アドウェイズ社長の岡村陽久が、ユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ、第38回。2018年は残り4ヶ月を切るもまだまだ残暑が続く9月のある日、一人の男性がアドウェイズ岡村に相談をしにやって来た。彼の名は、久保裕丈。1人の独身男性を巡って25人の女性が争う恋愛リアリティ番組「バチェラー・ジャパン」の“初代バチェラー”として出演した男である。一見、悩みなど皆無に見えそうな彼が、なぜ岡村のもとを訪れたのだろうか。そしてアドウェイズ岡村は彼の悩みを解決できるのであろうか。乞うご期待あれ。
バチェラー久保:それで…。今日はちょっと岡村さんに折り入ってお話がありまして……
アドウェイズ岡村:ええ。そんなにかしこまらずに、何でもお話してくださいよ。
久保:ありがとうございます…。あの、ですね…実は……
おくりバント高山:ちょっと岡村さん…、ダメですよこんな男に近づいたら! こいつは初代・バチェラーの久保裕丈ですよ!? イケメン・セレブ・有名人の三拍子が揃った超ハイスペ野郎なんですから、話しているだけでハイスペ菌がうつります、早く逃げてください…!
岡村:……。
高山:いやいやいやいや! どうして何も反応してくれないんですか!!! この前岡村さん、「『バチェラー・ジャパン』って番組を観たんだけど、バチェラーのあいつ、マジでやばい」って言ってたじゃないですか!
岡村:……。
高山:え? どうしちゃったんですか、もしかして岡村さん、ハイスペ菌が移っちゃったんですか……!? もう駄目なんですか!!??
岡村:高山さん。お客さんの前で、菌がどうとかハイスペがどうとか……少し言葉を選んで喋って下さい。あのですね、たしかに僕は先日久保さんを「ヤバい」と言いましたが、それは高山さんのようなしょうもない「ヤバさ」ではなく、「久保さんが世の中に誤解されていてヤバい」ということなんです。
実は、僕らは友達なんですよ。
高山:ワッツ?!
高山:なんだ! 岡村さんと久保さんはお友達だったんですね! 僕は久保さんが持っている膨大な資金を悪用して、「勝手にしやがれ」を乗っ取りに来たのかと思っちゃいましたよ。
岡村:何を言っているんですか、高山さんは……。あのですね、番組に出ていたときに見せていた顔は、久保さんの本当の素顔じゃないんですよ。確かに資金はあるしイケメンだし、有名人かもしれませんが、実は全く違う一面を持っているんです。
久保:あの、実は岡村さん。それが今日、岡村さんに相談をしたかった悩みだったんです。どうしたら番組のイメージを覆すことが出来るのか、本当に分からないんです。例えばTwitterでエゴサーチをすると……
岡村:久保さん! それ以上は言わないで良いです。でもまあ、僕にしてみればそんな悩み、簡単に解決できますよ。久保さんは、イケメンキャラでチャラい印象が強いかもしれませんが、本当はめちゃくちゃマジメで仕事にも熱い男なんですから。
高山:いやそれは嘘だろ絶対マジで。
バチェラー久保氏のことを疑ってやまないおくりバント高山。イケメン・セレブ・有名人が苦手である彼だが、熱狂的な「恋愛リアリティーショー」マニアであり、『あいのり』『テラスハウス』『バチェラー・ジャパン』などが配信される日は、いくら盛り上がっている飲み会でも途中で帰ってしまうらしい。
高山:さっき久保さんのプロフィールを改めてネットで見たのですが、東大を卒業後、コンサル会社に入社。その後独立して会社を設立し、その会社を大きくして売却。今は新しい会社を立ち上げて新規事業に勤しむ……。そしてなにより、イケメン。
こんな誰もが羨むスペックを持っていたら、好きなものを買い放題だし、女と遊び放題だし、仕事なんて社員に任せて家で寝てても良いんですよ? 真面目に生きる意味、全然わからないでしょ。頭の良さも遺伝なんでしょうね。本当、天才って嫌いですわ。
岡村:高山さん、何をそんなにイライラしているんですか? 確かに久保さんは天才であることは間違いありませんが、根っからの努力家なんです。それを知らないでモノを言わないで下さいね。
高山:は?
岡村:なんでしたっけ、高校の頃、全然勉強ができなかったんですよね?
久保:ええ、そうなんですよ。高校時代、すっごく成績が悪くって……。大体テストの成績はクラスのビリで、偏差値は30台後半でしたから。
高山:いやいや。嘘はやめましょうよ……。
久保:本当なんですよ。信じて下さい!
