アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第33回。あっという間に一年の1/12が過ぎ、記録的に寒かった冬もそろそろ終わりに近づいているが、春の前に大きなイベントが控えていた。何を隠そう、それは「バレンタインデー」である。アドウェイズ社長の岡村はそんな国民的行事「バレンタインデー」について、読者の皆さんに向けて何か言いたいことがあるようだ。昨今の世の中では「義理チョコ」についての議論がなされているが、アドウェイズ岡村は何を語るのか。乞うご期待。
おくりバント高山:岡村さん。なんで今年のバレンタインデー、アドウェイズは禁止なんですか!?
「バレンタインデーにチョコレートを渡す文化はこれからも存在すべきだ」と、アドウェイズ岡村に迫るおくりバント高山。チョコレートのことを愛してやまない高山だが、最近は「ラーメン二郎」の良さにも改めて気付いたそうで、週五回通うほどハマっているようだ。
アドウェイズ岡村:高山さん……。相変わらず何を言っているのかがわかりません。
おくりバント高山の問いに、呆れた面持ちで反応をするアドウェイズ岡村。チョコレートは週に一度必ず食べるほど好きらしいのだが、それは中学生からの習慣であり、特にハマってはいないという。もちろん「ラーメン二郎」にもハマってはいない。
高山:この前会社の女性社員に「来週はバレンタインデーだから、チョコレートちょうだいね」とおねだりをしたら、「アドウェイズはバレンタインデーにチョコをあげるのは禁止ですよ?」って言われたんですよ! 岡村さん、なんでアドウェイズはそんなことになったんですか!
岡村:はあ……。高山さん。もう、2年前からですよ。うちの会社がバレンタインデーでチョコを渡すことを禁止しているのは。
高山:え? なんですかそれ。本当……ですか?
岡村:高山さんは「半年経つと過去の記憶がどこかにいってしまうんです」って自分で言っていたじゃないですか。そのせいでもう忘れているんですよ。
高山:え……。僕、そんなこと言いましたっけ?
岡村:ほら、忘れてる。
「ホワイトデーの時、チョコを貰っていない人にもお返しをすると、自然に次の年にチョコを貰えるようになる」と自論を展開するおくりバント高山。おくりバント高山はそこまでするくらいバレンタインデーにチョコレートが欲しいのである。
高山:僕の記憶が飛んでいることはもう良しとして、なぜ2年前からアドウェイズはバレンタインデーにチョコをあげるのを禁止にしたんですか? 岡村さん、バレンタインデーに何か恨みでもあるんですか?
岡村:あのですね、高山さんって、女性の気持ちをちゃんと考えたことはあるんですか?
高山:日々、考えているつもり……なのですが。
岡村:じゃあどうして答えがわからないんですか。
高山:すみません…。
岡村:簡単に説明すると、バレンタインデーは、女性の負担が本当に大きいんですよ。
正月があけたら「あけましておめでとう」、仕事が終わったら「お疲れ様」。それと同じように「バレンタインデーにはチョコをあげる」と、世の中は自然にそうなっています。
特に会社で働く社会人の場合は、渡すチョコが相当な量になるじゃないですか。上司だけに渡すといっても「じゃあ上司ってどこまで?」とか、「あの人に渡すんだったらあの人にも渡さないと」など、バレンタイン前の女性って考えなければならないことが多いと思うんですよ。
それって女性にとってすごく負担ですよね。仕事のパフォーマンスも落ちるだろうし。なので、業務以外で変な気は使わせたくないという理由で禁止にしたんです。
高山:そう、だったんですね。
岡村:かの有名な「サイバーエージェント」もバレンタインデーにチョコをあげるのを禁止にしてるみたいですよ。
高山:え、そうなんですか。
岡村:はい。なのでこの記事を読んだ人は、ぜひ来年からバレンタインデーの日にチョコレートを配る風習を無くしていくきっかけにして欲しいと思います。
「サイバーエージェント藤田社長の考えは俺の考えと通じるものがある」と勝手に思っている岡村だが、サイバーエージェントの採用には3度落ちている。
岡村:でもね、バレンタインデーにプレゼントを渡すという文化は世の中的にはあっても良いと僕は思うんですよ。「義理チョコを贈る風習」っていうことが面倒くさいだけなのであって。経済的にも意味がある日だと思いますし。
ただ……、送るものが「チョコレート」に限定されていることに僕は異論を唱えたいと思っていまして。
高山:え?
