岡村陽久の勝手にしやがれ

あなたの相談を岡村流「勝手な解釈」で解決。ITのことから、世の中、男女、不条理まで

【第39回】アドウェイズ岡村×ORETSURI編集長 平田氏 “釣りとビジネスの親和性”について語る!?

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第39回。外に出ると涼しさを感じられるほど、日本全国に秋の季節が訪れた。夜も長く、月も明るく、気候もよく、勉強や読書には最適だが、アドウェイズ岡村にとって秋は、大の趣味である“釣り”に最適な季節だということ以外他ならない。ということで今回は特別ゲストを招いたうえで、“釣りとビジネスの親和性”についてを語るようだ。最後まで乞うご期待あれ。

 

10月某日、アドウェイズ社長室にて

 

 

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岡村平田さんって、“カワハギ”はやってますか?

 

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平田:あ、やってますよ。カワハギ、楽しいですよね。岡村さんはアサリですか?

 

岡村:ええ。アサリですね。

 

おくりバント高山:…。

 

平田:東京湾の船釣りだと、アサリを使ってカワハギを釣るんですよね。アサリが釣りやすいというのもあるんですが、アサリ以外で釣るとちょっとイケてないって思われちゃうんで。アオイソメとか、そういう虫みたいなのを使うとダサいって風潮があって。

 

岡村:釣り船とかボートに乗ってですよね。釣り船の場合、玄人になってくると朝3時~4時くらいに船宿に行って、あさりを剥きますから。新鮮なやつのほうが魚の食いがいいんですよね。

 

高山:…。

 

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「勝手にしやがれ」の取材ということで呼び出されたおくりバント高山。かれこれ10分以上話を聞いてるが、いまだにこの釣り好きの人が誰なのかが分からず、話の流れが理解できていない。

 

平田:船宿でも乗船料にアサリがついてきたりするんですが、冷凍されたやつとかだと納得がいかない人もいるんですよね。針持と食いが違うとかいって。それと剥いたアサリに集魚剤 ※ を付けたり。

 

※集魚剤…群泳する習性の魚に対して、その魚をまず集めるための寄せ餌として使われる。餌は形態と動きが魚の視覚に訴えるが、集魚剤は水中に溶け出した化学成分が魚の味覚と嗅覚を誘う。


平田:しかも、集魚剤をそのまま使用するのではなく、自作する人もいたり。例えばミリンをちょっと入れると身がしまって針もちがいいとか、そういった極秘ブレンドがあるんですよね。玄人さんとかは秘伝のタレを作ったりとかしてて…。アサリ一つをとっても、奥深いんですよね釣りって。


岡村:そうですよね。カワハギって、本当に上手い人はめっちゃ釣りますもんね。アジとかは手返しがいいか悪いかだけでそんなに差は開かないもんだと思うんですが、それに対してカワハギは上手い人と下手な人で10倍くらい差が出ますから。


平田“アタリ”※が難しいんですよね。これまた道具にも差があって、釣り船に乗ると貸し竿がありますけど、“アタリ”がわかりにくい竿もあったり...。


※アタリ…魚がエサに食いついたときに、竿や道糸(ミチイト)を通して得られる感触のこと。


岡村:例えばアサリが海底に落ちて、カワハギ自体はそれに寄ってきて落ちてきたアサリを「つつつつつっ」て食べてる。ただ、この時にイケてない竿だと全然“アタリ”が分からなくて。その素材とか竿の“調子”とかでも分からなくなりますし。

 

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「“調子”っていうのは竿の曲がり具合のことです。竿先が曲がるものを先調子、真ん中付近が曲がるものを胴調子といいます」。アドウェイズ岡村はiPhoneの充電ケーブルを使いながら“調子”についての説明をしていた。ちなみにカワハギの竿の先調子が基本とのこと。

 

岡村:そこに漬け込んだメーカーのダイワやシマノが、すごい釣竿を出したりしていて。高い値段だけど糸に触った瞬間にわかるとか。周辺にカワハギが寄ってきただけで、なんかわかるとか。

 

平田:あ、それ買ったんですか!

 

岡村:初めて行った時に2匹しか釣れなくて、悔しくて買いました。実際に試してみたんですけど、本当に糸垂らした瞬間にわかりましたよ。

 

平田:それはすごいっすね…。


岡村:あ、話は少し逸れますけど、カワハギって肝が美味いんですよね。

 

平田:美味いですよね…。でも流通しているカワハギは網で取るわけで、血抜きとかをしていないんで、それが厄介なんですよね。肝って鮮度が重要ですぐ生臭くなっちゃうんですよね。釣ってすぐに血抜きをしないとダメで。もう色艶が変わってきますしね。

 

岡村カワハギの肝って、白いんですよね。それを醤油と混ぜて、『肝醤油』にして食べると最高で。もちろん白身の魚なので、刺身も美味しいし。

 

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「カワハギの話、長くね?」とここ何分か思い続けているおくりバント高山。とはいえ、「岡村さんは大好きな釣りとビジネスを絡めてこれからちゃんと良い話をしてくれんだろうな」とアドウェイズ岡村のことを信じている。

 

平田:あと、カワハギって技が色々あるじゃないですか。「たるませ釣り」「ゼロテンション」「たたき」「宙吊り」とか…。岡村さんは何釣りが好きなんですか?


岡村:僕の場合はちょっと何釣りかは分からないんですけど、「トントン」で5秒くらいたるませて、で上に上げていますね。

 

平田:あー、なるほど。

 

岡村:で、その秒数とトンの回数で、いろいろ組み合わせるっていうのが多いです。例えばこの前一緒に行った友達が、「トントントン」の7秒で釣れた! ってなったんですけど、「よし!みんなそれでやろう!」ってなったりとか。

 

平田仲間内でいくと釣り方がそれぞれ違って面白いんですよね。何を信じていいかわからない、自分だけ釣れない、みたいな状況に苦しんでる人が一人は出てきたりして。

 

岡村:最近は流行りでいうと「ゼロテンション」が流行ってますよね。

 

平田:はい、略して「ゼロテン」ですね。

 

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ゼロテンとは、オモリを海底に着けて、竿先が曲がるか曲がらないかぐらいの状態でアタリを待つことである。決して「ゼロカロリーだけど添加物まみれ」の略ではない。


平田針の形状と太さもめちゃくちゃ種類があって、太いと吸い込みにくいとかあるじゃないですか。でも細くて鋭いのにすると、デカいカワハギが来ると結構折れたり。これはメーカーの陰謀なのかもしれませんが(笑)。

 

岡村:カワハギ釣りで針の要素はデカいですよね……。僕大体、釣れないときは針のせいにしてます。

 

平田:針一つでほんと変わりますよね。もちろんシーズンと場所でも変わってきますし、それに合わせることも大事だと思うんですけど。針の糸を長くすると“アタリ”がわかりにくくなるんですけど、カワハギの警戒心は抑えられる、とか。

 

岡村:そうやっていろんなことを頭の中で考えちゃうんですよね(笑)。

 

平田:そうなんですよ。

 

岡村カワハギって「エサ取り名人」って呼ばれてて、「つつつ」って突いてくるじゃないですか。だから「どこから突かせるか」が大事で。

 

平田:アサリの肝が一番好きなんですよね。だから肝だけ食べられたりすることもありますし。アサリの鮮度が悪かったり、冷凍と解凍を繰り返しているやつは肝がすぐ取れちゃったり、とか。

 

岡村:アジでいうと、「イカタン」っていうのを付けるんですよね。イカの切り身を塩漬けして、食紅とかで色をつけて、赤くするんです。それは釣り具屋にも売ってるんですけど、僕はスーパーで買って、自分で作るんです。コレが意外に楽しくて。

 

平田:エサも買う人と自分でやる人の2種類に分かれますよね。今の時期だとカサゴとかタチウオ狙いでさんまを使う際は、短冊に切って身を薄くしないと海の中で動きが悪くなるので、気をつけなきゃいけないんですけど、でもさんまって柔らかいから薄くするの難しいじゃないですか。だから冷凍してそれを薄く切るという「特殊技術」を使ったりして。

 

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「やっとカワハギの話が終わった」。おくりバント高山は、釣り好きおじさん二人の会話に飽きてしまっていた。「一体、いつになったらビジネスの話が出てくるのか」と思っているが、なかなか聞くに聞けないようだ。

 

アドウェイズ岡村の餌トレンドとは

 

平田:岡村さんの餌トレンドはあるんですか?

 

岡村:それでいうと、イカタンを自分で作ったくらいなんですけど…。あとは釣りの代表的な餌の「アオイソメ」を使うことが多いですね。

 

平田:はいはい。

 

岡村:でも、アオイソメって余っちゃうじゃないですか。最近その余ったヤツを家で飼うことにしてて。今は30~40匹くらいに増えましたよ。

 

平田:え、飼ってるんですか?

 

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アドウェイズ岡村が釣りを始めたキッカケだが、「テトラポットとの出会いです。たまたま家の近くにラーメン屋があって、そこの店主から『オレが知っているテトラポットの近くに、メバルがいっぱい釣れるところがあるんだよ』って言われたんですよ。たまたまゴムボートが家にあったので、ある日それを持って釣りをしに行ったらめちゃくちゃ釣れて…。そこからハマったんです」とのことだ。



岡村:ネットで「アオイソメ 飼育」で調べたら、一人だけアオイソメの飼育ブログを書いている人がいたんです。その人のブログを熟読して、僕なりの飼育方法を見つけたうえで飼育をしています。これでいつでも新鮮な餌をもっていけるんですよ。

 

平田:確かにアオイソメは、万能餌ですよね。魚を食べる魚以外はいけますから。さっきのカワハギもアサリにこだわらなければイソメでよく釣れますしね。 

 

岡村:こだわることはほんと色々あるじゃないですか。餌の他にも、竿、リール、糸、針、おもり…あと運もありますよね。

 

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写真は、アドウェイズ岡村が2017年5月4日午後11時32分ごろ千葉県富津市沿岸において釣り上げた「クロダイ」である。アドウェイズ岡村はこのクロダイを釣った際、嬉しさのあまりプレスリリースを配信した。なお対談相手の平田氏は、そのプレスリリースを見てアドウェイズ岡村に興味を持ったらしい。

 

平田:ビギナーズラックって言いますけど、初めての人の方が本当に意外に釣れたりとかしますからね。シンプルな状態(釣り船レンタル)で人の言うことをよく聞いてそのまんま釣った方がよく釣れることもあったり。

 

岡村:釣りって本当に奥深いですよね。

 

平田:そうですね。岡村さんってカワハギ以外でハマってる釣りってありますか?

