岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第18回】岡村陽久&小渕宏二&佐藤光紀の「出張!リアル勝手にしやがれ」in TERACOYA

株式会社おくりバントが鋭意制作しております「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」。またもや、「岡村さんまた勝手に外でイベントしてこないで下さいね?約束ですよ?」という再三の注意にもかかわらず、我々の知らぬ間にリアルイベント「勝手にしやがれ特別版」が開催されてしまったようです。今回の舞台は、起業を志す者が集まる日本最大級のイベント「TERACOYA」。これも読者の皆様の日頃のご愛顧のおかげと感謝の気持ちを抱きつつ、急遽、勝手に入手したイベント当日の録音テープを勝手にまとめたダイジェスト記事をお送り致します。

 

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「勝手にしやがれinTERACOYA」(2016年10月29日開催)

 

スピーカー

クルーズ株式会社 代表取締役社長 小渕宏二

株式会社セプテーニ 代表取締役社長 佐藤 光紀様

株式会社アドウェイズ 代表取締役社長CEO 岡村 陽久

 

 

小渕「良い意味の天才・佐藤さんと、悪い意味の天才・岡村さんです」

 

小渕:皆さん、佐藤さんって知ってますか? 岡村さんって知ってます? 僕の知り合いの中で一番の天才肌経営者と、それから良い意味で馬鹿正直というか。

 

(会場笑)

 

小渕:今日はそんな、良い意味での天才と悪い意味での天才をアサインしました。岡村さん、今日の服はどこで?

 

岡村:はいっ、御徒町で!

 

小渕:靴のかかとを踏んづけてるんですけど、岡村さんのトレードマークです。こんな感じで福岡、札幌と続いて、今回3回目となりました。『勝手にしやがれ』という、アドウェイズがやっているコンテンツなんですが、今回は「TERACOYA」に特別編という事でお邪魔しています。

(モニターを見ながら)こんな感じで登壇する経営者のプロフィールは、ほとんどが真面目なんですけど、岡村さんだけは「上野中学卒業、アドウェイズ創業」って2行だけだったことがあったんですよ(笑)。セプテーニ・ホールディングスの佐藤さんはですね、IT業界では会社を創業した人がそのまま社長をやってるパターンが多い中、珍しく違うという。佐藤さんが社長になられたのっていつでしたっけ。

 

佐藤:社長を引き継いだのは10年前くらいですかね。僕が社内で今のインターネットの事業を創業したのが24の時なので16年前位です。

 

小渕:セプテーニさんにはインターネットじゃない事業をやられていた時代がありまして、えーと、FAXでしたっけ?

 

佐藤:FAXはオプトさんですね(笑)うちは、ダイレクトメール。

 

小渕:佐藤さんが社長になられて、セプテーニがインターネットの事業をはじめて、会社が大きく成長していくという、IT系では珍しいパターンですね。それでは早速、皆さんからの質問をこの3人で答えていきます。でもつまらない話はどんどんカットしちゃいます。岡村さんの話も長かったら勝手にカットしていくという感じで、良いですね? 岡村さん。

 

岡村:勝手にしやがれ(棒読み)

 

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左からトークの天才・CROOZ小渕社長、悪い意味での天才・アドウェイズ岡村、良い意味での天才・セプテーニ佐藤社長

 

「300万円あったら何で起業する?」

 

小渕:相談その1。「もし、今の仲間もいない状況で、今の会社もいない状況で300万円持っていたら、どんな事業をはじめますか? かつ同じ状況でIPOを狙うとしたらどんな事業が良いと思いますか?」。僕も創業した時って資金300万円でしたね。じゃあ、岡村さん。

 

岡村:そうっすね、僕は新たに何かやるとしても、今と同じ事業をやりたいですね。アドウェイズはインターネットの広告事業をさせていただいているんですが、今の事業がすごく好きなので、今と同じ事業をやりたいと思いますね。

 

小渕:岡村さん、真面目な回答は佐藤さん枠ですので!

 

岡村:あっ、すいません!

 

小渕:佐藤さんは今の人脈も会社も無い状況で300万円あったらどうしますか?

 

佐藤:IPO狙うんですよね?

