アドウェイズ社長の岡村陽久がユーザーの悩みや疑問に答える人生相談シリーズ。記念すべき第20回は『勝手にしやがれ』のこれまでを振り返る回。アドウェイズ岡村がブログに込めたのはどんな想いだったのか……。奇しくも本日2月28日で設立16周年となるアドウェイズ岡村流、新しいことの始め方にも迫ります。
株式会社おくりバント社長。20回記念でかなりハシャいでいる。
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高山:『勝手にしやがれ』20回、おめでとうございます!!
岡村:ありがとうございます!これも全て読者の皆様のおかげです。
高山:社長ブログって続かない傾向があるので、20回を迎えられて感無量です!
岡村:高山さんも、これからもよろしくお願いします!
高山:はい!!
高山:めでたいですなぁ!
岡村:はっはっは
岡村:……高山さん。ちょっと、屋上いきましょうか。
高山:えっ……イヤです。
岡村:浮かれるのもわかりますけど、初心忘るべからずですよ。区切りの回ですし、これまでを振り返りませんか。屋上で。
岡村:ほら行きますよ。
高山:な、なんで屋上なんですか……?
高山:ぼく殴られたりするんですか? 岡村さん……?
岡村:……到着です。
高山:こ、これは……
高山:なにこれすげー!!
岡村:そうでしょう、こんなのはじめてでしょう!
高山:ほんとにすっげー眺めですね!新宿の街を一望できますよ!!
岡村:どうです、この屋上なら格好良い写真が撮れそうでしょう。
高山:あっ、 そういうこと!?
高山:これまでで一番印象に残ってる回はありますか。
岡村:やっぱり第1回の、サイバー藤田社長炎上問題の回ですね。
高山:サイバーエージェントの藤田社長が炎上して、岡村さんが「見てらんねえ」と。あれが全ての始まりでしたね。
岡村:物事の片面だけを見て批判する風潮に対して、逆にもう半面を見て肯定をしたいなと思ってブログを始めたんです。
高山:確か炎上の記事が出てすぐに、LINEで「やろう」って連絡がありましたよね。
岡村:あの記事読んで、僕ほんとに許せなかったんです。藤田社長のことを何にも知らない奴が、言葉尻だけでなんでそんなに批判できるんだと。藤田社長がどんな気持ちだったかわかるのかと。まぁ僕も何も知らないわけですけど(笑)
高山:批判してる側も勝手な解釈で言っていて、岡村さんも勝手な解釈で擁護する。同じ勝手なら人を叩かない方がいいよね、ということですね。
岡村:それでタイトルを『勝手にしやがれ』に決めたんですよね。そういう見方も広がって欲しいと思ってブログをやっています。
高山:ブログも即決でしたけど、普段から新しいことをすぐに始められるタイプなんですか?
岡村:何かをやりたい気持ちがあってやらなかったことは一度もないですね。調べた結果あんまり面白くなさそうだなと思ってやらないことはありますけど、面白そうだなと思ったら絶対にやります。
高山:昔からそうだったんでしょうか。
岡村:第7回で登場してもらった近畿設備時代の僕の上司、西村所長がいつも「思い立ったが吉日」と言っていた影響も大きいと思います。
自分で会社をやりたいと思い始めた頃、西村所長に相談したんです。そうしたら所長は「思い立ったなら、吉だ。そう思ったならすぐやれ、すぐ行け」って送り出してくれました。あの時の言葉は忘れません。
寒空の下、近畿設備時代に思いを馳せるアドウェイズ岡村。
高山: じゃあ何事もすぐに始めた方がいいってことでしょうか。
岡村:僕はタイミングは今じゃなくても、明日でも、3ヶ月後でも、半年後でもいいと思ってます。でも、やりたいと思ってる以上は絶対にやるべきです。
高山:必ずやることが大切ということですね。でも、新しいことを始めるって多くの人にとっては大変なことじゃないですか。失敗も怖いですし。
岡村:始めるかどうかっていうのは、やる、やらないの判断ですよね。僕は、なんでやらないんだと思いますよ。リスクなんて、僕は「ない」って思ってます。
高山:でも、失敗したら最悪ですよ。会社だったら損害が出ますし、周りからの目もあって情けないし。やらなければそういう目にも遭わないわけですから、やるリスクは高いですよね。
岡村:確かにそうです。でもリスクを小さく始めることはできるはずです。
僕は高校中退して社会に出たので、それをリスクと思わなかったのかよく訊かれます。でも僕は一切のリスクだと思わなかったんですよ。
高山:え、リスクって思わなかったんですか?
