アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ第10回。
年始に日本中を揺るがした、国民的アイドルの独立騒動。最終的には独立はせず、出戻りのような形で決着、騒動は収束した。
ところで、アドウェイズには「出戻り」に関して、ある掟が存在するという。今回は急遽予定を変更して「出戻り」をテーマに語ります。
出戻りに関してはIT業界で一番厳しい会社
高山:最近話題の出戻りに関してなんですけど。
岡村:アドウェイズ、ぶっちゃけ厳しいですよ。出戻りにはどこよりも。
高山:はい。出戻りに明確なルールがあるのってアドウェイズくらいじゃないですか。
岡村:当然ですよ。軽い気持ちで何度も出たり入ったりされたら、他の企業に迷惑でしょ。
高山:不肖高山も不退転の覚悟で9年間勤めさせてもらってます。
岡村:ほとんどの企業が無制限だと思うんですが、アドウェイズでは出戻りは5回までしか許しません。
高山:厳しいっすね。ホント。そのルールが適用されると、僕はあと4回しか辞められませんよ・・・。
岡村怒りの馬場チョップ・・・ではなく、いつになく神妙な面持ちで「アドウェイズ鉄の掟〜出戻り5回まで〜」を語り始めた岡村。
岡村:真剣に検討した結果で、鉄の掟として10年運用してきました。
高山:ちなみに、管理部のデータによると、最多で3回、最短で2ヶ月の出戻り社員がいますね。要は前者が2回辞めての3回入社で、後者が退職から2ヶ月でのスピード復帰ってことですけど。
岡村:実はその2つの記録、同一の人物が保持していたの知ってます?
高山:え、初耳です。誰ですか、それ。
岡山:ちょっと呼んできましょうか。
*ここで小川登場
最多出戻り記録と最短出戻り記録を同時保持した小川。ボクシング統一チャンピオン並みの貫禄だ。
高山:小川さん、あなた3回も入社して、早い時はたったの2ヶ月で戻って来たって本当ですか?
小川:はい。1回目の入社は2006年で、そこから約4年在籍。2回目の入社は2014年で、そこから約1年在籍。3回目の入社が去年の年末で、前職から約2ヶ月でアドウェイズに出戻りしました。
*出戻りの経緯に関しては個人の事情ですので割愛しますが、人様に迷惑をかけて戻って来たという話ではございません。
高山:すげー気になってることあるんですけど、聞いていいですか。
小川:どうぞ。
高山:2回辞めたってことは、送別会も2回やったんですよね?
小川:はい。1回目も2回目も、50人くらい集まっちゃいましたね・・・。
高山:・・・すげー迷惑じゃないですか、それ(笑)。
小川:送別会ってマジックかかっちゃうじゃないですか。だから、涙ぐんでる人もいたし、普段言えないドラマみたいなセリフで熱い激励をくれるんですよ。「次は頂点で会おうぜ!」みたいな。ホントすいません・・・。
高山:山の頂どころか、隣に戻ってるよって(笑)。とんだ言い損ですね。
岡村:見方を変えれば、盛大に送られるってことは、人望があるってことの裏返しですよね。去って欲しくない人ほど、戻って来て欲しい人なんですよ。
高山:そりゃそうですけど。ぶっちゃけ2回も辞められて、少しは呆れてないんですか。
岡村:呆れますね、ホントに。
高山:ですよね~。
岡村:呆れてるのは、高山さん、あんたにだよ。
高山:ぶひっ!?
岡村: 小川さんには、2度ならず3度もアドウェイズを選んでもらえたんですから、呆れるどころか、めっちゃ嬉しいですよ‼︎ 小川さんは、うちのリピーターですから。
高山:は、はい!小川様は神様です!!
どこからどう見ても盛大な送別会。この約2ヶ月後に小川が3度目の入社を果たすなど、出席者全員、知る由もない。
記録は破られるためにある!?驚きの最短記録!
高山:でも、この記録、しばらくは破られないでしょうね。最多はタイ記録出そうですけど、特に最短は難しいでしょうね。たった2ヶ月で戻るって。
岡村:それがね、実は最近破られたんですよ(笑)。経営会議で発表されたとき、どよめきが起こりました。小川さんの最短記録は今世紀中に破ることはできないとされていたので。
高山:マジですか。で、最短記録というのは?
岡村:10日です。他社に入らなかったので、職務経歴書の前職がアドウェイズって人も初めてですね。
*ここで矢野も登場
高山:もう一回聞きますけど、ぶっちゃけ10日で戻るとか、仕方ねえなぁーとか思わないんですか?