 

小渕:はい、狙います。

 

佐藤:これ、真面目に答えるの?(笑)何ですかね。やっぱり、インターネットの事業はやるでしょうね。「インターネット×○○」っていうジャンルで、もうちょっと業種深掘りみたいなことをするでしょうね。


例えば、最近考えたんですけど。港区に高級がマンションいっぱいあるわけですよ。1億円、2億円の高級マンションって、新築の時は、プロのカメラマンが素晴らしい写真を撮って、綺麗にチラシを作って売りに出すんです。でも、同じマンションでも、中古で売るときになると、途端に、普通の不動産のサイトに何百件って物件があるなかで、3000万円の物も、3億円の物も、同じ様なレイアウトで、同じ様な写真で載るんですそれはちょっと、うーん?みたいな感じで。なので、3億円のマンションだったら、新築の時と同じくらい、「○○マンション302号室」みたいな物件サイトを、その一部屋のためだけに作るんです。一人で作るから全然お金かからないですよ。

小渕:なるほど。

佐藤:いろんなソーシャルメディアとかでトラフィック集めて、ちゃんと口コミでシェアされる状態にして売ってあげる。実際、売買は仲介の方に任せて。最終的には自分達で免許取ってもいいんですけど、300万円だったら最初は仲の良い不動産屋さんに「もう、決めてきたからさ」って言って。

小渕:面白いですねそれ。岡村さんその事業やってみましょうよ。

岡村:(笑)

小渕:という感じでね、真面目な枠は佐藤さんなんで、岡村さんからはもっと野性味あふれる回答をお願いします。

岡村:こういう事業やりたい、ああいう事やりたいって思う時って真面目な事が多いんですけど、辞めて新しい事やるとしたら「雀荘」やりたいですね。雀荘って24時間で、お客さんが足りないときは店員も入ったりするんですけど、そうしたら僕も麻雀打てるんで。

 

小渕:ちょっと! 岡村さん辞めたらCROOZ来るって言ってたじゃないですか!

 

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アドウェイズ辞めたら小渕社長の部下になる!という男と男の約束をすっとぼける岡村。雀荘の店員さんにいそうな風貌である

 

岡村「30歳の頃ほんの一瞬だけモテました」

 

小渕:相談2。「経営者の幸せってなんですか? また、スタートアップから現在までのモチベーションや気持ちの推移についても教えてください」。経営者の幸せってなんですかね?

 

佐藤:最初はやっぱりモテたいとか、お金欲しいとかじゃないとか、そういうのが多いんじゃないですかね。僕もそうでしたし。

 

小渕:佐藤さん真面目枠なのに、なんでそんな事言うんですか! でも最初は皆そんなもんですよね。

 

佐藤:最初からすごい理想に燃えてたみたいなのは、嘘でしょ?って思いますよ。まれに本当の人いるんですけど、ほとんど違うかもしれませんよね。100人中、99人は。手に入れたい物のために頑張るという動物的な動機が満たされてくると、もっと楽しくしたいなと考えるようになって、会社が大きくなってくると、「経営って楽しいな」という風に思うようになりました。

 

最初は立ち上げて生き残るのに必至で、明日なくなるんじゃないかっていう恐怖と戦うじゃないですか。経営の奥深さを知って、真剣にやってみようという風に思うようになって、会社の人がやりがいを持って働けるような環境作りとか、経営の仕組み作りに注力し始めたのが、5年、10年経ってからです。

 

小渕:僕は最初からやりがいは感じていたんだすけど、それがだんだん生き甲斐に変わってきたって感じですかね。社員とか仲間達が喜びを感じてくれるのが生き甲斐というか。

 

岡村:僕も同じ感じになっちゃうんですけど、最初はうまいもん食いたいとかモテたいとか、キャバクラ行きたいとか……。

 

小渕:でも結局モテました? 岡村さん。

 

岡村:1回モテました。30歳前後の時。

 

小渕:アレですね、2007年のアドウェイズショックで、岡村さんが四畳半のアパートに住んでいた時。まあ、母性本能ですかね(笑)。

 

岡村:一瞬ですけどね。

 

小渕:モテた気がしてただけじゃないですか?

 

(会場爆笑)

 

岡村:でも一ヶ月に100万も200万も使えないじゃないですかお金なんて。どちらかって言うと、何年か前に採用した新卒がいま一緒に会議に出たりするとすごく成長していて、何も出来なかったヤツがちゃんとしてるのを見ると、アドウェイズやっていて良かったなって思うし、もっと今後もそれを見たい。あとは、お客さんから、「アドウェイズさんのサービス使ってすごい売り上げ上がったんです」って言われると、やってて良かったなって。そこが今ではモチベーションです。

 

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30代のモテ期をスタンディングして説明する岡村と、その気迫にたじろぐ小渕社長。この日一番、岡村が張り切った瞬間だ 

 

佐藤「変態な若者は応援したいですね」

 

小渕:それでは次いきますね。「どんな若者を応援したいですか? 若手起業家に必要な事とは?」。佐藤さんいかがでしょうか?

