岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第44回】アドウェイズ岡村×芸者東京田中 IT企業の社長同士が語るアウトドアの魅力とは

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第44回。外に出ると暖かさを感じられるほど、日本全国に春の陽気が訪れた。花粉症の方にとっては辛い季節かもしれないが、アドウェイズ岡村にとってこの春は「キャンプ人生初の春」であり、新たな戦いを挑む季節らしい。ということで今回は特別ゲストを招いたうえで、前回に引き続き“アウトドア”について語っていく。最後まで乞うご期待あれ。

 

~前回のおさらい~

 

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アドウェイズ社長の岡村陽久は、2019年、新しい趣味「キャンプ」を見つけた。まだ始めてから数ヶ月しか経っていないにも関わらず、「キャンプは戦い」、「新宿に土地を買って、毎日テントで寝たい」、「コンビニで買ったレトルトカレーが、もうやんカレーに昇華する」などの名言が飛び出した。その上、アドウェイズ岡村の最終目標は“完全自給自足生活”を送ることだという。今回は、そのキャンプ話から1ヶ月後をお送りする。

 

~2月某日・アドウェイズ社長室にて~

 

おくりバント高山:この前、キャンプにハマっていると言ってましたけど、その後は順調ですか?

 

アドウェイズ岡村:ええ。あれからもう何回もキャンプに行くほどハマっています。

 

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高山:あれから1ヶ月しか経ってないですよ。でもそんなに行くなんて、本当すごいハマっているんですね。初心者ならではの悩みとかは特にないんですか?

 

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岡村:それで言うと、キャンプの前日とかは「ワクワク」しちゃってしかたないんです。というか、休憩中は現地のグーグルマップを隙があれば見ちゃうし、仕事中でも頭と心の片隅に常にキャンプがあるんです。どうしたらいいんですかね。仕事とプライベートを切り分ける方法を知りたいです。

 

高山:あのそれ、上場企業の社長が言う言葉ですか。

 

岡村:いや、本当に悩みなんですよ。

 

高山:あ……すみません。ちょっと静かにしてください…。

 

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岡村:え……?

 

高山:今回は特別に、岡村さんと同じくアウトドアにハマっている社長を連れてきました。

 

岡村:え……!?

 

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岡村:あ、ご無沙汰してます!

 

高山:こちら、芸者東京の田中社長です。

 

田中社長:お久しぶりです、岡村さん。今日は宜しくお願い致します。

 

岡村:お会いしたかったんですよ…! Facebookを見ていて、勝手に師匠として仰いでいるほど…! いろいろ聞きたいことがたくさんあります!

 

高山:岡村さん、すごいはしゃぎようですね。連れてきて良かったです。

 

岡村:そりゃもちろん、田中さんは憧れの人ですから。ありがとうございます。

 

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田中:こちらこそ! 僕も岡村さんとはお話をしたいなと思っておりました、お会いできて良かったです。あ、早速ですが、岡村さんの聞きたいこととはなんでしょうか?

 

岡村:あ、あの……最近、僕はキャンプにハマっているんですけど、ハマりすぎて仕事とプライベートの切り分けができないんですよ。どうしたら良いのかなと思っていて…。

 

田中:え、そんなの簡単じゃないですか。

 

岡村:……え?!

 

田中:仕事もアウトドアも、考え方は一緒なんですよ。例えば釣りって、どこに魚がいるのか、それに向かってどうアプローチをすれば釣れるのかって考えるじゃないですか。仕事もそれと同じなんです。

 

僕はフライフィッシングを去年から始めて、仕事の調子がすごいよくなったんですよ。昔から、テストがある世界で点を取ることは得意だったんですが、それだと上手くいかないってことに最近気付いて。でもフライを知って、自分が自分のためにやる仕事はこうあるべきだと感じたんです。社員への態度とか、全部間違ってたなと。それで会社のやり方とかも全て変えよう、生き方も変えようとなりました。そこから会社も自分も調子がすごくよくなったんですよ。

