岡村陽久の勝手にしやがれ

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【第39回】アドウェイズ岡村×ORETSURI編集長 平田氏 “釣りとビジネスの親和性”について語る!?

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第39回。外に出ると涼しさを感じられるほど、日本全国に秋の季節が訪れた。夜も長く、月も明るく、気候もよく、勉強や読書には最適だが、アドウェイズ岡村にとって秋は、大の趣味である“釣り”に最適な季節だということ以外他ならない。ということで今回は特別ゲストを招いたうえで、“釣りとビジネスの親和性”についてを語るようだ。最後まで乞うご期待あれ。

 

10月某日、アドウェイズ社長室にて

 

 

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岡村平田さんって、“カワハギ”はやってますか?

 

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平田:あ、やってますよ。カワハギ、楽しいですよね。岡村さんはアサリですか?

 

岡村:ええ。アサリですね。

 

おくりバント高山:…。

 

平田:東京湾の船釣りだと、アサリを使ってカワハギを釣るんですよね。アサリが釣りやすいというのもあるんですが、アサリ以外で釣るとちょっとイケてないって思われちゃうんで。アオイソメとか、そういう虫みたいなのを使うとダサいって風潮があって。

 

岡村:釣り船とかボートに乗ってですよね。釣り船の場合、玄人になってくると朝3時~4時くらいに船宿に行って、あさりを剥きますから。新鮮なやつのほうが魚の食いがいいんですよね。

 

高山:…。

 

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「勝手にしやがれ」の取材ということで呼び出されたおくりバント高山。かれこれ10分以上話を聞いてるが、いまだにこの釣り好きの人が誰なのかが分からず、話の流れが理解できていない。

 

平田:船宿でも乗船料にアサリがついてきたりするんですが、冷凍されたやつとかだと納得がいかない人もいるんですよね。針持と食いが違うとかいって。それと剥いたアサリに集魚剤 ※ を付けたり。

 

※集魚剤…群泳する習性の魚に対して、その魚をまず集めるための寄せ餌として使われる。餌は形態と動きが魚の視覚に訴えるが、集魚剤は水中に溶け出した化学成分が魚の味覚と嗅覚を誘う。


平田:しかも、集魚剤をそのまま使用するのではなく、自作する人もいたり。例えばミリンをちょっと入れると身がしまって針もちがいいとか、そういった極秘ブレンドがあるんですよね。玄人さんとかは秘伝のタレを作ったりとかしてて…。アサリ一つをとっても、奥深いんですよね釣りって。


岡村:そうですよね。カワハギって、本当に上手い人はめっちゃ釣りますもんね。アジとかは手返しがいいか悪いかだけでそんなに差は開かないもんだと思うんですが、それに対してカワハギは上手い人と下手な人で10倍くらい差が出ますから。


平田“アタリ”※が難しいんですよね。これまた道具にも差があって、釣り船に乗ると貸し竿がありますけど、“アタリ”がわかりにくい竿もあったり...。


※アタリ…魚がエサに食いついたときに、竿や道糸(ミチイト)を通して得られる感触のこと。


岡村:例えばアサリが海底に落ちて、カワハギ自体はそれに寄ってきて落ちてきたアサリを「つつつつつっ」て食べてる。ただ、この時にイケてない竿だと全然“アタリ”が分からなくて。その素材とか竿の“調子”とかでも分からなくなりますし。

 

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「“調子”っていうのは竿の曲がり具合のことです。竿先が曲がるものを先調子、真ん中付近が曲がるものを胴調子といいます」。アドウェイズ岡村はiPhoneの充電ケーブルを使いながら“調子”についての説明をしていた。ちなみにカワハギの竿の先調子が基本とのこと。

 

岡村:そこに漬け込んだメーカーのダイワやシマノが、すごい釣竿を出したりしていて。高い値段だけど糸に触った瞬間にわかるとか。周辺にカワハギが寄ってきただけで、なんかわかるとか。

 

平田:あ、それ買ったんですか!