岡村:実は僕、高校やめる前に本屋に行ったんです。本屋に行って、大学入学資格検定の問題集にざっと目を通した時に、あ、これは全部解けるなと思ったんです。
何かが失敗したかどうかって1年か2年で判ると思うんです。当時僕は高1だったので、社会で失敗して2年後に学生に戻ろうと思ったら、大検受けて大学受験すればみんなと一緒です。仮にそれが1、2年遅れたとしても大学院行ったと思えばいいじゃないですか。
高山:学生はまだ思い切れるかもしれませんけど、社会人の転職や起業には色んなリスクがありそうですよね。
岡村:実際にどんなリスクがあんのかって話なんです。例えば一流企業に3年勤めていて、起業しようか迷っている。失敗するかもしれないし、退職は大きなリスクだと思っている。 それ、ほんとにリスクですか?
高山:それは流石にリスクじゃないですか。
岡村:全然リスクじゃないんです。むしろこの場合はメリットしかありません。
だって大手に3年いたんですよ。起業の失敗だって2年でわかるじゃないですか。2年頑張ってダメでもまた転職すればいい。大手に5年いた人間と、大手に3年いて起業2年した人間だったら、起業したやつのほうが経験豊富な人材です。だから起業が失敗しても実はメリットなんです。
何かを始めるにあたってみんながリスクだと思うことの大半って、実はリスクじゃないんですよ。
高山:はぁ~、実はリスクじゃない……!
高山:そういう考え方はどうやったらできるんでしょう。
岡村:もちろん僕も、何かを始める時の一次反応はみんなと同じでリスクだと思います。でもすぐに、何が本当のリスクなのかを考えるんですよね。そうすると必ず、そのリスクってのが実は考えればゼロにできたり、10分の1に減らすこともできるものだと判ってくるはずです。
高山:失敗のリスクは分析すれば軽減できる、と。でも周りの目っていうリスクもありますよね。やっぱり失敗したって親とか友達とか同期とかから見られるのは無視できないリスクじゃないですか。
岡村:全くリスクじゃないですね。それって表面的な話じゃないですか。
高山:でも普通の人にとってかなり怖いことだと思います。
岡村:それは、そもそも誰のために生きてるのかっていう、根本的なところが違うと思いますね。
高山:はっ……!
岡村:親のために生きてるんだったら、親が安心する会社に行って、親が安心する人と結婚して、親が安心する場所に住めばいいじゃないですか。それは正しいと思います。友達のために生きているなら友達が喜んでくれることをすればいいと思うんです。
でも、そのためにみんな生きてるんですかって話じゃないですか。
高山:ほんとは違うはずですよね。
岡村:まったく違いますよ。自分のためでしょう。むしろ親だって自分のために生きて欲しいと思ってるじゃないですか。友達だって「お前のために生きろよ」って思うわけじゃないですか。それが実は自分のためにもなるし親のためにもなるし友達のためにもなるんですよ。
高山:た、確かに〜!
高山:でも僕みたいに結婚してて、家族のために独立できないって人はどうすればいいですか。
岡村:だったら土日にやったらいいんです。全リソースを独立に割いちゃったら、失敗した時に家族に迷惑がかかります。だったら土日や遊ぶ時間を使えばいい。土日にやって上手くいったら、今度は平日にもやればいいんです。
家族に対してリスクを取らずに新たなことを始める方法は、いくらでもあると思います。
高山:ってことは、始めないことがリスクってことですか?