 

岡村:僕、最近アジング※に興味を持っていて。まだ一切手を付けていないんですけど、始めようかなって思った瞬間から楽しいんですよ。


※アジング 日本全国の海に分布し、食卓の定番魚でもあるアジ。そのアジを小さめのルアーと繊細なタックルで釣る『アジング』は、海のルアー釣りの中でも特に人気のジャンルらしい。

 

岡村:どんなタックル(釣り道具)を揃えようかな、ロッドをどうしようかな。とかを、いろんなサイトを見て研究するんです。初心者ならこれとか、こうゆうのが釣りやすいとか。で、僕「シマノ」が結構好きなんですけど。

 

平田:あ、ぼくもですよ。めっちゃ分かります。

 

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平田さんがシマノの釣竿とリールを使って釣った「ヒラメ」。リールは高校生の頃に買った『スコーピオン』というものらしい。

 

岡村:お、本当ですか。でも、結構分かれますよね、ダイワとシマノが2大党みたいな感じで。僕はまずシマノを軸に探して、なかったらダイワで買うんです。3本くらい絞って、1日考えます。

 

平田:よく使われているのは大体1本10,000〜15,000円くらいなので、両方買えば良いのにと思いつつ、どうしようか凄く悩むんですよね。

 

岡村:分かります。僕の場合、アマゾンのカゴに入れたまま3-4日くらい寝かせるんですよ。ライン(釣り糸)も選ぶ。アジングだと「0.3-0.6号がいい」って書いてるけど、実際どっちがいいんだろう…ってまた悩んで。じゃあ、細いのにしよう。ってなって、ジブヘッド(針)とかワームとか選んで……これで1週間楽しめますね。

 

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これらの釣りのプランをいつ練るのかという疑問が湧くと思うが、アドウェイズ岡村曰く「仕事がちょっとでも空いたら頭の中は釣りです。本がほら、ビジネス本に紛れて釣りの雑誌があったりとか」とのことである。

 

岡村:で、次にYouTube。動画を見ると「動かさないアジングあるんだ!」とか色んな発見があるんですよ。そこからイメージも湧いてきて、次の週までに自分が考えたプランの釣りをしに行く…という。

 

平田:でもYouTubeでもSNSでも、魚が釣れるポイントは公開されてないんですよね。

 

岡村:それだけはないんですよね。まあ、僕も絶対言いませんけど(笑)。

 

平田:「◯港の何時にどこで、釣れました」って言ったらポイントがバレちゃいますもんね。釣れたポイントは言いたくないけど、釣れた魚のことは自慢したい。だから、特定されないような写真を撮ってアップする。で、その写真の地面の模様とかからヒントを探し出して場所を特定するわけです(笑)。

 

岡村:「大潮のこの日に釣ってるな。この港の形...横浜だな◯◯漁港だな?!」とかね。

 

平田:分かります(笑)。

 

岡村:それと最近は、水族館にも行くようになったんです。実は先週も行ってきて……。水族館って、一般的な楽しみ方って「イルカショー」を見たり、綺麗な色の魚を見たり、ウミガメを見たり、じゃないですか。でも、僕はずっとイワシとアジを見てました。イワシとアジがどうゆう動きしてんのか、って生態を調べるんですよ。

 

平田:僕もよく行きます。魚って何かの秩序に則って動くんですよね。

 

岡村:そうなんです。僕は水族館で観察し続けて、イワシがいるときはアジはどこにいるのかとか、そういうことが分かるようになったんですよ。アジはイワシの下にいるんですよね。

 

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平田:さすが岡村さんですね。僕も今週末、水族館にいこうかな。こないだ息子が生まれたんですが、彼がもう少し大きくなったら水族館に連れて行きたいですよ。

  

岡村:いいじゃないですか。ちなみにお子さんのお名前は?

 

平田凪っていいます。

 

岡村:え、それってもしかして。

 

平田:はい、凪(なぎ)って、海が穏やかな時のあの凪です。

 

岡村:最高の名前ですね…

 

おくりバント高山あの…

 

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高山:あの、本当すみません。そろそろ、ビジネスの話、してもらっていいでしょうか(笑)。

 

平田:あ。あ。すみません。あ、はじめまして!

 

岡村え? ビジネスの話ってなんでしたっけ。

 

高山岡村さんが大好きな釣りを語るのは良いと思うんですけど、でも、僕は、釣りの話にビジネスを関連付けて語ってくれるのかなって勝手に期待していたんですが……。

 

岡村:あー。確かに言われてみればそうですね! 平田さん、どうします?

 

平田:いやでも、そろそろ僕、もう時間が…。

 

岡村:もう2時間近く喋ってましたからね…。すみません、ビジネスの話はまた今度喋りましょうよ。

 

平田:はい、すみませんがよろしくお願いします。

 

高山絶対次も釣りトークで終わるじゃん。

 

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ということで、明日釣りに行きたくなるWebメディア「ORETSURI」の編集長、平田剛士さんを迎えた「勝手にしやがれ」第39回は終幕した。皆さんは“釣り”について理解を深めることが出来ただろうか。

 

この記事を読んで、「自分も釣りをしたい」と思う方はぜひこの秋、挑戦をしてみていただきたい。

 

そして次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく。乞うご期待あれ。

 

 

取材協力:ORETSURI編集長 平田 剛士

IT企業での勤務を経て2016年10月に釣りメディアORETSURIを立ち上げる。2018年8月現在、ORETSURIは月間16万ユーザー以上がアクセスするサイトに進化。得意技は商談等でゴルフの話題になった際に、圧倒的な釣りトーク術で場を制圧すること。どこでも野宿。コンクリートの上で寝ること。だいたい上機嫌。

 

編集・構成:長橋諒

【第38回】初代バチェラー・ジャパン久保裕丈の“最近の悩み”とは。アドウェイズ岡村が立ち向かう。

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第38回。2018年は残り4ヶ月を切るもまだまだ残暑が続く9月のある日、一人の男性がアドウェイズ岡村に相談をしにやって来た。彼の名は、久保裕丈。1人の独身男性を巡って25人の女性が争う恋愛リアリティ番組「バチェラー・ジャパン」の“初代バチェラー”として出演した男である。一見、悩みなど皆無に見えそうな彼が、なぜ岡村のもとを訪れたのだろうか。そしてアドウェイズ岡村は彼の悩みを解決できるのであろうか。乞うご期待あれ。

 

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バチェラー久保:それで…。今日はちょっと岡村さんに折り入ってお話がありまして……

 

アドウェイズ岡村:ええ。そんなにかしこまらずに、何でもお話してくださいよ。

 

久保:ありがとうございます…。あの、ですね…実は……

 

(ドアをノックする音)

 

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おくりバント高山:ちょっと岡村さん…、ダメですよこんな男に近づいたら! こいつは初代・バチェラーの久保裕丈ですよ!? イケメン・セレブ・有名人の三拍子が揃った超ハイスペ野郎なんですから、話しているだけでハイスペ菌がうつります、早く逃げてください…!

 

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岡村:……。

 

高山:いやいやいやいや! どうして何も反応してくれないんですか!!! この前岡村さん、「『バチェラー・ジャパン』って番組を観たんだけど、バチェラーのあいつ、マジでやばい」って言ってたじゃないですか!

 

岡村:……。

 

高山:え? どうしちゃったんですか、もしかして岡村さん、ハイスペ菌が移っちゃったんですか……!? もう駄目なんですか!!??

 

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岡村:高山さん。お客さんの前で、菌がどうとかハイスペがどうとか……少し言葉を選んで喋って下さい。あのですね、たしかに僕は先日久保さんを「ヤバい」と言いましたが、それは高山さんのようなしょうもない「ヤバさ」ではなく、「久保さんが世の中に誤解されていてヤバい」ということなんです。

 

実は、僕らは友達なんですよ。

 

高山:ワッツ?!

 

 

初代・バチェラー久保の悩みとは

 

 

 

高山:なんだ! 岡村さんと久保さんはお友達だったんですね! 僕は久保さんが持っている膨大な資金を悪用して、「勝手にしやがれ」を乗っ取りに来たのかと思っちゃいましたよ。

 

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岡村:何を言っているんですか、高山さんは……。あのですね、番組に出ていたときに見せていた顔は、久保さんの本当の素顔じゃないんですよ。確かに資金はあるしイケメンだし、有名人かもしれませんが、実は全く違う一面を持っているんです。

 

久保:あの、実は岡村さん。それが今日、岡村さんに相談をしたかった悩みだったんです。どうしたら番組のイメージを覆すことが出来るのか、本当に分からないんです。例えばTwitterでエゴサーチをすると……

 

岡村:久保さん! それ以上は言わないで良いです。でもまあ、僕にしてみればそんな悩み、簡単に解決できますよ。久保さんは、イケメンキャラでチャラい印象が強いかもしれませんが、本当はめちゃくちゃマジメで仕事にも熱い男なんですから。

 

高山:いやそれは嘘だろ絶対マジで。

 

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バチェラー久保氏のことを疑ってやまないおくりバント高山。イケメン・セレブ・有名人が苦手である彼だが、熱狂的な「恋愛リアリティーショー」マニアであり、『あいのり』『テラスハウス』『バチェラー・ジャパン』などが配信される日は、いくら盛り上がっている飲み会でも途中で帰ってしまうらしい。

 

高山:さっき久保さんのプロフィールを改めてネットで見たのですが、東大を卒業後、コンサル会社に入社。その後独立して会社を設立し、その会社を大きくして売却。今は新しい会社を立ち上げて新規事業に勤しむ……。そしてなにより、イケメン。

 

こんな誰もが羨むスペックを持っていたら、好きなものを買い放題だし、女と遊び放題だし、仕事なんて社員に任せて家で寝てても良いんですよ? 真面目に生きる意味、全然わからないでしょ。頭の良さも遺伝なんでしょうね。本当、天才って嫌いですわ。

 

岡村:高山さん、何をそんなにイライラしているんですか? 確かに久保さんは天才であることは間違いありませんが、根っからの努力家なんです。それを知らないでモノを言わないで下さいね。

 

高山:は?

 

岡村:なんでしたっけ、高校の頃、全然勉強ができなかったんですよね?

 

久保:ええ、そうなんですよ。高校時代、すっごく成績が悪くって……。大体テストの成績はクラスのビリで、偏差値は30台後半でしたから。

 

高山:いやいや。嘘はやめましょうよ……。

 

久保:本当なんですよ。信じて下さい!

 

高山僕と同じ成績だったような人間が、東大に現役で合格なんて出来るわけないじゃないですか。嘘を付くんだったら、もう少しバレにくい嘘をついて下さいよ。

 

岡村:高山さん。それは高山さんが努力をしなかったからじゃないですか? 久保さんは高校3年生の終わり頃、本気で努力をして東大に受かったらしいんです。要するに久保さんは、努力の天才なんですよ。

 

高山:え?

 

久保:高校3年の10月の最後の模試で……、今でも覚えているのですが、物理が0点、数学は12点と散々な成績だったんです。ただその後3ヶ月、ほぼすべての時間を勉強に費やして東大に合格することができました。

 

よく、「どんな勉強をしたのか」って聞かれるんですけど、3ヶ月の間、毎日12時間ずっと勉強をしていただけなんです。要するに、“3ヶ月の壮大な一夜漬け”ですね。3ヶ月前に勉強したことって、脳がギリギリ覚えていられるんですよ(笑)。

 

高山:そんなこと、現実にあるの……?