高山:僕と同じ成績だったような人間が、東大に現役で合格なんて出来るわけないじゃないですか。嘘を付くんだったら、もう少しバレにくい嘘をついて下さいよ。
岡村:高山さん。それは高山さんが努力をしなかったからじゃないですか? 久保さんは高校3年生の終わり頃、本気で努力をして東大に受かったらしいんです。要するに久保さんは、努力の天才なんですよ。
高山:え?
久保:高校3年の10月の最後の模試で……、今でも覚えているのですが、物理が0点、数学は12点と散々な成績だったんです。ただその後3ヶ月、ほぼすべての時間を勉強に費やして東大に合格することができました。
よく、「どんな勉強をしたのか」って聞かれるんですけど、3ヶ月の間、毎日12時間ずっと勉強をしていただけなんです。要するに、“3ヶ月の壮大な一夜漬け”ですね。3ヶ月前に勉強したことって、脳がギリギリ覚えていられるんですよ(笑)。
高山:そんなこと、現実にあるの……?
久保:でも、大学に入ったら勉強したことが全部抜けてしまって、大学二年生の頃に落第することになってしまったんです。ただしこの落第は“留年”ではなく、“降年”というもので…。
岡村:降年?
久保:東京大学特有のシステムで、大学2年次の冬学期から、再び1年次をやり直すことになるんです。東大って1学年3,000人程いるらしいんですけど、毎年そのうち5人くらいしか降年の対象になるやつはいないくらいで。
高山:ってことは要するに、これまでの人生、全部勢いで駆け上がって来たってことなんですか……?
久保:あ、そういうことになりますね。
高山:……ちょっとこの人、意外に面白いかもしれない。
あれ、でも、高校三年生の終わりまで勉強していなくて、なんで東大に入ろうと思ったんですか? やっぱり女にモテるためとかですか? やっぱり“そういう”人なんですか?
久保:小学生の時に、中学受験をしたんですよ。その頃も成績は良くなくて、第一希望や第二希望の中学校に当然のように落ちまして。第三希望の学校もその頃の僕の成績だったら難しかったんですけど、補欠でなんとか入ったんです。
無事中学校に入れたのは良かったんですけど、第一希望の学校に入る人達のことを「みんなキラキラしててかっこいいな」と羨ましくてたまらなかったんですよね。今で言うコンプレックスです。その時感じた悔しさを高校3年生の終わりふと思い出して、「あ、オレ、高校生になっても結局中途半端なんだな。一番って言われているところに行けなかったら、また変にコンプレックスが残るのかな」って思ったんです。
なら中途半端にダラダラ過ごすよりは、死ぬ気で一番を目指そうかな、と思いまして。それがキッカケですね。
高山:あ、参りました、すみません。
岡村:このように久保さんは本当に“努力の人”なんですけど、“あの番組”に出たことにより、“誤解”を生むきっかけを作ってしまったんです。高山さんのように。
高山:はい、すみません。見かけで判断してました。
岡村:まあでも久保さんにも悪いところはあるんです。番組で本心を出さずに過ごしてていたじゃないですか。あれはいけません。そりゃあネットメディアやSNSに悪口も書かれますよ。まあ、番組に出るって難しいんでしょうけどね…
岡村:で、そうなると東大、大学院、コンサル、ITベンチャー、売却、バチェラー、社長、イケメン、スポーツ万能……。
この辺がやっぱりメディアに取り上げられますよね。で、こうなっちゃうと世間の人って“この要素の中”から考えちゃうので、「女いっぱいいるんだろうな」「チャラいんだろうな」とか勝手にイメージを膨らませちゃうんです。勝手な想像を。
高山:ってことは、若い女が家に常時5人くらいいるんですか?
久保:いいえ、皆無です。
岡村:番組を見て久保さんをネットで調べると、どうしてもそういう“チャラいイメージ”が浮かんでしまうんですよね。でも久保さんの本当の人間性は、そうではないんですよ。
久保:確かに、初めて会った人に質問をされる際、「好きな3ツ星レストランを教えてください」とか「車は何を乗っていますか?」などを聞かれることが多いですね。僕、3ツ星レストランは1つも知らないし、車は持ってなくてドンキで買った電動チャリで移動しているくらいです。
高山:え、じゃあ好きな食べ物って何なんですか?