岡村:結果そうなりますね。世の中に本当の意味での始めるリスクなんてないんです。リスクをよーく考えたら、それってメリットにもなるし縮小することもできるんです。リスクだと思ったことをもっと真剣に考えたほうがいいと思ってます。
高山:知識や経験がないから始められない時はどうすればいいんでしょう。
岡村:僕はこのインターネットの商売を始める時、パソコンも使えなかったんです。それでよく始めようと思いましたねって言われますけど、逆にその時にインターネットのこと知ってる奴がいたのかって話です。
今インターネットで大きい会社って、その時期に参入して、知らないけどなんとかなった人達じゃないですか。そういう人がこれだけ大勢いるんだから、知らないとか経験がないとかってことは、やるかやらないか決める上でそんな重要じゃないはずなんです。
高山:知らないで成功してる人はいくらでもいると。
岡村:確かに「経験がない、だからできない」っていうのは本当の話なんですよ。だって経験がないんですから。ただ、これがいつの話かっていうと、実は江戸時代の話なんですよ。
高山:江戸時代……
高山:……それほんとですか?(笑)
岡村:はい。お前経験がないだろ、だからできないだろというのは、江戸時代では本当だったんですよ。ただ、今って平成じゃないですか。平成は、経験がないからできないって繋がらないんですよ。
だってスキューバダイビング始めたかったら、とりあえず道具売ってるお店の人に聞けばいいじゃないですか。本屋行ったら入門書を売っていて、読み込めば下手に経験ある人よりも詳しくなれますよね。だいたい今時グーグルでなんでも調べられるじゃないですか。
高山:確かに、いくらでも手段はありますね。
グーグルで調べる、本屋に行く、知ってる人に電話する。昔はグーグルも本屋も電話もなかったから、経験がないとできなかったんです。今はグーグルも本屋も電話もあるんで、ここで調べればできるんですよ。
高山:そっか、経験がないからできないってのは古いのかぁ。
岡村:インターネットができて、そこに誰かの体験や知っていることが共有されてるわけじゃないですか。それを誰でも見れて、人の経験や知識を自分のものにできる。だから、始める上で経験がないっていう問題は、実はもう解決されてるんですよね。
高山:なるほど〜、言われてみればそうですよね!
高山:最後に、普段から心がけられる「新しいことを始めるための習慣」があれば教えてください。
岡村:僕は、本屋に入ったらタダでは出るな、必ず一冊は持って帰れってことを意識しています。
高山:え、それって大丈夫なんですか。
岡村:もちろんお金は払います!(笑)お金を払って、必ず一冊は持って帰るんです。
本屋なら、自分が今興味あることや課題を解決してくれる本が絶対1冊はあるはずじゃないですか。だからその1冊は必ず買って帰って自分のものにしたい。本屋に入ったらタダでは出るな。1冊は何が何でも持ち帰ります。
高山:それはすごい心がけですね。
岡村:気になってることの関連本を買うところから始めれば、読むうちにテンションも上がります。ぼくは本屋に行けば何かが始まると思いますね。
高山:はぁ〜。その意識を普段から持ってたら、生き方もかなり変わってきそうですね!
岡村:最初の1冊は、ネットよりも本屋にある気がします。
高山:最近うちの娘がネットショッピングが便利だって使ってるんです。でもダメなところってなんかないの?って聞いたら「本屋さんに行った時の本の匂いがしない、服屋さんの服の匂いがしない」って言うんですよね。
岡村:はぁ〜〜〜、なるほど!
高山:けっこう本質的なこと言ってるなと思いましたね。行かなきゃダメなんだってことは子供にもわかってるんだなって。
迷った時に本屋に行く心がけもすごく納得できました。今回の『勝手にしやがれ』が、新しいことを始めようとしている人の後押しになれば良いですね!
岡村:そうですね! ……でも、高山さん。
高山:なんでしょう。
岡村:人のブログの締めに、娘の名言をしれっと持ってくるのやめてもらえませんか。
高山:バレました?
岡村:すぐに気付きましたよ、名言に敏感なので。
高山:わかりましたわかりました。じゃあ岡村さんが最近よく使う言葉とか、口癖みたいなのを教えてください。最後にビシッと載せますから。
岡村:最近よく使う言葉ですか……。あー、言葉っていうかあれですね。最近タバコの吸いすぎで声が出なくなりましたね。今もけっこう頑張って喋ってます。
高山:頑張って喋ってるレベルですか……まぁわかりました。今回もありがとうございました!
岡村:え、今ので大丈夫? ちゃんと格好良くなります?!
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屋上での安全確認をしてくださったビル管理の青木さん、ありがとうございました!
本日2月28日はアドウェイズ設立の日です。そこで16周年を記念して、抽選で1名さまにおくりバント特製キャップをプレゼント致します!!
「住所・氏名」を記載の上、下記のアドレスまでメールにてご応募ください。抽選の結果は発送をもって代えさせて頂きます。
株式会社おくりバント
info@okuribunt.com
そして第20回を迎えた『勝手にしやがれ』は今後も皆様の悩みや疑問にバシバシ答えて(?)いきます。アドウェイズ岡村の勝手な解釈にどうぞお付き合いください。次回もお楽しみに!