 

岡村:初めて行った時に2匹しか釣れなくて、悔しくて買いました。実際に試してみたんですけど、本当に糸垂らした瞬間にわかりましたよ。

 

平田:それはすごいっすね…。


岡村:あ、話は少し逸れますけど、カワハギって肝が美味いんですよね。

 

平田:美味いですよね…。でも流通しているカワハギは網で取るわけで、血抜きとかをしていないんで、それが厄介なんですよね。肝って鮮度が重要ですぐ生臭くなっちゃうんですよね。釣ってすぐに血抜きをしないとダメで。もう色艶が変わってきますしね。

 

岡村カワハギの肝って、白いんですよね。それを醤油と混ぜて、『肝醤油』にして食べると最高で。もちろん白身の魚なので、刺身も美味しいし。

 

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「カワハギの話、長くね?」とここ何分か思い続けているおくりバント高山。とはいえ、「岡村さんは大好きな釣りとビジネスを絡めてこれからちゃんと良い話をしてくれんだろうな」とアドウェイズ岡村のことを信じている。

 

平田:あと、カワハギって技が色々あるじゃないですか。「たるませ釣り」「ゼロテンション」「たたき」「宙吊り」とか…。岡村さんは何釣りが好きなんですか?


岡村:僕の場合はちょっと何釣りかは分からないんですけど、「トントン」で5秒くらいたるませて、で上に上げていますね。

 

平田:あー、なるほど。

 

岡村:で、その秒数とトンの回数で、いろいろ組み合わせるっていうのが多いです。例えばこの前一緒に行った友達が、「トントントン」の7秒で釣れた! ってなったんですけど、「よし!みんなそれでやろう!」ってなったりとか。

 

平田仲間内でいくと釣り方がそれぞれ違って面白いんですよね。何を信じていいかわからない、自分だけ釣れない、みたいな状況に苦しんでる人が一人は出てきたりして。

 

岡村:最近は流行りでいうと「ゼロテンション」が流行ってますよね。

 

平田:はい、略して「ゼロテン」ですね。

 

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ゼロテンとは、オモリを海底に着けて、竿先が曲がるか曲がらないかぐらいの状態でアタリを待つことである。決して「ゼロカロリーだけど添加物まみれ」の略ではない。


平田針の形状と太さもめちゃくちゃ種類があって、太いと吸い込みにくいとかあるじゃないですか。でも細くて鋭いのにすると、デカいカワハギが来ると結構折れたり。これはメーカーの陰謀なのかもしれませんが(笑)。

 

岡村:カワハギ釣りで針の要素はデカいですよね……。僕大体、釣れないときは針のせいにしてます。

 

平田:針一つでほんと変わりますよね。もちろんシーズンと場所でも変わってきますし、それに合わせることも大事だと思うんですけど。針の糸を長くすると“アタリ”がわかりにくくなるんですけど、カワハギの警戒心は抑えられる、とか。

 

岡村:そうやっていろんなことを頭の中で考えちゃうんですよね(笑)。

 

平田:そうなんですよ。

 

岡村カワハギって「エサ取り名人」って呼ばれてて、「つつつ」って突いてくるじゃないですか。だから「どこから突かせるか」が大事で。

 

平田:アサリの肝が一番好きなんですよね。だから肝だけ食べられたりすることもありますし。アサリの鮮度が悪かったり、冷凍と解凍を繰り返しているやつは肝がすぐ取れちゃったり、とか。

 

岡村:アジでいうと、「イカタン」っていうのを付けるんですよね。イカの切り身を塩漬けして、食紅とかで色をつけて、赤くするんです。それは釣り具屋にも売ってるんですけど、僕はスーパーで買って、自分で作るんです。コレが意外に楽しくて。

 

平田:エサも買う人と自分でやる人の2種類に分かれますよね。今の時期だとカサゴとかタチウオ狙いでさんまを使う際は、短冊に切って身を薄くしないと海の中で動きが悪くなるので、気をつけなきゃいけないんですけど、でもさんまって柔らかいから薄くするの難しいじゃないですか。だから冷凍してそれを薄く切るという「特殊技術」を使ったりして。

 

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「やっとカワハギの話が終わった」。おくりバント高山は、釣り好きおじさん二人の会話に飽きてしまっていた。「一体、いつになったらビジネスの話が出てくるのか」と思っているが、なかなか聞くに聞けないようだ。

 

アドウェイズ岡村の餌トレンドとは

 

平田:岡村さんの餌トレンドはあるんですか?