 

久保:でも、大学に入ったら勉強したことが全部抜けてしまって、大学二年生の頃に落第することになってしまったんです。ただしこの落第は“留年”ではなく、“降年”というもので…。

 

岡村降年?

 

久保:東京大学特有のシステムで、大学2年次の冬学期から、再び1年次をやり直すことになるんです。東大って1学年3,000人程いるらしいんですけど、毎年そのうち5人くらいしか降年の対象になるやつはいないくらいで。

 

高山:ってことは要するに、これまでの人生、全部勢いで駆け上がって来たってことなんですか……?

 

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久保:あ、そういうことになりますね。

 

高山:……ちょっとこの人、意外に面白いかもしれない。

 

あれ、でも、高校三年生の終わりまで勉強していなくて、なんで東大に入ろうと思ったんですか? やっぱり女にモテるためとかですか? やっぱり“そういう”人なんですか?

 

久保:小学生の時に、中学受験をしたんですよ。その頃も成績は良くなくて、第一希望や第二希望の中学校に当然のように落ちまして。第三希望の学校もその頃の僕の成績だったら難しかったんですけど、補欠でなんとか入ったんです。

 

無事中学校に入れたのは良かったんですけど、第一希望の学校に入る人達のことを「みんなキラキラしててかっこいいな」と羨ましくてたまらなかったんですよね。今で言うコンプレックスです。その時感じた悔しさを高校3年生の終わりふと思い出して、「あ、オレ、高校生になっても結局中途半端なんだな。一番って言われているところに行けなかったら、また変にコンプレックスが残るのかな」って思ったんです。

 

なら中途半端にダラダラ過ごすよりは、死ぬ気で一番を目指そうかな、と思いまして。それがキッカケですね。

 

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高山:あ、参りました、すみません。

 

  

初代・バチェラー久保のホントのところ

 

 

岡村:このように久保さんは本当に“努力の人”なんですけど、“あの番組”に出たことにより、“誤解”を生むきっかけを作ってしまったんです。高山さんのように。

 

高山:はい、すみません。見かけで判断してました。

 

岡村:まあでも久保さんにも悪いところはあるんです。番組で本心を出さずに過ごしてていたじゃないですか。あれはいけません。そりゃあネットメディアやSNSに悪口も書かれますよ。まあ、番組に出るって難しいんでしょうけどね…

 

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岡村:で、そうなると東大、大学院、コンサル、ITベンチャー、売却、バチェラー、社長、イケメン、スポーツ万能……。

 

この辺がやっぱりメディアに取り上げられますよね。で、こうなっちゃうと世間の人って“この要素の中”から考えちゃうので、「女いっぱいいるんだろうな」「チャラいんだろうな」とか勝手にイメージを膨らませちゃうんです。勝手な想像を。

 

高山:ってことは、若い女が家に常時5人くらいいるんですか?


久保:いいえ、皆無です。

 

岡村:番組を見て久保さんをネットで調べると、どうしてもそういう“チャラいイメージ”が浮かんでしまうんですよね。でも久保さんの本当の人間性は、そうではないんですよ。

久保:確かに、初めて会った人に質問をされる際、「好きな3ツ星レストランを教えてください」とか「車は何を乗っていますか?」などを聞かれることが多いですね。僕、3ツ星レストランは1つも知らないし、車は持ってなくてドンキで買った電動チャリで移動しているくらいです。

 

高山:え、じゃあ好きな食べ物って何なんですか?

 

久保:最近、生姜焼きを作るのにハマってて…。あとファミチキは毎日食べてます。

 

高山:上京したての大学生みたいっすね。

 

岡村:でもですね、世間は久保さんの好物を生姜焼きなんて思っていないんです。そして、「生姜焼きが好き」と答えてもその回答は望まれてないんですよ。

 

高山:あー久保さん、それはちょっとかわいそうな気がする。世間が求めるイメージに合わせて生活をしなきゃいけないんですね。

 

久保:確かにそう言われてみると、そうゆうところを「求められている」のかもしれません。Instagramに寿司の写真をアップすると“いいね!”が多く付くのに、大衆居酒屋の写真は反応が悪いんですよ。

 

 

 

高山:僕的には下の写真の方が親近感湧きますけど、ネットとか番組で久保さんを知った人からすると、違和感があるんでしょうね。「シャンパンじゃないんだ! こうゆう店で飲むんだ!」って。

 

久保:いやいや、普段はこっちなんですよ本当は。寿司なんて滅多に食べに行かないんですから。

 

岡村:でもイメージ通りの自分を演出するために、色々なところに顔を出したり、芸能人とご飯を食べたりするわけですもんね。

 

久保:はい…。

 

岡村:あのですね、久保さんには、いいねを捨てる強さが必要なのかもしれません。

 

久保:いいねを捨てる……。

 

 

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バチェラー久保氏がお気に入りの街、野毛(のげ)とは横浜市中区にあるエリアのこと。約500店もの飲食店が連なり、ディープ・カルチャー・ストリートとして一部の人間に人気がある。


岡村:そんなに気にしちゃいけないんですよ、フォロワーの人たちのことなんて。例えば“生姜焼き”が好きなんであれば、いろんな店の生姜焼きをたくさんアップしていくとか、ファミチキが好きだったら色んなファミマに行って、各店舗ごとのファミチキのレビューを投稿するとか、そういう“本当の自分”っていうのを見せていくことが大切なんです。偽りの自分を好きになってもらっても、そんなに嬉しくないじゃないですか。“久保さんの本質”をみんなに見てもらいましょうよ。

 

久保:なるほど…。確かにそうですね。僕、偽りの自分を演じていたのかもしれません。


岡村:さっき僕が黒板に書いた「東大、大学院、コンサル、ITベンチャー、売却、バチェラー、社長、イケメン、スポーツ万能……」などは、別に久保さんから発信をしなくても、勝手に広まることじゃないですか。なので久保さんは、これらと関係がないことを発信していくことが大事だと思うんです。

 

久保:はい。


岡村:でもですね、あまりにも「ドンキの電チャリ」「生姜焼き」「ファミチキ」「大衆酒場」のような投稿ばかりになってしまうと、久保さんのブランディングにも響いてしまうんですよ。

 

高山:確かに。

 

岡村:現在インスタにアップしている写真って、100対0で世間が持っている久保さんのイメージじゃないですか。なので、一気に方向転換をすると「ちょっとイヤなことでもあったのかな?」「何かから逃げたいのかな?」と世間に心配されると思うんです。徐々にバランスを保ちながら、8:2くらいの割合に持っていくようにしましょう。

 

久保:はい。ちょっと頑張ってみようと思います。自分の本質、見せていきたいです……。ありがとうございます!


高山:すごい、めっちゃサクッと解決しちゃいましたね……。あ、そうだこれ、今日から俺たちでチェックしませんか? 久保さんのインスタの割合が8:2を保てているのか。


岡村:お、パトロールですね。楽しそうです。

 

久保:うわー、すみません、本当に助かります。すぐに連絡を頂ければ、バランスの修正に取り掛かります。でもあれだけ悩んでいた悩みが、こんなにアッサリ解決するなんて思いもしませんでした…

 

岡村:いえいえ。こんな些細なことで久保さんの悩みが解決出来るのであれば、お安い御用ですよ。他にも悩みがあれば、いつでも相談して下さいね。僕は久保さんの友達ですから。

 

久保:あ、もう一つあるんです。悩みというか、相談というか、聞いてほしいというか……。 

 

岡村:はい。なんでしょうか。

 

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久保:僕が代表を務める会社「CLAS」が、8月29日に家具のシェアリングサービスをスタートさせたんです。月々500円から利用でき、床の色や部屋の雰囲気に合わせて、あなただけの家具を選ぶことができるシステムで、もちろん交換・返却も自由。もっと気軽で心地よい暮らしをしてほしいなというコンセプトです。

 

「引っ越す度に必要な家具を買い換える」とよく言われますが、外身を借りるんであれば、その中身も借りる方が素直なのじゃないかなと思うんですよね。持っている家具が大きいものだったら、それに合わせて次の家を決めるのって、家具に左右されて生きているようで勿体無いじゃないですか。

 

CLASでは、一人暮らしにぴったりなコンパクトサイズから、みんなで使えるファミリーサイズまで、 幅広いライフステージに合わせた家具を取り扱っているので、どんな方にも幅広く利用していただけると思います。

 

家具を買わない生活、はじめてみませんか?

 

 

 

岡村告知じゃねーか!

 

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ということで、初代バチェラー・ジャパン久保裕丈氏を迎えた「勝手にしやがれ」第38回は無事終幕した。なお、本ブログ勝手にしやがれのコンセプトは、“アドウェイズ社長岡村がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ”であるが、第38回にして初めてユーザーの悩みを解決することとなった。

 

次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく、のか? 乞うご期待あれ。

 

 

 

 

 

編集・構成:長橋諒

【第37回】10年前、アドウェイズ岡村を救った20人の新卒社員とは〜不死鳥編〜

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第37回。7月から引き続き、猛烈な暑さが続く日本。幾つかの台風も上陸をするなど、国民にとって暮らしにくい日々が続いている。だがアドウェイズ社長の岡村はこの暑さにも台風にも負けない“熱くて激しい話”を日本中に届けたいと考えていた。前編から引き続き、自らセッティングをした飲み会の場で、岡村は自分の思いの丈を打ち明けていく。 

 

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―前回のあらすじ―

2018年7月末、アドウェイズ岡村は西新宿の某居酒屋に7人の男女を招いた。岡村曰くこの日の議題は「あきらめ」についてとのことである。集められた7人とは、アドウェイズが業績不振に陥った2007年に入社をした新卒たち、通称・キャリコン事業部の元メンバーたちだった。キャリコンのメンバーはさまざまな困難や壁に直面するも、テレアポや飛び込みなどの“営業”をし続け、がむしゃらに目標を達成していく。そうする内にキャリコンの「あきらめない」という精神が社内・社内の人間を巻き込んでいくようになったのだった。ただそんな中、アドウェイズ岡村はキャリコンの解散を決意。なぜ岡村はそのような決断に至ったのだろうか。後編で真相が明かされる。

 

 

アドウェイズ岡村:それで…。前編の続きですが……。

 

おくりバント高山:はい。前編を読んでくれていた人は、この前の続きをだいぶ待ちくたびれていると思いますよ。

 

岡村:……えっとですね、まあ色々あったんですけど。

 

高山:えっとですから……、それってどういうことですか?