 

佐藤:一言でいうと、変態。変態な人

 

小渕:佐藤さんみたいな人?

 

佐藤:そうですね(笑)ありがとうございます! 例えばインターネットのサービスを立ち上げた時に、競合のサービスが四六時中気になって仕方なくて、全サービスにユーザー登録をして、カスタマーサポートのメールの一文まで読まないと気が済まないとか。気になって眠れなくなっちゃうような人とかは、僕は好きですね。ちょっと道を踏み外すと、どこ行っちゃうか分からない、危ない感じの人(笑)。大きな成果をあげる人ってやっぱりちょっと変わった人が多いので、そういう人が成功するのを応援したいですね。

 

岡村:僕、それで言うとたまたまなんですけど、これの仕込みがどうか知らないですけど、若手起業家の方から「会いたいです」と言われたんですよ。

 

小渕:それは仕込みです(笑)。

 

岡村:早稲田大学の2年生だったんですけど、「中卒とか高卒の方を応援したいと思っていて、岡村さんが中卒なので」って。「まずは中卒とか高卒の人は短期間で教材を勉強してもらって、次に企業にインターンで入ってもらって、最終的には就職につなげていきたい」という採用系の事業の話だったんですけど、それで……。

 

小渕:そろそろ次いきますよ〜。岡村さん一言で言うと?

 

岡村:その子はですね、まだ社名も決まってないんですよ、でも志はあって、そういう人を応援したいなって。たまたま昨日思いました。

 

小渕:僕は岡村さんみたいな人が来たら採用しちゃうかな。まず髪型(笑)。でも営業でいうと、ドンドン突っ込んでくれそうだし、一定の所で力を発揮してくれそうで、僕は大好きですね。

 

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佐藤社長が応援したい若手起業家は「変態」で「危ない感じの人」!

 

岡村「意外と綺麗好き(埃とか灰は気にしません)なんですよ!」

 

小渕:続いていきます「VC等を選ぶ際に、何を基準にすれば良いですか? デッドとか……」デッドってなんですか? やっと起業家らしい質問が来ましたが、横文字が多いですね。これは成功しないな(笑)。岡村さんはこんな事分からなくてもここまで来てますから。とは言え佐藤さん、VCとか選ぶ時に大事にすべきこと、どういう基準でVCを選んだらいいか、佐藤さん教えてもらっていいですか?

佐藤:人で選んだ方がいいかなって思いますね。小渕さんとはじめて会ったとき、新宿のビルの一階の蕎麦屋さんで、友人の社長から紹介されて投資の依頼をうけて。

小渕:覚えてますよ、佐藤さんが初対面なのにソバをヒューっと食べて、なんてソバの食い方がデカい人なんだと驚きました。


佐藤:初めて会った人で、投資をその場で決めたのは後にも先にも小渕さんだけなんですよ。どう説明したら投資家が納得するかというポイントを、全部押さえた話し方だったんですよね。30分くらい話しただけで、会社の状態がほぼ分かった。頭の中で想像できたんですよね。


何が言いたかって言うと「この人いい人じゃん」と思ったら、多分VCとか周りの投資家、支援者も任せると思うんですよね。ああだこうだ言われているとしたら、多分その会社とか社長に原因があるんですよ。だから、どういう人をどういう基準で選ぶべきって、細かく言ったら色々あるんでしょうけど、何も言われないような人に自分がなればいいわけです。結局、魅力的な人になれば投資家は集まってくるし。

 

 

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盛り上がるとすぐに席を立ってしまう岡村

 

小渕:いやあ、すごく良い話だったんですが、真似出来ますか? 皆さん。

 

佐藤:あとは会社を綺麗にしておくのも大切ですよね。ちょっと申し訳ないんですけど、今日の会場の控え室が散らかっていたんですよ。そうすると「イベントも散らかる感じになるんじゃないか」って心配になっちゃうし、それが投資先の会社だとしたら、どんなにイケてる会社でも僕は投資しないです。

そういう細かい所作とかにその人の価値観とか行動様式って反映されると思っていて。だから良いVCから投資されようと思ったら、まずオフィスをピカピカにして、社長がとにかくゴミ拾うと。いい人が集まるような会社にするんだったら、まず自分達がピカピカになる方が早くない?みたいな。

 

小渕:それはありますね〜。だって、岡村さんの家に行ったら誰も投資しようと思わないもん。

 

岡村:いや、僕は意外と綺麗好きなんですよ! 埃とかは気にしないですけど。皆で飲みに行って、使った皿を綺麗にまとめないと気が済まないですもん。それで、お皿をまとめて、テーブルをふいて、来た時よりも綺麗にしないとだめ。

 

小渕:でも前に岡村さんの車に乗ったとき、灰だらけだったじゃないですか!