 

岡村:それでいうと、イカタンを自分で作ったくらいなんですけど…。あとは釣りの代表的な餌の「アオイソメ」を使うことが多いですね。

 

平田:はいはい。

 

岡村:でも、アオイソメって余っちゃうじゃないですか。最近その余ったヤツを家で飼うことにしてて。今は30~40匹くらいに増えましたよ。

 

平田:え、飼ってるんですか?

 

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アドウェイズ岡村が釣りを始めたキッカケだが、「テトラポットとの出会いです。たまたま家の近くにラーメン屋があって、そこの店主から『オレが知っているテトラポットの近くに、メバルがいっぱい釣れるところがあるんだよ』って言われたんですよ。たまたまゴムボートが家にあったので、ある日それを持って釣りをしに行ったらめちゃくちゃ釣れて…。そこからハマったんです」とのことだ。



岡村:ネットで「アオイソメ 飼育」で調べたら、一人だけアオイソメの飼育ブログを書いている人がいたんです。その人のブログを熟読して、僕なりの飼育方法を見つけたうえで飼育をしています。これでいつでも新鮮な餌をもっていけるんですよ。

 

平田:確かにアオイソメは、万能餌ですよね。魚を食べる魚以外はいけますから。さっきのカワハギもアサリにこだわらなければイソメでよく釣れますしね。 

 

岡村:こだわることはほんと色々あるじゃないですか。餌の他にも、竿、リール、糸、針、おもり…あと運もありますよね。

 

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写真は、アドウェイズ岡村が2017年5月4日午後11時32分ごろ千葉県富津市沿岸において釣り上げた「クロダイ」である。アドウェイズ岡村はこのクロダイを釣った際、嬉しさのあまりプレスリリースを配信した。なお対談相手の平田氏は、そのプレスリリースを見てアドウェイズ岡村に興味を持ったらしい。

 

平田:ビギナーズラックって言いますけど、初めての人の方が本当に意外に釣れたりとかしますからね。シンプルな状態(釣り船レンタル)で人の言うことをよく聞いてそのまんま釣った方がよく釣れることもあったり。

 

岡村:釣りって本当に奥深いですよね。

 

平田:そうですね。岡村さんってカワハギ以外でハマってる釣りってありますか?

 

岡村:僕、最近アジング※に興味を持っていて。まだ一切手を付けていないんですけど、始めようかなって思った瞬間から楽しいんですよ。


※アジング 日本全国の海に分布し、食卓の定番魚でもあるアジ。そのアジを小さめのルアーと繊細なタックルで釣る『アジング』は、海のルアー釣りの中でも特に人気のジャンルらしい。

 

岡村:どんなタックル(釣り道具)を揃えようかな、ロッドをどうしようかな。とかを、いろんなサイトを見て研究するんです。初心者ならこれとか、こうゆうのが釣りやすいとか。で、僕「シマノ」が結構好きなんですけど。

 

平田:あ、ぼくもですよ。めっちゃ分かります。

 

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平田さんがシマノの釣竿とリールを使って釣った「ヒラメ」。リールは高校生の頃に買った『スコーピオン』というものらしい。

 

岡村:お、本当ですか。でも、結構分かれますよね、ダイワとシマノが2大党みたいな感じで。僕はまずシマノを軸に探して、なかったらダイワで買うんです。3本くらい絞って、1日考えます。

 

平田:よく使われているのは大体1本10,000〜15,000円くらいなので、両方買えば良いのにと思いつつ、どうしようか凄く悩むんですよね。

 

岡村:分かります。僕の場合、アマゾンのカゴに入れたまま3-4日くらい寝かせるんですよ。ライン(釣り糸)も選ぶ。アジングだと「0.3-0.6号がいい」って書いてるけど、実際どっちがいいんだろう…ってまた悩んで。じゃあ、細いのにしよう。ってなって、ジブヘッド(針)とかワームとか選んで……これで1週間楽しめますね。