 

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アドウェイズ岡村の話を早く聞きたいおくりバント高山。カラオケ練習にハマって毎日を過ごしているが、誘い過ぎて誰も行ってくれなくなり、最近は一人で行ってるらしい。尚、上達はしていない。

  

岡村:では本題に入りましょう。

 

高山さん、彼らはそもそも“テレアポ営業”をしにアドウェイズに入社してきたわけではないんですよ。そしてさっき言った通り、僕は彼らを2月に解散させることにしたんです。2月と言ったら、残り2ヶ月で4月になりますよね?

 

高山:え。あ…! ってことは要するに、次の新卒がアドウェイズに入社してくるということですね!

 

岡村:はい、正解です。その頃のアドウェイズは、新卒を雇えるくらいまで業績が立ち直ってきたんですが、新卒を入れてもキャリコンと同じような仕事をさせるわけにはいきません。要するにキャリコンも営業をひたすら続けるのではなく“普通の社員”として働かなければならなかったのです。

 

高山:なるほど。そういうことだったんですね。解散させたのって、ちゃんと意図があったんですか。

 

岡村:そりゃもちろんですよ。

 

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アドウェイズ岡村が手にしているのは、元・キャリコンメンバーとの思い出の写真。アドウェイズ岡村は辛いことや悲しいことがあると、この写真を見て元気を貰っているのだが、最近は見る頻度が多いようである。何があったのかはここでは詳しく記さない。

 

岡村:でも彼らはやっぱり諦めなくて。このチームでこれからもどうしても続けたいと言うんです。

 

高山:すごい信念っすね。

 

岡村:もう仕方ないと思い、僕は彼らに無理難題の数字の目標を出していったんですよ。この数字が達成できなかったら、即解散、と。

 

高山:おお。

 

岡村:でも、彼らはそれをやってのけるんですよね。

 

高山:怖。

 

岡村:怖いんですよ。どうしてそんなにやる気があるのか、本当に怖いんです。そこで2月になって、事情を細かく説明しました。「新しく新卒たちが入ってくるから、君たちをこのまま続けさせるわけにはいかない」と。

 

高山:はい。

 

岡村:やっと納得してもらいまして。しかも最後の2月は月の半ばに今までの達成金額の目標を出したんです。そこで達成しても解散。達成しなくても解散ということにして。「でも、やるならば全力でやれ」と指示はしましたが。

 

高山:本当に漫画みたいっすね。

 

岡村:で、月の半ばに目標を達成して解散したんです。

 

高山:すっげ。

  

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アドウェイズ岡村はこのような酒の席では基本的に「コーラ」を頼む。アルコールが入っていないので気分が悪くなったりすることは無いのだが、コーラを飲みすぎて糖分を摂取しすぎると、翌日は二日酔いになってしまうので注意が必要なのだそう。

 

岡村:でも、これには続きがあって。

 

高山:え、まだ続きがあるんですか。

 

岡村:はい。その“続きの部分”を今改めて感謝していて、今日お礼を言いたいなと思ってメンバーに来てもらったですよ。

 

高山:あ、そうだったんですか。

 

岡村:ええ。なので、ちょっとこれから……

 

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岡村:スマホをいじるの、やめてもらっても良いかな。

 

一同:あ、すみません。

 

岡村:いや、ねえ。やめてって言ってるでしょ。

 

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メンバー:すみません。メルカリで気になってた靴があって…。購入しようか迷ってました。

 

岡村:あー。そうなんだ。じゃあ仕方ないか。

 

高山:(嘘みたいに甘いな……)

 

岡村:で、僕がさっき言っていた“感謝”っていうのはですね……、当時、僕は“07ショック”のせいで、毎日借金取りに追われるような生活をしていたんですよ。

 

高山:壮絶だったと言っていましたね。

 

岡村:株を売るか、現金を用意するか。もしくは逃げるかの選択を迫られていて。極貧生活の中、会社を立て直さなきゃいけないしキャリコンを見なきゃいけない。本当に本当に逃げたかったんです。

 

高山:ええ。

 

岡村:そんな中、前編で伝えたようにキャリコンの子達は僕が出す難題をどんどんクリアしていくんですよ。その様子を見て、僕は一つ思ったことがあったんです。

 

世の中の風潮で「諦めるな」って雰囲気があるじゃないですか。でもその頃、会社の業績も良くないし、借金取りに追われてるし、プライベートも色々あって、「何を糧に諦めるなって言うんだよ」ってずっと思ってて。

 

ただキャリコンメンバーは諦めなかった。自分は諦めようとしたけど、彼らは諦めない。諦めっていうのは一番の悪ということにキャリコンメンバーに気付かされたんです。そしてそこでやっと、キャリコンメンバーにあって僕に無いものが判ったんですよ。

 

高山:おお。なんだったんですか。

 

岡村元気です。元気があれば、なんでもできる。人は元気があれば、生きられるんです。

 

高山:……確かに。

 

岡村:僕はですね、未だにマネジメントを僕に教えてくれたとのはキャリコンメンバーだと思っていて。要するに彼らが僕を社長にしてくれたんですよ。彼らがいなかったら新卒を毎年雇っていなかっただろうし、多分僕は逃げてたと思う。それくらい、本当に感謝をしているんです。

 

高山:彼らがいなかったら、僕も今ここにいなかったかもしれないですね。

 

岡村:そういうことです。会社の危機と共に色んな人の未来を救ってくれたんですよ。

 

高山:まさにアドウェイズの不死鳥ですね……、って、あれ?

 

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高山:岡村さん、君たちのことを褒めてたんだよ? ねえ、ちゃんと聞いてる?

 

一同:あ! すみません。この話、年2回多くて年5回は聞かされてるので、もう飽きちゃったんです。

 

高山:え、そうなんだ。確かに年5回は異常だと思いますけど…。

 

岡村:全然良いんですよ。単純に僕がキャリコンメンバーに感謝を伝えたいだけなので。この思い出話の時以外は、仕事には真面目に取り組むし今はアドウェイズの中核を任せているメンバーも沢山います。だから忙しい合間を縫ってこの場にいてくれるだけで良いので、スマホでゲームをしたり、メルカリで買い物をしたりしていても構わないんです。

 

なので、今後もこうやって一緒に飯を食いに行きましょう。これからも俺のことをよろしく。

 

一同:もちろんです!

 

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最後に、記念撮影をして本撮影は終了。

「勝手にしやがれ」も「アドウェイズ岡村」も、今後とも宜しくお願い致します。 

 

 次回もお楽しみに!

 

 

 

【第36回】10年前、アドウェイズ岡村を救った20人の新卒社員とは〜眠れる獅子編〜

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第36回。7月に入り、連日猛烈な暑さが続く日本。気温が40度を超えるエリアもあり、熱中症への警戒が呼びかけられる中、アドウェイズ社長の岡村もこの暑さに負けない“熱い話”を日本中に届けたいと考えていた。自らセッティングをした飲み会の場で、岡村は自分の思いの丈を打ち明けていく。

 

2018年7月某日・西新宿某居酒屋にて
 

 

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おくりバント高山:岡村さん、遅いですね……。今日ってみんな、何の集まりか知っててここに来ているんですか?

 

集まった一同:いえ、全然聞いていないんです。「ちょっと話したいことがあるから」って言われて、場所と時間だけを教えてもらってここに来ることになって…。

 

高山:あー。僕もそうなんですよ。3ヶ月ぶりの「勝手にしやがれ」だから話したいことが結構積もっていたのはわかるんですけど、こんなに大人数を集めるとは…。一体何を話したいのかな、岡村さん。

 

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「勝手にしやがれ」の連載が休んでいた3ヶ月間、おくりバント高山は今更ながら歌が下手な事に気づきカラオケ練習にハマって毎日を過ごしていた。ちなみに上達はしていない。

 

アドウェイズ岡村:遅れてすみません、お疲れ様です!

 

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岡村:ちょっと野暮用で遅くなりまして。僕から誘ったのに遅刻をするなんて、本当に申し訳ありません。謹んでお詫び申し上げます。

 

高山:いやいやそんな、頭を上げてください。ここにいる全員が気にしていないですよ。そんなことより、今日は一体なんのお話なんですか? こんな大世帯の「勝手にしやがれ」って珍しいですよね。

 

岡村:そう、そうなんです。3ヶ月振りのブログ更新にふさわしい内容をお話しようと思いまして、皆さんに集まってもらいました。今日は経営にとって一番の悪である「あきらめ」について話をします。

 

高山あきらめ…?

 

岡村:えっと、高山さんはアドウェイズ社史の中で「07ショック」と呼ばれる時期をご存知ですか。

 

高山:……はい。僕が入社する前の、アドウェイズ社内におけるひと騒動のことですよね?

 

岡村:ええ。上場後間もない2006年10月に、業績がガクンと落ちてしまったんです。これをアドウェイズでは「07ショック」と呼んでいまして。

 

高山:大変な騒ぎだったとベテラン社員に聞いた記憶があります。一応、ブログを読んでいる読者に向けて、どんな騒動かを詳しく説明していただいても良いですか?

 

岡村:もちろんです。えっと、2007年までアドウェイズの広告収入の中心となる顧客はクレジットカード会社やキャッシングカード会社だったのですが、上限金利の引き下げにより各社の広告費が半減したんですね。新入社員の大量採用を進めていたことも併せて赤字が大幅に拡大して…。新規事業の撤退や社内体制の改革だけでなく、僕自身も役員報酬を8割カットし、4畳半風呂なしアパートに移り住んだ“事件”です。

 

高山:改めて聞くと、確かに事件ですね。

 

岡村:はい。そして、先ほどチラッと話しましたが、次の年に新卒社員が70人入社する予定だったんですよ。当初はこの70人全員を既存の事業部に配属する予定でしたが、業績悪化が原因で各事業部が全員を引き受けられなくなったんです。そうなると既存事業部が新卒社員を引き受けられるのは、結局50人のみになってしまって。

 

高山:つまり、20人の新卒社員が余ってしまったんですね。

 

岡村:いえ。余ってしまった訳ではありません。“創出”です。

 

高山:創出…?

 

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烏龍茶を飲み続けるアドウェイズ岡村は、酒がなくても酔っ払える特殊な体の構造の持ち主である。食べた米を体の中で発酵させてアルコールにし、酔っ払うことができるのだそう。なお、自分で発酵しようと胃に思わせないと、体が発酵しないのだとか。

 

岡村:この新たに創出された20人をどうするのかが3月の役員会議で議論され、新規の事業部をつくることが決まりました。それが、2007年4月に設立された新事業部署「キャリアコンサルティングディビジョン」、通称「キャリコン」です。新入社員20名は、キャリコンに創出されました。

 

高山:ってなると、全員新卒の事業部ってことですか。そんな学生の寄せ集めのような集団が一事業部を担っていたなんて相当な事ですよ。

 

岡村:学生の寄せ集めではありません、創出メンバーです。そして、今ここにいる彼らたちが、キャリコンのメンバーなんです。

 

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高山:なるほど! そういうことだったんですね。

 

岡村:メンバーは20名の新卒と僕のみ。いちおうアシスタントとして、2年目の先輩が一名私の秘書として付いていましたが、実質新卒のみの、社長直属の事業部です。キャリコンへの配属先が決まった瞬間、不本意な配属先に絶望して泣き出す者もいましたから。

 

高山地獄絵図じゃないですか。

 

岡村 :会社として、こんなのあってはなりませんよね。キャリコンメンバーの初日の仕事は、泣いている仲間たちを熱い言葉で奮い立たせるという壮絶なものでしたから。「とにかくやるしかない」「俺たちならできる」と、根拠のない根性論で鼓舞することしかできませんでした。

 

高山:目を背けたくなるような光景ですね…。それで…キャリコンの皆さんは具体的にはどんな仕事をしていたんですか?