 

岡村:そうですね、灰とかは気にしないんです。

 

(会場爆笑)

 

小渕:超良い車なんですよ。でもバンパーがガムテープで止めてあって、灰皿は灰と吸い殻だらけで。あとそういう高級車の場合、普通は運転手さんがいるんですけど、岡村さんは自分で運転するから、ゴルフに行った時にキャディさんが岡村さんを運転手さんと間違えて話しかけてたもんね(笑)。

 

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前回の「岡村さんは風呂入らない!」に続き「岡村さんの車は汚い!」と、引き続きぶっこんでくる小渕社長

 

岡村「営業利益100万円なら、従業員の結婚式のご祝儀は100万円にしましょう」

 

小渕:次にいきます。「私は3期目まで終え、年間売り上げ利益100万円、従業員10名の会社を経営しています。27歳の従業員の結婚式に呼ばれていて、主賓の挨拶を頼まれているのですが、諸先輩方がいる中でどの様な挨拶をすれば、若いのに良い社長だと思われるでしょうか?」。細かいな、自分で考えろよ!と言いたいところですが、佐藤さん結婚多いんじゃないですか? 今従業員数でいうと?

 

佐藤:だいたい、1,200人。250組くらい出てますね。祝辞も全部変えていますよ。

小渕:すごい! 岡村さんは社員数で言うと?

岡村:僕も国内海外合わせると1,100人くらいの従業員数で、これまで70回くらいは出てますよ。

 

小渕:本当に!? 俺、3、4回なんだけど、人気ないのかな……。

 

佐藤:大丈夫ですよ、人望ありますって。

 

岡村:まず、年間営業利益100万円出てるんだったらご祝儀に100万円もっていった方が良いですよ。そこで男気を見せる。

 

(会場爆笑)

 

佐藤:全部持ち込みましたか。「僕はこの場に営業利益を全部ぶっ込んだぞ」と。

 

小渕:でも男気見せまくってたら会社が潰れちゃうじゃないですかこれ。

 

岡村:いや、それでも何とかするとって事です。それで挨拶もいらないですね。

 

小渕:確かに若いのに良い会社だなあと思われるでしょうね。でも若いのにバカな社長だなあとも思われるでしょうね!(笑) 

 

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真剣な表情で質問に聞き入る小渕社長と、静かにまぶたを閉じる岡村

 

佐藤「“良い人材”は待つのでは無く、発掘せよ」

 

小渕:では次の質問。「とにかく良い人材が集まりません、優秀な右腕、左腕を集められるでしょうか?」どうでしょう、佐藤さん。

 

佐藤:この状態だともう取れないですね。だって、集まる方法分かってないでしょ、全然。集まらない様な人なんですよきっと。だから方法なんかなくて。でも、きっともういるんですよ、この会社に優秀な人が。それなのに質問した方は、その人のことを信じていない。


だからまず、今居る人の中でちゃんと仕事を任せる経験っていうのを摘んで、きっと最初は上手くいかないですけど、その状況を一緒に解決ながら信頼関係とかを作っていく。そうすると今の評価よりも思った以上に「なんだこいつ、結構活躍するな」と気付くはずです。

 

小渕:発掘力という事ですね。

 

佐藤:そういうことだと思いますけどね。そういう風にして人を活かす経営ができてる状態になれば、スペックの高い、いい人も後からくるんですよね。経歴の格好良さみたいなものから採用していこうとすると、薄っぺらいものになってくるんですけど。

 

小渕:僕も創業して、右腕・左腕という言い方が良いのか分からないですけど、今中心になって活躍してくれているメンバーが最初から優秀だったわけじゃないですよ。それこそ中卒高卒のスタッフだって多いし、19歳から働いてる古瀬も、僕が掲示板で「一度面接受けに来ないか?」と誘ったのが最初でしたから。

 

岡村さん、よく名前が出て来るアドウェイズ経営陣の鹿野君とか山田君とか優秀な人は、どうだったんですか?