久保:最近、生姜焼きを作るのにハマってて…。あとファミチキは毎日食べてます。
高山:上京したての大学生みたいっすね。
岡村:でもですね、世間は久保さんの好物を生姜焼きなんて思っていないんです。そして、「生姜焼きが好き」と答えてもその回答は望まれてないんですよ。
高山:あー久保さん、それはちょっとかわいそうな気がする。世間が求めるイメージに合わせて生活をしなきゃいけないんですね。
久保:確かにそう言われてみると、そうゆうところを「求められている」のかもしれません。Instagramに寿司の写真をアップすると“いいね!”が多く付くのに、大衆居酒屋の写真は反応が悪いんですよ。
高山:僕的には下の写真の方が親近感湧きますけど、ネットとか番組で久保さんを知った人からすると、違和感があるんでしょうね。「シャンパンじゃないんだ! こうゆう店で飲むんだ!」って。
久保:いやいや、普段はこっちなんですよ本当は。寿司なんて滅多に食べに行かないんですから。
岡村:でもイメージ通りの自分を演出するために、色々なところに顔を出したり、芸能人とご飯を食べたりするわけですもんね。
久保:はい…。
岡村:あのですね、久保さんには、いいねを捨てる強さが必要なのかもしれません。
久保:いいねを捨てる……。
バチェラー久保氏がお気に入りの街、野毛(のげ)とは横浜市中区にあるエリアのこと。約500店もの飲食店が連なり、ディープ・カルチャー・ストリートとして一部の人間に人気がある。
岡村:そんなに気にしちゃいけないんですよ、フォロワーの人たちのことなんて。例えば“生姜焼き”が好きなんであれば、いろんな店の生姜焼きをたくさんアップしていくとか、ファミチキが好きだったら色んなファミマに行って、各店舗ごとのファミチキのレビューを投稿するとか、そういう“本当の自分”っていうのを見せていくことが大切なんです。偽りの自分を好きになってもらっても、そんなに嬉しくないじゃないですか。“久保さんの本質”をみんなに見てもらいましょうよ。
久保:なるほど…。確かにそうですね。僕、偽りの自分を演じていたのかもしれません。
岡村:さっき僕が黒板に書いた「東大、大学院、コンサル、ITベンチャー、売却、バチェラー、社長、イケメン、スポーツ万能……」などは、別に久保さんから発信をしなくても、勝手に広まることじゃないですか。なので久保さんは、これらと関係がないことを発信していくことが大事だと思うんです。
久保:はい。
岡村:でもですね、あまりにも「ドンキの電チャリ」「生姜焼き」「ファミチキ」「大衆酒場」のような投稿ばかりになってしまうと、久保さんのブランディングにも響いてしまうんですよ。
高山:確かに。
岡村:現在インスタにアップしている写真って、100対0で世間が持っている久保さんのイメージじゃないですか。なので、一気に方向転換をすると「ちょっとイヤなことでもあったのかな?」「何かから逃げたいのかな?」と世間に心配されると思うんです。徐々にバランスを保ちながら、8:2くらいの割合に持っていくようにしましょう。
久保:はい。ちょっと頑張ってみようと思います。自分の本質、見せていきたいです……。ありがとうございます!
高山:すごい、めっちゃサクッと解決しちゃいましたね……。あ、そうだこれ、今日から俺たちでチェックしませんか? 久保さんのインスタの割合が8:2を保てているのか。
岡村:お、パトロールですね。楽しそうです。
久保:うわー、すみません、本当に助かります。すぐに連絡を頂ければ、バランスの修正に取り掛かります。でもあれだけ悩んでいた悩みが、こんなにアッサリ解決するなんて思いもしませんでした…
岡村:いえいえ。こんな些細なことで久保さんの悩みが解決出来るのであれば、お安い御用ですよ。他にも悩みがあれば、いつでも相談して下さいね。僕は久保さんの友達ですから。
久保:あ、もう一つあるんです。悩みというか、相談というか、聞いてほしいというか……。
岡村:はい。なんでしょうか。
久保:僕が代表を務める会社「CLAS」が、8月29日に家具のシェアリングサービスをスタートさせたんです。月々500円から利用でき、床の色や部屋の雰囲気に合わせて、あなただけの家具を選ぶことができるシステムで、もちろん交換・返却も自由。もっと気軽で心地よい暮らしをしてほしいなというコンセプトです。
「引っ越す度に必要な家具を買い換える」とよく言われますが、外身を借りるんであれば、その中身も借りる方が素直なのじゃないかなと思うんですよね。持っている家具が大きいものだったら、それに合わせて次の家を決めるのって、家具に左右されて生きているようで勿体無いじゃないですか。
CLASでは、一人暮らしにぴったりなコンパクトサイズから、みんなで使えるファミリーサイズまで、 幅広いライフステージに合わせた家具を取り扱っているので、どんな方にも幅広く利用していただけると思います。
家具を買わない生活、はじめてみませんか?
岡村:告知じゃねーか!
ということで、初代バチェラー・ジャパン久保裕丈氏を迎えた「勝手にしやがれ」第38回は無事終幕した。なお、本ブログ勝手にしやがれのコンセプトは、“アドウェイズ社長岡村がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ”であるが、第38回にして初めてユーザーの悩みを解決することとなった。
次回もアドウェイズ岡村がユーザーの悩みに答えていく、のか? 乞うご期待あれ。
編集・構成:長橋諒