 

岡村:配布されていたフリーペーパーの求人雑誌を東京中から集めて、そこに掲載している店舗や会社にとにかく電話をしていく…。要するに“テレアポ”ですね。

 

高山:岡村さんが得意の“営業”ですか。

 

岡村:ええ。未経験の新卒たちを前に、「まずは見ておけ」と自ら受話器を取りました。僕としては、彼らの目の前で、サクッと1本目の電話でアポをとっちゃって、「へえ、テレアポって簡単なんだ」と思わせたかったんですよ。しかしこれがなかなか取れなくて、内心「やべえな」と焦りましたね。

 

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元・換気扇フィルターのプロ営業マンであるアドウェイズ岡村。「営業はテクニックではなく、売りたいっていう気持ちが必要。売ることに対して、人生を賭けているのかが大切だ」と豪語していたが、テレアポに関しては運も必要なのかもしれない。

 

岡村:その後、スタートから1ヶ月くらいで2人が辞めただけで、キャリコン事業部は走り続けていました。しかし、なかなか掲げた事業部の月間目標数字には届かなかったんです。

 

そうだよね、鈴木くん。

 

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鈴木:はい、その通りです。毎月毎月目標に届かず部署内の誰もが諦めようとしていたのですが、ある月の最終日に電話が鳴ったんです。それは出張先の岡村さんからでした。「今月達成できなかったら一生達成できないぞ。今月達成できるようにみんなでなんとかしろ」って。

 

高山:おお。

 

鈴木:そしてその日、他部署の社員に声をかけ協力してもらい、結局23時に達成したんです。達成した旨を出張先の岡村さんに伝えると、「よし、お前ら今から飲みに行け」と指示されたのを覚えてますね。

 

高山:めっちゃ良い話じゃないですか。

 

岡村:一方その頃、業績の落ちていた既存の事業部に回復の兆しが見え、人が足らなくなり始めていたんです。そうなるとキャリコンのメンバーを既存事業部に回して欲しいとなるわけで。元々はそのつもりで採用した新卒たちですし。

 

高山:チームとしてまとまってきたのに、解散の危機が訪れてしまったと。

 

岡村:そう。毎日のように「キャリコンを解散させ、こちらに人を回してもらえないか」という旨の依頼が僕の耳に入っていて。でも、ここまで頑張って来た彼らとしてもそこで解散するのは不本意っていうのも理解出来るんです。そこで、キャリコンのメンバーたちに「毎月の目標数字を達成できなかったら解散」という厳しい約束をしました。「未達=解散」ということならみんな納得するだろうと。

 

そうだったよね、腰高さん。

 

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腰高:そうですね…。解散をするかしないか、私たちは毎月崖っぷちの状態でした。ある月は、最終日に目標金額に30万くらい足りていなく、要するにこのままだと解散ってことになってしまう状況にあって。ただ「ここで諦めたくはない」とチームは団結して、私たちは夜の20時くらいから西新宿の電気がついてるオフィスに片っ端から飛び込んで行ったんですよ(笑)。

 

高山:最終日の20時に30万足りない…さすがに達成は無理じゃないですかね。

 

腰高:するとそのとき、営業の一人に1本の電話が鳴ったんです。それは、「麻雀で勝ったら契約しますよ」という話でした。

 

高山:すごい展開っすね。

 

腰高:急遽みんなで会社に集まり、麻雀が得意な社員を探しましたが、残念ながらキャリコン内にはいませんでした。そこで、麻雀が得意だという他部署のシステムエンジニアの2人を見つけて代わりに行ってもらう事にして。

 

高山:麻雀に勝てば事業部存続。負ければ即解散。なんだか漫画のクライマックスみたいですね。

 

岡村:キャリコンのメンバーみんなと僕で雀荘に行き、全員で卓を囲んで局のながれを見守りました。あの時の事は記憶に鮮明に残っています。「このゲーム、めっちゃ時間かかるな」って思ったのが大半ですが。

 

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当時のアドウェイズ岡村は麻雀のルールを一切理解しておらず、1ゲーム15分ほどで決着するものだと思っていた。長すぎる麻雀の勝負に飽きた岡村は、耐えきれず雀荘を飛び出しコンビニのアイスを食べながらその熱い夜を過ごしたという。

 

腰高:そして翌朝、麻雀に勝って契約書にサインをしてもらったんです。その時の麻雀相手が、当時のpixivの社長、現在DMM社長の片桐さんで。

 

高山:うわすっご!

 

岡村:この勝負により、キャリコンは10月も達成することとなりました。これがきっかけになって、以前までは会社の雰囲気的には「キャリコン要らなくない?」という反応だったのですが、こう毎月達成するものだから「今月達成できるのかできないのか」と会社のみんなが気にするようになってきたんですよ。

 

高山「あきらめない」という精神がキャリコンを社内・社内のみんなに知らしめたのですね。あ、ってことは、岡村さんもキャリコンを解散させたくなくなったんじゃないんですか?

 

岡村:ええ、キャリコンはその後も成績は右肩上がりでしたし、会社にもなくてはならない存在になっていて……

 

しかし年が明けた2月、僕はキャリコンを自らの手で潰したんです。

 

高山:えっえっ? どうして…?

 

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岡村:…………僕は、キャリコンが怖くなってしまったんです。

 

「あきらめない」を手に入れたキャリコンを潰す、そう思ったんです。

 

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高山:すみません、笑っちゃうくらい全然よくわからないのですが…。

 

だって岡村さん、この記事の最初に「経営にとって一番の悪であるのは、あきらめだ」って言ってたじゃないですか。彼らは諦めていないんですよ。

 

岡村:そうです。彼らは諦めていません。ただ、どうしても僕はここで潰しておかないといけないなと、そう思ったんですよ。僕を救ってくれた20人のキャリコンのみんなのためを思って。

 

それでは、その理由は、後編でお楽しみください。

 

高山:え、後編? 今回の勝手にしやがれ、後編があるんですか?

 

岡村:そりゃそうですよ。だって3ヶ月の間休載してましたからね。前編だけでは終われないです。

 

高山:うわー気になる……。

 

岡村:次回は「不死鳥編」です。楽しみに待っていてください。

 

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ということで後編は8月末に公開予定となります。

次回「不死鳥編」お楽しみに!

 

 

 

 

【第35回】入社3週間で会社を辞めたくなっている世の新入社員たちへ。アドウェイズ岡村流「石の上にも3ヶ月理論」とは

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第35回。4月も下旬に差し掛かり、夏の匂いを感じることができる季節が訪れていた。アドウェイズ社長の岡村は、前回のブログから引き続き新入社員についてなにやら言いたいことがあるようだ。新入社員はもちろん、学生もベテラン社会人も必読の内容である。

 

 

2018年4月某日・アドウェイズ社長室にて

 

 

 

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アドウェイズ岡村:高山さん、お疲れ様です。ちょっと社長室に来ていただけますか。

 

おくりバント高山:え? 岡村さん、お疲れ様です……。すみません急用でしょうか? ちょっと今手が離せなくて…。

 

岡村:急用です。どうしても今僕が世間に対して言わなければならないことがあるんです。なので、今すぐにお願いします。

 

高山:はい、わかりました。すぐに向かいます。

 

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高山:お待たせいたしました…! えっと、どうされたのでしょうか。

 

岡村:4月のこの時期。もうすぐ新入社員が会社に入社して1ヶ月が経とうとしていますよね。

 

高山:あ、はい、そうですね。それがどうかしましたか……?

 

岡村:高山さん。要するにですね、この時期「もう会社を辞めたい」という人間が出てくるということなんですよ。

 

高山:いやいやいや。それはなんでも早すぎじゃないですか? だって面接を何度もこなして苦労して入った会社を、たった1ヶ月も経たずに…。

 

岡村:いえいえ。新人研修をしている人も現場を任されている人も、この時期誰だって「自分はこの会社に合っているのか?」と自問自答する時期なんです。それが4月の後半、いわゆる「第一次辞めたい期」なんですよ。なので、この時期に差し掛かったタイミングにどうしても伝えたい内容があったので高山さんをお呼びしました。

 

高山:そ、そうだったんですね…。でも、岡村さんはそんな「1ヶ月で会社を辞めたい」なんて考える若者をどう思われているんですか? 甘い考えを持っている人はあまり好きではないですよね?

 

岡村:そんなことはありません。むしろ、辞めたいのであれば1ヶ月で辞めても良いと思っています。

 

高山:え?

 

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岡村:正直言うと僕も、何年も続いた会社ってアドウェイズ以外にないんですよ。恥ずかしい話、1ヶ月で辞めるどころかクビになった会社もありますから。布団の訪問販売の会社で働いていた頃の話です。

 

高山:そ、そうだったんですか。まさかクビになっていたとは。でもどうしてクビになったんですか?

 

岡村:その頃の僕に、布団の訪問販売という仕事が合わなかったんです。要するに、自分に合わない会社は合わないと、割り切るのが大事だと思うんですよ。

 

高山:いきなり本題に入りましたね。

 

岡村:ただ、会社って、新人が配属された部署以外にも様々な事業や役割があるんですよ。なので今いるその部署が合わないだけで、会社が合わないというわけではないかもしれません。だから、辞めたいと思う方は、社内で色々試してみた後に再考しても良いのではないでしょうか。もしかしたら自分に合うポジションがあるかもしれないのに、それを見つけてないのは勿体無いですから。

 

高山:急に今度は「いい話」になりましたね。

 

岡村:ありがとうございます。

 

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“いい話”をすることに定評があるアドウェイズ岡村。先日行われたアドウェイズ入社式でも“いい話”をして新入社員のハートをがっちり掴もうとしたのだが、思いが空回りし“とんでもなくスベった”らしい。

 

 
会社選びは、結婚相手選びと一緒である。

 

 

高山:でも、どうしてみんな辞めたくなっちゃうのでしょうか。さっきも言いましたけど、せっかく何回も面接をやって内定をとったのに。

 

岡村:これはですね。変な話、結婚相手と一緒だと思うんですよ。

 

高山:え?