 

岡村:いや、もちろん僕よりは優秀でしたけど(笑)、最初はそこまでではなかったと思いますよ。創業当時は、求人サイトに出稿してもお金かかるし、人が集まらないだろうと思って。でかい本屋に行ってプログラミングの本とか立ち読みしている人とか買った人のあとをつけていって、声かけて入ってもらったんですよ。

 

小渕:最初から優秀な人なんていなくて、仲間が失敗して、自分が失敗して、失敗の数が成功のもとになっていくのかもしれませんね。それではここからは会場の皆さんから質問を受け付けたいと思います。でもつまらない質問はカットしますので、そこらへんはよろしくお願いします。

 

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会社の右腕、左腕の話をする小渕社長の腕の筋肉がすごい 

 

佐藤「“自分の職業×◯◯”のかけ算が個性になる」

 

来場者:今、税理士とクライアントを結びつけるサービスを作ろうと企業したばかりです。今はコンピューターの発展によって、会計士が将来いらなくなるのではないか? と言われていますが、今後、税理士はどう生きていけば良いと思いますか?

 

小渕:ありがとうございます。岡村さん、税理士と会計士の違いはついていますよね……? 税理士がこれからどうするか、どう生きていくか。ズバリお願いします。

 

岡村:税理士と会計士の違いはギリギリですけど……。税理士の方って一番最初に色々な会社の売り上げとか営業データにふれると思うんですよね。大きい会社ならその会社の経理かと思いますが。企業と税理士の関係って、伝票やデータのやり取りの中で進んでいくと思うのですが、僕は今も仕事をしている税理士の方と10年以上の付き合いなのですが、データに基づいてものすごいアドバイスをくれるんですよ。

 

小渕:岡村さん、皆さんも結構そういったアドバイスもらっていると思いますよ。

 

岡村:そうなんですか!? 僕だけだと思ってました。すごいなこの税理士って思ってたんですけど!

 

(会場大爆笑)

 

岡村:で、そういった大事なデータにふれていると思うし、そこから見える事もたくさんあると思うので、そういう付加価値を与えてあげるのが、重要……かな……と。

 

小渕:岡村さんに真面目な話はちょっとムリだったということで、佐藤さんはいかがですか?

 

佐藤:当社では、漫画家さんの発掘とか能力開発みたいなことを、事業としてやっているんですけど、その時にも、「この人って何が得意なんだっけ?この人の専門性はどこだろう?」とか、能力開発を軸にして個性を発掘するみたいなことをしています。技術として漫画を描ける人は世の中に沢山いるんですけど、実際に売れるか売れないかとか、プロとしてやっていけるかどうかっていうのは、技術とは違う軸なので。それで最終的には、作品っていうアウトプットに仕上げていくんですよね。


税理士の業界も、税務以外の何が得意ですか?と。その人の個性って何ですか?って言った時に、そのタグ付けが「税務も出来ます、法務もできます」という足し算ではなくて、例えば、税理士だけど歌って踊れますとか、簡単にリプレイス可能なスキルじゃない部分で、かけ算ができて付加価値があると、岡村さんみたいな個性的なオーナー社長が「歌って踊れる人いいよね」と言ってくれる。


そういう「税務×○○×○○」っていうラベルの掛け合わせの数が多ければ多いほど、その人に頼むしかないっていうくらい、ユニークな存在になると思うんで、そういう意味での個性の開発が出来ると、面白いんじゃないかと思います。

 

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小渕さんのツッコミに対して、徹底的にボケ倒した岡村のせいで、カメラマンが終始笑ってしまい、納品された写真がブレまくる事態に...。会場は大盛り上がりでした

 

岡村、大いに驚く「佐藤さんって先輩だったんスね!」

 

小渕:他に質問ないですか?

 

来場者:私は今創業して3ヶ月くらいの経営者です。アフリエイトの代理店をやらせていただいています、最初はアフリエイトをやろうと思っておらず、自社で色々なプロダクトを作りたいと思っていたのですが、目標を失ってまずは売り上げを立てようとやっております。佐藤さんと岡村さんに創業時の目標の作り方を聞きたいなと思います。

 

小渕:岡村さん、創業時売り上げ目標ってありました?

 

岡村:全くないっすね!

