよ。

 

高山:なるほど、岡村さんって、フィルターを売ってたわけじゃないんですね。

 

岡村:はい、夢を売ってるんです。だから、自社の商品をどれだけ素晴らしいものなのかっていうのをまず自分を説得しなきゃだめなんですよね。自分が、この商品を最高だと思っていないと、人に進められるわけがないじゃないですか。

 

高山:確かにそうですよね…。

 

岡村:まずは自分が提供してる商品を、最高だって思うことが大事です。変な話、換気扇のフィルター、当時の僕は抱いて寝てましたから。

 

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もし換気扇フィルターが法律で禁止されてしまったら、デモを起こすというアドウェイズ岡村。それだけ今でも換気扇フィルターを愛しているのだ。

 

岡村:例えば、「好きなものはなんですか」って言われて、その時に自分の商品を即答できなきゃだめですよね。何を売ってんだって話です。

 

高山:そうですね……。ただ岡村さんすみません、めちゃめちゃためになる話を遮って恐縮ですが、このお話、ほとんど換気扇フィルターの営業方法ですよね。このブログの読者ってほとんどIT関係の人なので、できればIT系の営業方法をお話していただければ……

 

岡村 :……。もう話してるじゃないですか。営業というものはぶっちゃけ「精神論」。気持ちが大事なんです。その気持ちがあれば、換気扇フィルターもITも変わらないんですよ。

 

高山:おお! すみません、そういうことでしたか…。ちなみに、岡村さんが持っている営業技術も、少しだけ教えてもらったりすることは出来ますか?

 

岡村:そんなことを言われるだろうと思い…

作ってきました。題して「岡村式営業ドリル」です。

技術はこちらを使って勉強してください。

https://drive.google.com/a/okuribunt.com/file/d/0BxrWzJl130t4X1h5X2FrTVplN00/view?usp=sharing

仕事の空き時間に「岡村式営業ドリル」を使って勉強しよう! これを使えば、来月はトップ営業マンになれるかも!?

 

〜告知〜

株式会社おくりバントは、運営しているYouTubeチャンネル「おくりバントチャンネル」にて、「バカフェ&マンティコア 10周年記念LIVE 東西歌合戦 in UNIT」の独占配信を開始いたしました。

 

 

第一弾は、ライブ毎に各地で見た者に衝撃を与え続けるバンド「skillkills」。第二弾も近日アップ予定! お楽しみに。※バカフェとは、おくりバント高山が毎日通う中野の飲み屋である。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

編集・構成:長橋諒

写真:morimi