 

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高山:……。

 

田中:しかも、アウトドアは女性にモテますからね。めちゃめちゃモテるんですよ。多分、みなぎる生命力にグッと来るのではないでしょうか。遊んでる人間の、骨の隋からでてくる、コンソメみたいなのが……、響くんですよ。しかもめちゃめちゃ可愛い子にモテますから。で、要するに、女性にモテるってことは、仕事上でもクライアントにモテるってことですからね。いい仕事がポンポン入りますから。

 

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田中:だからこのまま突き進んだら良いと思います。岡村さんがアウトドアを続けることで、アドウェイズ、時価総額10倍くらいになると思いますよ。

  

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岡村:さすが師匠。

 

師匠の最近の話

 

 

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岡村:田中さんは去年フライフィッシングを始めたっておっしゃってましたけど、その割にはFacebookにかなりの釣果写真がアップされているように思えたのですが…。

 

田中:ええ。去年の6月にフライフィッシングに出会ったんです。出会ってから今日まで、ほぼ毎日やっていますからね。

 

岡村:え、ほぼ毎日……?

 

田中:はい。運命の人に出会ったような感じですね。ということで、フライは簡単には手放したくないんですよ。フライを取り巻く全てがめちゃめちゃ面白いんです。

 

岡村:すごい…。あの、話は変わるんですけど、フライでシーバスを釣るってすごくないですか? Facebookの写真を見てビックリしたのですが。

 

田中:あー、いや、実は僕、そんなに上手くはないんですよ。

 

岡村:え、絶対上手いじゃないですか。

 

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「今日もこれから行こうと思っていて。潮がすごい良いんですよ、下潮だから」と話す田中社長。なおアドウェイズ岡村もいつでも釣りに行けるように、コンパクトロッドを持ち歩いているようだ。

 

田中:言うなれば僕は釣りが好きなのではなくて、フライが好きなんです。なので釣れたか釣れていないかは究極どうでも良くて。だけど、やっぱり釣れたほうが楽しい。なので釣れるまで頑張るんです。だから、あまり上手くなりすぎるのはよくない、楽しくないかもしれないとまで思っています。

 

岡村:なるほど、それは目からウロコです。その考え方はありませんでした…。

 

高山:あの、えっとすみません。あの、話の腰を折るようで申し訳ありませんが、フライってなんなのでしょう?

 

田中:フライフィッシングは、エサを使わず昆虫を模した「フライ(毛バリ)」を使う釣りのことです。フライは水面に浮くほど軽いので、それ自体の重さで飛ばすことができないんですよ。そこで糸の重さを利用して、米粒の重さにも満たない毛バリを飛ばします。

 

高山:すごい難しそうですね…。岡村さんはフライはやらないんですか?

 

岡村:難しい、っていうイメージがやはりあって、まだ挑戦していないんです。糸の重さだけで釣り上げるから、技術がいるんですよね。フライは5年後くらいにやりたいと思っていましたが、でも田中さんの「上手くなりすぎては楽しくない」という話を聞いて、挑戦してみたいなとも思っています。

 

田中:ありがとうございます。フライは竿を振って、毛バリを飛ばしているだけで快感がやばいんですよ。釣りはぶっちゃけ、魚がいたら釣れるじゃないですか。でもフライは魚がいなくたってこの際良いんです。キャスティングトーナメントっていう、遠くに投げるっていう競技があるくらい。

 

高山:へえ……。

 

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海も山も湖も川も海外も、基本的になんでも行く田中社長。最近はアマゾンでピラルクを釣り、これには「本当にいい恋愛をした」と感慨深く語っていた。影の薄いフライだが、田中社長曰く「フライは隠れキリシタンみたいなもん」なんだそう。

 

師匠の今後の展望

 

岡村:今後の田中さんの展望って、どんな感じなんですか。狩猟とかも今挑戦されているんですよね。

 

田中:狩猟は今やっていますが、あれはテニスサークルみたいなもので。みんなとワイワイしながら楽しむってスタイルです。本格的な話でいうと、今は乗馬に挑戦したいですね。

 

高山:え、乗馬…?