 

岡村自分に合う会社を見つけることって、結婚相手を見つけることと同じようなものなんじゃないかなと思うんです。例えば、お付き合いをする前って、趣味を聞いたり好きなものや嫌いなものを確かめ合ったりと、お互いが合うのか合わないのかを探り合うじゃないですか。それは会社の面接と一緒なんですね。

 

高山:確かに。

 

岡村:でも実際に付き合ってみたら、「なんか違う」っていうのはあるじゃないですか。それをたった1ヶ月でそう思ったら、その「なんか違う」は一生変わらないんです。これも会社と一緒でして。

 

高山:感覚的に合わないと。

 

岡村:そうです、そうです。例えば足が臭いとか、服がダサいとか、連絡を返してくれないとか、そういうはっきりとした場合であればそれを直してもらうだけで良いんです。ただ感覚的に合わないとなると難しいのかなと。

 

高山:なるほど…。

 

岡村:だからですね、就職活動って本当に大事なんです。相手を見極めなきゃいけませんから。それは会社から見てもそうなんですけどね。

 

高山:でも、例えば1ヶ月で会社を辞めたとして、でもお金がないので働かなくちゃいけませんよね。そうするとまた面接をしなければならなくなりますが…。どんなところを見て判断すれば良いんですかね。

 

岡村:それはですね、相手をどう見るかというよりは、自分を見つめ直したほうが良いと思うんです。

 

高山:自分を…?

 

岡村:先ほども言いましたが、会社は結婚相手と同じ。別れた理由・会社を辞めた理由としては、結局自分にとって譲れない大事なものがあったわけじゃないですか。では、その大事なものとは一体なんなのか。自分は一体なんなのかと、改めて見つめ直す必要があるんです。

 

高山:譲れない大事なものって、すみません、全く思いつかないんですけど…。

 

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岡村:それは……居心地、ですかね。

 

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高山:居心地、ですか。 

 

岡村結婚相手も会社も、居心地が一番大事だと思うんです、あくまで僕にとってはですけど。

 

例えばですね、結婚式に着ていく洋服って年に数回しか着ないですよね。

 

高山:はい。そうですね。

 

岡村:ってなると、結婚式で着る洋服を選ぶことって、1年間で考えると大したことないんです。せっかく買ったのに1年のうちに数時間しか着ないんですから。でもソファーとか布団、ベッドって、毎日8時間くらい共にするわけですよ。人生、結構長い時間を共に過ごすんですよ。

 

高山:言われてみれば…。

 

岡村:要するに、ソファーや布団、ベッド選びのような感覚で恋人も会社も選んだほうが良いってことです。年に何度か着る洋服を選ぶ感覚ではなく、長い時間一緒に過ごすことを見込んで考えて選んだ方が長続きします。なので、自分を見つめ直して、自分にとって居心地の良い会社を探していければ良いと思うんですよ。

 

高山:めっちゃわかりやすいですね。

 

岡村:この理屈を布団の訪問販売をしているときに思いついていれば、もっと布団を売れて、クビになっていなかったかもしれませんね。

 

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「石の上にも3ヶ月」とは

 

 

高山:今の理屈の話だと、「自分を見つめ直して、居心地の良い場所を見つける」ということでしたが、会社にいるうちに自分を見つめ直しても良いのでしょうか。

 

岡村:それはもちろんです。むしろ会社を辞める前に自分を見つめ直す必要があります。この話って、「合わなかったら1ヶ月で辞めても良い。そして、自分にとって何が大事か、自分を見つめ直そう」ということなんですけど、何が大事かって20歳前後じゃ判らないんですよ。僕にとっては「居心地」ですけど。

 

だから、そう考えると答えがなくなるんです。正直な話、いろいろ試してみないとわかりませんからね。で、ここからが大切なのですが、実は1ヶ月の判断で合うか合わないか判るかというと、これも難しいんです。

 

高山:と、言うと…。

 

岡村:最初に1ヶ月で会社を辞めても構わないと言いましたが、辞めないほうが良いんですよね。一周回って、辞めないほうが良いんです。1ヶ月そこそこでは、会社も恋人も自分に合っているのかが判らないんですよ。なので、3ヶ月は様子を見てほしいなと思いますね。「石の上にも3ヶ月」という言葉があるように。

 

高山:ありましたっけ。

 

岡村:さっき僕が作りました。

 

高山:…いやでも、よく考えてみると3ヶ月って大事ですよね。我慢の時期というか。

 

岡村:はい。3ヶ月、もしくは半年過ごしたら、ある程度判ると思うんです。見えていなかった部分が好きになったり、意外な一面を見ることができたりして、苦手だった会社を好きになることもあるかもしれません。

 

なので仕事も恋人も、何年も続けていればいつか好きになる、というもんだと思うんですよね。必ずとは言えないものですけど、でもそう考えていれば少しは楽になるのではないでしょうか。それでもどうしても辞めたい時は辞めれば良いですし、また考えれば良い。固執した考えよりも、もっと楽に考えて欲しいですね。

 

高山:人生50年近く働かなくちゃいけないですもんね…。

 

岡村:はい。なので総括すると、入社3週間で辞めたくなっている新卒のみんなに向けて、「3ヶ月頑張ってみてからもう一度考えてみたら」ということを伝えたかったんです。

 

面倒臭いなあと思っても、このままだと心配だなあと思っても、3ヶ月くらいだったら我慢できると思うんですよね。大人になったら時間が進むのが早く感じると言いますけど、本当にその通りで仕事に集中していると3ヶ月なんてあっという間ですから。

 

だからもう少しだけ、頑張ってみてください。

 

高山:これは……辞めたいと思っているみんなに伝わるといいですね。

 

岡村:だと嬉しいです。

 

ということで、これからも僕は“いい話”を思いついたらどんどん発信していきますので、楽しみにしていてください。

 

高山:(急な呼び出しは辛いな……)

 

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「最近は“好きなことを仕事に”という風潮がありますが、僕だって釣りの仕事ができたら、人生幸せです。でも仕事って、相手がいることで初めて成り立つので、僕が釣りをすることで世の中に何かしらのメリットは提供できないんですよ。なので僕は仕事を好きになっていったほうが手っ取り早いのかなとも思いますね」とアドウェイズ岡村は最後に語っていた。

 

 

 

ということで「勝手にしやがれ」を次回もお楽しみに!

 

 

【第34回】毎年恒例!部下に恵まれる上司になる!新入社員を迎える先輩・上司の6つの心構え!

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第34回。東京では観測史上3番目の早さで桜が満開になるなど、春らしい陽気を迎えていた。そんな3月末であるが、アドウェイズ社長の岡村の様子がおかしい。パソコンを広げて仕事をしているのかと思いきや、自分が書いた過去のブログを見て笑っているのである。アドウェイズ岡村は、なぜそのような行動に出たのだろうか。真実はブログの最後に明かされる。

 

 

2018年3月末・アドウェイズ社長室にて
 

  

f:id:okuri_bunt:20180328144239j:plain「大事な話がある」と言って、おくりバント高山を社長室に呼んだアドウェイズ岡村。だが、あまりにも突然呼んだため、昼食のパンを食べながらの話し合いとなってしまった。


アドウェイズ岡村
:高山さん。2018年、早くももう4月ですよ。4月といえば、言わなくても分かりますよね?

おくりバント高山:そりゃもちろん、花見ですよね。桜の下で飲む酒、日本ならではの醍醐味ですもん。よろしかったら近々一緒に行きますか? 中野に絶好の花見スポットがあるんですよ。
 

f:id:okuri_bunt:20180328145041j:plain「花見のことなら誰にも負けない自信がある」と豪語する、おくりバント高山。だが、「何が、どのように、誰に負けないのか」については自分でも良くわかっていない。
 

岡村:高山さん、相変わらず何を言っているんですか。

高山:え? だって4月といえば……

岡村:4月と言えば、いよいよ新社会人達が働き始めるわけです。そんな時に花見のことしか考えていないでどうするんですか。新社会人たちを迎える僕ら上司は、ずっと浮かれているわけにはいかないんですよ。

高山:すみません。うちの会社には新入社員は入ってこないので…。

岡村:……そういう姿勢がダメなんですよ。

高山:ごめんなさい……。でも岡村さん、よく考えてみると、僕ら先輩社員だけが「迎える気持ち」を持つのではなくて、新社会人たちもこれから社会に属すために「迎えられる気持ち」を持つ必要だってあるのではないでしょうか。

岡村ちょっと待ってください、高山さん。

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岡村:それって、新人を総プリウス化しようとしてません?

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高山:そ、総プリウス化………??

 

新人を総プリウス化しようとする上司とは

 


高山:新人の総プリウス化って、どういうことですか?

岡村:新入社員を迎えた上司ってどうしても「最近の若い奴は根性がない」とか、基準に届いてない部分を見つけがちじゃないですか。

でもね、例えば自動車で「リッター3kmしか走らなくて、急斜面だとすぐ底を擦っちゃう凄くうるさい車」があったら、みんなダメな車だって思いますよね。

高山:確かにそんな車、絶対役に立たないです。

岡村:でも実はその車、ものすごい速くて、ものすごいカッコ良いんです。言うなれば、それがフェラーリじゃないですか。フェラーリでさえ、悪く言おうと思えば悪く言えちゃうんですよ

高山:な、なるほど……!! 悪いとこだけ見てたらそうなっちゃいますよね。

岡村
:日本で一番売れてるプリウスって、燃費が良くて、坂道も擦らないし、4、5人乗れてすごく便利ですよね。全ての項目で合格点を出してくる名車です。でも、プリウス以外は全部ダメな車なんですか? って話じゃないですか。

乗りこなすのは難しいけど格好良いフェラーリや、多少燃費が劣っても7人乗せられるステップワゴンを、プリウスの基準に満たないってだけで否定してやしませんか?

高山:基準以下の部分ばかり指摘して直させようとする……それが新人をプリウス化しようとする上司なんですね……!

 

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3月末現在で「今年一番のドヤ顔」を決めたアドウェイズ岡村。今年はあと何度この「ドヤ顔」を見ることができるのだろうか。これからのブログにも乞うご期待である。

岡村:上司の最初の役割って、ダメな部分を探すことじゃなく、そいつが何者なのかを特定することだと思うんですよ。まず見極めて、「あ、トラックだ」ってわかった瞬間に荷物ガンガン乗せてやるんです。

高山才能に合わせた適材適所、みたいなことですね。でもどうやって見極めれば良いんですか?