岡村:僕の考えですが、日本人は「ダイエット」をしている人が多いじゃないですか。で、ダイエットをしている人に、チョコレートのような糖質の塊を食えっていうのはいかがなものかと思うんです。
高山:確かに……。
岡村:この場合、プレゼントをする側は男性・女性どちらでも構わないのですが……、嫌がるものをあげるのって、本当に良くないんですよ。「日本人は甘いものが好き」という風潮はありますが、そこには必ず配慮が必要で。なんでもあげたら良いってものではありません。
高山:それじゃあ、何をプレゼントしたら良いんでしょうか?
岡村:「ささみ」ですね。
高山:「ささみ」……?
岡村:はい、鳥のささみです。しかもスーパーでは売っていない高価な鳥のささみ。美味しいし、糖質も少ないし、様々な料理にも使える。
例えば女性にシャンプーや服、香水など、いかにも「女性が好きそうなモノ」をプレゼントしようとするじゃないですか。でも良く考えてみてください、女性はそれぞれ趣味嗜好が違うので、気に入ってもらえない場合が良くあるんですよ。
でもささみは大抵の人間に気に入ってもらえます。冗談のように思われるかもしれませんが、僕はバレンタインデーにささみをプレゼントし、うまくいったことが6回もありますから。
高山:すごいですね……。
岡村:ただ誕生日やクリスマスなど、バレンタインデーより大きなイベントにおいては、ささみは許されません。
高山:確かに「誕生日にささみ」って、お金がかかっていないように思われますもんね。そう考えると、誕生日やクリスマスには何をプレゼントしたほうが良いんでしょうか?
岡村:彼女や奥さん、好きな人に「何が欲しいの?」と聞いても、女性はそう簡単に答えてくれませんよね。「あんまり高いものを言っても良くない。けど安すぎるものもプライドを傷つけてしまうかも」と思うからです。
でもそれには解決方法がありまして。それは……
岡村:決め打ちです。
高山:決め打ち……?
岡村:高山さん、女性が欲しがるものって、僕が思うにバッグかアクセサリーかの2択で決まっていると思うんですよ。
高山:…?
岡村:その二つの中で、今年はどっちをプレゼントするのかというだけの話なんです。要するに「俺は今年はバッグをプレゼントしたい」と、イベントの数週間前に宣言をします。
その上で、バッグであればどんなサイズが気になるのかを聞きます。大きなサイズが気になるのか、中くらいが良いのか、それとも小さいものが欲しいのか。
その情報があれば完璧です。「サイズは分かったけど、色や柄には好みがあるから、一緒に買いに行こう」と伝えるだけですから。
高山:かなり効率的ですね。
岡村:また、プレゼントの金額ですが、僕のルールであれば社会人は「月収×10%」を守るべきだと思っています。
高山:30万円だったら3万円分のプレゼントってことですね。
岡村:はい。ただここで間違えてはいけないのは、手取りではなく額面での月収ということです。男たるもの、好きな人へのプレゼントに税金を乗っけてはいけませんから。
高山:男たるもの、細かいことを気にするなと。
岡村:そういうことです。
バレンタインデーは男からささみをプレゼントし、誕生日やクリスマスには決め打ちでバッグかアクセサリーを渡す。これだけを覚えておけば、もうイベントごとは怖くありません。ぜひ男性読者の皆さんには実践して欲しいですね。
バレンタインデーのお返しには、昔から「明太子」を渡していると語るアドウェイズ岡村。「みんなお返しにチョコを貰うので、明太子は差別化です。甘いものの中にしょっぱいものがあったら嬉しいですしね」と話していた。これもまた岡村が描く「男たるもの」の象徴である。
高山:記事公開がバレンタインデーだから、みんなが実践できるのは来年ですね。
岡村:来年もこのブログが続いていたら、その時にもう一度告知しましょう。
高山:(続いていると良いな……)
次回もお楽しみに!
編集・構成:長橋諒
写真:morimi