 

田中:例えばチャリで山を移動しようとすると、パンクをするじゃないですか。そうなるとただの重りになるわけですよ。って考えると、究極、なんじゃないかと。馬は草を食えばいいですからね、充電も必要ありません。パンクもしません。最悪、食料にもなります。

 

岡村:それはまさに自給自足ですね…。僕も本当はいつかは自給自足ができるようにしたいと思っております。

 

田中:わかります。いずれ日本に「ハイパーインフレ」が来たとき、最後に勝つやつは自給自足ができる人間だと思うんです。

 

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岡村:さすが、師匠。僕もこの仕事を引退したら、山にこもって、狩猟をして、川で釣りをして、山菜やきのこを採って、薪で風呂に入って、完全自給自足生活を送りたいと思っているんです。そして、そのために今は訓練をしなきゃならないと思っています。

 

田中:老後が楽しみで仕方がないですよね。あ、岡村さん、「山賊ダイアリー」とか読んでいますか?

 

岡村:もちろんです。あの漫画は本当に面白いですよね。狩猟やジビエを通じて新しい観点・発想・人生観を学べる漫画です。

 

高山:この前までキングダム読んでいたのに…。

 

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「山賊ダイアリー」を愛読すると語るアドウェイズ岡村。最近はなぜ新宿に海と山がないのか、そこに疑問を持っているらしい。

 

田中:それで言うと、僕は永遠の旅人になりたいと思っています。世界中にいるアウトドア好きの人たちと友達や家族ぐるみで付き合って、例えば「魚がライズしてます!」とか「裏山で松茸見つけた!」みたいな情報が入ってきたら、すぐに飛行機に乗ってどこでも行きたいんですよ。いい酒を持って。

 

岡村:それはスケールの大きい旅人ですね…。

 

田中:世界中の旬を追っていきたいんです(笑)。 だって人から「好きなものを見つけろ」って言われても、見つけることって難しいじゃないですか。だったら、自分が見つけた好きなものを深掘りし続けた方が楽しいと思うんですよ。

 

岡村:確かに。

 

田中:なんなら旅行に行くときも、ホテルに行くのはダサいなって思ってるんですよ。正直、野外とかサウナとかで寝たほうが贅沢ですから。例えば星野リゾートに行くよりも、山に行った方が本当の自然です。金は必要ありませんし。

 

でもこんな生活をしていると、少し不安になるんです。もしかしたら、僕らの遊び場は今後なくなるのかも、って。

 

岡村:あ、それわかります。釣りとかキャンプに行くたびに、今後ここはなくなっていくのかなって、毎回のように心配になります。

 

田中:だから岡村さん。日本にもっといい自然を残そう、っていうことを僕はしたいんですよ。もし良かったら、ちょっと一緒にやりませんか。

 

岡村:はい、すぐに打ち合わせを組みましょう。

 

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ということで無事、お互いが自分の思いを伝えることができ、対談形式の「勝手にしやがれ」は閉幕した。ここまで読んでいただいた皆さんは、アドウェイズ岡村たちの考え方に理解を深めることができただろうか。

 

次回も引き続きアドウェイズ岡村は、サバイバルについての話をするようだ。乞うご期待あれ。

 

取材協力:芸者東京 代表取締役CEO 田中泰生
スマートフォン向けのゲームアプリなどを展開する芸者東京の代表取締役CEO。2018年末、手がけるアプリ「Snowball.io」が、アメリカのiOSアプリマーケットの無料総合で1位を獲得した。

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左上の黄色い魚はアマゾンで釣った、ピーコックバス。左下の大きな魚は同じくアマゾンで釣ったピラルク。そして、右の魚が北海道の山奥で釣ったエゾイワナ。バッタ型の毛バリを咥えているとのこと。

 

 

編集・構成:長橋 諒