岡村:車みたいに見れば判るものじゃないので難しいですよね。でも、何かは持ってるはずなんだ。だから、こいつ自身も気づいてないことを見つけてやる!そういう感覚で色んなことをやらせてみたり、仕事以外の話もたくさんして、部下がどんな人間かを知ろうとすることが必要です。

高山:なるほど…。でも、どのくらい部下のことを知れば良いのでしょうか。

岡村:自分の部下に関する自慢話を、最低でも2時間は話せないと、僕は上司としてダメだと思うんですよ。車の良いところを語れない車屋みたいなもので、部下の良いところを語れない上司なんて職務怠慢なんですよ。

「実は今11人乗りの車を探してて」って言われた時、誰がその能力を持った人材か分からないってことじゃないですか。こいつだったらできますよって言えるくらいでないと。

 

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「僕は高山さんの自慢、4時間話せますよ」と言い、おもむろに図を描き始めるアドウェイズ岡村。

 

高山:なるほど……新入社員に一方的に基準や心構えを押し付けてるだけじゃ、上司としてはまだまだってことなんですね。

岡村:やっとわかってくれましたか。では最後に、新入社員を迎える上司として、僕が大事にしている心構え6つお伝えします。

高山:(6つも…?)

 

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上司の心構え講座、スタートです!

 

 


新入社員を迎える上司の6つの心構え
その1. 1教科の法則で部下を育てよ!

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高山:1教科の法則……ですか?

岡村:どの学校にもいる勉強が苦手な人って、だいたい全教科できてないですよね。そういう人に勉強させる方法って実は簡単で、1教科だけをめちゃくちゃ勉強させて超高得点取らせるんです。1教科でも良い点とったら嬉しいじゃないですか。そうすると、じゃあ他の教科も頑張っちゃおうかなってなるんですよ。

高山:仕事がどれも上手くできない新人も同じってことですか。

岡村:仕事ができないやつも、1個だけ強みを持てば仕事自体が楽しくなって自信もついてくるんです。自信って、できないこともできるって信じさせる力があるじゃないですか。1つ自信を持たせると、他のこともできるようになってくるんですよ。

高山:新人には、まず1個だけ頑張らせろ。わかりやすいですね。

岡村:僕の経験上、9割くらいの人は何か強みを見つけられるはずです。必ずひとつ、オリンピックで金メダル取れることがあるはずなんです。強みが判ったら、その強みを使った仕事をバンバンやらせる。そうやってそれが凄くできるようになると、弱みだった部分も強みに変えられるようになるはずです。

そして本当は強みがあるのにどうしても見つけられない残りの1割は、上司がひとつ強みを作ってあげるんです。そうすれば他の強みも見えるようになってくるはずです。



新入社員を迎える上司の6つの心構え
その2. 部下と一緒に『ランボー』を観よ!

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岡村:長所を見つける次に大事なのは信頼関係だと思います。

上司と部下って常に良いことを言い合うわけじゃないじゃないですか。「お前ここが悪いぞ」って耳の痛いことも言わなきゃいけない時に直そうって思ってもらえる信頼関係が大事かなと。

高山:その関係はどうやって作れば良いんでしょうか。

岡村:部下と一緒に『ランボー』を観に行ってください。

高山:『ランボー』ですか……?

岡村:2008年に新卒の研修を僕が担当した時、みんなで『ランボー』を観に行ったんです。その時のことってみんな今でも覚えてて、話にも出るんですよね。そうやって思い出を作ることも大切だと思うんです。

付き合ってるカップルが、映画も買い物も食事も行ったことないなんてこと、あんまりないですよね。

僕は、上司と部下って恋人や親友、家族と同じくらい大切な関係だと思うんです。だって平日の朝から晩までずっと一緒に過ごしてるわけじゃないですか。他の誰よりも時間を共有する相手なんですよ。

高山:思い出を作ろうと思うくらい、最上級の愛を持って接しろということですね!

岡村:そういうことです! しかも上司と部下は、同じ目標のもとで同じ苦しみを味わい、喜びを共有する、言わば戦友に近い関係なんですよね。

高山それを解らせたくて『ランボー』を観に行くってことですか!

岡村:そうそうそう! 部下に対してそれくらいの愛を持ち、部下の幸せを願い、良いところを引き出す。それが上司だと思うし、本気で部下の幸せを願っているならその気持ちは伝わりますから。自然と信頼関係も構築されていくはずです。

高山:まさにトラウトマン大佐とランボーの関係!!

岡村:それくらい部下を愛して幸せを願えってことですね。

高山:今日帰りに『ランボー』シリーズ全部レンタルして観ます。



新入社員を迎える上司の6つの心構え
その3. 「褒め怒り」を会得せよ!

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高山新人の叱り方とかも難しいですよね。どれくらいのさじ加減が良いのやら。

岡村:最近の新卒の傾向は、最近の幼稚園に行くとわかるんです。昔の幼稚園って「こら!おやつ食うなって言ってんだろ!」ってげんこつ食らわしたりしてたじゃないですか、そういう時代なんで。

でも今の幼稚園は「だめだよ~おやつ食べちゃ~。も~食いしん坊さんなんだから~」って言うくらいで、褒めて伸ばしてるんですよね。殴る時代から褒める時代に変わりつつあるんです

そういう褒める力を、特に昔の人こそ意識して身につけていった方が良いかなと思います。まずは褒めるところから入ると。

高山:具体的にはどう褒めて、どう怒れば良いんでしょうか。

岡村:僕が怒る時っていつも、できないことじゃなく、本来やれたはずなのにやらなかったことに怒るんです。

「お前の能力ならできるのに、なんでできなかったの?」「お前できるやつなんだからさ」「できるのにやらなかったことを怒ってるんだぞ?」って言ってたら、怒られてるんだか褒められてるんだかわからなくなってきません?

高山:怒られてるのにちょっと嬉しいですね(笑)

岡村:そうなんです。頭ごなしに怒るんじゃなくて「怒られてたはずなんだけど、なんか気持ち良かったな…」ってとこに持ってくのがコツだと思うんですよね。

高山:それなら言葉が届き易くなりそうです。

岡村:褒める時も同じことで、上手くいった時こそ「本当によくやったな。でももうちょいこうすると良かったよね。」「こっちもできるようになると良いよね。」と、認めつつアドバイスを添えるんです。調子良い時は心が開いて素直になってるので言葉が入るんですよね。

逆に失敗直後に怒るのは全然効果ないと思います。

高山:なるほど~。合わせて褒め怒りということですね。

岡村:時代は褒め怒りですよ。嘘だと思ったら幼稚園見学に行ってください。



新入社員を迎える上司の6つの心構え
その4. 怒った後は喫茶店で恋バナをせよ!

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高山:僕も岡村さんに死ぬほど怒られたことありますけど、岡村さんって一回怒ったことは二度と言わないですよね。

岡村怒った後もすごい重要だと思ってるんです。その人のやったことに対して怒っても、その人自身は絶対否定しちゃいけないと思います。

高山:罪を憎んで人を悪まずってやつですね。

岡村:でも、怒られた側の心理としては両方否定されたように感じるんですよね。だからこそ、僕は怒った後は忘れて普通の話しますね。

高山:そう、それよく話題になります! 怒られた後に普通の話されるの超気まずいんだけどってみんな言ってますよ(笑)

岡村:怒っても、お前自身を否定するってことは絶対ないぞってことを相手に示さないといけないんですよね。だからこそ、怒った直後は喫茶店に行って恋愛話なんです。

高山:確かに気まずいのも最初の30分くらいですもんね。でもなんで恋愛話なんですか?

岡村:あ〜 僕、専門分野が恋愛相談っていうか、色恋沙汰が大好きで(笑)

高山:好きですよね(笑)

岡村:仕事以外でも頼れるところがあったほうが、仕事だけの関係よりも強いっていうのもありますね。

高山:確かにそう見えるかもしれません。



新入社員を迎える上司の6つの心構え
その5. 部下とのカラオケは竹原ピストル

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高山:若い社員とカラオケ行ったりすると、ジェネレーションギャップをもろに感じちゃったりしますよね。ああいう時って何を歌えばいいんですかね。

岡村竹原ピストルですね

高山:いや、なんでですか(笑)

岡村:やっぱり僕は、上司がカラオケ行った時の役目って「あ、こんな良い歌あったんですね」って感じてもらうことだと思うんです。

高山:はぁ~、なるほど。仕事だけじゃなくて文化面においても上司たれってことですか!

岡村今流行りの歌を歌うのは若者の役割じゃないですか。上司の役割っていうのは、古すぎたりマニアックで聴いたこともない名曲を厳選して歌って、後世に伝えていくことだと思うんです。僕はそれが竹原ピストルや長渕剛の中にあると思ってます。

高山:確かに岡村さんと知り合わなかったら西新宿の親父の唄とか知ることなかったと思います(笑)でもそういう志を持つと、カラオケの選曲する時の迷いも消えますね。



新入社員を迎える上司の6つの心構え
その6. 飲ませる上司は三流と心得よ!

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岡村:若手に酒を飲ます上司っているじゃないですか。あれすごいダサいですよね。なんで若手に飲ませようとするかって言ったら、飲ませる以外に盛り上げ方を知らない人が飲ますんですよ。

高山:飲ます、脱がす、あとは嫌なイジリとかですね。

岡村:そう。せっかく居酒屋に行ったなら、上司としてめちゃくちゃ盛り上がるような楽しい話、またこの人と飲みに行きたいと思わせる話術で場を盛り上げないと絶対ダメだと思うんです。酒飲ませて盛り上げるなんて三流ですね。

高山:だいたい飲ませるやつに限って自分が飲まないんですよね。

岡村:逆に、自分が飲んで「俺こんなに飲めるんだぜ!」って盛り上げるのは最高ですよね。自分で喋って盛り上げたり、自分で飲んで盛り上げてこそ、上司として一流だと思います。尊敬できる経営者、例えばクルーズの小渕さんとかって、めちゃくちゃ面白いですもんね。

高山:小渕さん話は面白いし、お前飲めよ!とか全く言わずに自分が「うぉーー!」って飲むんですよね。こっちも、小渕さんが飲んでるなら僕も!ってなりますよね(笑)

岡村できる社長ほど、自分が飲むって法則はありますね。自分が面白いことができなくても、相手の面白い話を引き出すことはできますし。できる上司ほど人に飲ませない。これは間違い無いです。

 

***

 

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高山岡村さんが理想とする上司像が見えた気がします。大切なのは、やっぱり愛なんですね。

岡村愛ですね。弱点が沢山ある部下にも良いところがある。それを見つけたらきっと好きになるし、好きになったなら、幸せを願って成長をサポートしようと思うはずです。

そう思えたら、例え他の部署に行こうが転職しようが「やりたいことをやるべきだ」って思って支えますよね。どこかで上司が見ててくれたり、何かあったら助けてくれるって思えるのと思えないのって全然違うじゃないですか。

高山:そうやって育った部下が、今度は上司のことを助けてくれたりもしますよね。僕も、アドウェイズに入社した時の部下に、おくりバントのピンチを救ってもらったことがあります。後輩や部下が、上司を支えてくれてもいるんですよね

岡村:ほんとにそうですね。一生上司のつもりで幸せを願う。6つの心構えを紹介しましたけど、これが新入社員を迎える上司にとって一番大切な気持ちだと思います。

高山:愛ある上司のもとでは新人一人ひとりが優秀な人材に育っていく。それこそが「部下に恵まれる」ということなのかもしれませんね。 僕ももし今後、新入社員を迎える時は、まず得意分野を見つけるところから始めようと思います! 