 

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これらの釣りのプランをいつ練るのかという疑問が湧くと思うが、アドウェイズ岡村曰く「仕事がちょっとでも空いたら頭の中は釣りです。本がほら、ビジネス本に紛れて釣りの雑誌があったりとか」とのことである。

 

岡村:で、次にYouTube。動画を見ると「動かさないアジングあるんだ!」とか色んな発見があるんですよ。そこからイメージも湧いてきて、次の週までに自分が考えたプランの釣りをしに行く…という。

 

平田:でもYouTubeでもSNSでも、魚が釣れるポイントは公開されてないんですよね。

 

岡村:それだけはないんですよね。まあ、僕も絶対言いませんけど(笑)。

 

平田:「◯港の何時にどこで、釣れました」って言ったらポイントがバレちゃいますもんね。釣れたポイントは言いたくないけど、釣れた魚のことは自慢したい。だから、特定されないような写真を撮ってアップする。で、その写真の地面の模様とかからヒントを探し出して場所を特定するわけです(笑)。

 

岡村:「大潮のこの日に釣ってるな。この港の形...横浜だな◯◯漁港だな?!」とかね。

 

平田:分かります(笑)。

 

岡村:それと最近は、水族館にも行くようになったんです。実は先週も行ってきて……。水族館って、一般的な楽しみ方って「イルカショー」を見たり、綺麗な色の魚を見たり、ウミガメを見たり、じゃないですか。でも、僕はずっとイワシとアジを見てました。イワシとアジがどうゆう動きしてんのか、って生態を調べるんですよ。

 

平田:僕もよく行きます。魚って何かの秩序に則って動くんですよね。

 

岡村:そうなんです。僕は水族館で観察し続けて、イワシがいるときはアジはどこにいるのかとか、そういうことが分かるようになったんですよ。アジはイワシの下にいるんですよね。

 

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平田:さすが岡村さんですね。僕も今週末、水族館にいこうかな。こないだ息子が生まれたんですが、彼がもう少し大きくなったら水族館に連れて行きたいですよ。

  

岡村:いいじゃないですか。ちなみにお子さんのお名前は?

 

平田凪っていいます。

 

岡村:え、それってもしかして。

 

平田:はい、凪(なぎ)って、海が穏やかな時のあの凪です。

 

岡村:最高の名前ですね…

 

おくりバント高山あの…

 

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高山:あの、本当すみません。そろそろ、ビジネスの話、してもらっていいでしょうか(笑)。

 

平田:あ。あ。すみません。あ、はじめまして!

 

岡村え? ビジネスの話ってなんでしたっけ。

 

高山岡村さんが大好きな釣りを語るのは良いと思うんですけど、でも、僕は、釣りの話にビジネスを関連付けて語ってくれるのかなって勝手に期待していたんですが……。

 

岡村:あー。確かに言われてみればそうですね! 平田さん、どうします?

 

平田:いやでも、そろそろ僕、もう時間が…。

 

岡村:もう2時間近く喋ってましたからね…。すみません、ビジネスの話はまた今度喋りましょうよ。

 

平田:はい、すみませんがよろしくお願いします。

 

高山絶対次も釣りトークで終わるじゃん。

 

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ということで、明日釣りに行きたくなるWebメディア「ORETSURI」の編集長、平田剛士さんを迎えた「勝手にしやがれ」第39回は終幕した。皆さんは“釣り”について理解を深めることが出来ただろうか。

 

この記事を読んで、「自分も釣りをしたい」と思う方はぜひこの秋、挑戦をしてみていただきたい。

 

そして次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく。乞うご期待あれ。

 

 

取材協力:ORETSURI編集長 平田 剛士

IT企業での勤務を経て2016年10月に釣りメディアORETSURIを立ち上げる。2018年8月現在、ORETSURIは月間16万ユーザー以上がアクセスするサイトに進化。得意技は商談等でゴルフの話題になった際に、圧倒的な釣りトーク術で場を制圧すること。どこでも野宿。コンクリートの上で寝ること。だいたい上機嫌。

 

編集・構成:長橋諒