 

小渕:ですよね。

 

岡村:はい。

 

小渕:なくてもここまでこれるから良いんじゃないですか? 佐藤さんはどうでしょう。

 

佐藤:元々の目標とは違う受託の仕事もやっているという事でしたが、その受託でしている事業の延長線上にも何かあるんじゃないかって思うんですよね。とにかくめちゃくちゃ業績伸ばしてみたらいいんじゃないですかね。


今、当社のインターネット広告事業の収益が全体の8割くらいなんですけど、最初は事業で何かしたいなと思って始めていて、メディアを運営していたんです。今で言う「価格.com」のような。そのメディアを運営する中で、会員向けにメールマガジンを出してたんですけど、それが結構メディアの収入源になっていたんです。僕が広告もメルマガも全部書いてやっていたんですけど、毎日書いていたら反応のいいものと、そうでないのがあることが分かってきたんですよね。


そのメディアは結局上手くいかなくなって、閉じることになるんですけど、メルマガを上手く書いて反応を得るっていうのは、何かに使えるんじゃないかと思って、アドネットワークの原型みたいなのをEメールのメールマガジン専門で始めたんです。そしたらそれが結構伸びてきて、今の事業に繋がっているんです。というのが25歳の時ですかね。その当時、まさかインターネット広告の企業になるなんてことを、想像して始めたわけじゃなかったんですよ。

 

岡村:まさか「ピュアクリック」ですか? 僕、それを参考にアドウェイズ・エージェンシーはじめたんですよ!

 

小渕:ふたり、先輩後輩じゃん!

 

佐藤:そうだったんですね、知り合って15、6年なんですけど今知りました(笑)。99年にメデイアをやって、上手くいかなくて。それで方向転換で、メール広告のネットワークっていうのをして。それが結果的にお客様が増えてきて、「これは、世の中に受け入れられているらしい」とその時に知って、そういう業界も面白いかもね、みたいな。

小渕:結局は金が金を呼んで、人の成長も呼んで、みたいな感じもするし、まず金稼げってことかもしれませんね。

 

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意外な接点があった岡村と佐藤社長。ちなみに奇遇にもオフィスが同じビル 

 

小渕「岡村さんは下戸だから、会食ではコーラで吐くまで付き合ってくれる」

 

小渕:ではラストいきましょう!

 

来場者:僕は今、大学生なのですが、CROOZさんの「BIZ CAMP」で起業する機会をいただいて、今度起業させていただきます。これまでは学生ばかりと関わってきて、起業すると色々な方と会食をご一緒させていただく機会が増えるかと思うのですが、心がけておいた方が良い事はありますか?

 

小渕:それが一番得意なのは俺だけど、う〜ん。この話を言うとなあ。岡村さんってこう見えてお酒一滴も飲まないんですよ。飲みにいくとコーラを頼んで、俺たちが盛り上がって一気飲みする時とかに、付き合ってコーラで一気してくれて、俺たちが気分悪くなると一緒になってトイレで吐いてくれる(笑)。

 

(会場大爆笑)

 

小渕:会食とかでも一切飲まないですけど、岡村さんは楽しく付き合って大きい仕事もとってきますからね。

 

岡村:一番大切なのはまずは礼儀正しい事。若い起業家の方って礼儀正しくない方が多いのかなって。ため口だったり、自慢したり、虚勢をはったりとか。IT業界って、比較的、礼儀正しくない方が多いと思うので、その中できちんとしていると目立つのかなと。あと会食という事は、奢ってもらう事になると思うんですが、ご馳走してもらった時には、お酒もお水もご飯も思い切り美味しくいただくこと! その方が奢る方も気もち良いじゃないですか。そういう当り前の事を当り前にする事が大切ですね。

 

小渕:え〜、時間も無くなってきたのでまとめますと、岡村さんが言う一番大切な事は「ギャップ」です! だってこんな見た目の岡村さんがこれだけ礼儀正しいんですから。ぜひ皆さんも参考にしていただければ嬉しいです。

 

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大盛況に終わった「出張!リアル勝手にしやがれ」。皆さんありがとうございました!

 

さて2016年も残すところあと僅かとなりました。今年も「岡村陽久のTHE 勝手にしやがれ」を応援して頂き誠にありがとうございました。本ブログも3年目を迎えたことですし、来年こそは、岡村陽久がユーザーの悩みや疑問をバッサバッサと解決するブログを目指して参ります。今後ともご声援よろしくお願い致します。

 

それでは皆様、よいお年を!

 

 

 

編集・構成:小沼朋治