岡村:お互い理想の上司目指して頑張りましょう! 

高山:はい! ちなみに、さっきから思っていたんですけど、僕の勘違いだったら申し訳ないんですけど、この話って去年しませんでしたっけ?
 
岡村:え…………?

高山:まるっきり同じ話をした気がしていて…。僕の勘違いですかね…。

岡村:……バレちゃいました?

高山:やっぱり……。

岡村:あのですね、どうしてもこの話、このタイミングでもう一度したかったんですよ。

高山:と、言いますと…

 

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岡村
:昨今、社会において「働き方」に関する様々な問題が出ているじゃないですか。僕ら上司である立場の人間は、それらを解決しなければならないし、部下が働きやすい環境作りを作ることは上司の責任なんですよ。

 

高山:そうですね。


岡村:僕だって高山さんだって、今は社長ですけど20年前は新入社員だった頃もあるわけじゃないですか。ただ、新入社員が入ってくるこの時期くらいは、自分自身を振り返る時間を作っても良いのではないかと思っていて。

 

なので、この記事をキッカケに、上司である人たちに“初心は大事”だということを伝えたいんです。

高山:そういうことって、すぐに忘れちゃいますもんね……。

 

岡村:“部下”という仲間たちに支えられて、会社が成り立つんです。そのことを、上司という立場にある人はしっかり踏みしめて仕事をしていって欲しいなと、そう思うんですよ。

 

念押しですけど、これは本当に大事なこと。なので、僕は毎年この内容をブログに書きたいと思っています。

高山:すごい。そういうことだったんですね。聞いたことある話をされていたので、岡村さん今日疲れているのかなと思ってましたよ。

 

岡村:もう何年も一緒に働いているんですから、もう少し僕の気持ちを理解して下さいよ。僕の良いところ、高山さんは2時間話せますよね?

 

高山:2時間どころか、8時間話し続けれるよう、努力します。

 

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ということで、今年度も「勝手にしやがれ」をよろしくお願いします!!
 
次回もお楽しみに!

バレンタインデーにチョコをあげるのは禁止!チョコを欲しがる男性にアドウェイズ岡村が一喝

アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第33回。あっという間に一年の1/12が過ぎ、記録的に寒かった冬もそろそろ終わりに近づいているが、春の前に大きなイベントが控えていた。何を隠そう、それは「バレンタインデー」である。アドウェイズ社長の岡村はそんな国民的行事「バレンタインデー」について、読者の皆さんに向けて何か言いたいことがあるようだ。昨今の世の中では「義理チョコ」についての議論がなされているが、アドウェイズ岡村は何を語るのか。乞うご期待。

 

2018年2月某日・アドウェイズ社長室にて

 

 

おくりバント高山:岡村さん。なんで今年のバレンタインデー、アドウェイズは禁止なんですか!?

 

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「バレンタインデーにチョコレートを渡す文化はこれからも存在すべきだ」と、アドウェイズ岡村に迫るおくりバント高山。チョコレートのことを愛してやまない高山だが、最近は「ラーメン二郎」の良さにも改めて気付いたそうで、週五回通うほどハマっているようだ。

 

アドウェイズ岡村:高山さん……。相変わらず何を言っているのかがわかりません。

 

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おくりバント高山の問いに、呆れた面持ちで反応をするアドウェイズ岡村。チョコレートは週に一度必ず食べるほど好きらしいのだが、それは中学生からの習慣であり、特にハマってはいないという。もちろん「ラーメン二郎」にもハマってはいない。

 

高山:この前会社の女性社員に「来週はバレンタインデーだから、チョコレートちょうだいね」とおねだりをしたら、「アドウェイズはバレンタインデーにチョコをあげるのは禁止ですよ?」って言われたんですよ! 岡村さん、なんでアドウェイズはそんなことになったんですか!

 

岡村:はあ……。高山さん。もう、2年前からですよ。うちの会社がバレンタインデーでチョコを渡すことを禁止しているのは。

 

高山:え? なんですかそれ。本当……ですか?

 

岡村:高山さんは「半年経つと過去の記憶がどこかにいってしまうんです」って自分で言っていたじゃないですか。そのせいでもう忘れているんですよ。

 

高山:え……。僕、そんなこと言いましたっけ?

 

岡村:ほら、忘れてる。

 

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「ホワイトデーの時、チョコを貰っていない人にもお返しをすると、自然に次の年にチョコを貰えるようになる」と自論を展開するおくりバント高山。おくりバント高山はそこまでするくらいバレンタインデーにチョコレートが欲しいのである。

 

高山:僕の記憶が飛んでいることはもう良しとして、なぜ2年前からアドウェイズはバレンタインデーにチョコをあげるのを禁止にしたんですか? 岡村さん、バレンタインデーに何か恨みでもあるんですか?

 

岡村:あのですね、高山さんって、女性の気持ちをちゃんと考えたことはあるんですか?

 

高山:日々、考えているつもり……なのですが。

 

岡村:じゃあどうして答えがわからないんですか。

 

高山:すみません…。

 

岡村:簡単に説明すると、バレンタインデーは、女性の負担が本当に大きいんですよ。

 

正月があけたら「あけましておめでとう」、仕事が終わったら「お疲れ様」。それと同じように「バレンタインデーにはチョコをあげる」と、世の中は自然にそうなっています。

 

特に会社で働く社会人の場合は、渡すチョコが相当な量になるじゃないですか。上司だけに渡すといっても「じゃあ上司ってどこまで?」とか、「あの人に渡すんだったらあの人にも渡さないと」など、バレンタイン前の女性って考えなければならないことが多いと思うんですよ。

 

それって女性にとってすごく負担ですよね。仕事のパフォーマンスも落ちるだろうし。なので、業務以外で変な気は使わせたくないという理由で禁止にしたんです。

 

高山:そう、だったんですね。

 

岡村:かの有名な「サイバーエージェント」もバレンタインデーにチョコをあげるのを禁止にしてるみたいですよ。

 

高山:え、そうなんですか。

 

岡村:はい。なのでこの記事を読んだ人は、ぜひ来年からバレンタインデーの日にチョコレートを配る風習を無くしていくきっかけにして欲しいと思います。

 

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「サイバーエージェント藤田社長の考えは俺の考えと通じるものがある」と勝手に思っている岡村だが、サイバーエージェントの採用には3度落ちている。

 

岡村:でもね、バレンタインデーにプレゼントを渡すという文化は世の中的にはあっても良いと僕は思うんですよ。「義理チョコを贈る風習」っていうことが面倒くさいだけなのであって。経済的にも意味がある日だと思いますし。

 

ただ……、送るものが「チョコレート」に限定されていることに僕は異論を唱えたいと思っていまして。

 

 

高山:え?

 

 

女性はなにを貰ったら嬉しいのか?

 

 

岡村:僕の考えですが、日本人は「ダイエット」をしている人が多いじゃないですか。で、ダイエットをしている人に、チョコレートのような糖質の塊を食えっていうのはいかがなものかと思うんです。

 

高山:確かに……。

 

岡村:この場合、プレゼントをする側は男性・女性どちらでも構わないのですが……、嫌がるものをあげるのって、本当に良くないんですよ。「日本人は甘いものが好き」という風潮はありますが、そこには必ず配慮が必要で。なんでもあげたら良いってものではありません。

 

高山:それじゃあ、何をプレゼントしたら良いんでしょうか?

 

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岡村「ささみ」ですね。

 

高山:「ささみ」……?

 

岡村:はい、鳥のささみです。しかもスーパーでは売っていない高価な鳥のささみ。美味しいし、糖質も少ないし、様々な料理にも使える。


例えば女性にシャンプーや服、香水など、いかにも「女性が好きそうなモノ」をプレゼントしようとするじゃないですか。でも良く考えてみてください、女性はそれぞれ趣味嗜好が違うので、気に入ってもらえない場合が良くあるんですよ。

 

でもささみは大抵の人間に気に入ってもらえます。冗談のように思われるかもしれませんが、僕はバレンタインデーにささみをプレゼントし、うまくいったことが6回もありますから。

 

高山:すごいですね……。


岡村:ただ誕生日やクリスマスなど、バレンタインデーより大きなイベントにおいては、ささみは許されません。

 

高山:確かに「誕生日にささみ」って、お金がかかっていないように思われますもんね。そう考えると、誕生日やクリスマスには何をプレゼントしたほうが良いんでしょうか?

 

岡村:彼女や奥さん、好きな人に「何が欲しいの?」と聞いても、女性はそう簡単に答えてくれませんよね。「あんまり高いものを言っても良くない。けど安すぎるものもプライドを傷つけてしまうかも」と思うからです。


でもそれには解決方法がありまして。それは……

 

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岡村:決め打ちです。

 

高山:決め打ち……?


岡村:高山さん、女性が欲しがるものって、僕が思うにバッグかアクセサリーかの2択で決まっていると思うんですよ。

 

高山:…?

 

岡村:その二つの中で、今年はどっちをプレゼントするのかというだけの話なんです。要するに「俺は今年はバッグをプレゼントしたい」と、イベントの数週間前に宣言をします。

 

その上で、バッグであればどんなサイズが気になるのかを聞きます。大きなサイズが気になるのか、中くらいが良いのか、それとも小さいものが欲しいのか。

 

その情報があれば完璧です。「サイズは分かったけど、色や柄には好みがあるから、一緒に買いに行こう」と伝えるだけですから。


高山:かなり効率的ですね。

 

岡村:また、プレゼントの金額ですが、僕のルールであれば社会人は「月収×10%」を守るべきだと思っています。

 

高山:30万円だったら3万円分のプレゼントってことですね。

 

岡村:はい。ただここで間違えてはいけないのは、手取りではなく額面での月収ということです。男たるもの、好きな人へのプレゼントに税金を乗っけてはいけませんから。

 

高山:男たるもの、細かいことを気にするなと。

 

岡村:そういうことです。

 

バレンタインデーは男からささみをプレゼントし、誕生日やクリスマスには決め打ちでバッグかアクセサリーを渡す。これだけを覚えておけば、もうイベントごとは怖くありません。ぜひ男性読者の皆さんには実践して欲しいですね。

 

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バレンタインデーのお返しには、昔から「明太子」を渡していると語るアドウェイズ岡村。「みんなお返しにチョコを貰うので、明太子は差別化です。甘いものの中にしょっぱいものがあったら嬉しいですしね」と話していた。これもまた岡村が描く「男たるもの」の象徴である。

 

 

高山:記事公開がバレンタインデーだから、みんなが実践できるのは来年ですね。

 

岡村:来年もこのブログが続いていたら、その時にもう一度告知しましょう。

 

高山:(続いていると良いな……)

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

編集・構成:長橋諒

写真:morimi