岡村:何度でも言いますよ。めっちゃ嬉しいですよ!レストランで考えてみてください。数あるレストランから、またうちを選んでくれて、しかもすぐに食べに来てくれたんですから。もっと言えば、 矢野さんは高山さんと違って、優秀なマネージャーであり、広告運用、メディア運営、ゲーム制作に精通してます。だから、高山さんと違って、本人さえ望めばどんな企業にだって入れるんですよ。それなのに、高山さんと違って、魅力的なオファーがたくさんある中で、再びアドウェイズを選んでくれるなんて嬉しいじゃないっすか。
奥から高山を蔑んだ目で見ているのが矢野。理解力の乏しい高山に「レストラン」という例え話を実感させるために、わざわざ蕎麦屋に場所を移した岡村だったが、高山が蕎麦を食べるのに夢中になり逆効果に。
高山:・・・。えーと、僕だったら雑用からやり直せって毎日バット磨かせますけどね。ところで矢野さんは、どうしてアドウェイズに戻ったんですか?
矢野:他社の選考も進んでいたんですが・・・、どうしても、どうしても・・・。
高山:どうしても?
矢野:忘れられなくて・・・。
高山:何がですか?
矢野:アドウェイズのことが・・・です!転職活動をするうちに、自分の本当の気持ちに気がついたんです。
高山:恋愛かよ(笑)。もう理由はどうでもいいや!で、元サヤにはすんなり戻れたんですか?
矢野:上司だった取締役の西岡さんに「戻りたいです」ってメールしたんです。
高山:で、返事は?
矢野:「いーよ~^^」ってひと言。
高山:軽っ(笑)。
岡村:経営陣はみんな同じマインドですね。
高山:ちなみに聞きますけど、矢野さんも送別会したんだよね?
矢野:はい、50人ほど集まりましたね・・・。しかも色紙まで頂いちゃって。
高山:会費も、色紙も、惜別の気持ちも、まとめて全部返すように。
ぎっしりとメッセージが書かれた感謝の色紙。記入者全員、矢野が10日で帰ってくるなど知る由もない。
送別品の贈呈シーン。今にも泣きそうな女性社員もいるが、矢野が10日で帰ってくるなど知る由もない。
去る者は追わず、来る者は拒まず?
高山:来る者は拒まずってスタンスは、よくわかったんですけど去る者も追わないんですか?
岡村:いや、ほとんど引き止めますよ。誰ひとりとして社員に辞めてほしくないですから。
高山:それは意外ですね。
岡村:恋人は別れたら、また作ればいいじゃないですか。でも、社員は2度と同じ人は来ないんで。
小川&矢野:ええ、確かにそうですよね。
高山:・・・いや、恋人も2度と同じ人来ないですよね。言ってる意味が正直、よくわかんないです(笑)。
岡村:僕が一番、悲しいことって社員が辞めることなんですよ。業績は下がっても回復できるし、トラブルは起こっても解決できる。でも、人はその人しかいないんです。僕にとって、小川さんや矢野さんの代わりは他にいないんですよ。だから、出戻り大歓迎だし、面接の時は、長く勤めてくれそうな人を選んでいます。
小川&矢野:ホントそうですよね。
高山:お前ら全然説得力ねーよ(笑)。
経営者らしからぬ、あまりの出戻り歓迎ぶりに「本当に岡村なのか?実はUMAか寄生獣じゃないのか?」と疑ったカメラマンが捉えた決定的瞬間。ご判断は読者のみなさまにお任せします。
前日の夜釣りの影響か、取材終盤で単に眠いだけのようにも見えるが・・・。国民的アイドルグループの独立騒動に関しては「騒動前からちょっとバラバラ感があった気がするんですが、表沙汰になったことで、逆に全員が話し合って団結する良い機会になったんじゃないでしょうか。雨降って地固まる、僕はいちファンとしてよかったと思っています」とのこと。
岡村:応援するケースは、独立・企業とか、ステップアップの転職とか、その人にとってどう考えてもプラスになる辞め方。でも、逃げるように辞める人は絶対に引き止めます。それって、課題を次の会社に引き継ぐだけでしょ。環境は変わるかもしれないけど、本質的なところは何も変わんないじゃないですか。
高山:はい。
岡村:特に新卒の場合は強烈に引き止めますよ。嫌なことから逃げる癖がつくと、ただの転職ゴロになっちゃうじゃないですか。辛いことはいつか経験するんで、早めにうちで自力を付けてもらって、チーム・部署、そして会社の中で、スタメンから主力、エースに成長して、引く手数多の状態で転職なり独立して欲しいんですよ。戦力外のまま辞めても人材として魅力なんてないし、第一、僕が許しませんよ。
小野&矢野:僕らも許しません!
高山:・・・。
緊急告知
アドウェイズ、春の出戻りキャンペーン実施中!
対象期間中(おくりバントが潰れるまで)にアドウェイズに出戻りすると、もれなく「おくりバントTシャツ」を贈呈します。さらに「勝手にしやがれ!読んだ」で、おくりバントキャップもプレゼント中!
出戻り記念品の「おくりバントTシャツ」を手に感無量といった様子の矢野と小川。
編集・構成:小沼朋治
写真:上野朝之